タイトル : 制服カノジョ2.5
ブランド : エンターグラム


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
同社から2024年に発売された「制服カノジョ」(以降無印と表記)を皮切りに「制服カノジョ まよいごエンゲージ」、「制服カノジョ2」と発売されてきたセイカノシリーズ作品。
タイトルからも分かる通り、今作は2のスピンオフ作品ということで無印から登場してきた教師の「古賀希望」がヒロインとなった作品である。

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古賀こが 希望のぞみ(CV:月城 日花)
主人公が通う学園の教師で、学園での制服カノジョ活動の顧問を努めてくれていた。
基本的に優しい先生だが不純異性交遊には厳しく、それが嫉妬の裏返しなのではという噂も。また酒好きな一面もあり、仕事の疲れからか酔っぱらう姿が度々目撃されている。


シナリオについて、選択肢はあるものの大きく変化するのは告白シーンの展開のみで、全体的なボリュームは2時間ほどとロープライス作品として平均か少し短め程度。
物語自体も2の冒頭部分からの分岐という形で作られており、序盤では芹香が転校してきた事などを振り返っているが、実際に本作に登場するのはゆいのみで、その他のキャラは名前だけになっている。

話の流れもシンプルで実は可愛い服を着てみたかった希望がこっそりと制服を試着しているところを主人公に見られる所から急接近していく二人の姿が描かれていた。ただ今までになかった要素としてあげられるのが年の差カップルという点で、教師と生徒の禁断の恋愛という立場の違いも恋愛要素に大きく絡んできていた。もちろん今までの作品と同様に福岡を中心とした実在する観光地やグルメなどを交えたデートシーンなども持ち味にもなっている。

その中でも特筆すべき本作の魅力といえば、ヒロインである希望のいろいろな姿が描き出せていたことだろう。
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”あること”がバレてしまった一幕。もっと誤魔化し方があった気もするが…!?
無印では美人教師としてしっかりした姿(時折怪しいシーンもあったが)として描かれており、交際している生徒たちに嫉妬したりする言動から生き遅れ(全くそんなことはないのだが…!)っぽい雰囲気が印象付けられていた。本作でもそうした根本部分は変わらず、心が惹かれていても自身の年齢と主人公の年齢差を気にして一歩が踏み出せないような描写が多い。
そんな彼女が今作では主人公に対して積極的に行動するシーンも多く見受けられ、その展開にご都合主義を感じてしまうものの、物語を成立させるためには致し方がないところだろう。

ただ学園における教師としての姿に対して、少し抜けた所のあるコミカルな姿は良いギャップを生みつつ、コロコロと変わる表情は見ているこちらを大いに楽しませてくれ、ふとした瞬間に出る年相応の色っぽさや、恋愛描写における可憐な少女のような反応といった、”希望”という一人の女性としての姿を浮かび上がらせてくれている。
短いシナリオではあるが、こうしてしっかりと彼女の魅力を描き出したからこそ、告白シーンに向けてしっかりと物語を盛り上げることが出来ていたのではないだろうか。
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このシーンは本当に可愛すぎた…!
付き合ってからもラブラブな二人の姿はしっかりと描かれており、舞台である福岡を中心とした有名なデートスポットを巡る描写が詰め込まれており、過去作のようにデート時の選択肢出現などはなかったが、それでも満足度は十分にあった。
なお作中独自のSNS―コンスタグラム―は今作も健在で、ストーリーには寄与しないが、おまけ程度に希望の投稿を見ることができる。

物語を全体的に俯瞰してみると見所は付き合うまでの部分になるだろう。
いままで黒子として物語に登場していた希望が、上記で示したような意外性ある一面や魅力を見せてくれており、物語の中で2つのシチュエーションでの告白シーンが用意されていることからも、その力の入れようがうかがえる。
制服カノジョとして「制服」要素部分はどうしても薄くなってしまっているが、年上である希望が学生時代の姿になることで青春を振り返る展開など、ストーリーにも一応組み込まれている。
後半はイチャラブ一辺倒で展開がしりすぼみになっているものの、短編作品として描きたいものをしっかりと描ききった作品だったと言える。

[主人公] 名称自由
スタート画面で名前の変更、および星座の変更が可能となっている部分は無印から変わらずの仕様で、ヒロインからの呼ばれ方もテキストのみが変化するものの、ボイスは「キミ」といった2人称が使われている点も変更はない


【推奨攻略順:- 】
選択肢は2つほどあり、1つは直後の展開が変わるのみで、もう一つは告白シーンの流れが変わるものとなっている。
どちらにしても交際後のシーンに関しては同一の流れとなるので攻略は比較的容易と言える。


CG
イベントスチルの枚数は14枚でロープライスと考えれば十分量。クオリティに関しては立ち絵に少しバランスが気になるものがあったものの、イベントCGは過去作と同様に立体感の感じられる質の高い物となっていた。加えてSD絵も5枚ほど用意されている。


音楽
Vo曲1曲(OP/ED)とBGM26曲が収録。
BGMに関しては無印よりも少なくなっているため、まよいごエンゲージのように一部が本作で流用サれているという形なのだろう。
主題歌はヒロインのCVをあてた月城日花さんが歌唱した「オトナピュアハート 」で、歌詞の内容もヒロインである希望の心情を表した恋の楽曲となっていた。


お勧め度
また過去作と同様に全年齢を対象とした作品であり、展開方法なども過去と同様となっているので、その点に関して手の出しやすさはある。
シリーズ物の2作目の更にスピンオフということではあるが、単体としてのプレイも不可能ではない。
「まよいごエンゲージ」と似たような立ち位置ではあるものの、主人公も違う外伝だったかの作品とはちがって、最低限無印だけをプレイすれば十二分に物語を理解することは出来るだろう。
もちろんシリーズを通してプレイしている人は、ナンバリングの数字に従ってプレイすると良い。
今回の発売で過去作すべてが集まったセット商品なども発売されているので、一気にプレイしたい人はこういったものを購入するのもありだろう。

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総合評価
ロープライスの短編作品ということで、単一ヒロインのシナリオとして綺麗にまとまっており、シリーズの色は薄くなっていたが、その中でも恋愛描写がよく描けているように思えた作品ということで、評価を平均程度とした。


【ぶっちゃけコーナー】
もともと無印の制服カノジョをプレイしていて、年上ヒロインを好きになりやすいという個人的な趣向ではあるものの、顧問である古賀希望というキャラクターに少し注目はしていた。
希望がが制服を着るのもこの作品が初めてではなく無印のとあるシーンでもやっていたし、この作品をいつか作る構想自体もあったんじゃないかなーとは思っている。
それでもシリーズとしてここまで重ねてくることはやっぱり意外だったけども。

さて希望についてだが、酒癖は少し悪いが基本は真面目な教師。ただそうとは思えないほど積極的に主人公にアピールしている今回の姿は、無印からの地続きなようで以外でもあったところだ。
ただ主人公を男性と思ってないからこその行動、と考えればある程度納得の所もあって、その認識が徐々に変わってきて、一気に恋愛へと傾いてしまうという展開も、こういった作品ではよく見られる流れと言えるだろうし。
それにしても、ギャグシーンというか…少し抜けた所のある希望が自身のやらかしに対して、コミカルな反応を見せてくれるところはやっぱり可愛かった。普段とのギャップもあるんだと思うけれどね。
そういう彼女の姿がしっかりとえがかれているので、作品としてヒロインを深堀りして魅力を引き出すという目的は果たしているので、コンパクトによくまとまった作品だとは思いました。
しかし制服カノジョ3とか出るんだろうか…流石にネタ切れ感あるが…?