6f9c032c.jpg
タイトル : ネコ神さまと、ななつぼし -妹の姉-
ブランド : SWEET&TEA


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
階段から転落し命を失いかけた主人公は、神を名乗るネコの化身『風子』という少女に命を救われた…はずだったのだが、どういうことか主人公の体の中には神様の力のカケラが残ってしまったようで――。
何故か家ではネコミミ状態で自身を姉と呼ぶ妹や、神を名乗るネコミミ少女との騒がしくも癒される夏の物語。

物語は一本道であり、シナリオに分岐はない。
ヒロインであり攻略対象となるのは血のつながった異父兄妹の『英梨歌』、物語の切っ掛けにもなっているネコ神の風子やその他にもヒロインになりそうな登場キャラクターはいるのだが、価格帯の問題もあってか攻略ヒロインは一人で、あくまでサブキャラクター扱いとなっている。

物語の主軸は上記にもある通り、主人公の体の中に入ってしまった『神様の力のカケラ』を外に出すために行動する日々が描かれており、その中でも英梨歌と過ごす日々をメインに描いている。
英梨歌の耳にネコミミが付いていたり、そんな彼女のみせる可愛い反応をみて癒されたり…と難しく考えることなく萌えゲーとして楽しむことができる内容になっているのだが、英梨歌の一部設定が非常に重くなっていたり、と特に物語の中盤からはそういった点が垣間見えるシーンも多い。
しかし、それに関しても最終的に良い話でまとまったりと、全体的に高評価だったのだが…問題は終盤の展開だろう。
ネタバレになるため、多くは語らないが、おそらく多くの人が非常に驚きの内容が明かされ、萌えゲーや癒しゲーを求めてプレイした人にとっては、あまりニーズに合わない展開が待っている。

また、今作の主人公は非常にギャグを言うシーンが多く、日常シーンにおいては彼のボケ(時々つっこみ)が笑いの中心となっており、どうしてもそれらの内容が軽すぎるため、合わない…と言う人も多いだろう。
そのあたりに関しては体験版などで雰囲気を試しておく必要がある。

上記までの事を踏まえて、全体的なシナリオの完成度はあまり高くない。
不備や物語の強引な展開も多くみられる、そうした点は萌えゲー・癒しゲーであることを念頭に置けば、あまり深く考えることなく捨て置いて良い部分なのだが、終盤の展開を考えるとシナリオ部分に言及する必要もあり、どうしても全体的にアンバランスな内容になっている印象を受ける。


CG
線が細く淡い塗り。
価格帯の問題もあり全体的に量は少な目ではあるものの、質自体は安定している。
特に立ち絵では猫みみがピクピク動いていたり、立ち絵も一つの会話で複数回表示を変更するなど、演出による工夫が見られた。

音楽
BGM14曲、Vo曲1曲と言う構成。
BGMに関して、数は少な目ではあるものの全体的に落ち着いた雰囲気の曲がそろっており、特に『Fragment of Seven』は物語の始まりを感じさせてくれた。
Vo曲は霜月はるかさん歌うOP『mr.sister』の1曲のみとなっているが、持ち前の歌声を活かしてクリアに歌い上げられた良曲。


お勧め度
猫耳と妹が好きな人にはお勧めしたい…のだが、シナリオに若干の問題があり。
ただ単に癒されたかっただけの人にとっては予想外に重い内容があったりするので、素直におすすめし辛く、注意が必要。
この辺りは体験版でも感じることが難しく、特に『ケモノ娘の育て方』等をイメージして買わないようにアドバイスしておく。

Getchu.comで購入

総合評価
全体的な完成度と言う意味では平均的なのだが、物語の主軸から大きくずれた終盤の展開は賛否が分かれるところだろう。


【ぶっちゃけコーナー】
前半とかは結構癒し成分強めで、イメージ通りの作品になっていると思う。
中盤で重い話が出てくるものの、結局のところホロリとできたり、悪い内容ではなかったような気がする。
問題だったのは終盤の展開。
シナリオ自体にインパクトがあった反面、作品の雰囲気やニーズに合った展開か? と聞かれると首をかしげる人もいそうなほどで、結局のところは賛否が分かれる内容だったといえる。
絵の雰囲気や導入部分の物語の雰囲気、そして立ち絵のネコミミがピコピコ動いていたり、英梨歌の可愛いい反応が見られたりと、萌えという点にこそ強みがある作品だけに、シナリオに関して、終盤の展開との兼ね合いもあり、どこにアピールポイントを持って行っていいのかがわからない作品となってしまっているのが残念な点。
その他シナリオ自体に関していうべきことはいろいろあるのだが、「主人公のギャグ」や「物語の展開の強引さ」など、ある程度の事はシナリオ部分の評価で書いた部分が作品評価を下げている部分となっている、というのが正直な感想だろう。