タイトル : 竜姫ぐーたらいふ
ブランド : Whirlpool


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
ある日、主人公がドラゴンの子供を拾ってしまった事から物語が始まる。

舞台こそ一般的な日本だが、そこに突如地球に竜種が襲来したり、その竜種が人類を家畜化宣言をしたり、さらには拾ったドラゴンの子供が実は竜種の王の娘だったりと、ファンタジー世界もかくやといった設定が詰め込まれている。

今作では選択肢が出現するもののシナリオ分岐はせず、一本道のシナリオで構成されたダブルヒロイン物となっている。
萌えゲーとして作られた今作のシナリオを語るなら、それぞれのヒロインについても触れておかなければならないだろう。

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一人は主人公が拾った竜の王の娘「ハル」。
最初に出会った主人公にとにかく懐いていて、女の子の姿になってからは主人公と同様に日々を”ぐーたら”して過ごしている。
ストーリーにおいて中心となるキーパーソンならぬキードラゴンであるが、そうとは思えない程に無邪気に振る舞い、主人公に甘えるその姿にはなによりも今作の主軸となりえる可愛さが詰まっている。

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もう一人のヒロインは主人公の幼馴染の「一ノ瀬 鈴夏」。
『和菓子いちのせ』の一人娘で、ニートの主人公とは違って大学に通って勉強している。
知能レベルは残念なものの常識のない主人公やハルの行動に突っ込みを入れるなどして、ギャグシーンにおいては欠かせない存在にもなっている。
一方で主人公に惚れていることもあって、少し褒めると態度を軟化させてしまったりする典型的なダメ男に引っかかるタイプで、チョロ可愛い女の子でもある。

萌えゲーという事もあって、この二人のヒロインの可愛い所を引き出すために物語が作られているのはもちろんだが、そうした中であってもストーリー自体はサクサク読めてしまう程に面白い。
作中では二人のヒロインと関係を持ってしまっているのだが、そうした普通の作品ならシリアスになりそうなシーンにおいても、この作品特有の軽いテンポで繰り出されるギャグシーンなどで躱しており、日常シーンにおいても展開が驚くほど軽快に進む。
こうした点や作品自体が短い事も手伝って、内容に飽きることなく終盤まで楽しんでプレイできる。

作品としては一応完結を見せているもののハッキリとした区切りはなく、設定にはまだまだ広がりの余地をみせており、続編を作れるような作品作りになっていたのもポイントの一つとして挙げられるだろう。


[主人公] 宮本 武
1作目以降はハルと二人でのぐーたらいふを満喫している。
前作までで複数のヒロインと関係をもってしまっており、今作でも…という経緯があるためか、基本的に深く考えるタイプではないものの、そうしたことに対して思う所はあるよう。


【推奨攻略順:-】
選択肢があり途中だけシナリオ分岐するものの、本筋の話は1本道。

CG
柔らかい線質に、濃い塗りの絵。
キャラクターの可愛さを前面に押した絵の質は総じて高く、魅入られるほどにレベルが高いものも存在している他、枚数に関してもロープラ作品として十分量。
SD絵も多数用意されており、イベントCG等とは違った、丸みのある柔らかい雰囲気の絵となっている。


音楽
BGM21曲、Vo曲1曲という構成。

ロープライスとしては十二分な量がそろえられているBGM。
特筆すべきものはあまりないのだが、それでもシーン演出に必要なものが満遍なくそろえられている印象があり、また曲のタイトルがネットスラングを含んだネタになっていたりと面白みがあるところも良い。
テーマ曲は明るく勢いのあるイントロが印象的な楽曲「Try&Fly」が使用されており、EDが無いのは寂しいがロープラ作品と考えると十分といえる。

お勧め度
美麗な絵、値段帯を考えると豪華な音楽、サクサクと楽しんで読めるシナリオ。
この3点のバランスが非常に良く、単体として十分楽しめるポテンシャルを秘めた作品。
萌えゲーとして以外に強いアピールポイントが少ないのは多少残念だが、設定の特異性からなる独自の世界観などは確かにあるこの作品の魅力の一つ。
全体的な質の高さから広くお勧めしやすい作品といえ、比較的高い評価をしている。


総合評価
萌えゲーという点やロープラ作品であることを鑑みるとどうしても高い評価にはしにくいものの、評価以上に内容は良かった事を伝えておきたい。


【ぶっちゃけコーナー】
やはり同じ渦巻作品でロープライスの子の作り方という考えで思いつくのが『猫忍えくすはーと』シリーズだろう。
現に続編として『竜姫ぐーたらいふ LOVE+PLUS 』の制作が決定(2020年12月現在)されており、かのシリーズと同じような作品展開がなされるのではないかと考えられる。
作品自体も大枠としてかなり似たコンセプトで作られているため、かのシリーズが肌にあった人にはこの作品も気に入るのだろう。

渦巻作品の魅力は何と言っても安定した萌えゲーを供給できること。
キャラクターの魅力を見せる事とストーリーを展開させる事を巧く両立できるゲームは存外少ないのだが、この会社の作品はそうした部分が巧み。
ストーリー自体の比重を重くしていないのでロープライスコンテンツと相性の良いというのも、もちろん利点の一つとして挙げられるのだが、なによりもキャラクターが可愛いからストーリーにも興味を持てるし、ストーリーが良いからキャラクターにも愛着がわく、こうした相乗効果が生み出せるからこそ多くの人に愛されるのだろう。