スピカの忘れ物

ゲームレビューとちょびっと小説を公開している、鍵っ子ゲーマーのブログです。 泣きゲーやシナリオゲーが大好物!



タイトル : 我が姫君に栄冠を 将軍の誘惑
ブランド : みなとそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   :       [-/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 1.5h)

シナリオ
本編「我が姫君に栄冠を」に登場するエスクド・パガンがヒロインとなったスピンオフ作品。

シナリオを担当するのは本編から変わらずタカヒロさんとなっており、作品の雰囲気は十分に踏襲されている。

今作のヒロインとなったエスクドは由緒正しい貴族の娘。
美人で常に冷静、学業も優秀で天眷により使用する盾を用いた戦闘力もズバ抜けて高い。皇帝であるノアの盾として育てられ、忠誠を誓っており、帝国屈指の戦力を誇る帝国五星の一端を担っている。
本編においてもサブヒロイン√という事で登場シーンも比較的多かったエスクドだが、スピンオフという形でヒロインに昇格した形となっている。

物語の舞台となっているのは帝国領であり、本編においてノアと出会い学園に通う事になったあたりからのシナリオとなっている。
そのため主人公の相棒であるミンジャラやエスクド以外にノアやフォル、ラスト、ノアの妹であるマニエラといったキャラクター達が中心となってシナリオを盛り上げていて、他にも連邦からはレイズが登場していたりと、本編と比較するとどうしても人数は絞られているものの、FDとしては十分に賑やかといえるだろう。
またFDということもあって、端々にあるギャグ要素はより強くなっており、特にエスクドの特性である勢力の高さによる暴走と、天然なシャオという組み合わせによる掛け合いは今作だからこそ楽しめる内容だったといえる。
そうした中で話自体もサクサクと展開していく事がシナリオにおける特徴の一つとして挙げられるだろうが、ボリューム自体が乏しく内容自体も薄いため、上記のようなギャグシーンとエスクドとのHシーンが本作のメインコンテンツといえるだろう。

【推奨攻略順:なし】
シナリオ中に選択肢無し。

CG
本編と同様にしっかりとした線に、少しだけのっぺりとした濃い塗の絵。
背景や立ち絵等にほとんど追加はないものの、新規CGで19枚(シーン回想枠8個)と、作品の短さに対して豊富な量が用意されている。


音楽
OPは特に存在せず、EDもBGMが流れる程度の物。
BGMに関しても30曲弱が本編からの流用されて閲覧できるようになっており(Vo曲は無し)、新規追加要素はなかったため評価無しとなっている。


お勧め度
スピンオフ(FD)という事で、本編をプレイした人の中でエクスドが好きだった人にはお勧めしやすい作品となっている。
また作中には必要な知識部分が詰め込まれたTIPSがある他、体験版という形でこの物語に至るまでの本編シナリオをプレイすることも可能なので、本作からのプレイも可能となっている(本編を知らずにエスクドに一目ぼれをしたという人がいるのかは不明だが)
しかしながら、世界観を十分に堪能するという意味でも、本編をプレイしてからのプレイが望ましいだろう。
初見プレイヤーに対して優しい配慮が行われており、値段的なハードルも低くなっている事から手を出しやすい作品となっているが、作品自体の短さはある事も留意しておくべきだろう。


総合評価
短くはあるもののFDとして必要な要素はしっかりと満たしつつ、みなとソフトらしいギャグテイストなシナリオも健在で、プレイした人がおおむね満足できるだろうという事で平均的な評価とした。


【ぶっちゃけコーナー】
本編はかなり登場人物が多い作品であり、今作のヒロインであるエスクドもサブヒロインとして登場している。
その他多くのキャラクターがいる中で、このキャラが選ばれた理由は定かではないものの、エスクド自体の特性があって、話が作りやすそうだったからというのはあったのかもなぁ。
その甲斐あってか、全体的に賑やかでエスクドの可愛い所なんかも良く引き出せていたように思う。
ただFDといえどもシナリオ不足というのはどうしても感じてしまうかなぁ…ほかの一般的なFDと比べて著しく短いわけではないのだけれど、どうしても大容量だった本編とかの印象を引きずってしまうから余計に思ってしまうのかも。



タイトル : 思い出抱えてアイにコイ!!
ブランド : HOOKSOFT


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 13h)

キャラクター・シナリオ
「ヒロイン全員が幼馴染」というコンセプトの元、軽快なギャグと魅力的なヒロイン達で描く青春学園物として描かれた今作。

物語の冒頭にはプロローグとして、主人公やヒロイン達の幼少期にあたる「過去編」が用意されており、主人公が街を離れるまでの幼馴染のヒロイン達との日常が描かれていた。そして時を経て、大きな変貌を遂げたヒロイン達と再会することとなる、というのが共通シナリオ部分の入り口となっている。
その後の日常シーンではキャラクター紹介の形を交え、幼少期と成長後のヒロイン達のギャップを感じさせつつ、新たに生まれた魅力ある一面を描き出していた。
共通部分ということもあって全ヒロインが集結しているため、ギャグシーンなどを中心に賑やかで豊富な展開が見ることができ、幼馴染特有の軽快なやり取りが複数のキャラクターと成立するという今作のコンセプトを最も活かしていた部分といえる。
こうした部分はギャグのおかげもあってかシナリオのテンポも良く賑やかで、話の展開自体もサクサク進むのは魅力の一つに挙げられるだろう。
ただし、途中には細かな選択肢が何度も出現していて、こうした部分はヒロイン達の色々な反応が楽しめる一方で、シナリオの流れをせき止めてしまう作用もあり、好みの分かれるところといえるかもしれない。

今作の特色の一つとして挙げられるのが恋愛部分だろうか。
共通ルートとなる日常編の後、特定のヒロインと関係を進める『進展編』という事で、気になるヒロインと一緒に下校したり、放課後のスマホでのやり取りをしたりと、学園物ならではのシーンが詰め込まれている。
どのキャラクターとも幼馴染の恋愛だからこそ劇的な変化はないものの、親密度が高まったがゆえに関係が変化するという過程を丁寧になぞっていた印象が強い。
ただ、どのシナリオも共通した流れがパターン化されており、恋人関係に至るまでの流れに差分が全くなくなってしまった、という不利益もあった。
ここはもちろんコンセプトと関連しているのだろうが、恋心へと変化するその過程自体は、恋愛学園物においても重要な要素の一つともいえるため、そうした部分が余り綿密に描かれていなかったのは残念な所だった。

共通ルートで幼馴染同士のギャグを交えた賑やかなシーン、個別では各ヒロインの魅力を堪能、作品の中で住み分けができていて評価できる部分があるのは確かだが、恋愛学園物としては全体的に”これ”というオススメの要素が無かったのもまた率直な印象であった。
そんな中で今作の評価をひっくり返したのが兎鞠√の存在である。
詳細は彼女のシナリオ評価で(ネタバレをしないように)語っているが、他の√とは全く違う話の様相に戸惑いながらも期待し、そしてキャラクターへの想いを馳せていると、流れるBGMとの相乗効果もあり、思わず涙してしまうシーンもあった。
今作の作品コンセプトからは少し外れた位置にある内容だけに、かなり好みが分かれる部分でもあったが、シナリオの流れ自体は個人的にかなり好みだった事もあって、ただの萌えゲー・ギャグゲーからより一歩踏み込んだシナリオとして高く評価し、全体的な評価を一つ押し上げた結果となっている。


共通√【 ★★★☆☆ 】  5h
幼少期となる過去編がプロローグとして全体の3割ほどを占めており、残りは学園編となっていた。
コンセプトが「全ヒロインが幼馴染」という事で、幼少期から学園編に至るまで複数ヒロインとの掛け合いがかなり多くなっており、それこそがこの共通ルートシナリオ部分の最大の魅力といえるだろう。
今までのHOOKSOFTよりも、よりギャグに重きを置いているように感じられるシーンも多く話もサクサク進むのだが、一方でそうした幼馴染達と過ごす日常シーンには時折細かな選択肢が出現するため、どうしてもテンポは悪くなってしまっている。
この辺りに関しては好みが分かれるところといえるかもしれない。

内容自体については、個人的には幼少期シーンが印象深かった。
ストーリーは比較的オーソドックス、ギャグは単純と余り褒めるところがなさそうではあるものの、そのシチュエーション自体の強さでストレートに泣ける内容になっており、事前情報が無ければないほど気になるヒロイン達の変貌など、シンプルな内容ではあるものの、コンセプトとしてある「ヒロイン全員が幼馴染」という強みを最大限に生かせる内容だったように思う。


20211024133057
栗山 兎鞠√【 ★★★★★  1.5h
家庭的で理想的な世話焼きな女の子へと成長した同い年の幼馴染。
子供の頃は泣き虫で、いつも主人公に面倒を見てもらっていた兎鞠。再開したのちはその恩を感じているためか、再会後は”ママ”を自称して何かと主人公の世話を焼こうとしている。
兎鞠自身が基本的に常識的である事に加え、騒動の中心にいる事は少ないため、ギャグシーンにおいてはツッコミ役に回ることが多い。

今作のセンターヒロインと言っても過言ではない兎鞠の個別シナリオに関して、ネタバレになるため深くは語らないが、シナリオの性質やその出来自体は他の√と一線を隔していた。
まずは前半から中盤にかけて。
ここは二人の想いを育むシーンに注力されており、ある意味手は他のヒロイン√と肩を並べていると言ってよい。
からかえば照れて、逆にこちらを慌てさせるような発言をすることもある兎鞠の反応は、とにかくその一つ一つが可愛いく、CVを担当した実羽ゆうきさんとの相性も非常に良かったように感じる。
本領を発揮したのは後半だった。
兎鞠の抱えていた「ある問題」を過去の出来事と絡め、彼女自身の想いをしっかりと描き出し、その感情としっかりと向き合うことで、より物語に深みを持たせた展開となっている。
その終わり方(展開のさせ方)に賛否が出るのかもしれないが、純粋に感動できる内容で合ったことは確かで、兎鞠自身の魅力をさらに高めていたように思う。
幼少期編でも存在感が抜群だった兎鞠だけに期待感はあったのだが、それに見事答えてくれたと言ってよいだろう。
ギャグ・萌え・感動の3点が上手く融和した秀逸なシナリオであったと個人的に高く評価している。


