タイトル : クロガネ回姫譚 -絢爛華麗-
ブランド : みなとカーニバル


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 33h)

キャラクター・シナリオ
2015年PS Vitaで発売された全年齢作品『クロガネ回姫譚-閃夜一夜-』(以下原作)がPC版移植に伴って18禁要素を追加した今作。
原作からの違いとしては、本文の一部追加修正や18禁シーンの追加、ヒロインとして「切丸 祢々」が追加され、それに伴い新規キャラクターも一部追加されている他、クリア後の各ヒロインのアフターシナリオが追加されている。
シナリオ以外にもCGの追加や立ち絵のLive2D化など原作をプレイ済みの人にとっても今作は追加となる部分が多く、プレイする価値が十分にあるといえる。

原作と今作共に企画自体はみなとカーニバルと言えばこの人あり、と言っても過言ではないタカヒロさんで、シナリオを担当されているのはさかき傘さん、全体的に勢いのある作品でありつつも、一つ一つに深みがあるシナリオは、独自の世界観で作られた今作と巧く噛み合っていたように思う。

物語の舞台となるのは経済特区ジパング。
とある事情により日米間に講和条約が結ばれて、あの爆弾が使われずに終戦が早まった世界観で描かれており、その後の日本を強固な経済力を持った大国として描き、そんな世界情勢の中で、特殊警察部隊を養成する学園「私立鏡ヶ原警察養成第一学園」に通う生徒の一人「白金 正宗」が今作の主人公。過去の事件により顔に大きな傷があるものの一般生徒として通う彼が持つもう一つの顔、それが「黒金班」副班長であり実働部隊のリーダーとしての顔だ。
今作の独自の設定として存在する「黒金」―一部の存在にしか認知されておらず、用いる事で特殊能力発動することができる―それらを使いテロ対策に奔走する「黒金班」に所属する主人公やその仲間たちが繰り広げる様々な「戦い」が今作のメインとなっている。

今作ではバトルシーン自体も魅力だが、そこに至るまでの展開や登場人物たちの心理描写も、その良さが際立っていた。
特に「正義」や「死」といった物と対峙することになるシーンも多く、刻々と変わりゆく状況の中で主人公や登場人物たちが必死に考え、成長していく姿には心動かされた人も少なくないはず。
他にも主人公やその周りの人物たちの絆を感じられる場面なども思わず鳥肌が出る程の出来となっていた。
各ルートに存在するバトル自体も主人公の性質上、頭脳戦などが多くなっていて白熱する展開が多い。状況的に劣勢に立たされたところからの逆転シーンや意表を突くような展開等、どのシナリオにおいても形を変えてはいるが燃えゲーとして欠かせない要素がしっかりと詰まった作品になっていた。

また今作では複雑に絡み合う立場や世界情勢も作品の一つとして楽しむことができ、特に独自の設定などの難しい部分はタイトル画面からTIPS画面でさらに詳しく調べることもできるようになっている。ただしその分量は膨大で、こうした要素が作品のシナリオ自体に関わりはしているものの、あくまでSFアクション部分が主軸であるため、ある程度流して読み飛ばしてしまっても十二分に作品を楽しむことができるだろう。

シナリオの総評として、既存の物語はもちろん追加シナリオ部分も非常に自然になじんでおり、一つ一つの物語は文句なしで上質であったといえる。ただどうしても物語の締めにあたる「回姫譚」の流れが個人的に肌に合わず、結果として評価を少しだけ落としてしまっていた。


