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タイトル : きまぐれテンプテーション
ブランド : シルキーズプラスWASABI


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★★ [5/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]


キャラクター・シナリオ
とあるマンションで起きた住人四人の死亡事件、マンションに満ちた異様な雰囲気から、霊的な存在が関わる案件として『師匠』に解決を命じられた陰陽師の主人公。
そこで出会ったのは相棒として共に事件解決を命じられた悪魔『アンネリーゼ』だった。
実力はあるが少し抜けていてむっつりスケベな主人公、エロ可愛くてノリの軽いアンネリーゼ、そんな異色の二人の事件真相究明を描いたSFホラー作品。

可愛い絵やキャラクター、そしてヒロインであるアンネとのエロシーンの多さなどから勘違いされがちだが、内容は猟奇的事件をテーマとした、本格的なSFホラー物となっている。
またかずきふみさんの企画作品ということで「なないろリンカネーション」や「あけいろ色怪奇譚」と同シリーズとなっているため、作中でもそれぞれの作品人物などの名前が登場している。

導入シーンは割と軽めなのだが、事件自体の仄暗い部分はしっかりと描かれており、怖さと真相の興味によってプレイ開始数十分でプレイヤーを一気に物語へと引き込む。
物語のテーマもあってどうしても暗く怖めのシーンが多くなってしまうのだが、そんな中で主人公とアンネリーゼの掛け合いが非常に面白くなっている。
真剣な事件に関する話題と、アンネとの会話を含めたギャグシーンの対比が非常にうまく作られていて、物語自体にもテンポができている。
そのため、物語自体が重くなりすぎずプレイ最初から最後まで飽きることなくサクサク読み進めることができる作品となっている。


物語自体は一本のシナリオからなっており、作中では『捜査』ということで各種選択肢(会話、移動、探索)を選ぶことで真相につながる証拠や証言を得ていくことになり、またその選択によってBADENDを迎えたりENDに差分ができていたりする。

ロープライス作品ということもあって、個別シナリオもなくテキストの分量は一般的な作品の半分程度に収まっているものの、しっかりと作りこまれた事件の設定やそれにまつわる各シーン、終盤ではしっかりと感動させたりと、その内容の濃さは他の作品に引けを取らない。

また、TRUEEND後には『捜査手帳』を介して各キャラのその後の動向が描かれていたり、とある演出によって続編の非常に気になるようなとても"ニクイ"演出などもなされていて、読後感のとても良い作品となっている。


【推奨攻略順 : END4→END3→END2→BAD1→BAD2→TRUE 】
基本的にロック等は存在しておらず、シナリオ自体も真のEND(TRUE)に向けた1本構成となっているため好きに攻略してよいが、しいて言うならばTUREを最後に持ってくほうが良いだろう。
※上記表記は攻略サイト『誠也の部屋』に準拠


CG
線が細く、比較的濃いめの塗で全体的な完成度が高い。
ミドルプライスらしく枚数は抑え目で、その中でもHシーン用のイベントCGがとても豊富であることも特徴の一つとして挙げておく。
立ち絵に関してはヒロインであるアンネリーゼのものしかないものの、E-moteを導入し非常に豊富な動きを用意している。


音楽
BGM19曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMに関しては各キャラのテーマBGMが用意されているほか、作品に合わせて不穏なものや捜査中の緊迫した雰囲気を演出するもの、そしてHシーン用のものが大半を占めている。
Vo曲に関しては小春めうさんが歌うOPの「Fantastic Conflictが非常にポップでヒロインであるアンネの第一印象とも合ったものになっている。
曲としての評価はもちろんだが、作品の最初の印象を位置づけるという意味でも非常に重要な役割を果たしたといえるだろう。


お勧め度
可愛い見た目から抜きゲーっぽさがあるものの、しっかりとしたホラーテイストの作品なので手を出す人はその辺だけ留意すること。
しっかりとしたシナリオは雰囲気はもちろん十二分に感動もでき、また絵のきれいさ、E-moteをも利用して演出するアンネリーゼの可愛さ、エロさ等々ロープライス作品とは思えないほど全体的な完成度がある作品となっている。
値段的にも手も出しやすく評価をさらに高くしている。
なおシリーズ作品ではあるものの、本質的に関わりがあまりないため、この作品単体で楽しむことももちろん可能。
しかしながら、ぜひ気に入った人は先に挙げた関連作品もプレイしてほしい所。


総合評価
ロープライスとは思えないほどの完成度で作られた作品であり、値段的事情を省いたとしても十二分に高評価をつけるに値する作品となっている。


(ぶっちゃけコーナー)
いやー素直にいい作品だったな。
後はもうプレイしてくれ…っとだけ言いたい気分だわ。
アンネのエロさからなんとなく抜きゲーしない人にとっては忌避感が出る感じなんだけれど、その内容は上記の通りで短いからプレイしやすいし、本当にお勧めしやすい。

というか、かずきふみさんの企画シナリオで「あけいろ」や「ななリン」が関わってたらもうプレイするしかないんですよね…あの二つの作品もめっちゃ面白いし。
ロープラでどうなんだろ、って思ってたけどそんな心配失礼なくらいだったわ。
というか、この値段でこの完成度ってどうなってるんだよ…。

そういえばプレイしていてアンネリーゼの性格がぱれっと作品の「9-nine-」の天にすごく似ているな~って感じるシーンが結構多かった。
そのあたりはやっぱりライターとしての色が出てしまっているのかも。
ただ、確かなテンポの面白さがあるから文句はなかったかも。
上のほうにも書いたけど、事件の真相究明シーンとアンネとのイチャラブシーンとですごく対比がなされていて、緩急があるからすごく読みやすいんだよな。
アンネ自身がすごくかわいかったのもある。

あと、プレイを続けていてアンネに感情移入していくと、最後のほうで泣いちゃうんだよなぁ…本当にこの辺りはうまく作られてるなぁって感じたわ。
終盤の締め方も本当にきれいで、余計な部分を全く書かないところに、もどかしさと渇望感を感じるわ。
本当にこの作品の続編があるなら読みたいし、シリーズとしてずっと続けていってほしい所。