20211025015557
洲郷 千聖√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
ヤンチャなガキ大将から、皆の憧れる美人なお姉さんへ。
親友の姉であり、幼い頃からグループの姉として皆を引っ張ってきた千聖だが、そんな過去が黒歴史となるくらい現在では男子の憧れる高嶺の花に。
それでも主人公たちといるときは、昔ながらのお茶目で悪戯好きな所も見せてくれており、主人公はよく手玉に取られている。

個別シナリオでは好意をもった千聖が主人公へ強くアピールする展開に。
唯我独尊で王女様気質な所は少し残しつつも、それでも初々しさを感じさせる千聖との恋愛シーン、人気がある千聖と付き合うからこそのイベントなど、姿は変わっても騒動とは切っても離せない所も魅力の一つだろう。
終盤は変わりゆく時代の中で、それでも変わらないもの、変えなくないものをテーマとしており、「変化」が大きなモチーフとして含まれた今作の中だからこそ印象的な内容だったように思う。


20211025020037
所沢 郁√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
まん丸ぽっちゃりな幼少期から一転、スポーティな部活少女へと変貌を遂げた郁。
ヒロインの中では見た目において、最も変化したといえるものの、人懐っこくどこかマイペースな所は相変わらずである。
主人公を兄のように慕いついて回る事もだが、主人公との約束を果たす為に、頭脳を犠牲にしつつもバレー一筋で頑張り続けている姿からは忠犬のような印象を受ける。

恋人はバレーボールと公言するほど恋愛に興味が無く、周囲からは王子様として扱われている郁。
個別シナリオにおいてはそんな彼女と主人公が少しずつお互いに意識してゆく様子が描かれていた。
恋愛におけるはっきりとしたターニングポイントとなるようなシーンが存在しなかったのが印象的で、親密さが高まった結果として関係が変化したような印象を受けるシナリオであった。
そんななか郁の魅力としてコロコロ変わる表情が挙げられる。
普段の王子様のような態度と主人公の前で見せる我儘で甘え上手な部分におけるギャップ、可愛いと褒めると照れてしまうところなど、何事も素直に感情に現れる郁だけに一つ一つの反応がとても愛らしかった。


20211025020114
春ノ原 優菜√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
幼少期は負けず嫌いな同い年のライバルであり、悲劇のヒロインでもあった女の子。
再会した後、成長はしたものの短い身長など見た目に幼さが残り、いまだに子供に間違えられることも多い優菜。だからこそ、少し大人っぽいオシャレをする女の子に。
幼少期の体験が原因で男性にたいして苦手意識を持っているものの、その頃の主人公に救われたことからヒーロー視しており、そのため主人公に対してだけは気おくれせずに接することができる。

個別シナリオでは、いじられキャラという事もあってか主人公からからかわれることも多いものの、元来負けず嫌いで元ライバルという事もあってか、他のヒロインよりも対等な恋人関係を築いているように感じられるシーンが多い。
また後述の後半部分もそうなのだが、男性が苦手な優菜の為に主人公や幼馴染のヒロイン達が協力して行動したりと、付き合った後も周囲とのつながりがしっかりと保たれていたことも個人的に好印象だった。
後半では優菜の成長に関してスポットが当てられており、過去の約束を絡めつつ憧れだった存在に対し、並び立つように努力しようとする優菜の姿が描かれている。
エピローグで明かされる小さな設定も読後感をよくしており、個人的には評価したい。


20211025020247
西渓 静流√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公が引っ越していく直前に引っ越してきて仲間になった同い年の少女。
幼少期から引っ込み思案であったため、引っ越した後に友人となってくれた幼馴染たち―特に主人公に対しては恩義を感じている。
大きくなっても性格話変わらず照れもあるようで、どうしてもツンツンとした態度をとってしまうが、そうしたところを含めて幼馴染達からは可愛がられている。

幼い頃と同様、恥ずかしがりで人見知りな静流。
今作のヒロインで最も幼少期からの変化が少ないキャラクターとして描かれていたのだが、だからこそ、友達から恋人へ関係が変わることで、変化してゆく静流の姿がより大きく感じられる内容となっていた。
心を許した人に対してはとことん素直になれる静流、恋人となってからそれがとても顕著に表れ、子犬のように素直に甘えてくる静流を堪能できる。
その性格を活かし、可愛さを前面に出したシーンの数々は流石という他ない。


[主人公] 酒匂 晴輝
面倒見が良く、困った人がいると放っておけないタイプの青年。
幼少期は兎鞠や郁、千聖といった幼馴染達と過ごしていたが、両親の転勤で引っ越すこととなった。
その後、何度か引っ越しを繰り返す中で、部活に所属できないが故に多種多様なアルバイトをおこなっており、人よりも多くの社会経験を積んでいる。
今回、良心の海外転勤を期に、大学受験に備えて幼少期を過ごした町で一人暮らしをすることとなった。


【推奨攻略順:郁→千聖→優菜→静流→兎鞠】
特に制限もないため好きなキャラからの攻略で問題ないだろうが、兎鞠√に関しては個人的に最後に回すことを推奨したい。


CG
細くしっかりとした線で淡めの塗の絵。
CGの枚数に関しては質も比較的安定しており、Hシーン関連が半分以上を締めてはいるものの、枚数自体は十二分といえるだろう。
立ち絵に関しては5キャラとキャラ数が多めだが、幼少期を含めそれぞれにしっかりと複数種類が用意されており、目パチ、口パク機能もついていた。


音楽
BGM27曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的に穏やかな楽曲が多く、朝をイメージさせる「クロワッサンいっぱいのバスケットから」や「あなたとの毎日に祈りを込めて」など、どのシーンでも使える汎用性の高いものがそろっていた印象が強い。
そんな中、こちらの予想を遥かに超えてきたのが今作のOPのピアノアレンジ曲だった。
純粋に櫻川めぐさんの歌うOP「春は詩と共に」自体が素晴らしい物だったのだが、このアレンジBGMは一つ一つの音が優しさに溢れており、特定のシーンにおいて真価を発揮する楽曲となっていた。
シナリオと合わせて聞いてみてほしい本当にイチオシの楽曲である。


お勧め度
HOOKSOFTらしいギャグと萌えに注力した青春学園作品…なんですが、その中で異色だった兎鞠√を受け入れられるかどうかが、今作の評価を大きく分けていると言っても過言ではない。
それゆえに、純粋に萌えやギャグのみを楽しみたい人にはお勧めしにくい作品にもなっており、その部分を考慮してお勧め度を一つ下げた形となっている。


総合評価
ギャグは自体は多少弱めだが、キャラクタ―の魅力はしっかりと描かれており、何よりもシナリオ部分に関して、好みは別れるところだが個人的にシナリオが好みだったこともあり、少し高めのこの評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
同系列のブランドだから比較してしまうけれど、正直、最近のSMEE作品とHOOKSOFT作品の評価が私の中で入れ替わりつつあった。
そして今作でそれが決定的になりましたね。
HOOKSOFTはギャグが洗練されてきたし、何よりシナリオ部分の伸びが素晴らしい。
上記まででも折に触れて話題にだしているが、今作のキーポイントとなっているのは兎鞠√。
彼女ノシナリオに関しては、前半に伏線自体は存在していたものの、それをどう処理するかは個人的にあまり予想出来なかった。というのも、多くの萌えやギャグを主体とした作品ならば流してもおかしくない程度の物だったので、これを扱う事は無いんじゃないかな、と半ば諦めの気持ちでいたほど。(ただ、それは完全に杞憂だったわけだが)
個人的にすごく好きな話だった事を抜きにしても、あの話を入れてくれたこと自体に関して評価をしたい。
もちろん兎鞠のシナリオだけではなくて、優菜のビジュアルについてとか、色々と作りこまれていたところも評価している。

ただ、何度も蒸し返すようだけど、兎鞠√の話はハッピーエンドではないよなぁ…深く考えると結構ビターなエンディングだった気がする。
”彼女”の想いとかを考えると特に「めでたし、めでたし」と素直に言えない自分がいて、悲しい話があるからしっかりと幸せを感じられたような気がしている。
その中でエンディングの入り方も特別感があってよかったなぁ…。

純粋にギャグと萌えだけをこの作品に求めていた人にとっては、そうした部分がすごく後味悪く感じてしまって、評価が悪くなってしまうんだろうけどなぁ…。
この辺りは本当に難しい所だけれど、個人的な好みという事で、高めの評価を付けさせてもらった。
そこが合わないのなら、この作品に関して私がした評価もあまり信用しないほうが良いだろう。



タイトル : 俺の恋天使がポンコツすぎてコワ~い。
ブランド : Hulotte


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 10h)

キャラクター・シナリオ
ある日、道を歩いていた主人公の前に落ちていた1冊のノート。
『ラブノート』と書かれたそれを拾った主人公の前に現れた、恋天使を名乗る謎の存在「ラブミエール」。
そんな彼女から『90日以内に運命の花嫁を見付けないと、性機能を消失することになる』という事を告げられ、強制的に恋愛成就に向けて奔走する事になる――。

メインヒロイン5人、サブヒロイン一人、キャラクターの可愛さを前面に押し出した萌えが主体の作品で、基本的には学園恋愛物に分類される今作。
シナリオ自体は全体的にテンポよく、ヒロイン数は多いもののそれぞれのボリューム自体は控えめなので、サクサクと進められる作品となっていた。

