タイトル : 恋愛×ロワイアル
ブランド : ASa Project


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 11h)

キャラクター・シナリオ
転校初日に告白をしてきた昔の幼馴染「花丸 まり」、彼女の登場をきっかけとして主人公の周りのヒロイン達の恋愛争奪戦が始まる―。

アサプロ作品らしくギャグゲーを主体にしつつ、もう一つのテーマとして主人公の争奪戦―恋愛バトルを掲げた作品となっている。
そのため基本的にヒロイン達は最初から主人公に惚れているハーレムゲーとしての要素も強くなっているのが今作だ。

登場するヒロイン達はギャグゲーらしく魅力的というよりは、インパクトの強いキャラクターがそろっており、またサブヒロイン、サブキャラクターも非常に豊富。
なかには特定ヒロイン√において同時に攻略することになるサブヒロインがいたりと、歴代アサプロ作品の中でも、そうした恋愛模様の部分に関しては特異的というべきだろう。
そうしたキャラクター達が盛り上げる共通ルートとは正しくカオスと言うべき状態になっており、設定自体もかなり入り乱れた内容になっていることも手伝って、勢い重視の作品である事が伺える。

そんな今作で特筆すべき特徴といえるのが個別√での雰囲気だろう。
ギャグゲー作品の最大の魅力ともいえる笑いのシーン、たくさんのキャラクターが登場する共通ルートで賑やかなのはもちろんなのだが、今作の個別√では主人公と結ばれた後も、虎視眈々と主人公をネタってアプローチし、時にはバトルするヒロイン達の掛け合いが多く描かれている。
こうした描写によって、徹頭徹尾わちゃわちゃした印象を受けて明るい作風として伝わる部分がある一方、各ルートにおける話の展開が似てしまい、それぞれの差分がかなり少なくなっているという現状がある。

実はハーレム作品である今作だが、主人公の過去を含めて設定的には意外と詰め込まれている要素も多い。
しかしながらギャグゲーとしての矜持なのか、そうした部分に向き合う事はあまりなく、向き合ったとしても最終的にはギャグで流してしまっている。
そのため内部の人物相関は予想以上に複雑なのだが、そうした部分をあまり深く考えずプレイできてしまう作品設計となってしまっているため、気軽にプレイして楽しむという部分においてはプラスに働いていた一方で、物語自体が全体的に薄く感じる原因の一端にもなっていた。

上述の観点から、作品自体はサクサクとプレイできるものの、最初の1-2√を攻略し終えてからある程度の展開が読めてしまうために新鮮味がなく、結果として尻すぼみの印象に残らない作品となってしまっていたように思う。


共通√【 ★★★☆☆ 】  3.5h
ボリュームはたっぷり用意されており、各ヒロイン達の紹介はもちろん、最終的には主人公の過去や各ヒロインの”恋愛バトル参戦”等が語られるシナリオとなっている。
ASa Projectの最大の利点であるギャグ部分を前面に押したシナリオとなっており、日常シーンがメインで構成されているこの部分は特に勢いがある内容となっていた。
また特定のヒロインに対する描写の量を少なくし、逆に多数のヒロインや豊富なサブキャラクターを交えた賑やかなシーンを演出することで、今作のテーマでもある『恋愛バトル』要素を前面に押し出していたことも特徴の一つといえるだろう。


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花丸 まり√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
転入初日に告白してきた主人公の昔の幼馴染。
勢いだけで行動することが多く、よく言えば天真爛漫、悪く言えばバカな女の子。
なぜか主人公の家に居候し始めたりと行動力はズバ抜けており、また主人公に対しての愛情も一途で、変化球を投げずにストレートに好意を示し続けている。

数多ある選択肢を拒否して最後に流れ着く、センターヒロインの個別シナリオ。
シナリオの内容に関しては共通同様に暴走するまりに対して、つっこみをいれつつも”幼馴染”かつ”恋人”として中を深めてゆく様子が描かれている。
主軸にあるシナリオ自体は基本的にスタンダードな物語となっているものの、初Hシーンをギャグにしたりと、攻略ヒロイン自体が破天荒なだけになかなかに奇想天外なシーンも多く、比重としてはギャグシーンがかなり重めとなっていた。


