タイトル : 嫁探しが捗りすぎてヤバい。
ブランド : Hulotte


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 10h弱)

キャラクター・シナリオ

ずっとそばにいてほしい人、探しませんか。

神の末裔である主人公「葦原 大輝」がある日夢に見た「将来結婚の約束をした嫁」、そんな存在を探すため彼は大きな町の学園に編入することになり、正体がバレない様に嫁探しを続ける――という作品。
シナリオ自体は、ヒロイン5人にサブヒロイン2人、さらにハーレム√を加えた合計8本のシナリオから成る。
一つ一つの話は短めではあるものの攻略ヒロイン数の多さから、全体的なボリュームは十分といえるだろう。
また展開自体も比較的テンポが良く、サクサクと物語を進める事ができるのが魅力の一つ。
加えて萌えゲーとして流石はHULOTTEと言うべきだろうか、短めのシナリオかつ多種多様なヒロインが登場する中でもしっかりと、それぞれの魅力が引き出されているように感じた。
この部分だけで十二分にファンにとっては楽しめる作品だったといえるだろう。

くわえて今作において、やはり注目すべきは主人公の設定としてある「神の末裔」について。
これがあるからこそ、今作のモチーフには日本神話があり、実際に多くの個別シナリオの後半においてはそうした設定が深く絡んでくることとなっていた。
そのため今作はファンタジー・伝奇的要素のある作品となっていたのだが、作品自体の主軸はそこにはなく、あくまでハーレム風味な萌えゲー作品だったといえる。

登場するヒロインの差別化がなされている事はもちろんだが、それぞれの魅力を活かしたシーンの数々、そしてそんな彼女達と送るラブラブな日々がたっぷりと描かれていた。
加えてキャラクターの数自体が多いのも魅力の一つとして挙げられ、多様化が進むプレイヤーの好みに対して、誰かが刺さるような作りとなっていたように思う。

一方、一つ一つの話にはそこまでの書き込みが無く、特に上記に書いたような神様関連の設定を絡めた展開においては、起伏こそあるものの物語自体の短さからかどうしても薄さを感じてしまう結果となってしまっていた。
そのためシナリオ重視の人にとっては味気なく感じてしまい、反対に純粋にキャラクターの可愛さを楽しみたい人にとっては不純物となってしまっている様に思える。
作品としては他との差別化にもなっている部分だけに、一概にマイナスだったとはいいがたいものの、展開が読めてしまうのは勿体なく、もう一押しが欲しかったのも確か。

特殊な要素もあるものの、萌えゲーとしては平均的な作品といえ、全体的に安定感のあるシナリオになっているというのがシナリオの総括ともいえる。


共通√【 ★★★☆☆ 】  2h
嫁探しをしに来た主人公が学園で八神三姉妹を含めたヒロイン達とで出会い、そして日常に溶け込むまでが描かれている。
基本的にはハーレムよりの作品であり、他の多くの作品にあるように初見となるそれぞれのキャラクターの可愛い所が見られるような作りとなっている。


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八神 甘夏√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公のクラスメイトで、嫁候補である八神三姉妹の次女。
美人で成績もよく、親切で誰にでも優しく接する才色兼備な女の子。
実は以前に主人公の故郷に来た事が有るため幼馴染でもあるのだが、お互いにそのころの記憶があやふやになっている。
恋愛に関しては初心な所もあり、ストレートな主人公の行動にドキドキすることも多い。

立ち位置的にはセンターヒロインであり、シナリオ構造的にも最初にクリアすることになるヒロインである甘夏。
だからこそ彼女のシナリオは、当初から主人公の目的であった『嫁探し』部分をメインテーマとして、特殊な設定部分も絡めた導入としての役割も強い内容となっている。
恋愛描写に関してもストレートに描かれている印象が強く、クラスメイトとして、家族として距離が近くなってゆく二人の様子は初々しく、誰しもが想像するような「これぞヒロイン」というイメージをそのままに描いてくれている。


