タイトル : LoveKami -Sweet♥Stars-
ブランド : PULLTOP


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★☆☆☆ [2/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
同社から2010年に発売された「恋神 ‐ラブカミ‐」(以下原作)のスピンオフ作品であり、「LoveKamiシリーズ」3部作の1作目。

舞台となるのは原作から1年ちょっと後、突如現れたカミサマに人々が慣れてきた頃の秋葉。
カミサマたちが幸魂を収集する為のアイドル活動に興味を持った主人公が、とある偶然からシュリとカグラに出合い、新ユニット「ラブ☆カミ」を立ち上げプロデュースする事となるのが物語の始まりとなっている。

共通から個別まで物語のテンポは早くサクサクと展開してゆく、それゆえ一つ一つのシーンがかなり軽くなっている印象を受け、一部ではシリアスシーンもあるものの、上記の影響もあってかストレスなく読み進むことができる。
反面、物語にイマイチ入り込めず、作品自体の短さもあって気が付いたら終わっているというのが本質的な問題となっている。

作品としてはアイドル活動を通して美人なカミサマたちとイチャラブしながら成功を目指す話となっていて、主軸にあるラブコメの雰囲気に加えてエロ方面にも力を入れているように感じる場面も多い。そうした意味では原作とは繋がりのない全くの別物として捉えるほうが良いのだろう。
ロープライスという事もあって作品自体の短さには目をつぶるとしても、ならば何故この設定でやる必要があったのか、その意義が感じられるシーンがなく、今作の評価を最も大きく下げている理由でもあった。


共通√【 ★★☆☆☆ 】  0.5h
カミサマたちの芸能活動に興味を持った主人公がシュリとカグラに出合い、新ユニット「ラブ☆カミ」を結成し、コンテストに向けて活動する部分を描く。
そうした内容の関係もあってかシュリやカグラについての描写が多くなっており、ユニット活動に関係のないサラの描写が少なくなっているのも特徴として挙げられる。

各個別と違って全ヒロインが登場する貴重な部分ではあるものの、圧倒的に尺が短くサラもシュリやカグラと絡まないため、もったいなく感じる。
今作のメインともいえるアイドル活動部分もふわっとした描写がどうしても多く、人気を獲得していく過程も大きく省かれているため、設定をを活かしきれていなかったといえる。


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吉祥天 シュリ√【 ★★☆☆☆ 】  0.5h
快活な性格をしている吉祥天の分霊。
自分に確たる自身と信念があるので、融通が利かないことも多く、そうしたところがツンデレの様な反応になってしまう事も。
他は平均的だが歌唱力には抜きんでたものがあり、主人公も路上コンサートをしているところを見て感銘を受けている。
ちなみに実は「L☆SEVEN」のメンバーの一人である毘沙門天はシュリの姉だったりする。

個別シナリオはコンテストの予選後、シュリと主人公で本線突破を狙う事となる。
元来真面目なシュリと練習を重ねる中で恋中へと変化してゆく、ある意味見本のような内容であり、加えて姉である毘沙門天との関係にも話も絡められていた。
しかしながら、基本的には主人公とシュリがくっつくことですべてが好転するタイプの話となっており、話のインパクトとしては全体的に弱い。


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天鈿 カグラ√【 ★★☆☆☆ 】  0.5h
明るく享楽的なアメノウズメの分霊。
感覚的に生きていることが多く、そうしたところがアホの子のように見えてしまう事も多い。
踊り自体は妖艶ながらもとても上手なのだが、快楽主義的な側面もあり「岩戸隠れ」伝説にもあるように踊りを踊っていて興が乗ってしまうとサービスで服を脱ぎだしてしまうという一面も。

個別シナリオでは、一人で活動する事を嫌がったカグラと本線突破を目指すこととなる。
アメノウズメとしての話には触れず、彼女が得意とするダンス、敷いてはアイドル活動に関してはほとんど触れられていないシナリオとなっていたのが印象的。
メインになっていたのはシュリに対して劣等感を感じるカグラをサポートする、という事なのだが、共通では能天気な性格であるカグラという印象だったため、イマイチ話にのめりこめない部分があった。
こうしたチグハグをなくすためにも、せめて共通√にそうした伏線が欲しい所だ。