プロローグ【 ★★★★☆ 】  5.5h
主人公たちの日常を描きつつ、幼馴染の「天」が転入したことを皮切りに、変化してゆく主人公を取り巻く状況を描いている。
基本的に共通ルートであるのだが、なんと言っても驚くべきは圧倒的ボリューム。
一つの作品といっても過言ではない程に圧倒的で、これがあくまでプロローグであることを忘れてしまう程であった。
また物語の導入部分ゆえに「黒金」を始めとした独自の設定が多数登場するものの、説明だらけになるほどではなくしっかりと話は進展していくので、読み疲れることはない。
ただ主人公たちが所属する『第一』以外の組織との関係もシナリオ展開に深く関わっており、そうした部分については、現実にも存在しそうな部署があったりと存外複雑で、ある意味では独自の世界設定よりも読み下しにくい部分もあった。
それでも読む手を止める程の障害にはなりえず、むしろ後半のバトルシーンを中心に次へ次へと読み進めてしまう程に魅力あるシナリオ展開となっていた。
物語としては綺麗に終わっていないが(ある意味当然だが)、しっかりと次のシナリオへの繋ぎを見せてくれているあたりも評価が高い。

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村雨 伏姫√【 ★★★★☆ 】  4.5h
明るく元気で正義感の強い少女。
加えて責任感も強く、クラスでは委員長の様な立ち回りをしつつも皆からいじられたりと、誰からも好かれるようなクラスの中心にいるタイプ。
岐阜の田舎出身で季節になると実家から大量の野菜が送られてくるため、時折夕食がそれらを消費するためのレシピに染め上げられることも多い。
戦闘時は数珠型の黒金『八房』を操り、中遠距離からの攻撃やサポートをこなす。

性格から思想まで、その多くが主人公とは正反対であった伏姫、そんな二人がいつの間にか意識し合い恋に落ちてゆく様子はオーソドックスながらも微笑ましい。
作中ではムードメーカのような立ち位置の少女だったがゆえか、物語の中盤までは明るい展開が多くあったのだが、終盤にかけて物語の焦点が主人公に移ってからは一気に物語の様相が変わる。
分からなかった設定が徐々に明らかになってゆくと共に、紡がれる物語からは、それぞれの正義と悪に込められた思いや、命に正義と悪はない、といった強い主張が伝わってくる。
全体的に八房自身にフォーカスのあたるシーンが少ない内容ではあったが、それも最終盤においては解消され、そこにある恐怖を確かに感じながら、一歩踏み出す勇気を感じさせられるシナリオとなっていた。


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和泉 天国√【 ★★★★☆ 】  4h
主人公の許嫁を名乗る幼馴染。
元々兄と一緒に「第二」へ通っていたが、間諜として主人公のいる「第一」へとやって来たが、主人公と再会し、その役目を忘れてしまっている。
昔は病弱だったが現在は実家の剣術道場を最年少で免許皆伝するほどの剣の天才となっていて、そんな身の上だからか世間知らずな所があり、真面目で一生懸命なためか空回りしてしまう事も多い。
剣の腕前はもちろん、水のある所へ瞬時に移動できる黒金「翡翠」と合わせた際の接近戦は脅威。

個別シナリオで印象に残ったのはやはり中盤以降、本作中に多く散りばめられた謎が少し明らかになりつつ、天国を取り巻くとある事実へとたとりつく事となるのだが、そこからの物語の魅せ方がとても素晴らしい。
バトルシーンはもちろん展開自体の良さもあるのだが、あくまで中心にあったのはヒロインである天国の魅力。何よりも印象に残る天国の生き方は、共通ルートからは計り知れないほどに気持ちが込められたキャラクターとして成り立っており、終盤の展開も天国らしい一瞬の煌めきが強く印象に残るシナリオとなっていた。
また、このシナリオでは天国以外にも焦点の当たっていた登場人物が一人おり、ネタバレの関係上で語ることは難しいがその内容も合わせて良かった事を付け加えておきたい。
総じて難しい物語展開ではあったが、締め方も上手で後味も絶妙な内容となっていた。


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石神虎鉄√【 ★★★★☆ 】  4h
黒金班唯一の一年生。
常にスマホをイジっていたりとイマドキっぽい女の子ではあるが、一人でいる事を好み、人付き合いを嫌う傾向があり、友達も多くない。
黒金班とも仲間意識も乏しく基本的に素っ気ないが、仕草の一つ一つが可愛い所もあり、年下という事もあって皆からは可愛がられている。
戦闘は得意でないが、風を操る黒金を使って敵の位置を把握する等のサポートとして貢献する。

