タイトル : らぶおぶ恋愛皇帝ofLOVE!
ブランド : HARUKAZE


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★★ [5/5]
総合評価 : ★★★★★ [5/5]


キャラクター・シナリオ
攻略キャラは5キャラ。
共通√の長さは一般的だが、個別ルートでは長さにかなりのばらつきがある。
全体のボリュームとしては少なく感じるだろう。

【推奨攻略順 : 千歳→数→エリカ→ひかり→ルキナ】
ネタバレ等も含まないため攻略順に指定はないが、個人的にルキナルートは最後に回しておきたい。

CG
イベントCG、立ち絵の質に関しては共に一般的なレベル。
ただ一部の立ち絵などでデフォル目が入っているからなのか、どうも横幅が大きいなと感じてしまうこともあり、少々癖はあるのかもしれない。

音楽
BGM42曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
OPの勢いある曲から、このゲームを判断しがちだが「とつきとおか」等のしっとりと歌い上げた曲などもあり、演出を含めて最大限の効果をたたき出していた。
しかし、豪華なBGMも数だけではない。Vo曲のアレンジ「DAY BY DAY」等の明るいものから、シックなカッコ良さがある「彼女のふるまい」をはじめとして、「ひとり」等のしっとりした曲まで幅広く、そして質が高いものが用意されている。

お勧め度
キャラゲー、ギャグゲーとしてお勧めしたい作品。
ただの恋愛学園物の萌えゲーと比べて、お世辞にも一般的とはいえないので最初にプレイするのはお勧めしない。あくまで玄人向け。
ギャグだけで終わるかと思いきや、シリアスシナリオもちょっと入っているので、その辺も少しなら期待して良いだろう。

Getchu.comで購入

総合評価
破天荒・暴虐無人を地でゆく、幼馴染の少女ルキナ。
圧倒的支持率を得て、彼女が新たに提言した公約は「恋」だった。

生徒総数1万人の特殊な学園を部隊とした作品。
登場人物の設定や学校の規模、キャラクターの耐久値などは、ギャグゲーよろしく非現実的なのだが、それ以外の部分に関しては意外と普通の設定となっている。

やはりこのゲームで特徴的かつ最大の魅力は登場キャラクター。
メインヒロインのルキナがいる生徒会メンバーが主な攻略対象となっているが、そんなヒロインだけではなく男女サブキャラを含め、出てくるキャラクターはほとんど頭のネジが外れている。だからこそ、自由気ままに繰り広げられるギャグシーンは縦横無尽、愉快活発。
序盤こそはその激しすぎる雰囲気やテンションにおいていかれそうになるが、その勢いのままに乗り切ることができれば、テキストで、声で、と豊富な笑いを序盤から楽しむことができる。

先ほどのちらりと述べたが序盤から終盤に至るまで話のテンポはかなり良く、そのため中身のあまりない千歳√などは本当に一瞬で終わってしまう印象を受けることも。

この作品はキャラのよさを生かしてギャグゲーに終始するのかと思っていたが、意外にも後半はほとんどの√でシリアスシーンが用意されている(本当にシリアスかどうかはおいといて)。特にスー√はテーマ的にわりと重いものだったり、ルキナルートでもギャグばかりではないところを存分に見せてくれていた。
この部分に関してはギャグと対比しても(むしろ、対比するからこそ)遜色なく良くできているように感じたので高く評価している。
特にVo曲を絡めた演出は終盤において、良い世界観を作ることができていたのでキャラゲー・ギャグゲーだけではない、熱く泣ける一面もあったのは確か。

ただ、全体的に非常にアラの目立つシナリオだったことも否定できない。
主人公の過去がひとつの√でしか活かせていなかったり、個別√に入ってもたいして解決する問題がなくすぐ終わってしまったり、物語的には大きく原点されてしかるべき作品だが、そのあたりをすべてギャグと勢いで乗り切った作品とも言える。


コンフィグに関しては十分に機能がそろっており、不足感を感じることはなかった。


総括
ギャグ・キャラゲーとしてみた場合において全体的な質の高さは言うまでもなく、音楽・シナリオに関しても頑張りが見られたのでこの評価。

【ぶっちゃけコーナー】
まぁ、シナリオはすごく荒いよね。
ついていくのがやっとというか、さっきまでギャグテイストだったのにいつの間にかまじめな話になってたりして、どう感情を動かして言いのかわからなくなることが多い。
それでも、何の特徴もない恋愛ゲームよりはシナリオも十分に楽しめるし、音楽も本当にいいものがそろっている。
なによりギャグがいいよね。
その部分があったからこそ、全体的な質が底上げされたんだと思う。