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八神 瀬里香√【 ★★★★☆ 】  1h
主人公の嫁候補である八神三姉妹の三女。
控え目な性格で引っ込み思案な女の子で、そんな彼女に対して誠実に話しかけてくる主人公を最初は警戒していたものの、徐々に兄のように慕うようになる。
動植物の世話が大好きで、放課後になると学園で飼われている動物たちの面倒をみている。

妹としての庇護欲を感じさせる彼女だが、主人公と付き合ってからは積極的な面を見せてくれるようになるなどの変化も良く描けている。
さらに後半では主人公の過去も関わる展開となっており、瀬里香だけでなく八神三姉妹の全員をも巻き込んだそのシナリオでは、「選ぶ事」の裏にある「選ばなかった事」がしっかりと描かれており、無数の「哀しみ」があるからこそ今の幸せの尊さを感じられる内容となっている。


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八神 美穂乃√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の嫁候補である八神三姉妹の長女。
頭が良くて運動もできる、それでいて家庭的で料理が得意という何でもできるお姉ちゃん。それゆえに学園でも頼られることが多く、学園生徒のファンも多く存在している。
突然家にやって来た主人公に対しては理想のタイプのように感じており、からかい半分に自分なりの方法でアピールすることも多い。

何事にも積極的な彼女だからこそトントン拍子に関係が進み、その恋愛描写は蜜月といっても良いほど前半から中盤にかけてギュッと詰め込まれている。
後半部分の一部においては不安に揺れる心などが描かれているものの、基本的には姉としての包容力の強さを見せてくれるシーンが多くなっており、何よりも美穂乃自身の明るくこれからも二人で添い遂げてゆく愛の強さを感じられる内容となっていた。


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高宮 菜々華√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
美穂乃と同じクラスに所属する謎多き先輩。
クールでミステリアスを自称しており、実際に男性と話をしなかったりと、多くの生徒からはそう思われているものの、付き合ってみるとポンコツで耳年増な女の子だったりもする。
主人公を揶揄って遊ぶことが多いが、迫られると弱いという弱点も。

どの√でも謎が多く、つかみどころのない菜々華。
そんな彼女との恋愛描写はとにかく菜々華の可愛さが爆発する。
所々クセのあるキャラクターとCV沢澤 砂羽さんの相性も良く、可愛いポイントが次々と見つけられる内容となっている。
彼女自身の他にも、主人公の妹である希里乃の存在感が良く描かれたシナリオにもなっている。ただし、もう少し展開を大きくできそうなキャラクターだっただけに、物語に山が無く比較的ストレートに終わってしまったのは惜しい所でもある。


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葦原 希里乃√【 ★★★☆☆ 】  2h
同じ神々の血を引く主人公の妹。
しっかり者で、主人公よりも適正があるため様々な「神通力」を使いこなしており、時折主人公の頭の中を覗いてはツッコミを入れたりしている。
今回の嫁探しの発端にもなっているものの、実は兄を好いているため内心は複雑な気分であり、時折連絡をしてはヤキモチを焼くことも

他のヒロインをクリアすることで攻略可能になる希里乃√は、他の√の展開とは大きく違い、嫁探しに行った主人公に我慢できずに着いて行ってしまうというシナリオ展開に。
今までもヤキモチを焼いている姿などが可愛く、隠してはいるもののストレートに好意が伝わってくるキャラクターであり、実妹であるというポイントを加味すると、破壊力は高いと言わざるを得ない。
また今作の『嫁探し』というメイン設定に深く踏み込んだそのシナリオの内容も、八神三姉妹や菜々華等が関わっており、その真相を鑑みるとGrand√といっても良いような内容となっていた。


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玉野 唯√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
主人公と同じクラスの明るく元気な女の子。
放課後や昼休みは学園に併設されている喫茶店「カレワラ」で従業として働いており、メイド服を着用してお客様に奉仕している。

個別√ではカレワラの従業員が不足する事態となってしまい、そのヘルプとして主人公が手伝うという物語の導入になっている。
サブヒロインという事もあって話自体は短いものの、彼女の憧れる美穂乃とのエピソードなども盛り込まれ、いつも明るい唯の笑顔が「周囲を笑顔にする」というアピールポイントをしっかりと抑えられた話となっていた。