個別シナリオでは、変死体事件や連続通り魔事件に端を発する一連の事件に巻き込まれてゆく虎鉄と主人公が描かれている。
話が進むにつれ明らかになってゆく虎鉄が抱えていた事情、そこに絡めて起きる事件の数々はシナリオ展開としても面白みがあり、読む手が止められない程であった。
ただ虎鉄自身にまつわる話もよかったのだが、なんといってもこのシナリオでの見所は中盤「黒金班」としての魅力を芯から感じられるの熱い展開だろう。
黒金班の面々の心の温かさと確かな絆、そしてそんな彼らから愛されている虎鉄の魅力がしっかりと伝わる内容となっていた。

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船阪 玉鋼√【 ★★★☆☆ 】  4h
黒金班の頼れる先輩。
伝説の軍人の家系の出で、彼女が所属する軍部に新しい風を吹き込むべく、特警養成学校に編入することとなった。
きびしい家柄の出身で凛々しい見た目通りお堅い性格ではあるのだが、その抑圧故か意外と可愛いものに目が無かったりと女の子らしい部分も隠し持っている。
黒金は使えないが、幼い頃から培った格闘技と銃剣道による近接格闘は班内でも1、2を争う程の実力者でもある。

個別シナリオでは、比較的早く玉鋼の秘密が明かされることとなり、詳細は省くが彼女自身がとても難しい立ち位置にいる事を知る事となる。
そうした中でとある事件に巻き込まれていき、少し違う視点でも主人公を見ていくことになるという、他の√と少し違ったテイストで描かれていた。
作中に少ない姉(年上)キャラだけに恋愛シーン等にも少し期待していたのだが、予想は良くも悪くも外れ、ヒロインである玉鋼よりもむしろ主人公の魅力的な部分が前面に押し出された内容となっていたのが印象的。
全体的によどみなく流れる川のようなシナリオ展開で文句なしだったのだが、唯一終盤の展開に関してだけは少しぶつ切り感があり、もう少し物語を膨らませてほしく感じてしまった。


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大包 平【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の親友で幼馴染。
男気溢れる人格で周囲からも頼りにされているが、その見た目故に距離を置かれることも多い。そして喧嘩は好まず、普段はラーメン屋でアルバイトをしている。
主人公とはお互いにあまり多くを語らないタイプであるため、そうしたところの相性が良く、お互いに居心地の良い相手と思っている。
黒金は視力を強化するものとなっており、事故の影響でもともと殆どない平の視力を補正する程度に留まっているが、恵まれた体格による近接格闘で敵を圧倒する。

個別シナリオがあること自体に少し驚きだが、その完成度でさらに驚く事となった。
とある「兵器」に纏わる事件に巻き込まれる平と主人公の二人の物語は他のヒロイン√と比べるとどうしても短いものの、主軸にあるシナリオ展開はシンプルながらも読みごたえもあり、ギャグと戦闘シーンがバランス良く配合されており、非常に読みやすい内容となっていた。
いつもは主張が少なく気が付きにくいものの、スポットが当てられることで彼もまた今作に欠かせない魅力的なキャラクターであることが伝わってくる。
贅沢をいうならば、二人のなれそめなんかももう少し語ってほしかった所だが、贅沢を言うべきではないだろう。


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切丸 祢々√【 ★★★☆☆ 】  4h
第一学園の教師であり、黒金班を指揮する主人公にとっての上司。
将来は出世が約束されたエリートであり、教師も一時的な物とドライでクールな人物を演じてはいるが、実は根っからのお人好しで生徒想いである。
戸惑った際の反応が可愛く、主人公を含め多くの人にとっては親しみやすい先生でもある。
主人公の姉とは幼馴染で、幼い頃の主人公に勉強を教えていたという過去を持つ。
戦闘については基礎的な戦闘スペックがずば抜けており、強力な黒金を所持しているが普段使用することはなく、謎に包まれている。