そんな今作において特殊な存在として今作のキーとなっているのが『ラブミエール』と彼女によってもたらされた『ラブノート』だろう。

変わらない日常の中で突如として表れた怪しい存在である『ラブミエール』。
ポンコツながらも天真爛漫で、いつも一生懸命に恋愛成就に向けて行動してくれており、そんな彼女をずっと見ていたからこそ、いつの間にか温かい気持ちを抱くようになる存在となっていくのだが、そんな彼女に対して終盤でどういう思いを抱くか、その描き方の差が各√のテイストの差にもつながっていたように思い、同時に彼女の気持ちをどう汲み取るかで今作の評価も変化するのではないだろうか。

そしてもう一つ、某マンガの”死のノート”を彷彿とさせる、天使であるラブミエールよりもたらされた『ラブノート』。
名前を書くと運命度(好感度)が分かり、その上げ方を示唆してくれる便利な道具だが、今作では毎夜『ラブノート』を使用し各ヒロインを選択することで、各個別のシナリオへと分岐するという、仕組みの一つとして組み込まれ、最終的にはそれが各ルートへの分岐フラグにも使用される、といった役割を担っていた。
加えて、作中において普段なら二の足を踏むような選択や行動を後押ししてくれているシーンが多く、恋愛作品の中で発生しがちな躊躇や戸惑いといった停滞において、物語を展開させる起爆剤として、とても上手な使い方をされていたように思う。

深い部分に関してはぶっちゃけコーナーで少しネタバレしつつも触れているのだが、つまるところ、ストーリーに関してはあくまで萌えに注力するというスタンスを貫きつつも、その内容自体にも見どころがあったという事に対して、高く評価をしている。


共通√【 ★★★☆☆ 】  2h
天使であるエイルとの出会いから、バイト先で行われた全ヒロインが集合した歓迎会までが共通部分にあたる。
イベントとしては主に前半の状況説明から、一部ヒロインの登場イベントくらいとなっていて、上記でも少し触れたように、割と序盤から選択肢出現して各ヒロインシナリオへ分岐している為、その部分を除いた純粋な共通部分として考えるとボリュームは比較的短めとなっている。
そのため、選択によっては殆ど絡まないヒロインが存在してしまっているのは少し残念な所といえるかもしれない。


20211016172222
恋見 エイル√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の元へ突如やって来たポンコツ天使。
恋愛成就の為にサポートを申し出た、この物語の発端となった謎多き存在。
常にテンションが高く、自身の欲求に素直で、考えなしに勢いで行動しがち。それゆえにミスが目立ち、ひやひやとさせられることも多いが、そんな所が放っておけないという所は彼女ならではの愛らしさだろう。
今後の活動のためと言いつつ、私欲交じりで主人公の学校へ転校してきたため、主人公のクラスメイトとなっている。

個別シナリオでは、冗談のつもりでラブノートにエイルの名前を書き続けた主人公がだんだんと彼女自身の魅力にひかれてゆくという流れに。
無邪気な笑顔はこちらに元気を与えてくれ、どんなことにも全力で楽しみ、ストレートな好意を示してくれる彼女の姿からは、主人公でなくても多くの人を魅了する力が感じられるはず。
初々しくも元気いっぱいのエイルとの恋、二人が付き合うまでのそうしたシーンは比較的に比重多くとられているが、もう一つエイルが「恋天使」という立場である事を絡めたシナリオが後半に用意されている。
既出だったいくつかの謎や物語の根幹に関わるような新たな設定なども明かされてはいるものの、他の√と干渉が無いのは一つの魅力だろう。
展開自体も予想できる範囲内の物ではあったものの、主軸となるストーリーが良かったことや、丁寧に描かれている事もあって感情を動かされるシーンもあったほど。
ただエピローグにおける展開が割とサラッとしているので、情感深く感じ入っていた人にとっては少し肩透かしな展開に感じてしまうかもしれず、少々残念に感じた所でもある。


20211016191812
乾 依鈴√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の隣の家に住む、幼馴染みの少女。
明るく真っすぐで純粋な女の子。
陸上に所属していて、今は夏の大会に向けて練習を頑張っている。
主人公が陸上部に所属していた頃は一緒に練習するほど仲が良かったが、ケガを理由に主人公が陸上部をやめてからは疎遠になっていた。

幼馴染という事もあってか、序盤から運命度も高く相性の良い依鈴。
そんな彼女の個別シナリオでは、二人の共通の過去である陸上や主人公の怪我を発端とした二人の気持ちのすれ違いをメインに、依鈴の悩みや主人公の頑張りなど等身大の恋愛描写が描かれている。
オーソドックス展開ではあるものの、それゆえに二人の感情の動きが分かりやすく、各シーンが安定感のある内容となっていた。


20211018003608<西篠 琳果√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
成績優秀、容姿端麗の優等生で、西篠財閥のお嬢様。
幼い頃は身体が弱く入退院を繰り返しており、それが原因で成績を落としていたので、主人公たちと同じ学園に通う事になった。
教室ではいつも熱心に勉強をしており、どこか人を寄せ付けない雰囲気があるが、どうやら彼女は大きな秘密を抱えている様で…。

設定では隠されているものの、「カリン」という名前で秘密裏に動画配信を行っているという、昨今流行りのVtuberをテーマとしたヒロインである。
知り合いから友達そして恋人へと、すこしだけ関係の発展が駆け足になってはいたものの、琳果と大きな秘密を共有する中で、彼女の抱く希望を知り、そして現れた障害に対して彼女との未来のために頑張る主人公というのはオーソドックスで安定感のある内容になっていた。
琳果自体も魅力的なヒロインだったのだが、個人的には、物語の序盤においてカリンのガチファンである主人公のテンションがおかしくなって、ポンコツであるはずのエイルから突っ込みが入るという、立場の逆転が面白くてギャグの楽しめる話にもなっていた。


20211017152041
佐久真 詩√【 ★★★★☆ 】  1.5h
同じ屋根の下に住む、主人公の義理の妹。
両親がいない家で実質二人暮らしだが、一つ年下ながらも家では料理を担当してくれており、朝夕はもちろん主人公のお弁当も作っている。
基本的には素直で良い子なのだが、兄の事を心から信頼していて尽くすあまり、その想いが勢いあまって他の女性に敵愾心を抱くことも。

義理とはいえ長年兄妹として育った二人、個別シナリオでは『ラブノート』の力でそんな二人が意識し合う―というよりも詩の想いを知る事に。
控え目そうな見た目とは裏腹にいったん覚悟を決めると押して押して押しまくる、攻めの恋愛描写が印象的で、兄には見せない二面性があったりとコミカルな魅力も持つ詩でした。
主人公を好きになった経緯などもストレートながら良い物だったのだが、何よりも終盤のエイルとの関係やそのシーンが素晴しく、捻りが無いだけに素直に心に響く内容となって、思わず涙してしまったほど。個人的にシナリオとても気に入った部分でもあった。


20211020003455
峰越 琴雛√【 ★★★☆☆ 】  1h
紡たちのクラス担任で国語を教える若い女性教師。
ドジな所はあるものの真面目で、熱意をもって生徒たちと接しており、そのおかげか生徒たちからの人気も高い。
非常に美人ではあるものの浮いた話はなく、その原因は彼女が教師を志した事と関連しているらしく…。

エイル√で大まかな彼女の過去が明かされ、彼女のシナリオが攻略可能となるのだが、生徒と教師という関係もあって、初期運命度はヒロイン達の中でもかなり低くなっている。
そして何よりも彼女の抱えている「事情」が最も大きなハードルとして存在しており、琴雛√においてもそれが終始メインテーマとなっていた。
個別シナリオにおける琴雛はとにかく包容力が強く描かれていたのだが、そんな彼女の持つ弱さのような部分がそうしたテーマと合わせて描かれていたのも特筆すべきポイントだろう。
今作の根幹的な部分と関わっており、内容的にも濃かったのだが、他のヒロイン達と比べてもボリュームが短めで、内容に反して物語の起伏が無く折角の盛り上がりシーンもサラッと流されていた印象がある。


20211017154440
幸咲 来瑠√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
読書好きで引っ込み思案な女の子。
主人公の妹である詩とは同級生でもあり親友で、バイト先では後輩として一緒に働いている。
察しが良いため、主人公が巻き込まれた事情を知り、ポンコツなエイルに代わって恋愛に悩める主人公を手助けしてくれることとなった。

サブヒロインシナリオという事で、自身が書く小説の為に恋のサポートを行っていた来瑠自身がだんだんと恋に落ちてゆく様子が描かれているが、物語はかなり短め。
とにかく小動物系で可愛い来瑠の魅力が詰まった話にはなっている。
エピローグで明かされるが、本作における恋愛のアンチテーゼのような要素を含んだ物語として、こういう話が存在していること自体に面白みを感じたことも追記しておきたい。


[主人公]佐久真 紡
恋天使のエイルと出会い、ラブノートの所有者となる事で、運命の人を探すことになる青年。
一年生の頃は陸上部に所属していたが、怪我を理由に引退して現在は帰宅部として、暇になった時間はファミレス『フェアリーテイル』でアルバイトをしている。


【推奨攻略順:琳果→依鈴→詩→来瑠→(まそら→)エイル→琴雛】
琴雛√のみエイル攻略後に解放される。
基本的にどの順番でも問題は無いだろうが、内容的にエイルや詩のシナリオは後半に回した方が読後感が良いはず。
また来瑠√は詩と琴雛√はエイルと比較的関係が深いためセットでの攻略が望ましい。


CG
線は細く淡い塗りで柔らかく、可愛い印象を受ける万人受けする絵。
立ち絵・イベントCG共に質は総じて高く、今作の売りの一つとしてもちろん挙げられるだろう。
枚数に関しても十分量あり、各キャラのHシーンは5シーン(来瑠、琴雛は2シーン)程。


