タイトル : R.U.R.U.R ~ル・ル・ル・ル~
ブランド : light


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★☆   [2/3]
音楽   : ★★★★★ [5/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]

キャラクター・シナリオ
1週目は選択肢が現れることもなく終了し、2週目から各キャラ√のある話へと入る。
各ルートの長さがまちまちであるものの、全体を通して考えると十分量と言える。

【推奨攻略順 : 1周目→コバトムギ→タンポポ→BAD→ミズバショウ→シロツメグサ→ヒナギク→ベニバナ】

CG
時代的な物もあり少々癖のある硬い絵ではあるものの、塗は柔らか。
あるいみlightらしさが強く出た絵ともいえる。
CGはHシーンのものが割合多め。キャラにより枚数に差があるため少なく感じるかもしれないが、質は安定はしている。
驚きだったのは画像の演出で、この部分で作品を助けていたシーンはいくつかある。

音楽
BGM19曲、Vo曲3曲(OP-1/ED-2)と言う構成。
WHITEーLIPSさんのOP曲「Rose!Rose!Rose!」は勢いがあり、それでいて深い味わいもある。
そしてEDの「誓いの言葉」は心にまで深く響く名曲である。
他にもBGMの中にはコーラスの入っている曲が多数あり、完成度の高さは現在のゲーム以上といって差し支えないほどで、「デイジー」「ヤーチャイカ」「カトナップ」「オンリー・ユーハヴ」等等数え切れず、どれも名曲である。

お勧め度
世界終末物、純粋なSF作品、ロボット物等が好きな方にはお勧めできる作品。
SF作品としては特に完成度が高い作品なので、その分類が好きな人には強くお勧めできる。
ただ2007年と少々昔の作品であることや、文章を結構読みこむことが必要な作品で、分かり易い泣きゲー等というわけではないので注意。

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総合評価
【物語について】
亜光速恒星船『サン・テグジュペリ』号、そんな移民船のなかでたった一人の少年”イチヒコ”が冷凍カプセルの中で目を覚ました。

世界が終わる話ではなく、終わった世界でのガチガチのSF物。
基本的な流れは「イチヒコ」がハタチになってからさまざまな秘密を知っていくことになるのだが、最初の雰囲気としてはそこまで硬くはない。
特に作品をプレイしていてまず目に入るのは”ロボット”達が頑張って再現している人間生活、そして彼ら独自のルールだろう。
混ざっている風習や、勘違いした言葉は裏に隠されている秘密への興味と同時に面白さを感じ、実際にこういうことになったのならば、こういう世界になるのだろうという想像を面白く、かつリアリティに溢れた描写で描いてくれているので、飽きずに作品を勧めることができる。

そして驚きだったのはHシーンの多さ。
ゲーム内の倫理観では仕方がないうえに展開に深く絡んだり、テーマに近い事象でもあるため省くことも得策とは言えないのが事実。

2週目以降は様々な真実を知っていくことになるのだが、気になったのは√間の事実・設定の違いだろうか。
特に1週目と2週目の差異などはどうしても気がかりになってしまう。

しかしながら、実際に何故このような状態になってしまったのかや各キャラの隠していることなどを知っていくと、悲しいと同時に深い問題が見えてくる。
美しいBGMと共に語られる真実。
直接その事を描写した√はあまりないものの、どのルートも切なく哀しくなる部分もあり、そういった意味では分かり易い泣きゲーではないものの、シナリオの完成度の高さがうかがえる部分でもある。

ちなみに作中にはサン・テグジュペリの『星の王子様』、マザーグースなどをテーマにした閑話が挿入されている。意味の分かるものから分からないもの、そして執拗に繰り返しでてくるもの等、全てを理解できるわけではない。
その他に時系列を変えたミニストーリーなどを挟むこともある。
他にもEDのテーマとなっている「Daisy Bell」など知るとより作品を好きになれる要素も。

総括
万人に受ける作品ではないと言えるが、それでも作りこみの高さは見てうかがえる。
特に音楽面や演出そして、SFのシナリオは他の作品に引けを取っておらずこの評価。

【ぶっちゃけコーナー】
気になったのは同じシーンが繰り返し出てくることかなぁ、このあたりを読み飛ばすならプレイ時間はもっと短くなりそう。
全ての文章にもしかしたら意味があったのかもしれないが、個人的な能力の問題もあって理解は出来なかった。
あとはやっぱエロシーンの多さには驚いたなぁ。
しかしまぁ、昔の作品ではあるけれどどの分野に関しても現在の作品に負けておらず、十二分に名作といっていいレベルの作品だった。。