タイトル : 星恋*ティンクル
ブランド : きゃべつそふと


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]

キャラクター・シナリオ
攻略キャラは4キャラ。
共通ルートは比較的短く、各キャラ√も1-2hと短め。
TRUE√も長いとは言えないので、全体的なボリュームは少し不足と言える。

【推奨攻略順 : 咲良→珠希→そらは→凪→TRUE 】
凪は3キャラ攻略後、TRUEはその後に出現する。
基本的にそれ以外は自由だが、そらは√は最後に回したほうが良いかもしれない。

CG
繊細で煌びやかな色彩が目に付く恵。
量に関しては申し分ないのだが、全体的な質に関してはかなり上下があると言わざるを得ず、ハッとしてしまうほど美麗なCGがある一方で、作品に強く影響するほどではないにしろ、顔を中心にバランスの崩れた物があるのも確か。
SD絵も多数存在している。

音楽
BGM20曲、Vo曲3曲(OP1/ED2)という構成。
Vo曲とBGMともにやはり目立つのは「ぼくらの星座」だろう。
OPに使われていることは言うまでもないが、アレンジとして使用されているピアノ・オルゴールVerそれぞれのBGMは、シナリオの重要な部分のすべてに使用されており、その旋律は十二分に力がある事を主張している。

お勧め度
田舎を舞台とした恋愛学園物で少し不思議な話が出てくる程度なのかと思っていたが、各ルートとも後半からはわりとがっつりと不思議系の話で埋め尽くされている。
正直なところ初心者が付いて行けるほど受け入れやすく、楽しいと評すのも難しく、逆に玄人が楽しめるほど作りこまれているかと聞かれると、それも難しい。

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総合評価
体の弱い妹の療養のため、叔母の家がある田舎『渚沙町』へとやってきた。
そこには『ナギ』という、その街でしか見えない星があり、閉鎖的なその町の中だけでひっそりと守り崇められてきたのだが――。

物語自体はナギと同じ名前を持つ凪と出会ってから動き始めるのだが、共通部分の大部分は各キャラの自己紹介を含めたショートエピソードを超えつつ田舎の生活に慣れていく、というものであり、その後すぐに各キャラ分岐が発生する。
物語の性質を考えると、やはりこの辺りに関しては短すぎると苦言を呈さなければならないだろう。

キャラの魅力が何たるかの2割も伝えられぬままに各キャラ分岐を選ばされることもそうなのだが、その後の個別ルートにおいてもシナリオ分量は不足しているためキャラの魅力を十二分に伝えられているとはいいがたい。
特に今回は『神技』と呼ばれる特殊能力が絡んでいたり、町の古き因習を匂わせていたりと、主人公とヒロイン以外の問題も多く立ち上がっている。
それらを扱ってるうちに、メインキャラクターへの感情描写や細かい展開などがおろそかになっており、全体的に粗雑な物語が出来上がってしまっている。
シナリオの本質から遠い方へ配置されていた咲良√や珠希√などを見てもそれらははっきりとわかるだろう。

シナリオのメインともいえる凪(+TRUE)√等はそれらの影響を強く受けたといえる。
本質的なことを言うと、根本ともいえるシナリオの流れにも問題が無いと言い切ることができないのだが、それを置いても書き手の『こうしたい!』という展開の方向性がダダ漏れで、無理な物語の方向転換や粗雑な状況描写などが続き、すっかりとプレイヤーの心は外れたうえでの、さらに突飛な展開。
深夜テンションで書き上げた作品をそのまま見せられるような感覚といえばわかりやすいのかもしれないが、勢い以外のパラメーターが著しく低い作品となっている。

一部のCGに問題はあるものの全体的には美麗なイベントCGを使用しており、BGMとしての「ぼくらの星座~Piano arrange~」は主張力が強く、雰囲気をリードする力があった。
それだけの要素があるにもかかわらず、シナリオ方面が壊滅的だった為にうまく使いこなせていないイメージがあった。

コンフィグに関しては十分にそろっており、プレイするのに問題はなかった。

総括
全体的に見るとそうでもないが、シナリオに関しては低評価なため、その部分を重視してこの評価とした。

【ぶっちゃけコーナー】
まぁ、最初の期待値が高かったから酷評になったような気もする。
というか、OP~序盤とかはすごくいい雰囲気だったのに、シナリオが進むにつれて驚くほどに悪くなる謎。
物語の真相を知った今となっては根本的な流れもちゃんと考え直した方がよさそうだけど、とりあえずちゃんとキャラの関係とかその内面を作りこんで書いた方がいいのかもしれない、みんなの行動が支離滅裂に感じてしまう。
後立ち絵で胸が時々見えてしまうのは、あれは意味があったのか…? あそこまで行くと不自然さしか感じなかったんだが、喜ぶ人がいたのかなぞい。