今作にてヒロインに昇格し、原作から新規シナリオが追加された祢々。
他の√でもすでに安定的に可愛さが散見されるキャラクターであったが、個別シナリオが用意されたことで、玉鋼にはない純然たる姉キャラとしての需要も満たしてくれていた。
シナリオ自体はとある事件が主人公の過去と絡んでいく流れとなっており、その過程で主人公と祢々関係が変わっていくと同時に、同じ幼馴染である「古河 八雲」との描写なども用意されていた。
事件自体の面白さはもちろん終始読む手が止まらなくなるほどで、他の√では見られない関係性が見られたりと面白みも十分。
後付けされたとは思えない程作品になじんだシナリオとなっていたのも見事という他ない。
主人公とは教師と生徒という関係もあって、恋愛描写は少なくなっているものの、祢々の可愛さが最大限にでる心理描写が多くなっている事も評価したいところで、祢々が好きな人にとっては内容以上に垂涎のシナリオだったといえる。


回姫譚√&アフター【 ★★★☆☆ 】  6h
全キャラ攻略後に現れる回姫譚は今作のいわばTRUE√という事で分量は約4h弱程度。
内容としては今まで明かされていなかった謎を含め全ルート分の伏線回収をしつつ、さらに過酷で大きな戦いへと赴くことになる黒金班、そして宿命ともいえる運命に巻き込まれてゆく主人公たちを描く。
戦いの内容に関しては、今までのシナリオを鑑みても予想だにできない程に悲惨であり壮絶、中盤にかけての雰囲気は最終戦に相応しい最も緊迫感のある内容になっていたといえる。
ただし全伏線を一気に処理しようとしているため、どうしても全体的な流れが駆け足気味となっており、一つ一つの事実は重い事に反して受ける衝撃が少なくなっていたのが悲しい所。
広げ過ぎた風呂敷をたたむことに苦慮したのか、終盤の展開も盛り上がるというよりは、あるべき形に向かうためのシナリオという意向を強く感じ、燃えゲーとしては少し肩透かしの内容になってしまっていた。
上記の理由もあって評価を高くできないものの、ここまで続いたシナリオの流れを考えたうえで、一つの帰結の形を描いたものだと受け止めるべきだろう。

絢爛華麗で新規追加となった各ヒロインアフターは4人それぞれ30分前後の分量となっている。
内容が殆どネタバレと直結している為詳細は省くが、少なくとも各ルートのアフターというわけではなく回姫譚後の日常として描かれている。
各ヒロインルートの大部分がHシーンを含むイチャラブ部分にあるため、シナリオとしての重みが無いシーンが多く、アフターの名前の通り後日談として受け止める程度にとどめておくべきだろう。


[主人公]白金 正宗
第一に秘密裏に存在する「黒金班」の副班長であり、実働部隊のリーダーを務める青年。
いつも仏頂面をしており、お金を何よりも大切と考え他に興味を示さないため、周囲と壁が出来てしまっている。
獲物は刀で戦闘もかなりの物だが、とある理由のために発揮する場面は限定的。むしろ状況に応じて戦術を組み立てる事を得意としている。


【推奨攻略順:伏姫→天国→虎鉄→玉鋼→大包→祢々→回姫譚→アフター】
1週目は伏姫か天国の固定となっていて、その後はその他ヒロインが解禁になり、回姫譚は全キャラ攻略後に出現する。それをさらにクリアするとアフター√が閲覧可能となっている。
基本的に上記を守ればネタバレを踏むことは少ないものの、上記の順番が最も安定していると個人的に考えている。


