ランキング用

2017年に発売された数々の作品の中から個人的にお勧めしたい作品をランキング形式でご紹介します。

当方がプレイした2017年発売の作品リストはこちら


第1位 金色ラブリッチェ
SAGA PLANETS (2017-12-22)


「This time is This moment is Our Golden Time.」

幼いころに出会っていた王女様と再会を物語の発端とした、人生の最も輝ける瞬間―ゴールデンタイム―がテーマの学園物。
今まで数々の名作を作りだしてきたサガプラを代表する金字塔であり、音楽や絵もちろんシナリオについても全体的にレベルが高い作品である。
主軸をキャラゲー・萌えゲーとしつつも、とあるシナリオにおいて見せた怒涛の展開は全プレイヤーの予想を遥かに上回り、当時の人々を驚愕させたほど。
当方もライターであるさかき傘さんのさんの魂が込められたようなシーン演出には涙が止まらず、込められたメッセージ性の強さも相まって、作品を一段も二段も押し上げてくれており、この年のトップを飾るにふさわしいとして、この順位とした。
この作品をプレイする皆にとって、その時間こそが輝きを放つ、そんな大切な時間となりますように...。

なお現在では続編となる『金色ラブリッチェ-Golden Time-』も発売されており、合わせてオススメできるので楽しんでいただきたい。


第2位 幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-
インレ (2017-12-22)

歴史物というジャンルにおいて、一部キャラクターの性転換を加えたりと、独自の改変を加えつつ、史実を軸とした燃えゲーを作り続けるインレ。
今作では『新選組』が辿った数奇な運命をリアリティたっぷりにをもって描き出してくれている。
同社作「ChuSingura46+1」において、エロゲーというコンテンツの中で、歴史物がここまで熱く燃える話である事を伝えてくれたが、今作はそれをさらに深めてくれており、見せ場となる戦闘シーンも多く存在している。特に刀と刀で語り合うような熱い描写は読んでいるこちらまで手に汗握るほどで、時間を忘れてプレイできる作品に仕上がっている。。
また書き手の情熱が読み手まで伝わってくるほどの描写の数々や、落涙必須のエピソードがギュッと詰め込まれた物語も魅力で、史実に基づきつつも、独自の解釈を加える事で歴史物という作品ジャンル自体の広がりや可能性の大きさも感じさせてくれていたところも大きな魅力といえる。
歴史物ということで少しだけハードルが高く感じるかもしれないが、むしろ歴史が苦手だった人や「新選組」に興味が無いという人にこそ最もお勧めしたい作品で、当方もプレイ後には関連書籍を思わず読み漁ったほど。
プレイして受ける衝撃も合わせてこの順位とさせていただいた。

なお同社作「ChuSingura46+1」のFDである「ChuSingura46+1 武士の鼓動」は本作とも関連があり、2作品の登場人物が邂逅する面白い話となっているので、こちらもあわせて楽しんでほしい。


第3位 夜巡る、ボクらの迷子教室
SAMOYED SMILE (2017-11-24)

夜間学校を舞台とした異色の学園物。
特色があったのは舞台ではなく、教師である主人公を含め、登場人物たちが環境だけではなく心にもにも問題を持っていた事だろう。
作中では家庭環境や家族問題等の重めのテーマが取り扱われており、全体的に陰鬱な雰囲気のある作品となっていたため、すっきりと読み下すことはできないヘビーな物語となっている。
しかしながら、だからこそ答えの出ない問題に対峙し、前へ進もうとする登場人物達の姿に何度も心動かされ、時には涙を流してしまうシーンもあったほどで、後半におけるカタルシスも筆舌に尽くしがたい。
また今作の評価と切っても切れないのが楽曲だ。
この界隈では少し珍しい男性ボーカルが起用された曲を含め、某バンドグループを彷彿とさせるVocal曲の完成度は高く、とても豪華であった。
印象に残ったという点でもそうだが、シナリオとは別に作品をプレイするきっかけとしても紹介しておきたい。


第4位 桜花裁き
IRODORI (2017-02-24)

北町・南町の奉行所緩和のため新設された中町奉行所に新米奉行として任命された主人公が、幼馴染の理夢や進撰組の面々と共に厄介な事件に立ち向かう推理物。
作品は大まかに3つの部分「ADV」「調査」「奉行」で成り立ち、ADVパートにて物語が進展し、合間に挟まれる調査パートでは背景クリック等による情報収集、奉行パートでは推理を行う事で事件の真相に迫ってゆく。
舞台である江戸時代の物語は読みごたえもあり、シナリオ自体は分岐なしの一本道で描かれていて、システムも相まって没入感もある作品に仕上がっていたところも特徴的。
また魅力的な墨画CGを用いた演出なども印象的で、シナリオと合わせて楽しめる要素となっていた。
個人的に特定のルートにてかなり心を動かされた受けた事もあって、この順位としているのだが、物語の身が純粋に楽しめなかったり、ジャンル的にも好き嫌いが出る作品ではあるので注意は必要。


