タイトル : 暁の護衛~罪深き終末論~
ブランド : しゃんぐりら


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]

キャラクター・シナリオ
本編はEND数が13ほどあり、攻略キャラはサブも含めると12人。
大まかなルートが3つにわかれており、そこから派生しているヒロインも全く違う。
そのため共通にも、個別ルートにもキャラによって差がある事だけはたしか。
非常に短い個別の物が比較的には多かったので、全体的なボリュームとしては平均か少し多いくらいだろう。
攻略順に関しては、ある程度決められてその範囲内なら何処でも構わないが、ここではお勧めの攻略順の一例をあげさせてもらう。
麗華BAD→詩音→清美→朱美→沙代→麗華TRUE→薫→禁止区域→杏子→加奈子→柏→楓→舞

CG
いつものトモセシュンサク絵。
質に関しては前回、全前回同様の出来。しかし、差分に関しては少ないもののイベントCGの種類の数に関してはなかなかの量。
グロまではいかないが、今まではあまりなかった流血CGも多いので注意。

音楽
前作までの物を含めて45曲。
OPとEDは各2曲の系4曲(サウンドモードでは1曲しか視聴不可)
BGMに関しては前作までの物も多いので割愛。
OP2種に関しては聴いた事がある人も多いのではないだろうか。非常に出来が良く、作品の雰囲気にもあっていたので非常に高評価。

お勧め度
暁の護衛シリーズ
暁の護衛
暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜
暁の護衛〜罪深き終末論〜
の3作目で、もちろん今までの作品2作をやっていてこそのこの作品であるが、その上で、3作の中で一番良い出来だったと言える内容であった。
前作、前々作までと同じ雰囲気だが、さらに燃え成分は強くなっている。
今まで以上に、凌辱・流血系の描写CGが増えているためある種の耐性がやはり必要。
現在は1~3の全部をセットにした「暁の護衛 トリニティ コンプリートエディション」も発売されているので、関連作品としてこちらでも紹介させてもらう。

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総合評価
暁の護衛シリーズ第三章でもあり、最終章。
上記でも書いたとおり、共通がかなり長く、それに比べて個別は短い。
特にサブキャラに関しては最後の選択肢からエロシーン→短い共通→最後の個別展開、という20分にも満たないルートも多々ある。
そういった意味で、今回評価されている部分のメインは共通ルートといっていい。

共通ルートには大まかに種類がいくつかあるのだが、その種類によって主人公の立ち位置・視点が少し変わってくるのがこのゲームの最も面白いところ。
進めるごとに物語の裏側が分かりはじめてくる、という部分ももちろん面白いが、前のルートでは完全に敵だった相手が今回はヒロインや味方だったりして(無論ルートによっては完全に関係ないキャラも出てくるが)そのキャラへの思い・考えがルートごとに変わってくるのが不思議なところ。
明確な「悪」を排除しようと行動したり、目の前で行われている「悪」が日常になり、そして弱者から「命」を奪う。
物語を進めていくと見えてくる「善」のその裏の「悪」。
「善」と「悪」、「守る」ということと「殺す」という事。
それらが表裏一体で、かなりあやふやな線引きで分けられている事がよく伝わってくる。

それらを成しえたのが、キャラの豊富さだろう。
無論ヒロインが多い事も確かだが、サブヒロイン級のキャラやそれ以外でも戦闘系等どのルートにも非常に作りこまれているキャラがたくさん登場してきている。
それぞれがきちんとした考え(自分の中の正義)を持って動いているキャラばかりなので、こういう現象が起きているのだろう。
これらのキャラは、笑い・萌え・燃えの各部分を非常に助けていた反面、キャラが多すぎたために各ルートがおろそかになってしまった一面もある。

今まで通り、癖がありつつもテンポの良い会話。
そこに挟まれている主人公たちギャグ。その一歩先に今まで以上の過酷な状況や厳しい戦闘、悲しい現実が待っており、それらは一瞬で訪れ、巻き込まれていく。
その落差にも驚かされるが、その無茶な展開の中にもプレイヤーを物語の中へ引き込む力があったのが最も評価されるべきところだろう。
手に汗握る展開に、何度も熱く燃え上がれた。

減点する点はやはり、個別ルートの一言に尽きるだろう。
海斗をデウスエクスマキナのように使用して無理やり終わらせたルートが目立つ。
共通であれほど頑張っていたのに、とい部分もあり不完全燃焼。
やはり締めまできれいにしておきたいところ。
ただ、変な個別を付けると蛇足のように感じてしまうため仕方がないのか、とも思う。

もう少し詰められた部分もあったのではないか、という期待を込めてのこの評価。
ただ、この3作目をやるためだけに今までの2作をやる分の価値はあると言える。
そのくらいの高評価は得てもいいだろう。

コンフィグ系に関しては前回までとほとんど一緒。
ただ、パッチを当ててからプレイする事だけ注意。

【ぶっちゃけコーナー】
レミニセンスで登場する「キズナ」がこの作品で初めて出てくる。
おそらくレミニセンスの世界は麗華BAD+他人AFTERなんだろう。
なんで、興味のある方はやってみるといいかも。
作品の雰囲気は上で述べたけど、グリザイアシリーズに似てるかも。
いろいろな部分で類似点が見えた。
ある種あのゲームが気に入ったのならこれも気にいると思う、過激度は上だけど。
もちろん逆も同じで。