音楽
BGM24曲、Vo曲2曲(OP/ED)
全体的に満遍なくそろっているBGMに加えて各ヒロインテーマなども存在しているのだが、中でも「運命度100の導」や「取り戻せない四季」など、グッと気持ちを掴んでくれる楽曲も存在しており、全体的に好みであった。
今作のセンターヒロインであるエイルのCVを担当したはちみつこさんの歌うOP「Love note」は初々しい恋を歌った楽曲。可愛らしいAメロBメロから、のびのびと歌われたサビ部分が素晴らしい。
Ducaさんの歌うED曲「Blessing day」も一押しで、両曲とも作品と合わせて聞いてほしい。


お勧め度
今まであった「ヤバい」シリーズに加えられるかは不明であるものの、Hulotteの持ち味であるビジュアルとシナリオの両方から描き出す萌えは衰え無し。
全体的にかなり安定しており、ユーザーが求めているものを100%返してくれる作品といえるだろう。
個人的には今回の作品は、シチュエーションを含めてストーリーが好みであったこともあり、そうしたところも高めに評価している。


総合評価
絵や音楽、可愛さを前面に押し出したキャラクター達だけでも魅力だが、加えてストーリーにも見どころがあり、総じての評価は低めではあるものの、評価以上に好まれるであろう作品であることは言うまでもない。


【ぶっちゃけコーナー】
全体的なストーリーの流れがかなり好きなんだけど、そのストーリーをみた時に一番好みだったのが詩√かな。
シナリオの内容的にもラブミエール、つまりエイルをどう表現するかによって物語の印象が変わるのだけれど、今作で一番効果的に彼女を使えていたのが詩√だったかなぁ。
どの√においても彼女との別離の瞬間は必ず訪れる、このシチュエーションが個人的に好みなんだけど、そうしたなかでそのシーンをどのように演出するか、そこに持っていくまでの流れも含めて重要だと思う。
詩√に関しては最初に高感度が低かったエイルと、主人公を落としに行く中で友情が育まれていき…という前提がしっかりと存在していたので、シーン自体もかなり盛り上がっていたのではないかな、と感じた。
下地となるストーリーがすごく良かったので、他のシナリオも(特にエイル√や琴雛√は)描き方次第ではかなり化ける内容だったと思う。
ただし、萌えを第一にした作品では、そうした内容も浮いてしまう危険性を考えれば、一概にそういった物語にしてよいかも悩みどころなのかもしれない。

そういえば、あまり作品では触れられないけれど、某男キャラクターをもう少し動かしてほしかったなーというのがある。
恋の起爆剤に使われるのかなと言われると、そうでもなく、だだいらないキャラかと言われるとすごく良い人だから、なんかもう少しストーリーに絡めてあげてほしかったなぁ。
どうしても立場的に舞台裏になっちゃうとは思うけれど、上記に挙げたシーンでも無関係じゃないと思うし、もう少しうまい使い方はあったのかなぁと思う。



タイトル : Princess×Princess
ブランド : Navel


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 11h)

キャラクター・シナリオ
『SHUFFLE! エピソード2』(以下本編)におけるFDとして制作された今作。
シナリオとしてはリシア√の続編となっており、無事にリシアと恋人同士になった頼斗だったが、一夫多妻制を望むリシアから側室を設けることを提案されてしまう。今までの常識もあって戸惑いを覚える頼斗だったが、そんな中で突如として学園のグランドに現れた謎の飛行機が現れる。その乗客だったという記憶喪失の少女との出会いを切っ掛けに、飛行機事故で亡くなった彼自身の父親の生存に希望を抱きつつも、仲間たちの手伝いのもとプリムラの手引きによって事態解決へ向けて動き出すこととなる。

物語自体はいつものNavelらしく短くシーンを区切ることで、テンポよくサクサク進んでいくイメージが強く、展開自体も比較的早い作品なので読んでいてストレスは少ないはず。
リシア√アフターを主軸としたFDという事もあってか、物語のシナリオは一本道となっているもののただボリューム自体は少なくなく、またそれに伴ってシナリオの形も少々特殊となっており、事態解決のためにランダムで出現する扉の先、現実とはほんの少し違う歴史を辿った世界線でのエピソードを体験する事となっており、それが各個別シナリオに相当していて、そうしてどの世界を選ぶか、その選択の如何によって5種類ほど存在するエンディングに分岐する(終盤のエピローグ部分が変わる)仕様となっている。

各異世界でのエピソードは多種多様ではあるものの、主軸にあるのはあくまで、主人公である頼斗が一夫多妻―ハーレムを受け入れるまでのお話となっており、この「ハーレム」というジャンル自体が今作のメインテーマともいえるだろう。
メインヒロインとして据えられているリシアを中心としたハーレムという作品の性質上、多数のヒロインと関係を持つ事となっている。中でもリシアを交えた複数シーンが多くあるのも特徴といえるだろう。

加えて挙げられる特徴的な部分としてはシナリオの後半、原作ともいえる『SHUFFLE!』(以下原作)に登場するヒロイン達が関係するとのシナリオが存在していることだろう。
特に亜沙や楓に関してはHシーンも登場しており、そのかかわりの深さが伺えるが、そうした中で原作をプレイしていなくてもある程度の流れ理解できるではあろうが、特に今作のハーレムへの考え方は原作である『SHUFFLE!』にも登場した考え方であることもあってか、原作ヒロイン達が関わる終盤のシーンでは今作のメインテーマの「ハーレム」について深く触れられるシーンがある。
これらは、今作におけるもっとも盛り上がる山場となるシーンの一つでもあるため、プレイしているか否かで本作における印象が大きく変わる可能性もあり、今作を真に楽しむためには今作に付属している「SHUFFLE! Essence+」をプレイしていることが望ましいといえるだろう。

[ 主人公 ]相生 頼斗
本作では『SHUFFLE! エピソード2』のリシア√後の主人公として描かれており、周りもあきれる程にラブラブな二人であったが、神族として一夫多妻制に積極的なリシアに対し、人間界の常識故かどうしても彼女以外を恋人にする事に抵抗感がある主人公という構図で、その将来について少しだけ意見の相違が起きている。


【推奨攻略順:リシア→藍→らぴす→セレナ→全員】
セレナ√はどれか一つのEDを終えた後に出現する。
基本的にどの順番でも問題はないものの、話の内容的には全員(ハーレム)√を最後に回した方が綺麗かもしれない。


CG
線が固く濃い塗の絵。
立ち絵(や壁紙)等の多くは本編からの引継ぎであるものの、新キャラクター・新衣装を含めていくつか追加されているものもある。
イベントCGに関しては使いまわされているものは殆どなく、その新規の物も原画担当は安定の西又葵さんと鈴平ひろさんという事で、Navelらしいテイストの絵になっていて、質・量共に文句の出ないレベルであろう。


音楽
BGM?曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
本編と同様、ゲーム内でBGM鑑賞がなく何曲使用されていたのかは不明だが、一部楽曲は引き継いで使用されているようで、新規楽曲もいくつかあるように思えた。
Vo曲は橋本みゆきさんのEDの「TimeLess」も素敵なのだが、美郷あきさんの歌う「DREAM」が個人的にイチオシ。
特にBメロからサビがお気に入りで、歌詞と合わせてぜひ視聴してほしいものとなっている。


お勧め度
SHUFFLE! エピソード2のFDとして作られた今作。
シナリオが本編をプレイ(特にリシア√)している事が前提になっていることは勿論なのだが、その原作ともいえる「SHUFFLE!」をプレイしてることも、加えて前提となっている。
それぞれの作品がとてもボリューミーであり、今作に「SHUFFLE! Essence+」が付属している事を鑑みても、ハードルとしては高めに分類されるであろう作品である。
ただFDとしての完成度は決して悪くなく、SHUFFLEシリーズが好きな人、もしくは好きだった人には今一度、本編と合わせてプレイしてみて良いのではないかと思える作品に仕上がっていた。


総合評価
FDとしての要素も強いため純粋な評価をし辛い部分はあるものの、本編以上にシナリオ部分を高く評価できる作りとなっており、平均以上のこの評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
原作のぶっちゃけコーナーでも触れているけど、このシリーズと「ハーレム」ってのは切っても切り離せない。
それは新旧の主人公がヒロインの皆からかなりの好感度を寄せられている事もそうなのだが、今作の設定にもある通り、この世界における神族が一夫多妻制を利用していることも多くなファクターの一つといえるだろう。
中でも今回は原作主人公が一夫多妻を採用しなかった世界線を主軸としていたことが最も大きくて、同時に伝えたいテーマに対して前作での設定を絡めてくるというのがシリーズ物ならではの面白いアプローチだなと思った。

一人を愛する純愛の形がストレートであり、ハーレムに対して忌避感を抱く人がいるというのは普通に理解ができるし、そういう人はこの作品をプレイするのを推奨しないけれども、これもまぁ確かに一つの愛のカタチなのかなという答えは示せていたように思う。

まぁ各ヒロインとのやり取り以上に後半のシーンが結構琴線に触れていたりして、個人的には本当に好みのシーンが終盤で怒涛の勢いでやって来た。
終盤ばかりを好みとして挙げているような気がするけれど、各異世界でのエピソードもそれぞれで登場人物の気持ちが丁寧に扱われているように感じられるシーンもあって、切なくも心温まると同時にそうしたシーンが結構好みだったりもする。
だからこそFDでありつつも全体的な評価は高めだし、原作や本編あってこその今作であるという前提の元、シナリオ単体としてみた時はそれらよりも今作の方が好きかもしれないと思ったほど。

シリーズ物という事もあって、本編以上に懐かしい原作との絡みが強い作品だったので、懐かしい気持ちと同様に、どうしても登場できないキャラクターなんかもいたりして、切ない気持ちにもなった特殊な作品でしたね。



タイトル : クロガネ回姫譚 -絢爛華麗-
ブランド : みなとカーニバル


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 33h)