CG
線画が太くはっきりとした絵で、特に立ち絵にそうした風潮が強い。一方で各イベントCGは線が少し細く感じテイストが少し違ったものとなっている。
上記のような特徴はあるもののCG数は豊富で質も安定していたといえる。
またPC版移植に伴って立ち絵がLive2Dにより立ち絵が動くようになっている事も特徴の一つ。
ただし、初めての導入であるためか違和感が強く、終盤に離れてしまうものの、いい点と悪い点が混在していた。


音楽
BGM40曲、Vo曲3曲(OP/ED2)という構成。
数が多い楽曲は幅広いシーンをカバーしてくれており、切ないシーンにおける「過ぎ去りし時」などはオーソドックスなオルゴール曲ながらもストレートに心に来る。
他にも戦闘シーン用の気分が高揚するような楽曲が多かった印象で「剣舞・正宗」などは代表的だろう、そして中でも「クロガネ」は格別のものがあった。
Vo曲は何と言ってもOPの「Aim and LOCK ON!」がイチオシ。
燃えゲーといえば飛蘭さんといったくなるほどカッコよく歌い上げられたVo曲は盛り上がりも十分で、作中で流れなかったのを少し残念に思ったほど。


お勧め度
独自の歴史を辿った日本を舞台としたSF異能バトル物ということで、みなとカーニバル作品にバトル要素がある作品は存在しているが、ここまで燃えゲーに傾倒した作品は初めてではないだろうか。
さかき傘担当のシナリオということで、一つ一つの物語に深みがありながらもタカヒロ作品っぽさも出ている今作であった。
元々が18禁作品ではないため、全年齢対象となるバトルシーン等がしっかりと前面に出されており、シナリオを重視する人にとっては泣きに笑いにと感情を揺さぶってくれる作品となっている。
ただし分量が多いだけに初心者にとっては少し辟易するかもしれないが、その文章量さえクリアできたのなら、全体的にテンポよく読みやすい作品なので終始楽しむことができるだろう。


総合評価
全体的な完成度はとても高いレベルであったといえるが、終盤の展開はどうしても尻すぼみに感じてしまい、評価としては少し抑え目の物となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
持っていない筐体の作品である影響が強く、みなとカーニバル作品でありながら、原作については存在自体を知らなかったのだけれど、「なんでこの作品を知らなかったんだろう」と後悔するくらいに良い作品でした。
原作をプレイ済みの人はその良さが分かってるとは思うけれど、原作未プレイの人は特におすすめしたい作品になっていましたね。
本当にタカヒロ作品っぽさを残しつつも、シナリオ担当であるさかき傘さんの味が良く出た展開になっていたと思います。

共通から各ヒロイン√(+友人√)を含め、文句の付け所は殆どないくらい、違和感のあるLive2Dなんか霞むくらいだった。
だた、そうして各ルートの質が高かっただけに、回姫譚に対して爆上がりしていた期待が完全に肩透かしに終わった印象も強かったんですよね。
本当に肌に合わなかった、というのがストレートな印象。

ネタバレが多いのでその部分を伏せて語っているからかなりわかりにくいけど、それでもストレートに書くと、各ルートでも結構衝撃的な展開ってのは多くて、その度に心動かされてたんですが、この回姫譚ではそれが本当に連続してしまって、途中から「消費しすぎでは…」と思ってしまった。
だからこそ、ここまで来ると後戻りができないだろうし、物語の性質的にも「こうなるんだろうな~」と予想がついてしまっていて、エピローグ部分はともかく、物語の片づけ方もどうしても独自設定による物が深く絡んでいたので、展開としてそこまで衝撃を受けることはなかったんですよね…。
この終わり方自体は、こうでもしないと読後感が最悪になるだろうし仕方がないのですが、関わっている人にしては珍しく、広げ過ぎた風呂敷の畳み方が雑になっているような気がして、今まである物語が良かっただけに勿体ないなと思ってしまった。

ただ終盤はともかく、それまでの各ルートの良さがそれで下がっているわけではないので、しっかりと名作に食い込める作品であったと太鼓判は推したい。