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梁染 汐音√(+蒼BAD)【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の学園の3年生で生徒会長。
名家の生まれで理事長の娘、加えて容姿端麗文武両道というスペックの高さからよく告白されているが、その実傲慢で我儘加えてナルシストな性格をしている。
恋愛に関しては惚れられることばかりで、主人公に惚れてしまった今回は完全に空回りしてはポンコツな所を見せる。
副会長でメイドでもある蒼とは二人暮らししており、姉妹のように仲が良い。

個別√ではなかなか勇気を出せなかった汐音が蒼の助けを受けて見事に主人公と付き合う事に。
基本スペックの高さからくる凛とした一面がある一方、主人公の前では見事にポンコツな所ばかりを見せてしまう汐音。
ともすればウザさもある彼女だが、そうしたギャップの可愛さが最大の魅力の持ち味で、メイドである蒼との掛け合いもこの√をさらに面白くしていた。
シナリオ自体は堅実であったが、そうした日常シーンの面白さやキャラクター自体の分かりやすい可愛さなどがしっかり伝わり、蒼との関係などにもしっかりと触れられている良いシナリオであった。
なお個別√内では蒼と関係を持つシーンもしっかりあり、そこに付随する形でギャグのようなBAD√も分岐で存在している。


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小町 乃々香√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の事が大好きなブラコン妹。
妹という立場を最大限に生かして兄である主人公に迫っているもののスルーされることが多い。
兄を害する全ての存在を疎んでおり、淡々と周囲に毒を吐き続けている。時折アブナイ発言をするものの、実際に行動するまでに至っていないので、ファッションメンヘラの範疇に収まっている。

恋愛をすることに疲れ、傷ついてしまった主人公が選んだ果ての選択として、妹である乃々香と付き合う事を選択することから物語は始まるのだが…その内容を一言で表すなら、正にカオス。
既に色々おかしかった主人公の思考が完全におかしくなった内容となっており、ある意味でBADENDのような内容ともいえるが、そこをギャグの力で一つの√として成立させている。
また、√内では乃々香の親友である愛も良く登場しており、Hシーンなどもある事を追記しておく。


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天ヶ峰 蓮菜√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の後輩でアイドルユニット『グロリア*スノウ』に所属している現役アイドル。
演技力があり主人公に対してはあざとくアピールするものの、基本的に初心な所もあって強く出られないシーンも多い。
同じユニットに所属している由奈は尊敬しつつもライバル関係にある。

そんな彼女を選択することになった個別シナリオでは、彼女のアイドルとしての活動を傍で見守りつつ、ライバルである由奈との関係にスポットが当てられた内容に。
他のヒロインと比べてギャグ成分は少ないものの、ストレートに女の子としての可愛さがあるキャラクターなので、そういった可愛さを堪能できるシナリオでもありました。
また前述の内容のため、由奈の存在感はとても強く彼女に対しての評価が上がる内容になっていたことも追記しておきたい。


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輝 由奈√【 ★★★☆☆ 】  1h
蓮菜と同じアイドルユニット『グロリア*スノウ』に所属する圧倒的人気のトップアイドル。
若干天然気味ではあるものの、ストレートに思ったことを口にする素直な性格…の様で、意外とややこしい考えをしている女の子。
アイドル活動のため休学していたため、主人公よりも年上であるためお姉さんぶることも多い。

サブヒロインとして個別√が用意されている由奈。
シナリオの内容自体は短い事もあってか、過去にあった出来事と合わせて順当な展開が続いており、もちろん蓮菜と合わせて描かれているシーンも多かった。
素直なようでいてあまり本心を見せないタイプなので、そうした彼女の心情がしっかりと分かるようになり、どんどんと可愛くなってゆくのは見どころの一つだろう。


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鬼灯 育代√+α×2√【 ★★★☆☆ 】  1h弱
主人公のクラスメイトで風紀院に所属する女の子+BAD(?)END2種。

育代に関してははサブヒロインというより、BADENDと絡めてその他の√で纏めてしまえるほど短い。
しかしながら育代自体がこの作品ではかなり珍しい”まとも”なキャラであり、新鮮味もあった。
異常者が多いこの作品において、普通が一番かわいいのではないか、という最大の問題定義を起こさせる存在でした。
そのほかの2√は主人公の友人である千弥と良徳を絡めたBADENDであり、基本的にギャグテイストなので日常シーンの一つとして楽しむのが良いのだろう