キャラクター・シナリオ
2015年PS Vitaで発売された全年齢作品『クロガネ回姫譚-閃夜一夜-』(以下原作)がPC版移植に伴って18禁要素を追加した今作。
原作からの違いとしては、本文の一部追加修正や18禁シーンの追加、ヒロインとして「切丸 祢々」が追加され、それに伴い新規キャラクターも一部追加されている他、クリア後の各ヒロインのアフターシナリオが追加されている。
シナリオ以外にもCGの追加や立ち絵のLive2D化など原作をプレイ済みの人にとっても今作は追加となる部分が多く、プレイする価値が十分にあるといえる。

原作と今作共に企画自体はみなとカーニバルと言えばこの人あり、と言っても過言ではないタカヒロさんで、シナリオを担当されているのはさかき傘さん、全体的に勢いのある作品でありつつも、一つ一つに深みがあるシナリオは、独自の世界観で作られた今作と巧く噛み合っていたように思う。

物語の舞台となるのは経済特区ジパング。
とある事情により日米間に講和条約が結ばれて、あの爆弾が使われずに終戦が早まった世界観で描かれており、その後の日本を強固な経済力を持った大国として描き、そんな世界情勢の中で、特殊警察部隊を養成する学園「私立鏡ヶ原警察養成第一学園」に通う生徒の一人「白金 正宗」が今作の主人公。過去の事件により顔に大きな傷があるものの一般生徒として通う彼が持つもう一つの顔、それが「黒金班」副班長であり実働部隊のリーダーとしての顔だ。
今作の独自の設定として存在する「黒金」―一部の存在にしか認知されておらず、用いる事で特殊能力発動することができる―それらを使いテロ対策に奔走する「黒金班」に所属する主人公やその仲間たちが繰り広げる様々な「戦い」が今作のメインとなっている。

今作ではバトルシーン自体も魅力だが、そこに至るまでの展開や登場人物たちの心理描写も、その良さが際立っていた。
特に「正義」や「死」といった物と対峙することになるシーンも多く、刻々と変わりゆく状況の中で主人公や登場人物たちが必死に考え、成長していく姿には心動かされた人も少なくないはず。
他にも主人公やその周りの人物たちの絆を感じられる場面なども思わず鳥肌が出る程の出来となっていた。
各ルートに存在するバトル自体も主人公の性質上、頭脳戦などが多くなっていて白熱する展開が多い。状況的に劣勢に立たされたところからの逆転シーンや意表を突くような展開等、どのシナリオにおいても形を変えてはいるが燃えゲーとして欠かせない要素がしっかりと詰まった作品になっていた。

また今作では複雑に絡み合う立場や世界情勢も作品の一つとして楽しむことができ、特に独自の設定などの難しい部分はタイトル画面からTIPS画面でさらに詳しく調べることもできるようになっている。ただしその分量は膨大で、こうした要素が作品のシナリオ自体に関わりはしているものの、あくまでSFアクション部分が主軸であるため、ある程度流して読み飛ばしてしまっても十二分に作品を楽しむことができるだろう。

シナリオの総評として、既存の物語はもちろん追加シナリオ部分も非常に自然になじんでおり、一つ一つの物語は文句なしで上質であったといえる。ただどうしても物語の締めにあたる「回姫譚」の流れが個人的に肌に合わず、結果として評価を少しだけ落としてしまっていた。


プロローグ【 ★★★★☆ 】  5.5h
主人公たちの日常を描きつつ、幼馴染の「天」が転入したことを皮切りに、変化してゆく主人公を取り巻く状況を描いている。
基本的に共通ルートであるのだが、なんと言っても驚くべきは圧倒的ボリューム。
一つの作品といっても過言ではない程に圧倒的で、これがあくまでプロローグであることを忘れてしまう程であった。
また物語の導入部分ゆえに「黒金」を始めとした独自の設定が多数登場するものの、説明だらけになるほどではなくしっかりと話は進展していくので、読み疲れることはない。
ただ主人公たちが所属する『第一』以外の組織との関係もシナリオ展開に深く関わっており、そうした部分については、現実にも存在しそうな部署があったりと存外複雑で、ある意味では独自の世界設定よりも読み下しにくい部分もあった。
それでも読む手を止める程の障害にはなりえず、むしろ後半のバトルシーンを中心に次へ次へと読み進めてしまう程に魅力あるシナリオ展開となっていた。
物語としては綺麗に終わっていないが(ある意味当然だが)、しっかりと次のシナリオへの繋ぎを見せてくれているあたりも評価が高い。

20210904182057
村雨 伏姫√【 ★★★★☆ 】  4.5h
明るく元気で正義感の強い少女。
加えて責任感も強く、クラスでは委員長の様な立ち回りをしつつも皆からいじられたりと、誰からも好かれるようなクラスの中心にいるタイプ。
岐阜の田舎出身で季節になると実家から大量の野菜が送られてくるため、時折夕食がそれらを消費するためのレシピに染め上げられることも多い。
戦闘時は数珠型の黒金『八房』を操り、中遠距離からの攻撃やサポートをこなす。

性格から思想まで、その多くが主人公とは正反対であった伏姫、そんな二人がいつの間にか意識し合い恋に落ちてゆく様子はオーソドックスながらも微笑ましい。
作中ではムードメーカのような立ち位置の少女だったがゆえか、物語の中盤までは明るい展開が多くあったのだが、終盤にかけて物語の焦点が主人公に移ってからは一気に物語の様相が変わる。
分からなかった設定が徐々に明らかになってゆくと共に、紡がれる物語からは、それぞれの正義と悪に込められた思いや、命に正義と悪はない、といった強い主張が伝わってくる。
全体的に八房自身にフォーカスのあたるシーンが少ない内容ではあったが、それも最終盤においては解消され、そこにある恐怖を確かに感じながら、一歩踏み出す勇気を感じさせられるシナリオとなっていた。


20210904200229
和泉 天国√【 ★★★★☆ 】  4h
主人公の許嫁を名乗る幼馴染。
元々兄と一緒に「第二」へ通っていたが、間諜として主人公のいる「第一」へとやって来たが、主人公と再会し、その役目を忘れてしまっている。
昔は病弱だったが現在は実家の剣術道場を最年少で免許皆伝するほどの剣の天才となっていて、そんな身の上だからか世間知らずな所があり、真面目で一生懸命なためか空回りしてしまう事も多い。
剣の腕前はもちろん、水のある所へ瞬時に移動できる黒金「翡翠」と合わせた際の接近戦は脅威。

個別シナリオで印象に残ったのはやはり中盤以降、本作中に多く散りばめられた謎が少し明らかになりつつ、天国を取り巻くとある事実へとたとりつく事となるのだが、そこからの物語の魅せ方がとても素晴らしい。
バトルシーンはもちろん展開自体の良さもあるのだが、あくまで中心にあったのはヒロインである天国の魅力。何よりも印象に残る天国の生き方は、共通ルートからは計り知れないほどに気持ちが込められたキャラクターとして成り立っており、終盤の展開も天国らしい一瞬の煌めきが強く印象に残るシナリオとなっていた。
また、このシナリオでは天国以外にも焦点の当たっていた登場人物が一人おり、ネタバレの関係上で語ることは難しいがその内容も合わせて良かった事を付け加えておきたい。
総じて難しい物語展開ではあったが、締め方も上手で後味も絶妙な内容となっていた。


20210912173109
石神虎鉄√【 ★★★★☆ 】  4h
黒金班唯一の一年生。
常にスマホをイジっていたりとイマドキっぽい女の子ではあるが、一人でいる事を好み、人付き合いを嫌う傾向があり、友達も多くない。
黒金班とも仲間意識も乏しく基本的に素っ気ないが、仕草の一つ一つが可愛い所もあり、年下という事もあって皆からは可愛がられている。
戦闘は得意でないが、風を操る黒金を使って敵の位置を把握する等のサポートとして貢献する。

個別シナリオでは、変死体事件や連続通り魔事件に端を発する一連の事件に巻き込まれてゆく虎鉄と主人公が描かれている。
話が進むにつれ明らかになってゆく虎鉄が抱えていた事情、そこに絡めて起きる事件の数々はシナリオ展開としても面白みがあり、読む手が止められない程であった。
ただ虎鉄自身にまつわる話もよかったのだが、なんといってもこのシナリオでの見所は中盤「黒金班」としての魅力を芯から感じられるの熱い展開だろう。
黒金班の面々の心の温かさと確かな絆、そしてそんな彼らから愛されている虎鉄の魅力がしっかりと伝わる内容となっていた。

20210906004705
船阪 玉鋼√【 ★★★☆☆ 】  4h
黒金班の頼れる先輩。
伝説の軍人の家系の出で、彼女が所属する軍部に新しい風を吹き込むべく、特警養成学校に編入することとなった。
きびしい家柄の出身で凛々しい見た目通りお堅い性格ではあるのだが、その抑圧故か意外と可愛いものに目が無かったりと女の子らしい部分も隠し持っている。
黒金は使えないが、幼い頃から培った格闘技と銃剣道による近接格闘は班内でも1、2を争う程の実力者でもある。

個別シナリオでは、比較的早く玉鋼の秘密が明かされることとなり、詳細は省くが彼女自身がとても難しい立ち位置にいる事を知る事となる。
そうした中でとある事件に巻き込まれていき、少し違う視点でも主人公を見ていくことになるという、他の√と少し違ったテイストで描かれていた。
作中に少ない姉(年上)キャラだけに恋愛シーン等にも少し期待していたのだが、予想は良くも悪くも外れ、ヒロインである玉鋼よりもむしろ主人公の魅力的な部分が前面に押し出された内容となっていたのが印象的。
全体的によどみなく流れる川のようなシナリオ展開で文句なしだったのだが、唯一終盤の展開に関してだけは少しぶつ切り感があり、もう少し物語を膨らませてほしく感じてしまった。


20210915012944
大包 平【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の親友で幼馴染。
男気溢れる人格で周囲からも頼りにされているが、その見た目故に距離を置かれることも多い。そして喧嘩は好まず、普段はラーメン屋でアルバイトをしている。
主人公とはお互いにあまり多くを語らないタイプであるため、そうしたところの相性が良く、お互いに居心地の良い相手と思っている。
黒金は視力を強化するものとなっており、事故の影響でもともと殆どない平の視力を補正する程度に留まっているが、恵まれた体格による近接格闘で敵を圧倒する。

