タイトル : シルヴァリオ トリニティ
ブランド : light


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★★ [5/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
攻略可能キャラは3キャラ。
共通ルートに比較的量があり、各キャラ√も3h程度はあるので、全体的なボリュームに関しては十分か少し物足りない程度。

【推奨攻略順 : アヤ→ミステル→レイン→TRUE 】
3キャラ攻略後にTRUE出現するほか、ロック等は一切なし。
各キャラクター√は完全に個別の話なので、好きなキャラから攻略するとよい。

CG
線が堅く濃い塗りの絵。
言わずもがな、戦闘イベントCGが非常に多く、ただの一枚絵として表示するだけではなく、イベントCG部分のキャラだけを切り抜き、配置を工夫することによって、戦闘中などの表現にバラエティを与えている。
特にヒロイン以外のイベントCGが多いのも特徴だろう。
動画表現に関しては、あまり手が込んでいるような印象は受けず、以前の作品と比較してもレベルが落ちているというほかない。

音楽
BGM38曲、Vo曲2曲(OP/ED)
特徴的なのはコーラス以上の声が入っているBGMだろう。珍しいという感想ももちろんだが、それ以上に完成度の高さに驚かされる。
Vo曲では特に主題歌の「天翔ケル蝋ノ翼、狂イ哭キテ焔ニ堕ツ」で、作中では要所において挿入歌のように使われるほどの良曲。
そのほかED曲もTRUE√で流れるGrand Verがあるなど、アレンジ曲も存在。

お勧め度
前作「シルヴァリオ ヴェンデッタ」の続編作品。
単体で楽しむことはできるが、基本的には上記の作品をプレイしていることを前提と考えておく方がよいシナリオ構成となっている。
前作の雰囲気が気に入っているのなら、購入しても問題ないだろう。

Getchu.comで購入Getchu.comで購入Getchu.comで購入

総合評価
同会社の前作「シルヴァリオ ヴェンデッタ」の話から3年後のプラーガの町が舞台となっている今回の作品。
作中には前作の設定をもちろん引き継いでいるほか、関係キャラクター等も多く出演を果たしているため、前作プレイ済みの方から見るとニヤリとしてしまうシーンも多い。

逆に今回が初プレイという方でも楽しむことができるように作られてはいるものの、面白さという意味では半減しているほか、設定説明等が非常に薄いので作品について行くのが大変な部分があるのも事実。
以下の感想に関しては当方が前作を未プレイのため、感じ方に違いを大きく感じてしまうひともいるかもしれないので、その点だけ注意をしていただきたい。

基本的なシナリオについては、燃えゲーなのである意味投げっぱなしのような部分があるのは確か。どこまで燃えられるかというのがこういった作品の肝といえるが、今回は善と悪(光と闇)のような対極のそれぞれ視点から物事や心理描写をえがいた”すこし小難しい”話を中心としてバトルを行っている。
基本的なシナリオ自体は単純明快なのだが、その場面で扱っている話題自体は深いといえばわかりがよいかもしれない。
しかしながら、それが良くも悪くも物語のテンポを悪くしており、燃えゲーとしてはデメリット部分が多く働いてしまっているような印象を受けた。

もちろん、勢いだけのような燃えゲーよりは数段マシともいえるが、それにしても燃えゲーとして読んでいて飽きてしまうような作品は良いということはできない。

こういった作品――とくにlight作品において、戦闘シーンで重要となるのが各キャラクタ―の技(or覚醒用)の”詠唱”シーン。
今回も動画等を駆使して表現をしてもらっているものの…好みの問題かもしれないが、この辺りに関しても以前の作品と比べるとどうしても劣化しているようなイメージがある。

前作をプレイしていなかったためか、シナリオへのめりこめる部分が少なかったのも評価の低下へ大きく影響している。作中ではおそらく前作の内容と深く関係するだろう描写を多く見かけるのだが、一言でいうと「多すぎる」のである。
だからこそ、未プレイの人間からすると強い疎外感を覚え、満足に楽しめるシーンが少なくなってしまう傾向があった。そういう意味でも「完全新作」と考えるよりは割り切って「続編」と考えてしまったほうが良いだろう。

アペンドディスクでは前作では明かされなかったヴァルゼライドの顔の傷の理由も明かされている。

コンフィグに関しては基本的に問題はないものの、全体的にもっさりとした動作。

総括
基本的には「シルヴァリオ ヴェンデッタ」の続編として成り立つ作品であり、そういう意味では評価を高くできるが単体としてはこの程度。

【ぶっちゃけコーナー】
この作品が嫌い! というわけではなくて、「ヴェンデッタ」なしの単体で見た場合という評価。
しかしまぁ、燃えゲーとしての質はどうも下がってるような気がしてならない…べつにしっかりとしたシナリオがあるのはいいんだけど「相州戦神館學園」の栄光のような感動と驚きのロジックがほしかったりする。
あと、強くなることで発動する異能の段階をあげていく展開なんかもすきだったりする。
こういうのを考えたりすると、やっぱり好みの問題なのかもなぁ…。