タイトル : あえて無視するキミとの未来 ~Relay broadcast~
ブランド : ALcot Honey Comb


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★★ [5/5]
お勧め度 : ★★★★★ [5/5]
総合評価 : ★★★★★ [5/5]

キャラクター・シナリオ
ルートは4本。共通は結構短い3-4hというところで、
各キャラは2-3hの、少し短めボリューム。
選択肢は1個なので、攻略は楽。攻略推奨順は南→七凪→計→爽花
(計と爽花は攻略順が決められている)

CG
枚数は普通に多いうえ、立ち絵もCGもブレのない、美麗なCG。
感嘆するほどのCGはなかったが、その平均の高さに文句なしのこの評価。

音楽
BGMは31曲+Vo曲のOPとEDの2曲の量。
あまり、ピンとこなかったOPとEDなのだが、
「SIGNAL on piano」(同メロディの「遠く離れていても」も)はシナリオと合わせるとかなりの破壊力を秘めていた。
それ以外のBGMも、明るい曲が多めの質の高いもので満足。

お勧め度
学園青春物の泣きゲーとして強くお勧めしたい。
個人的には外れのルートが無かった事も追記しておく。
難点はメタ発言が多い事、ほんのちょっと短め、というところか。

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総合評価
かなり奇抜なタイトルのこの作品。
作品を進めていくと、タイトルにも納得する、主人公にかなり奇抜な設定がなされている。
(公式に明記)
しかしながら、その本領が発揮されるのは爽花ルートのみであり、
その他のルートは基本的に普通の学園物と考えてもらって構わない。
日常はかなり明るく、ギャグ満載、ネタ満載の笑いで押してくる。
それも、1回、2回、3回と重ねて笑わせてくるので、笑いにうるさい人も、なかなか楽しめる作品ではないのだろうか。
率先して笑わせるボケ担当の主人公。それに乗ってくるのが面白ヒロイン達。
特に計のノリや爽花の突っ込みは作品を形成する大切なスパイスの一つといえる。
そんな笑い溢れる物語の中、物語は個別へと入る。
個別に入っても笑いは絶えないのだが、かなりまじめなシーンも確かに存在し。
ただ笑いだけかと思いきや、各キャラ泣きシーンがしっかりと作られている。
結構、深い設定から、青春特有のものまで、
ある種の王道の流れも多いが、それでもどのキャラのシーンもかなり秀逸なものと言え、
青春――それも、苦くて、それでいてさわやかな友情の――を感じて、
そんな場面で流れる「SIGNAL on piano」と「遠く離れていても」にはどのルートも涙腺が決壊。
音楽と文章が相互に作用して高め合った、素晴らしい場面だと言える。
学園青春物として、これほどまでになく良い出来だった今作。
本当ならもう一つランクを上にしても良かったが、
すこし作品の濃度が薄かった事、短いこと、さらに一歩踏み出した展開orルートなどがなかった事が、この評価にとどめてしまった。
それでも十分にすばらしい作品といえる。
どのルートでも各サブキャラが泣かせてきたりと本当にキャラへの愛も感じられ、
どんな称賛の言葉でも足りないほどに、良い出来だったと言える。
爽花ルートが終わった後、タイトルに付けられている英語の意味もわかり
「ああ、青春!」と思って終えられるだろう。
本当に良い作品だった。

ネタで、同系列の会社の作品「中の人などいない!」等のネタやTシャツプリント等が出てくるので、
そこらへんも楽しめる人はいるかも。

コンフィグなどは1ページにまとめられており、十分にあったと言える。

【ぶっちゃけコーナー】
いやーホントいい作品。全部のルートで泣けたってのが本当にすごい。
ブルマ師匠と主人公にもう一度会話してほしいなw
それにしても、笑って、泣いて、また笑って、ホントにずっと続いてほしいって思える青春物でした…。
この作品に出会えてよかった!!!!!!