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弁財天 サラ√【 ★★☆☆☆ 】  0.5h
おっとり優しいお姉さん、弁財天の分霊。
今をときめく人気アイドルユニット「L☆SEVEN」でセンターを務めており、その美麗な歌声で歌い上げられる恋の歌で、多くの人々を魅了していた。
アイドルとしてはオーラもあるのだが、普段はそんな印象を全く抱かせない落ち着いた雰囲気のあるお姉さんだったりもする。

個別シナリオではとある悩みを抱えたサラの為、コンテストにもあまり関わらずに行動する事となり、コンテストが主軸にあったシュリやカグラとは全く違ったテイストに仕上がった内容になっていた。
サラの悩み自体をテーマにしたこと自体は非常に良く、主人公との恋愛を絡めて問題を解決するという、一連の流れ自体は鉄板ともいえる。
ただしシナリオ自体が短く、サラのおっとりとした雰囲気もあって、シリアスシーンの印象も薄めだったのが残念な所。
結果としてふわっとした話になってしまっていた。


[主人公]辰巳 大和
いたって普通の青年であったが、ひょうんなことからアイドルをやっているカミサマたちに興味を持ち、シュリとカグラに出合う事でさらに大きく関わってゆく事となる。
実家は呉服屋「辰巳屋」を営んでおり、アイドルをやっている多くカミサマの衣装を作り上げてきた。
サラもその一人にあたり、主人公とはその関係で知り合いになっている。

【推奨攻略順:シュリ→カグラ→サラ】
特に攻略順に指定はないので好きなキャラからの攻略で良いが、個人的には蒸気順番が物語として綺麗だったので、推しておきたい。


CG
柔らかな線に濃い塗の絵。
所々パースバランスで気になる所もあるが、全体的に質感も良く質としては十二分で、立ち絵にはe-moteが導入されている為、ある程度動くのも特徴として挙げられるだろう。
SD絵も6枚存在している。


音楽
BGM28曲、Vo曲6曲(OP/ED/挿入歌4)という構成…なのだが、実際は原作でもある「恋神」からの楽曲が9割を占めている。
その為BGMでは『アキバ日和』等、Vo曲ならOPとED、そして挿入歌の1曲が評価対象となっている。
元の楽曲が素晴らしいのでそれ自体は十分なのだが、もう少し追加部分が欲しかったというのが正直な感想。


お勧め度
スピンオフであることもあって、原作である「恋神 ‐ラブカミ‐」の舞台やBGMなどが踏襲されているのは確か。
しかしながらシナリオ部分に関しては担当しているものが全く違い、話の繋がりも無いため単体で楽しむことに問題はない。
全体的な雰囲気は全くの別物といえ、原作が好きな人にとってはプレイ非推奨にしたい作品ではあるが、一方でライトな萌えゲーやこうした舞台が好きだった人にはプレイする価値があるのかもしれない。
いずれにしても評価は低めになっている。


総合評価
絵に関しては十分なのだが、BGMに追加部分が少ない事やシナリオの問題を鑑みて、ロープライスとはいえ低めの評価になっている。


【ぶっちゃけコーナー】
原作とは打って変わって、少し落胆。
というか、原作の「恋神」が良すぎたんだよなぁ…それを引きずってこの作品をプレイしてしまったから、余計に厳しい評価になってしまったかも。
ただこれでも、もう一度評価を見直して少し上げた部分はあるんだけどね。

何はともあれシナリオについて、今作はスピンオフという事もあって「急にカミサマたちがやってくる」という独自の世界観を引き継いでいる。
原作ではそこに「カミサマ教育法」という要素を付け加えてドタバタのラブコメ学園物に仕上げていたのだが、今作は代わりに「アイドル活動」を要素として加えた作品となっている。
他にも原作が俯瞰で見ればハートフルなストーリーであったことに対し、今作はロープラという事もあってライトにエロと萌えを楽しめる作品になっていた。

ストーリー評価部分にも書いたのだが、コンセプト自体は良い。
しかし、それが「カミサマ」である必要性を感じる所が全くなかったのが悲しい所なのだ。
ライターも違うから仕方が無いのかもしれないが、それにしても何故長い時を経て「恋神」という原作を引っ張り出してきたのか、そこは最後まで分からなかった。

折角の名作を汚す…とまではいわないものの、そこにある魅力を引き出せていたかという意味では疑問を感じざるを得ず、最終的にふわっとした軽いどこにでもある萌えゲーになってしまっていたのが最も悲しい所だった。

そもそものコンセプトが違うため、深いシナリオを求めてたがゆえに低評価にしているわけではなく、あくまでそこにある魅力を引き出しきれていなかったという点においてこの評価としている。