タイトル : Princess×Princess
ブランド : Navel


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 11h)

キャラクター・シナリオ
『SHUFFLE! エピソード2』(以下本編)におけるFDとして制作された今作。
シナリオとしてはリシア√の続編となっており、無事にリシアと恋人同士になった頼斗だったが、一夫多妻制を望むリシアから側室を設けることを提案されてしまう。今までの常識もあって戸惑いを覚える頼斗だったが、そんな中で突如として学園のグランドに現れた謎の飛行機が現れる。その乗客だったという記憶喪失の少女との出会いを切っ掛けに、飛行機事故で亡くなった彼自身の父親の生存に希望を抱きつつも、仲間たちの手伝いのもとプリムラの手引きによって事態解決へ向けて動き出すこととなる。

物語自体はいつものNavelらしく短くシーンを区切ることで、テンポよくサクサク進んでいくイメージが強く、展開自体も比較的早い作品なので読んでいてストレスは少ないはず。
リシア√アフターを主軸としたFDという事もあってか、物語のシナリオは一本道となっているもののただボリューム自体は少なくなく、またそれに伴ってシナリオの形も少々特殊となっており、事態解決のためにランダムで出現する扉の先、現実とはほんの少し違う歴史を辿った世界線でのエピソードを体験する事となっており、それが各個別シナリオに相当していて、そうしてどの世界を選ぶか、その選択の如何によって5種類ほど存在するエンディングに分岐する(終盤のエピローグ部分が変わる)仕様となっている。

各異世界でのエピソードは多種多様ではあるものの、主軸にあるのはあくまで、主人公である頼斗が一夫多妻―ハーレムを受け入れるまでのお話となっており、この「ハーレム」というジャンル自体が今作のメインテーマともいえるだろう。
メインヒロインとして据えられているリシアを中心としたハーレムという作品の性質上、多数のヒロインと関係を持つ事となっている。中でもリシアを交えた複数シーンが多くあるのも特徴といえるだろう。

加えて挙げられる特徴的な部分としてはシナリオの後半、原作ともいえる『SHUFFLE!』(以下原作)に登場するヒロイン達が関係するとのシナリオが存在していることだろう。
特に亜沙や楓に関してはHシーンも登場しており、そのかかわりの深さが伺えるが、そうした中で原作をプレイしていなくてもある程度の流れ理解できるではあろうが、特に今作のハーレムへの考え方は原作である『SHUFFLE!』にも登場した考え方であることもあってか、原作ヒロイン達が関わる終盤のシーンでは今作のメインテーマの「ハーレム」について深く触れられるシーンがある。
これらは、今作におけるもっとも盛り上がる山場となるシーンの一つでもあるため、プレイしているか否かで本作における印象が大きく変わる可能性もあり、今作を真に楽しむためには今作に付属している「SHUFFLE! Essence+」をプレイしていることが望ましいといえるだろう。

[ 主人公 ]相生 頼斗
本作では『SHUFFLE! エピソード2』のリシア√後の主人公として描かれており、周りもあきれる程にラブラブな二人であったが、神族として一夫多妻制に積極的なリシアに対し、人間界の常識故かどうしても彼女以外を恋人にする事に抵抗感がある主人公という構図で、その将来について少しだけ意見の相違が起きている。


【推奨攻略順:リシア→藍→らぴす→セレナ→全員】
セレナ√はどれか一つのEDを終えた後に出現する。
基本的にどの順番でも問題はないものの、話の内容的には全員(ハーレム)√を最後に回した方が綺麗かもしれない。


CG
線が固く濃い塗の絵。
立ち絵(や壁紙)等の多くは本編からの引継ぎであるものの、新キャラクター・新衣装を含めていくつか追加されているものもある。
イベントCGに関しては使いまわされているものは殆どなく、その新規の物も原画担当は安定の西又葵さんと鈴平ひろさんという事で、Navelらしいテイストの絵になっていて、質・量共に文句の出ないレベルであろう。


音楽
BGM?曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
本編と同様、ゲーム内でBGM鑑賞がなく何曲使用されていたのかは不明だが、一部楽曲は引き継いで使用されているようで、新規楽曲もいくつかあるように思えた。
Vo曲は橋本みゆきさんのEDの「TimeLess」も素敵なのだが、美郷あきさんの歌う「DREAM」が個人的にイチオシ。
特にBメロからサビがお気に入りで、歌詞と合わせてぜひ視聴してほしいものとなっている。


お勧め度
SHUFFLE! エピソード2のFDとして作られた今作。
シナリオが本編をプレイ(特にリシア√)している事が前提になっていることは勿論なのだが、その原作ともいえる「SHUFFLE!」をプレイしてることも、加えて前提となっている。
それぞれの作品がとてもボリューミーであり、今作に「SHUFFLE! Essence+」が付属している事を鑑みても、ハードルとしては高めに分類されるであろう作品である。
ただFDとしての完成度は決して悪くなく、SHUFFLEシリーズが好きな人、もしくは好きだった人には今一度、本編と合わせてプレイしてみて良いのではないかと思える作品に仕上がっていた。


総合評価
FDとしての要素も強いため純粋な評価をし辛い部分はあるものの、本編以上にシナリオ部分を高く評価できる作りとなっており、平均以上のこの評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
原作のぶっちゃけコーナーでも触れているけど、このシリーズと「ハーレム」ってのは切っても切り離せない。
それは新旧の主人公がヒロインの皆からかなりの好感度を寄せられている事もそうなのだが、今作の設定にもある通り、この世界における神族が一夫多妻制を利用していることも多くなファクターの一つといえるだろう。
中でも今回は原作主人公が一夫多妻を採用しなかった世界線を主軸としていたことが最も大きくて、同時に伝えたいテーマに対して前作での設定を絡めてくるというのがシリーズ物ならではの面白いアプローチだなと思った。

一人を愛する純愛の形がストレートであり、ハーレムに対して忌避感を抱く人がいるというのは普通に理解ができるし、そういう人はこの作品をプレイするのを推奨しないけれども、これもまぁ確かに一つの愛のカタチなのかなという答えは示せていたように思う。

まぁ各ヒロインとのやり取り以上に後半のシーンが結構琴線に触れていたりして、個人的には本当に好みのシーンが終盤で怒涛の勢いでやって来た。
終盤ばかりを好みとして挙げているような気がするけれど、各異世界でのエピソードもそれぞれで登場人物の気持ちが丁寧に扱われているように感じられるシーンもあって、切なくも心温まると同時にそうしたシーンが結構好みだったりもする。
だからこそFDでありつつも全体的な評価は高めだし、原作や本編あってこその今作であるという前提の元、シナリオ単体としてみた時はそれらよりも今作の方が好きかもしれないと思ったほど。

シリーズ物という事もあって、本編以上に懐かしい原作との絡みが強い作品だったので、懐かしい気持ちと同様に、どうしても登場できないキャラクターなんかもいたりして、切ない気持ちにもなった特殊な作品でしたね。