第5位 景の海のアペイリア
シルキーズプラスDOLCE (2017-07-28)

近未来の東京において、主人公が偶然自我を持ったAI(強いAI)の『アペイリア』を作ってしまうことから始まる物語。
完全没入型VRMMOを舞台とした魔法あり科学ありの仮想世界がデスゲームとなり、加えて主人公はタイムリープにも巻き込まれてしまう。
作中では時間遡行を量子論等を使った独自の解釈で説明していたりと、本格派の科学ADVに相応しいテーマも扱われており、そうした要素と絡めて物語の序盤から数々の伏線が張り巡らされている。
後半の解説シーンが面白いことは勿論、物語として仮想世界と現実世界で繰り広げられるAIと人間と時間の戦いもまた、最後の最後まで予想出来ない展開が待ち受けている。
加えて独特だった存在といえば、主人公の「零一」。
ギャグ要素も担う彼はエロネタでふざけている事も多いが、要所ではCVも入り熱いシーンを演出してくれていて、なんと言っても彼の持ち味である頭脳戦では、何度も熱い展開を見せてくれていた。
こうした部分は他の作品にない魅力と言え、全体的なレベルの高さも鑑みてこの順位とした。
続編には同社の『景の海のアペイリア ~カサブランカの騎士~』もあり、今作と合わせて楽しんでほしい。


第6位 月影のシミュラクル -解放の羽-
あっぷりけ (2017-01-27)

田舎の儀式に参加するため久しぶりに故郷に戻ってきた主人公が、殺人現場を目撃するところから物語が始まる。
『生き人形』テーマとした和テイストな伝奇的要素もあるサスペンス物。
ロープラ系でボリュームはどうしても乏しく、シナリオも一本道ではあるが、多数のBADENDが用意されており、シナリオ内でも『心』を大切に扱い丁寧に描写がぎゅっと濃縮されていて、時間を忘れてプレイできる作品となっている。
作品自体が面白かったことは勿論、今作は『月影のシミュラクル』という本作の18禁要素を抜いた大ボリュームの体験版を「ライトヴィジュアルノベル」という形式で無料公開している。
購入のハードルをさげれることは勿論だが、文のリズムや物語の雰囲気などは購入作品を選ぶ際の多いなる手助けとなるため、今先が気になった方はぜひこちらをプレイしてみてほしい。


第7位 アオイトリ
Purple software (2017-11-24)

山の中の女学園、その中のたった一人の男子生徒である白鳥律を主人公とした作品。
登場人物に吸血鬼や悪魔が出てきていたりと、宗教要素やフィクションを多分に含んだ作品となっており、シナリオライターの「御影さん」によって紡がれる物語には「アマツツミ」とも繋がりがあったりと、世界観の作りこみも十分。
シナリオ展開自体も魅力で、プレイすればだれもが、TRUEに向けて明かされていく伏線の数々に驚き、感動するはず。
パープルと言えばシナリオ以上にHシーンにも気合が入っている会社でもあり、今作も十二分にフェチズムを刺激する内容となっていた事も評価しておきたい。


第8位 お家に帰るまでがましまろです
ま~まれぇど (2017-07-28)

行き倒れていた主人公がなし崩し的に、可愛いヒロイン達に囲まれてケーキやで働くお話。
数々の萌えゲーを生み出してきたブランドだが、今作のキャラゲー・萌えゲーとしての力も他を寄せ付けない程で、個別√では存分に各ヒロインの魅力を堪能する事が出来きる。
「かわいいは強い」を体現した作品といえる。
キャラの可愛さだけではなくシナリオにも魅力がある作品で、特に共通ルートでは思わず涙を浮かべてしまうような展開もありました。
また、ま~まれぇどの代表作「PRIMAL×HEARTS」と世界観を同じくしている事も追記しておきたい。


第9位 人気声優のつくりかた
MintCUBE (2017-01-27)

声優業界にファクターを当てた作品であり、当時は「声優」に関する作品がまだまだ少なかったため、その設定に新鮮さを感じた。
特に今作はヒロインを全員声優としていて、その他のキャラクターを交えることなく作られており、その中でもヒロインの設定を少しずつ変えることでバリエーションを増やすと共に、多角的に職業についての描写が行われている。
シナリオ自体はシンプルで安定した展開が多いため、どうしても各シーンであと一歩が足りなくなることも多いのだが、「声優」という職業やそれに対して情熱をもってぶつかっていく人たちの魅力を描き出してくれていた、という事も加味してこの順位にしている。


第10位 ゴールデンアワー
NIKO (2017-07-28)

