タイトル : こころリスタ! cocoro Restarter!
ブランド : Q-X


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ

【推奨攻略順 : メルチェ→真理歩→さち→雪音→星歌→アルファ 】
攻略キャラは6キャラ。
共通ルートに割とボリュームがあるが、個別ルートは短く2h程度となっている。
攻略キャラ数の関係もあり、全体的なボリュームは十分といえ

CG
線が細く、淡い塗りの絵。
キャラ数の関係からから一人に対する枚数は少なめだが、総じて質は安定。
誤解を恐れずに言うと、どことなく昔の雰囲気を感じる絵。
特にその中でもアルファのCGに関しては質のいいものがそろっているように感じた。

音楽
BGM31曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的にやさしい曲が多い印象で「気味の笑顔を一生見たい」や「ぬくもり、重ねて」等、聞いていると心地のいい曲が多い反面、涙腺を刺激する曲が少ないのも確か。
OPに関してはどこか懐かしさを感じるアップテンポな曲と、しっかりと占めてくれるEDがそろっている。
印象に強く残るかというと微妙なところが悲しい。

お勧め度
電脳世界を舞台とした作品は意外と少なく、その中でもしっかりとシナリオが作られている作品はさらに少ない。今回はシリーズ作ということもあり、その続きでプレイされる方はもちろん今回が初めてという方にもお勧めしやすい作品になっている。
どちらかというと恋愛作品としての色が強いので、その点を踏まえてのプレイを推奨します。

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総合評価公式ホームページ

同会社制作の過去作品「こころナビ」という作品の数年後が舞台。
設定等を多く引き継ぐほか作中には上記作品からの人物も少し登場しているが、基本的に前作の知識がなくても十二分に楽しんでプレイすることはできる。

科学技術が発達した少し未来を舞台として、かつて世間をにぎわせた「こころナビ」という電脳世界に入れるアプリ、ひょんなことからそれと同じような機能を持つアプリを手に入れた主人公はアルファという少女に「真実の恋」を見つけるように言われ――。

ざっと言ってしまえば、引きこもりだった主人公が「恋」を知るために割と自分の頑張りだけで脱リア充になるお話。
最初こそ会話が苦手な雰囲気を醸し出していたが、もともと持ち合わせていたものなのか次々と出会う少女たちにも普通に立ち会うことができており、友人のヤナ君にも尊敬されている。「電脳世界に入るため」という餌があるものの、そのあたりに少し不自然さは感じてしまうところで、何かもう一つイベントを起こすなり、そのあたりはもう少し詰めて考えてほしかったところ。

メルチェ以外のルートは期限となっているクリスマスイブに告白するところから個別ルートへと侵入する。そのあたりは少し強制的な感じを受ける方も多いかもしれない。
ただ、それはそれとして恋愛描写は驚くほど素直。
もちろん作中には電脳世界を絡めたイベントも少しあるが、途中から「こころリスタ」が使えなくなる影響もあってか、ほとんどの√においてそれはオプション程度のものになってしまっている。そのためか、メルチェのような少し特殊な状況のキャラクターにおいてもその描写自体は奇をてらわず、自然と思われるものを選択している。
ある意味面白みのないルートが多いのだが、2時間程度という短さもありコンスタントにクリアすることで飽きる前に物語が終わる印象。
逆に言うと印象には残りにくいものになっているかもしれない。

もう一つ評価したいのは二人の妹√。
妹であることをどう処理するかというのが一つの見どころではあるものの二人とも同じ話ではつまらないな、と考えていたが雪音√では上記の、星歌では雪音の主人公への想いをテーマとして、しっかりと差別化ができており、又問題に対してしっかりと向き合っていたところは評価したい。

電脳世界が深くかかわる√として挙げられるのはやはりアルファ√。
前作の設定なども少し引きずっているので、今作が初めてという方には「?」となるところも多いが、ほとんどは説明されるため問題はない。
ラストシーンはさすがと言えるほど涙腺を刺激するものになっていたが、BGMの押しの弱さがあってか決壊というところまでいかなかったのは残念。

コンフィグに関しては十分にそろっており問題ない。

総括
丁寧に作られてはいるものの全体的に印象には残りにくい。ただ、それでも十分にプレイする価値はあり、楽しめるものとなっているため平均かそれより少し高いこの評価。

【ぶっちゃけコーナー】
全体的にバランスがよく、どこが悪いというわけではないが如何せん素直過ぎた作品かも。ただ一つ一つを見直していけばきちんとポイントは拾っているので
もっと楽しむためには前作の「こころナビ」をプレイしたほうがいいのだろう、作中でやはり少し気になるやり取りもあったため興味を誘ってくる。
ところで、どうして主人公の家の玄関はあんなに段ボール多いんだろう…アマゾン…? そんな描写あったかな…。