個別シナリオがあること自体に少し驚きだが、その完成度でさらに驚く事となった。
とある「兵器」に纏わる事件に巻き込まれる平と主人公の二人の物語は他のヒロイン√と比べるとどうしても短いものの、主軸にあるシナリオ展開はシンプルながらも読みごたえもあり、ギャグと戦闘シーンがバランス良く配合されており、非常に読みやすい内容となっていた。
いつもは主張が少なく気が付きにくいものの、スポットが当てられることで彼もまた今作に欠かせない魅力的なキャラクターであることが伝わってくる。
贅沢をいうならば、二人のなれそめなんかももう少し語ってほしかった所だが、贅沢を言うべきではないだろう。


20210905012044
切丸 祢々√【 ★★★☆☆ 】  4h
第一学園の教師であり、黒金班を指揮する主人公にとっての上司。
将来は出世が約束されたエリートであり、教師も一時的な物とドライでクールな人物を演じてはいるが、実は根っからのお人好しで生徒想いである。
戸惑った際の反応が可愛く、主人公を含め多くの人にとっては親しみやすい先生でもある。
主人公の姉とは幼馴染で、幼い頃の主人公に勉強を教えていたという過去を持つ。
戦闘については基礎的な戦闘スペックがずば抜けており、強力な黒金を所持しているが普段使用することはなく、謎に包まれている。

今作にてヒロインに昇格し、原作から新規シナリオが追加された祢々。
他の√でもすでに安定的に可愛さが散見されるキャラクターであったが、個別シナリオが用意されたことで、玉鋼にはない純然たる姉キャラとしての需要も満たしてくれていた。
シナリオ自体はとある事件が主人公の過去と絡んでいく流れとなっており、その過程で主人公と祢々関係が変わっていくと同時に、同じ幼馴染である「古河 八雲」との描写なども用意されていた。
事件自体の面白さはもちろん終始読む手が止まらなくなるほどで、他の√では見られない関係性が見られたりと面白みも十分。
後付けされたとは思えない程作品になじんだシナリオとなっていたのも見事という他ない。
主人公とは教師と生徒という関係もあって、恋愛描写は少なくなっているものの、祢々の可愛さが最大限にでる心理描写が多くなっている事も評価したいところで、祢々が好きな人にとっては内容以上に垂涎のシナリオだったといえる。


回姫譚√&アフター【 ★★★☆☆ 】  6h
全キャラ攻略後に現れる回姫譚は今作のいわばTRUE√という事で分量は約4h弱程度。
内容としては今まで明かされていなかった謎を含め全ルート分の伏線回収をしつつ、さらに過酷で大きな戦いへと赴くことになる黒金班、そして宿命ともいえる運命に巻き込まれてゆく主人公たちを描く。
戦いの内容に関しては、今までのシナリオを鑑みても予想だにできない程に悲惨であり壮絶、中盤にかけての雰囲気は最終戦に相応しい最も緊迫感のある内容になっていたといえる。
ただし全伏線を一気に処理しようとしているため、どうしても全体的な流れが駆け足気味となっており、一つ一つの事実は重い事に反して受ける衝撃が少なくなっていたのが悲しい所。
広げ過ぎた風呂敷をたたむことに苦慮したのか、終盤の展開も盛り上がるというよりは、あるべき形に向かうためのシナリオという意向を強く感じ、燃えゲーとしては少し肩透かしの内容になってしまっていた。
上記の理由もあって評価を高くできないものの、ここまで続いたシナリオの流れを考えたうえで、一つの帰結の形を描いたものだと受け止めるべきだろう。

絢爛華麗で新規追加となった各ヒロインアフターは4人それぞれ30分前後の分量となっている。
内容が殆どネタバレと直結している為詳細は省くが、少なくとも各ルートのアフターというわけではなく回姫譚後の日常として描かれている。
各ヒロインルートの大部分がHシーンを含むイチャラブ部分にあるため、シナリオとしての重みが無いシーンが多く、アフターの名前の通り後日談として受け止める程度にとどめておくべきだろう。


[主人公]白金 正宗
第一に秘密裏に存在する「黒金班」の副班長であり、実働部隊のリーダーを務める青年。
いつも仏頂面をしており、お金を何よりも大切と考え他に興味を示さないため、周囲と壁が出来てしまっている。
獲物は刀で戦闘もかなりの物だが、とある理由のために発揮する場面は限定的。むしろ状況に応じて戦術を組み立てる事を得意としている。


【推奨攻略順:伏姫→天国→虎鉄→玉鋼→大包→祢々→回姫譚→アフター】
1週目は伏姫か天国の固定となっていて、その後はその他ヒロインが解禁になり、回姫譚は全キャラ攻略後に出現する。それをさらにクリアするとアフター√が閲覧可能となっている。
基本的に上記を守ればネタバレを踏むことは少ないものの、上記の順番が最も安定していると個人的に考えている。


CG
線画が太くはっきりとした絵で、特に立ち絵にそうした風潮が強い。一方で各イベントCGは線が少し細く感じテイストが少し違ったものとなっている。
上記のような特徴はあるもののCG数は豊富で質も安定していたといえる。
またPC版移植に伴って立ち絵がLive2Dにより立ち絵が動くようになっている事も特徴の一つ。
ただし、初めての導入であるためか違和感が強く、終盤に離れてしまうものの、いい点と悪い点が混在していた。


音楽
BGM40曲、Vo曲3曲(OP/ED2)という構成。
数が多い楽曲は幅広いシーンをカバーしてくれており、切ないシーンにおける「過ぎ去りし時」などはオーソドックスなオルゴール曲ながらもストレートに心に来る。
他にも戦闘シーン用の気分が高揚するような楽曲が多かった印象で「剣舞・正宗」などは代表的だろう、そして中でも「クロガネ」は格別のものがあった。
Vo曲は何と言ってもOPの「Aim and LOCK ON!」がイチオシ。
燃えゲーといえば飛蘭さんといったくなるほどカッコよく歌い上げられたVo曲は盛り上がりも十分で、作中で流れなかったのを少し残念に思ったほど。


お勧め度
独自の歴史を辿った日本を舞台としたSF異能バトル物ということで、みなとカーニバル作品にバトル要素がある作品は存在しているが、ここまで燃えゲーに傾倒した作品は初めてではないだろうか。
さかき傘担当のシナリオということで、一つ一つの物語に深みがありながらもタカヒロ作品っぽさも出ている今作であった。
元々が18禁作品ではないため、全年齢対象となるバトルシーン等がしっかりと前面に出されており、シナリオを重視する人にとっては泣きに笑いにと感情を揺さぶってくれる作品となっている。
ただし分量が多いだけに初心者にとっては少し辟易するかもしれないが、その文章量さえクリアできたのなら、全体的にテンポよく読みやすい作品なので終始楽しむことができるだろう。


総合評価
全体的な完成度はとても高いレベルであったといえるが、終盤の展開はどうしても尻すぼみに感じてしまい、評価としては少し抑え目の物となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
持っていない筐体の作品である影響が強く、みなとカーニバル作品でありながら、原作については存在自体を知らなかったのだけれど、「なんでこの作品を知らなかったんだろう」と後悔するくらいに良い作品でした。
原作をプレイ済みの人はその良さが分かってるとは思うけれど、原作未プレイの人は特におすすめしたい作品になっていましたね。
本当にタカヒロ作品っぽさを残しつつも、シナリオ担当であるさかき傘さんの味が良く出た展開になっていたと思います。

共通から各ヒロイン√(+友人√)を含め、文句の付け所は殆どないくらい、違和感のあるLive2Dなんか霞むくらいだった。
だた、そうして各ルートの質が高かっただけに、回姫譚に対して爆上がりしていた期待が完全に肩透かしに終わった印象も強かったんですよね。
本当に肌に合わなかった、というのがストレートな印象。

ネタバレが多いのでその部分を伏せて語っているからかなりわかりにくいけど、それでもストレートに書くと、各ルートでも結構衝撃的な展開ってのは多くて、その度に心動かされてたんですが、この回姫譚ではそれが本当に連続してしまって、途中から「消費しすぎでは…」と思ってしまった。
だからこそ、ここまで来ると後戻りができないだろうし、物語の性質的にも「こうなるんだろうな~」と予想がついてしまっていて、エピローグ部分はともかく、物語の片づけ方もどうしても独自設定による物が深く絡んでいたので、展開としてそこまで衝撃を受けることはなかったんですよね…。
この終わり方自体は、こうでもしないと読後感が最悪になるだろうし仕方がないのですが、関わっている人にしては珍しく、広げ過ぎた風呂敷の畳み方が雑になっているような気がして、今まである物語が良かっただけに勿体ないなと思ってしまった。

ただ終盤はともかく、それまでの各ルートの良さがそれで下がっているわけではないので、しっかりと名作に食い込める作品であったと太鼓判は推したい。



タイトル : ハジラブ -Making*Lovers-
ブランド : SMEE


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 13h)

キャラクター・シナリオ

いきなり付き合う事から始まる恋 恥じらい+

『交際してから育む恋心』をコンセプトとした同社作『Making*Lovers』と舞台を同じくした今作は『Making*Lovers』から引き継いで『交際してからはじまる恋心』をコンセプトとして、『2人で作りあげる恋人生活』をテーマに各ヒロイン達との甘い日々を描いた作品となっている。
交際をゴールではなくスタートと捉えた『Making*Lovers』シリーズらしく、共通ルートを短くして個別√に重点を置く事で、より女の子の魅力を表現することに注力したのが今作となっている。
今作には安心感ある幼なじみや、母性溢れる同級生、テンション高めの後輩に、ミステリアスな先輩など、それぞれに特色あるヒロイン達が登場するが、こうしたコンセプトのため各個別分岐がすぐに発生し、その後はヒロインと主人公の一対一のやり取りになるため、ヒロインにしっかりと集中できる作りとなっていた。
ヒロインとの日々を描く要素として、既存の『俺デート』といったデートの場所選びを任意で行えるシステムが存在することは勿論、物語が進むことで『カノジョカイセキ』というステータス(思い出)を徐々に埋め、親密になっていく過程をわかるようにする新システムや、『恥じらいゲージ』を利用した彼女視点描写を挟むこと等、シーン演出に工夫を凝らしてプレイヤーに各ヒロインの魅力を伝えようとする強い意志が感じられる。