[主人公] 小町 浩孝
よく言えばボジティブ、悪く言えばサイコパスな少年。
顔立ちが良く、意識しない振る舞いによって女性を落とす事が多いため、天然ジゴロとしての才覚がある。
一見すると常識人の様な振る舞いをすることが多く、作中ではツッコミに回ることが多いものの、そもそも天然ジゴロとしての振る舞いがあったりと、ある意味でサイコパスのようなボケの要素を多く持つキャラクターでもあり、そうしたところを逆に突っ込まれることも多い。


【推奨攻略順:蓮菜→由奈→乃々香→育代→その他→汐音→まり】
上記攻略順に関しては、選択しやすい順番で選んだだけで、内容的には好きな順番で良いだろう。


CG
はっきりとした線に濃い塗りの絵。
癖のない画風ではあるものの、全体的に丁寧にかつ可愛く描かれていた。
枚数に関しても一般的分量といえるだろう。
SD絵も多数存在しており、こちらは柔らかくふんわりとした質感の絵となっている。。


音楽
BGM28曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。

BGMに関しては、各シーンに合わせたものはもちろん各キャラのテーマBGMなども取りそろえられており、特に汐音のテーマなどは彼女の優雅な部分と拙い恋愛経験が上手く表現されていた。
他にも「snow dance」や「my decision」等、流れるだけで雰囲気を一気に変えてくれる優秀な楽曲もそろっており、高く評価している。
Vo曲は佐咲紗花さんの歌うOP「恋愛×勝負」がとてもアサプロらしく良い、特にイントロ前の短い転調がアクセントになっているのも特徴的で個人的好み。


お勧め度
ギャグゲーを得意とするASa Projectだけあり、共通ルートから各個別まで下ネタやメタネタを中心としたギャグシーンによる笑いの絶えない作品に仕上がっている。
また今作は要素の一つとして、恋愛の争奪戦というものがあり、共通はもちろん各ヒロイン√に入ってからも、虎視眈々と主人公を狙いアプローチしてくるヒロイン達が楽しめ、ヒロイン同士の掛け合いが充実した終始賑やかな作品に仕上がっていた。
一方でシチュエーション以外の見どころというものが余りなく、全体的にピントのぼけた作品となっているのも確かで、平均程度のお勧め度に収まってしまっている。


総合評価
ギャグを主軸とした作品としては平均的と評するのが適当であり、この評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
貴重なギャグゲー作品として、できれば高めの評価をしてあげたいのだけれど、個人的に刺さらなかったので渋めの評価にはなっているね。
メタネタやヒロインの変顔など、今までのアサプロ作品らしいギャグの連打は懐かしくもあるし、確かに笑った所もあるのだけれど、一方で笑った以外であまり印象に残らない作品だったのが今作。

原因に関してはシナリオの評価部分にある通り、序盤の勢いが終始続くというのが問題の一つ。
やっぱりインパクトがある序盤や1週目はよかったのだけれど、それが似たような展開で2週、3週と続くと飽きてくる。
そもそものコンセプト自体、今までの作品でも似たようなシーンが結構あったしなぁ…。
争奪戦している掛け合いのシーンもギャグとして笑うには少し弱い気がしたし、ヒロイン達も萌えゲーとして魅力というよりはギャグに振り過ぎていて素直に可愛いと思えるシーンも少ない。
この辺りのバランスはすごく書いていても難しい所なんだろうなぁと思う。

酷評が目立つけれど、良い所がしっかりあるのも今作。
今回はなぜかサブヒロインだった由奈の存在なんかはその筆頭だろう。
メインヒロインを食うレベルで背景がしっかりとあるキャラクターでキャラ自体の魅力も十二分、それ以外にも汐音&蒼のペアなんかもギャグとしてもキャラクターとしてもクセになる組み合わせで良く描けていた。

総じての評価が普通にはなってしまっているものの、ギャグゲーとして良い部分と悪い部分が両方出ていた作品だなーと言うのが印象として強い。