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新堂 明佳√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
小さくてかわいい主人公のクラスの担任。
背が低く幼い容姿をしているもののれっきとした数学教師で、多少頼りない所があっても、生徒に対する姿勢は真面目で、熱意をもって教職を全うしている。

サブヒロインである明佳の個別√では、成績が低迷中の主人公が、個別で指導をしてもらう代わりに彼女の苦手なマラソンの指導をするというお話に。
短い話ではあるものの、その中では終始、自身の苦手を克服する様子と共に、先生として懸命に頑張る明佳が描かれており、小さな見た目からは想像できない程の包容力を擁する彼女の魅力が伝わってくるものとなっている。


ハーレム√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
全編をプレイ後に出現し、内容としては多くの作品にあるようなIF√となっている。
シナリオというシナリオが殆どないのだが、一応今作の設定のモチーフとなった部分が明かされており、そういった意味では作品の補完的な内容ともいえる。


[主人公] 葦原 大輝
性格はとてもポジティブかつ真面目で誠実。
人里離れた村で育ったためか、とても純粋で思ったことがすぐ口に出る事が多く、結果として女性に対しての誉め言葉が多くなっており、天然ジゴロと化している。
「神通力」として人間離れした身体能力を発揮することができるが、正体を隠すためにめったに力を使う事はない。


【推奨攻略順:甘夏→美穂乃→瀬里香→菜々華→希里乃→唯→明佳→ハーレム】
初回は甘夏、その次に美穂乃か瀬里香、その後に菜々華…と、全てではないものの最期のハーレム√まで各ルートをクリアするごとに次の√が解放される形になっている。
どの√もさほど作品評価に関わるネタバレもないので、上記の順番を通常通り守っていれば好きな順番で良いだろう。


CG
線は細く淡い塗りで柔らかく、可愛い印象を受ける絵。
ヒロイン数が多いものの、それぞれの絵がしっかりと用意されており、ボリュームは十二分。
絵の質自体も安定しており、時代を感じさせないほどの完成度といってよいだろう。


音楽
BGM25曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
各ヒロインテーマなどを含めて、全体的に優しく穏やかな曲が多いのだが中でも日常シーンに使われた「初夏の夏」は一つ一つの音が小気味良く、体の中で跳ねるように響く渡ってゆく感覚があり、個人的に好みの物。
Vo曲は安定のDucaさんで、OP「約束」は今作に相応しい明るい楽曲となっており、聞いているだけで明るい気持ちになる、ハッピーエンドに流れるinstVerと含めて評価しておきたい。


お勧め度
「妹のおかげでモテすぎてヤバい。」や「神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。」と合わせて「ヤバいシリーズ」などとも呼ばれる今作。
シナリオ自体は伝奇的要素も少し入っているものの、メインコンテンツとなっているのは萌え主体の学園恋愛もの。
シナリオ自体に過度な期待をしなければ、キャラクターの可愛さなどは安定しておりHulotteのファンならば楽しめる作品といえるだろう。


総合評価
設定に独自性があって全体的にも安定的な作品ではあるものの、もう一押しの面白さが足りないところもあり、結果として平均的という評価になっている。


【ぶっちゃけコーナー】
かなり個人的な意見なのだけれど、Hulotteの作品って少しずつ私好みになっていっている。
つまりはシナリオに注力されて行っているという事なのだけれど、この作品はそういう意味では中期に作成されていて、独自の設定があったりと(そもそもHulotteはただの萌えゲーじゃなく、そういった類の作品をよく作るけれど)面白みのある作品となっている。
一方で展開が読めてしまったりと、中身の薄さ自体が気になってくるというのもあって、難しい所。
ただ素直に全員可愛いと思えるヒロイン達だったし、そういうキャラとの恋愛描写がしっかり描かれているのは、さすがだろう。
恋愛描写では「振られるシーン」がしっかりと描かれているのも今作の好みな所でもちろん個人的に好きという所も大きく、取り上げられたシーンとしては短いし、特段破壊力もないのだけれど、そうしたシーンが存在するだけで深みが増しているような気がする。
そのあたりは瀬里香√がかなり顕著だった気がする。
だからこそヒロインはともかくとして、彼女の√自体はかなり好きな方だった。