ヒロインを見せるという事に関しては十二分な熱意を感じる作品だったが、一方で減ってしまった魅力もあり、それがSMEEというと欠かせないギャグ要素だった。
今作にもボケにツッコミにとノリ良い主人公は健在で、日常シーンにおけるテンポの良い会話も存在はしている。
しかしながら、キャラクター萌えやエロ描写に注力したためか、ギャグシーン自体の質はもちろん、掛け合いの描写数も減ってしまっており、今までのSMEE作品とは雰囲気が大きく変わってしまったように感じられた。
ヒロインとの恋人生活が長くなっている今作において、結果的にではあるがシナリオ全体の勢いが失われていたように思え、ともすれば中だるみのように感じられる部分もあった。
今までのSMEEを支えていた要素であり最大の特徴の一つだけに、その魅力が消失したのは残念であり、シナリオ評価も少し下がっている。


共通√【 ★★★☆☆ 】  1h
今作のコンセプトでありポイントが色濃く出た部分で、シナリオとしては各ヒロインとの出会いや短めのイベントがあるのみの短いものととなっており、その後すぐにどのヒロインと付き合うか(どの√に入るか)の選択肢が出現する。


20210831003702
園池 桜子√【 ★★★☆☆ 】  3h
同じクラスの幼馴染。
可愛く清楚、料理が好きな家庭的な女の子で、幼馴染として長い時を過ごしたからこそ、お互いの考えている事が何となくわかり、主人公にとっては安心感を得られる存在でもある。
一人暮らしの主人公の為に朝ごはんを作ってあげたりと通い妻の様な一面もあり、クラスメイトからは「付き合っているのでは」と勘違いされるほどに距離が近い。

個別シナリオでは、『幼馴染』という距離感でいたからこそ気づかなかった恋心を、不意に自覚したことから二人の関係が始まる。
「好き」という感情から「恋」へ、そして「恋」から「愛」へ、シナリオが進むにつれて形を変えてゆく二人の関係とより深くなっていく感情が描き出されていた。
SMEEとしては珍しく作中に殆どギャグシーンが無い事は特徴的だったが、それに加えて距離が近かったからというのもあるだろうが、桜子自身に突飛な設定が余りないため、キャラクタ―を深めていく過程での驚きは少なく、徹頭徹尾桜子との甘いイチャラブシーンを楽しめる内容となっていた。


20210829001210
篠原 小唄√【 ★★★☆☆ 】  3h
小さな体に溢れんばかりの母性を秘めた女の子。
大家族の長女でいつも弟妹達の面倒を見ているためか、自然と人を甘やかしてしまうような母性を持っており、主人公と同級生ながらも周囲からは「小唄ママ」と呼ばれている。
家事はもちろんの事だが、家が居酒屋をやっていて小唄自身も看板娘として働く事が多いため、料理スキルも高い。

個別シナリオでは、お互いが運命の相手を探す中で、小唄の家族からの後押しもあって交際が始まる展開となっている。
日常シーンでは小唄が常識人であるため、主人公がボケに回る事が多い。
小唄√の特色としては何と言っても彼女の家族の登場シーンの多さが挙げられ、内容自体は割と平坦なのだがシナリオでは終始、家族ぐるみでの付き合いが描かれていたため、家庭的な彼女の魅力が良く伝わる。そんな小唄だからこそ、逆に主人公に甘えてくれるシーンではお互いの強い信頼関係を感じる事もできた。
また後半にかけては彼女の意外な一面として、肉食系な部分が描かれていたりと、意外な面もあり、キャラクターとしての深みが出ていたように思う。


20210824174628
秤 結衣√【 ★★★☆☆ 】  3h
ギャルでチョロい後輩。
いつも元気で明るくクラス女子グループの中心的存在なのだが、成績が壊滅的なことに加え運動音痴だったりとザコい一面も。
そんな彼女はアイドルの青海ソラに憧れており、彼女を目指して自身「カワイイ」を磨いているほどのアイドルオタクだが、周囲にはそれを隠している。

個別シナリオでは見栄っ張りの結衣が、周囲の恋愛トークについて行くため「彼氏がいる」と言ってしまい、引っ込みがつかなくなってしまった所を主人公が手助けする流れに。
練習という割り切った関係から始まる二人の関係だったが、物語が進むにつれて変化してゆく結衣側の心境が印象的で、最初は周りの目をごまかす為だったのが、徐々に主人公の為に頑張るように変わっていくようになる。
そうした姿には心くすぐられるセリフやシーンも多く、ストレートに好意を伝えてくれる無邪気な結衣ならではの魅力といえるだろう。
また日常シーンの会話も軽快で、バカで天然な結衣のセリフにバシバシ突っ込んでいく主人公という形が確立していて、笑えるシーンも多かったのも評価すべき点の一つだろう。
ある意味、運命の相手から一番遠いヒロインであっただけに、それ以上に好きになっていくという今作のテーマも良く感じられる内容になっていた。


20210829180118
夜舟 初穂√【 ★★★☆☆ 】  3h
ミステリアスな雰囲気漂う、お茶目な先輩。
整った容姿に加え、何でもそつなくこなす完璧人間で、初穂の通う女子校でも「お姉さま」と尊敬されている。
家は氏神を代々祀っていて、時折巫女として働くほか、父から引き継いだ雑貨屋で働いていたかと思えば、ヴァイオリンを手にストリートライブに興じていたり、私生活に謎の行動が多い。
主人公の前では、周囲にはあまり見せない濃いキャラをあらわにしており、慌てる主人公を見て楽しんでいる節もある。

個別シナリオでは、初穂が見合いを避けるために恋人のフリをしてあげる流れとなっていて、半ば初穂の口車に乗ってはじまる恋愛となっている。
初穂√の最大の特色として、初穂の抱える大きな謎が挙げられる。
それは彼女自身の趣味趣向はもちろんなのだが、過去にあったエピソードなど設定の根幹部分に関わるようなシーンもあり、、主に中盤からはお互いの愛を深めてゆくと同時に、謎を多く抱える彼女自身について迫ってゆくシナリオにもなっていた。
そのため彼女ノシナリオだけは”カノジョカイセキ”も全編攻略後に登場することとなる。ただし、そこまで踏み込まれて書かれておらず、あくまでメインは恋愛部分である。
そんな彼女との掛け合いシーンは、主に初穂の突飛な行動に振り回されつつ、ツッコミを入れる主人公、という黄金パターンとなっており、お茶目で悪戯好きな初穂の魅力が堪能できる内容になっている。
そんな彼女だからこそ、なれない恋愛に照れたり、慌てて戸惑ったするシーン、そして一瞬垣間見える弱さなどが露わになったときには、グッと一味違った雰囲気になり、より一層魅力が深くなっていたように思う。


[主人公] ※自由変更可能
「運命の出会い」に憧れる学園の2年生。
一生に一度あるかないか、そんな恋愛を求めているうちに、彼女ができる機会を逃してしまっていた事に気が付き、もう少し前向きに「恋」について考える様になった。
立ち位置として基本的にボケに回ることが多いが、それを上回る天然やボケ相手にはしっかりとツッコミをいれてくれる。

【推奨攻略順:桜子→小唄→結衣→初穂】
各キャラ√は完全に別となっているので攻略順に特に指定はない。
どうしても迷う人は上記の順番が楽しめるのではないだろうか。


CG
細目の線にテカりのある塗の絵。
質は全体的に安定しているものの、今作はエロシーンに比較的分量を割いているイメージがあり、ヒロインが4人ではあるものの、1キャラに対する一般イベントCGは10枚足らずと少なくなっていた。
一方Hシーンは各キャラで6-8シーン程用意されており、合計は29シーンとCGの分量と合わせて比較的に充実した内容となっていたのが印象的。
尚、立ち絵にのみ瞬きが実装されている。

音楽
BGM35曲、Vo曲4曲(OP/ED)と音楽鑑賞画面ではなっているものの、「Making*Lovers」からの楽曲が多く含まれており、完全新規曲となるとBGM10曲、Vo曲2曲(OP/ED)と、フルプライス作品としては少し乏しく感じてしまう。
BGMでは「ほしの香りを感じながら」が優しい音色で素敵に感じられ、Vo曲は何といってもisleさんの歌うOP「One Two Trap!!」が素晴らしく、特にイントロ部分やサビは聞けば聞くほど癖になるものとなっている。
ただ悔しいかな、作中で一気にテンションが上がるのが元祖「Making*Lovers」のOP「Girls Carnival」のBGMが流れた時で、折角作品に収録されているのならVo曲も流してほしかったところ。


お勧め度
コンセプトとして、付き合った後の日々を大切にするというものがあるためか、今までの作品よりも一層と愛を育てる過程に注力したシナリオとなっている。反面、ギャグシーンがすごく乏しくなっており、減ったギャグの分をエロと萌えに注いでいるという印象が強い。
今までのSMEE作品に何を求めていたかは人次第だが、ギャグゲーとしての要素を今作を期待するならば注意すべきだろう。
一方でヒロインとの日々に魅力を感じていた方にとっては、各シーンでプラス要素が多くなっているため、プレイを推奨したい。


総合評価
全体の完成度は決して低くなく、コンセプトを忠実に再現した作品となってはいたのだが、ニーズを満たしていたかというと、話は別。


【ぶっちゃけコーナー】
この作品を知った最初の印象は、まさか『Making*Lovers』を冠する作品が再来するとは…! って感じだった。
けれど蓋を開けてみると、割と平均的な作品になってしまっていたというのが正直な感想。

たしかに恋人と過ごす日々を描くという意味ではかなり充実した作品だったとは思う、けれどそういうシーンも長く続くと息切れしてくるんだよな…。
恋人とのシーンを長く描く作品だけなら他にもあるし、そうした作品はやっぱりルートの中に何度かの山場を作ってくれているが、そういう意味では今作はひたすら平坦で、そういう意味なら甘いイチャラブをただ楽しみたい人にとってはいい作品だったのかも。

『Making*Lovers』のどこに魅力を感じたのか、というのは人それぞれだとは思うが、やっぱりSMEE作品にギャグ要素は欠かせないと、個人的には思ってしまった。
SMEEには普通の萌えゲーにはない、軽快なやり取りや面白いギャグシーンで日常シーンに勢いをつけ、そういった中でこそ表現しえるヒロイン達の一瞬の輝きを描き出すからこそ、唯一無二の魅力があったと思う。



タイトル : アサガオは夜を識らない。
ブランド : MELLOW


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 5.5h)

シナリオ

ねぇ――アサガオ、君はソラを殺したの?