MOREの後継ブランドとして生まれたシナリオを重視した『NIKO』が送る恋愛学園物。
階段分岐シナリオ構造を用い、音楽を活かして泣かせるためのシナリオを演出してくれていたのだが、各個別シナリオが弱かったりと全体的な完成度の低さも見え隠れする。
本来はこのランキングにおいて、シナリオを重視して評価すべきなのかもしれないが、今作の見どころは何と言っても使用された音楽。
BGMではタイトルにも使用されていた「Insomnia」を始め、Vo曲では鮮烈なイントロが印象的な「Change The World」、一部EDで使用された「ラストタイム」や軽快なリズムとは裏腹に心に染みるような「車窓の歌」など、どれも至極の一品。
ブランド自体が執筆時(2022年某日)で活動停止してしまっているのは残念なのだが、良曲ゲーとしてこの順位で紹介させていただいた。


番外編


2017年の作品ですがシリーズ物等の初見プレイには向かない物や、リメイク作品という事で上記対象外となった名作もご紹介!
それぞれに根強いファンがいる作品なので、ぜひ興味を持った方には関連作品と合わせてプレイしてほしいです。


9-nine- ここのつここのかここのいろ
ぱれっと (2017-04-28)

全てはここから始まった、『9』シリーズ4部作の1作目。
導入の物語として「九条 都」をヒロインとした作品となっている。
未プレイの人にとってはもちろん世界観に引き込まれてしまうような設定の数々が存在するものの、シリーズ作品故に短編だと謎も多く残ったままになってしまうので、出来れば続けてプレイをしておきたい。
現在では「9」としてセット販売もされており、名作となったシリーズの最初の作品ということで番外編に載せている。


月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!
Navel (2017-05-26)

月に寄りそう乙女の作法2.2 A×L+SA
Navel (2017-12-22)

『つり乙』シリーズの『月に寄りそう乙女の作法2』(以下本編と記載)のFD作品2作も番外編に掲載。
二つ合わせて本編に登場するヒロインのアフター√が全て描かれている形となっている他、本編のBADENDからの派生√として描かれる亜十礼√や、シリーズの原点となる大蔵衣遠視点で描かれた彼の学生時代のお話『月に寄りそう乙女の作法0』も含まれている。
本編における雰囲気をしっかりと踏襲しつつ、このFDシナリオだからこそ描ける物語を再び展開させてくれていた。
Navelにおいて根強い人気を誇るシリーズ作品であるため、本編プレイ済みの人はぜひプレイしてほしいし、未プレイの人は1作目から順にプレイしていってほしい。


蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1
sprite (2017-06-30)

蒼の彼方のフォーリズム』の待望のFDとなる1作目で、本編に登場した後輩「有坂 真白」をメインに添えた作品となっている。
架空の競技「フライングサーカス」を主体とした青春部活物の本編とは別に、真白とのイチャラブをメインに添えた萌え主体のゲームとなっている。
また本編では描き切れなかった真白のひた向きな姿勢などにも焦点が当てられており、そうした部分も今作の見どころの一つ。
ブランド解散の危機もあったが、無事活動を再開しFDとして2作目となる『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2』も発売されておりこちらも非常にお勧めである。


FLOWERS -Le volume sur hiver-
Innocent Grey (2017-09-15)

『FLOWERS』シリーズ4部作の冬編。
シリーズの完結作となる今回の主人公は1作目と同じく蘇芳、マユリへ繋がる道を模索する姿が描かれた冬のアングレカム学院を舞台とした作品となっている。
今までの3作を通して作り上げられた世界観の中、残されたミステリーを解き明かす――FLOWERSという舞台における、めぐる季節を感じさせる素晴らしい演出等、シリーズの最後を飾るにふさわしいエンディングとなっている。
もちろん単体プレイには向かないため、興味を持った方は、まず1作目からのプレイを推奨したい。
全てをクリアするのは容易ではないが、費やした時間は絶対に無駄にならない、イノグレだからこそ出せる百合の世界を余すところなく味わってほしい。


ノラと皇女と野良猫ハート2
HARUKAZE (2017-10-27)

HARUKAZEの代表作となった『ノラと皇女と野良猫ハート』の続編作品。
既存ヒロインのアフター√を描く形ではなく、本編に登場したサブキャラクター3人をヒロインに昇格させ、さらに新規キャラとなるアイリスを加えての4√構成となっている。
会話を中心としたテンポの速い展開は相変わらず人を選ぶものの、だからこそ表現できる「ノラとと」ワールドは依然として全開。
ノリで楽しむことができるため、前作のプレイが必須ではないものの、合わせてプレイすることでより楽しめる作品だったという事で番外編入りしている。
前作よりパワーアップして帰って来たギャグシーンと泣きシーンにも注目してみてほしい。