
タイトル : 槇村葉月の恋語り
ブランド : あざらしそふと+1
シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG : ★★★ [3/3]
音楽 : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 3h)
シナリオ
今まで住んでいたアパートが強風の被害を受け住めなくなり、不動産屋の手引きでボロアパートの『招福荘』に住むこととなった主人公。心機一転の新生活のつもりだったが自身が原因の騒音トラブルにより部屋の壁が破壊され、隣人の『槇村 葉月』の部屋と繋がってしまう事になる。戸惑いながらも奇妙な同居生活を送る中で、彼女の趣味である映像制作を手伝う事になり…。
今作のヒロインは地味で自他共に認めるネクラ女子『槇村 葉月』。
映画作りが趣味で、普段は自信なさげでネガティブな女の子なのだが、趣味のこととなると止まらなくなる。そんな彼女と映画作りを通して心を通わせていくというのが今作の物語となっている。
ロープラ作品という事もあってボリューム自体は軽量。
作中にはいくつかの選択肢が出現し、そのうちのいくつかの選択を誤ることで5種類のBADENDへ分岐する形となっている。
ただし直前の選択で逆を選べばよいだけなので、難易度も高くない。
内容に関しても、今までのただ甘いだけのシナリオとは少し変化しており、多少のシリアスシーンが含まれていたり、上記にある選択肢を使用したBADEND芸を仕込んでいたりと、シナリオ的な面白さに関しては多少プラス要素があった。
今までもシチュエーションやキャラクターにこだわりぬいた作品を作り上げてきた、あざらしそふとのロープライス作品。
今作でも『地味だけど巨乳の女の子がエッチ』というコンセプトの元で作られた作品らしいのだが、そういう意味で今作のヒロインは、元々のネクラな性格もあって、恋愛描写は初々しくもたどたどしく表現されており、そしてそんな彼女が恋をして変化していく様子や、Hシーン変わる雰囲気など、可愛さからエロさまでヒロインの持つ魅力をしっかりと描けていたように思う。
加えてシナリオには直接関係ないものの、CVを担当した北見六花さんとの相性も良く、好きな事には夢中になってしまって、それでもどこか自信のない―そんな『槇村 葉月』というキャラクターを見事に表現してくれていた。
もう一つ、今作において今までと大きく違った部分がサブキャラクター達だろう。
今作では『招福荘』の大家や住人、主人公の母親などのサブキャラクターが登場しており、一人一人に設定が詰まっていて、作中でも大きく活躍してくれている。
そうしたキャラクターを物語に出した事で、物語における展開の幅が広がり、ヒロインのまた違った魅力を見つけることができるようになったといえるのではないだろうか。
今までのロープラ作品にあったような、1対1でキャラクターを掘り下げていく閉じた世界系の中での作品は、もちろんヒロインとの時間が増え、その甘い世界に耽溺できるという意味で効果的ではあるものの、こうした他者を交えることでしか表現し得ないヒロインの魅力も確かにあるのだと思っている。
公式でも『今までとは少し違う』と表現しているとおり、サブキャラクター達の活躍やシナリオ自体に起伏を作ったり、今までのロープラ作品シナリオと変化が見られた今作だが、少なくともプレイしていて、そうした変化した良い部分を感じることができていたし、受けた印象も良い物だったので、功を奏していたのではないかと、個人的には感じている。
【推奨攻略順:ー】
上記でも述べたように選択肢によってBADENDへ分岐するが、実質的なシナリオは1本道。
CG
しっかりとした線に濃い塗の絵で瑞々しさを感じる。
全体的な質は文句なしに高く、枚数に関してもCGは26枚となっており(うちHCGは12枚)、Hシーンは5シーン、SD絵も4枚ほど用意されている。
ヒロインである葉月はもちろん、登場機会が多いサブキャラクター達の立ち絵もしっかりと用意されているところは好印象。
音楽
BGM13曲、Vo曲1曲(主題歌)という構成。
全体的に落ち着いた印象の多いBGMなのだが、「ワタシノキモチ」のような感情を揺さぶる楽曲が用意されていたり、コンセプトに合わせてしっかりと演出ができていたように感じる。
主題歌の「君と紡ぐ恋語り」で歌手を務めたPricoさん。
作中ではED曲として使用される他、タイトル画面でも使用されており、彼女の歌は初めて聞くのだが、明るい印象で素直に良い楽曲だと思えた。
お勧め度
シチュエーションに突飛なものはないものの、映画作りを通してヒロインと交流していく展開や主人公の抱えていた問題にまで言及する、という部分に関していえば萌えゲー主体のロープラとしては珍しいくらいシナリオ部分には踏み込んでいるといえる。
そういう意味で今までの甘いシナリオが中心だったあざらしそふと作品との差が出来ているのは確かだろう、ただあくまでも主軸は萌えゲーであり、ヒロインの可愛さを見せるという事に特化した作品であることに変わりはないため、そこまで気にする必要はないといえる。
総合評価
今までの作風から少し変えられた部分もあるものの、総じての評価は変わらず安定したロープラ作品としてこの評価となっている。
【ぶっちゃけコーナー】
言いたいことは結構シナリオ部分で語ってしまっていたので、焼き回しになってしまうのだけれど、やっぱりシナリオ部分の変化が顕著だったかな。
どこか今までのロープラ作品にあった「この作品のためのキャラ・シチュ」という感じが今作ではなくて、あくまで一つの作品にある一つのルートを切り取ったような印象が強くなっていた気がした。
キャラクター自体の魅力だけではなくて、シナリオ自体にも割と読んでいて面白さがあるというか、メッセージ性が少し込められている気がした。
もちろん、主体である萌えゲーとしての部分に関しての魅力が減ったわけではなく、サブキャラクター達がしっかりと動いていたから、新たに見えるヒロインの魅力も際立たせることができていたのかなと思う。
ただまぁ、流石にロープライスとしての尺にも限度があるので、どうしても短くなりがちだけれど、その中でもできる限りのことはしたという印象を受けた。
あと作品に出てきた主なサブキャラは今回3人だったけれど、作中には多分今後の作品で取り扱われるだろうメイドさんとかが出てきていた莉、1作目にして「恋語りシリーズ」と銘打たれていることからも、同じ舞台を使ったシリーズ作品が出るんだろうなぁ。
今回のシナリオも割と好みだったので、これ自体は素直に期待できるかもしれない。
言いたいことは結構シナリオ部分で語ってしまっていたので、焼き回しになってしまうのだけれど、やっぱりシナリオ部分の変化が顕著だったかな。
どこか今までのロープラ作品にあった「この作品のためのキャラ・シチュ」という感じが今作ではなくて、あくまで一つの作品にある一つのルートを切り取ったような印象が強くなっていた気がした。
キャラクター自体の魅力だけではなくて、シナリオ自体にも割と読んでいて面白さがあるというか、メッセージ性が少し込められている気がした。
もちろん、主体である萌えゲーとしての部分に関しての魅力が減ったわけではなく、サブキャラクター達がしっかりと動いていたから、新たに見えるヒロインの魅力も際立たせることができていたのかなと思う。
ただまぁ、流石にロープライスとしての尺にも限度があるので、どうしても短くなりがちだけれど、その中でもできる限りのことはしたという印象を受けた。
あと作品に出てきた主なサブキャラは今回3人だったけれど、作中には多分今後の作品で取り扱われるだろうメイドさんとかが出てきていた莉、1作目にして「恋語りシリーズ」と銘打たれていることからも、同じ舞台を使ったシリーズ作品が出るんだろうなぁ。
今回のシナリオも割と好みだったので、これ自体は素直に期待できるかもしれない。
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