タイトル : 眠れぬ羊と孤独な狼 -A Tale of Love, and Cutthroat- 外伝
ブランド : CLOCKUP


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 3h)

シナリオ
時を超えて、”やつら”が帰ってきた――

2017年に発売された同社作の『眠れぬ羊と孤独な狼』(以下本編)から4年の年月を経て、外伝として発売された今作。

シナリオは全5章仕立て、それぞれが読むと30min-1hほどの短編で構成されている。

本編にあったテーマとは別に娯楽性を追求し、『眠れぬ羊と孤独な狼』の世界観における歌舞伎町で息づく人々の日常に焦点を当てた作品となっており、共通ルート後の派生として本編とは深く関連しないような形で描かれている。
そのため本編では最終的に退場するキャラクター達も、今作ではしっかりと登場していたり、主人公が雲の娘であり、あざみの親友である美鈴と関係をもったりと本編をある程度、度外視したエクストラ的な要素も多い。

それぞれのエピソードは単体として楽しめるような独立性の高い内容となっており、1章は振り返りの意味を込めてか本編の雰囲気が強く出ていたが、以降の章では埋蔵金探しに罰ゲームをかけたボウリング、バッティング対決やユーチューバーをテーマにしたもの等、本編からはかけ離れて平和な日々が描かれていた。
内容こそ日常シーンがメインとなっており、一部のキャラクターなどはギャグ要員として登場しているものの、舞台である歌舞伎町やそこに渦巻く雰囲気はしっかりと踏襲されている。
ただ例外的に一番最後の5章に関してはダルマ女とあざみとの白熱した戦闘シーンが描かれていたり、他にも本編では触れられなかった主人公の過去についても短いながらではあるが描かれており、外伝という部分にプラスして本編の補完的な要素も付け加えられていた。

本編が発売されてから時間も経ち、作中には振り返りのシーン等はあまりないため、本編を忘れた人は少しだけ復習してからのプレイが望ましいだろう。


【推奨攻略順:ー】
作中に選択肢は無く、1本道のシナリオ。


CG
本編同様、シッカリとした線と濃く派手な色使いの塗り。
時代を経てはいるもののその質感は変わらず健在。
今作はFDという事で複数の登場キャラクターが描かれた日常シーン用の物が多いが、Hシーンも6つ存在している。
加えて新キャラクターもしっかり立ち絵付きで実装されており、FDという事を考慮すれば十二分だったといえるだろう。


音楽
BGMに関しても本編同様に使用数不明。
本編もそうであったが静かさを感じるBGMが主体であり、どちらかというとSE等を使用した演出が効果的に使われている印象も強い。
またVo曲に関しては1曲、本編の主題歌である「Dance of Wolf」のアレンジ曲が使用されていた。


お勧め度
FDという事からもわかるが、内容的にも『眠れぬ羊と孤独な狼』とかなり関連のある話となっている為、本編のプレイは必須となる。
作品自体がしっかり完結した作品であるため、ある意味では蛇足となる今作。
それでも本編ではあまり露わになってなかった登場人物たちの日常が描かれているという意味で、ファンにとって待望の作品といえるのかもしれない。
バトルシーンはあまり多くないが、本編をプレイ済みで作風や雰囲気が好きだった方には特におすすめしておきたい。


総合評価
シナリオの観点からみると見本のような綺麗なFDだったのだが、作品評価としてはどうしても平均的と言わざるを得ず、この評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
語るべき部分が無かったのでここで付け加えておくが、クリア後には本編と同様に各スタッフや声優のオーディオコメンタリーも含まれていた。
内容も短いけれど結構面白くて、外伝だからと省くことなく入れてくれていた部分も好印象なところかもしれない。

上記にもある通り、全体的に優秀で内容も本編とあまり密接になり過ぎず、それでも今作をやることで本編をより楽しめるようになる。良いFDだったな~と素直に思える作品だった。
本編が綺麗に終わっている(その内容自体に賛否はあるかもしれないが)中で、「どうしてこの作品の続きを?」という疑問はあるのだが、そう思わせてくれるくらい、それぞれのキャラクターが濃くて、自然と物語を紡ぎだせるのだろうなぁ。
もちろん、発端となった発言をした人はいるのだろうけど。