海上蒸気機関しか交通手段のないこ孤島「金華島」、そこに立つサナトリウムへとやって来た記憶喪失の主人公『吉良 碧依』が出会った3人の少女―品行方正で面倒見のいい優等生『皇白 みこ』、自由奔放で孤高な不良『烏羽 小鳥』、そして何故か主人公の記憶に残る物静かで夢現な少女『緋色 アサガオ』。
彼女たち共に、雨降る夜の「夢」を思い出す為、夜を見ない生活が始まる。

『世界一濁りのない純粋な愛』をテーマに掲げ、とある閉鎖空間を舞台に愛や死についてを重めの雰囲気で描いたミドルプライス作品となっている。

本作のメインヒロインはアサガオなのだが、その他に二人ヒロインが存在しており、物語が進むにつれて彼女達の抱える問題にぶつかり、そうしたものを乗り越えて自信と向き合いつつ最後にアサガオの抱える問題へ向かう、というのが今作の大きな流れ。

作中では舞台の設定を含め、序盤から伏線で隠されている事も多く、想像を膨らませながら物語を進めることになる。
謎解き自体に重きを置いてはいないものの、推理・サスペンスの要素はあり、そうした点や取り扱っているテーマ自体の関係もあって全体的に独自の重めな雰囲気が流れている。

何よりもまず今作の魅力を伝える上で特筆しておきたいのはエンディング。
その内容について直接触れるのはノーマナーであるため避けるが、2種類あるエンディングのうち一つはエンドロールも流れない簡易的なものとなっているため、実質今作のTRUEENDといえるのは残りの一つといえる。
このエンディングにおける展開が、今作のテーマを直接表現しており、作品における象徴的なシーンにもなっていた。
ある意味ここにたどり着くための作品といっても過言ではないほどで、作中で最も盛り上がるシーンともいえるのだが、あくまで演出は簡素に、だからこそ表現したい内容のみが真っすぐ伝わり、シンプルで美しいと感じることができる。
エンディング後の展開を含めて、この存在があったからこそ独特の読後感を作り上げることができており、私自身の評価をプラスル

本作最大の魅力についてはこれくらいにして、シナリオ自体の評価部分に戻るとする。
物語のテンポは軽快でサクサクと展開していき、シナリオとしてのボリュームは大きく感じられた。ただし、価格帯故か描写不足の部分も見受けられ、そうした点が今一歩踏み込み切れていない様に感じるシーンも多かった。

他に特徴を挙げるならば作中に多く登場するHシーンもある。
ともすれば抜きゲーかと思えるほど挿入されているのだが、物語の性質上一本道のシナリオではあるものの、そうした関係もあってか登場するヒロイン達と主人公は幾度も関係を持ってしまっていたのだが、そうした描写にハーレム作品特有の雰囲気はなく、あくまでシナリオの流れによるものという印象は強かった。
これを幼さゆえの暴走と表現してしまうのか、それとも強い感情と性行為は密接に関連していると、作品のテーマと絡めて考えるかは人それぞれだろう。
ただ、いささか唐突に流れが変わってしまっていた事や、その描写自体も少し執拗であったように思え、全体的に低い所でまとまっていた作品から浮いていた印象があったのは確か。
性描写自体はテーマの一つになりえるはずのもので、シーン描写自体は十分だったので、それを活かしきれていなかったのは少し残念な所。

またヒロインであるアサガオについて、作品の性質上、彼女について語られるシーンは序盤において殆どなく、そうした中で主人公が強い執着心を持ってしまっていたのだが、読み手としてはその心を上手く受け入れきれず、物語が進んでしまうように感じられた人もいるのではないだろうか。
この作品はアサガオをいかに受け入れられるかが、作品全体の評価にも絡み、伝えるべきテーマの衝撃にもつながると考えられるため、そのあたり、もう少し工夫して描写が増やされていれば、と思う

またシナリオに直接関係はないものの、演出はもう少し凝っても良いのではないかと思うシーンも多くあり、終盤のシーン演出はともかく、盛り上がるはずの部分もかなり簡素になっており、折角の挿入歌なども生かしきれていないように感じるシーンもあった。
テンポも良いため、中盤が中だるみしているとは言わないものの、全編が魅力になりうる素質を秘めた作品であったため、少し勿体なく感じてしまう。

各ヒロインで取り扱われている問題やテーマは異なるものの、雰囲気の統一感があり、総じて一つの作品としてみた時に、主張が一貫したまとまりのあるシナリオになっていた。
合う合わないの個人的趣向を排せば、比較的完成度の高いシナリオであったと評せる。


【推奨攻略順:END2→END1(TRUE)】
作中に選択肢は存在するものの殆ど1本道の物語で、最期の選択肢によって終盤の展開が分岐している。END1が短くEND2自体が非常に綺麗なため、物語の完成度を優先させるなら先に攻略するのもありだろう。


CG
しっかりとした線に濃い塗の絵。
全体的な分量は多めなのだが、メインであるアサガオ以外の一般イベントCGは少くなっており、HCGに比重が多く撮られている。Hシーンについては1キャラにつき4-5シーン存在し、合計で13シーンととミドルプライス作品としては豊富と言える。
作品の性質上、一部には流血CGなどもあるため(というかタイトル画面だが)、グロさはないものの注意は必要。


音楽
BGM24曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
フルプライスの物といわれても驚かない程バリエーションに富んだBGM、のどかな日常から重めなシーン用のものまで満遍なく存在しているが、全体的に落ち着いた印象の物が多い。
中でもピアノの旋律が印象的な曲が多くタイトル画面で流れる「Tonight」や「夜の誓いを」などが非常に雰囲気もあって好み。
Vo曲はOPの「アイを識らない。」も好みだが、最も作品の雰囲気に溶け込んでいたという印象から夢乃ゆきさん歌うED「虹色の愛」をイチオシしておきたい。


お勧め度
ミドルプライスという手の出しやすさはあるものの、舞台や「死」や「愛」に関連した重めのテーマを掲げた作品であり、全体的に暗めのの雰囲気が決して万人受けする作品ではない。
また作中では流血表現があったり、他にも主人公が複数のヒロインと関係を持つ展開にもなっているので、そういった内容を忌避する人には注意が必要。
上記の点や終盤の展開を含めて人を選ぶ作品であるのは確かだが、ハマる人にとっては忘れられない作品になりえる。


総合評価
全般的には高いレベルで作られているものの、一部表現や演出では気になる所もあり、テーマの性質もあってもろ手を挙げて名作と評することもできないのだが、ミドルプライスとしては目を見張るところもありこの評価。


【ぶっちゃけコーナー】
タイトル画面からして不穏な今作でしたが、まぁ内容もかなり暗めなものになっていましたね。
ただシチュエーションに任せた暗い作品というわけではなく、シンプルに伝えたい事を伝えてくれた作品という印象。
特にTUREENDともいえるあの終わり方は、賛否両論ありそうですが好みだったし、個人的には衝撃を受けたかな。

割とよい所が多かっただけに各ヒロインが少し薄かったのも気になる所。
ただこれはもう仕方が無いよなぁ…ミドルプライスという尺もそうだし、作品的に各ヒロインにあまり深く踏み込み過ぎると、今度はアサガオが薄くなるし…。
それならせめてアサガオにもう少しファクターを当ててみても良かった気がするが、やっぱりその辺が足りなかった気がする。
全体的な分量としては十分なんだけどなぁ。

あと気になる所はやっぱりHシーンかなぁ…この作品でも決して軽くは扱っていなかったけれど、やっぱり扱っているテーマ的に「性」と「愛」そして「死」は切っても切れないものだと思うし、無視していい内容じゃない。
少なくともエピローグとしてああいうシーンを持ってくるならもう少し表現があっても良かったのでは…と思わなくもない。
そういう思いがあったからこそ、どうしてもシーンの多さや作中のやり取りで上手く生かしきれていない気がしたんですよね…本筋とHシーンを書いた人が別だったりするのだろうか、作品と繋がっていない、流れの中に無理やり挿入されている気がしたのはそういう理由なのかな。

上記のようにチョコチョコ気になる表現とかはあったのだけれど、ミドルプライス作品でこれを表現しえたのなら、まぁ十二分に良い作品だったと評していいのではと思いました。



タイトル : 流星ワールドアクター Badge&Dagger
ブランド : Heliodor


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2.5h)

キャラクター・シナリオ
同社作『流星ワールドアクター』(以降前作)の続編となる今作。
前作から引き続き、今作でもシナリオを担当したのは衣笠彰梧さんで、要所要所で締め、状況をがらりと変えるシーン展開は健在であった。

シナリオとしては前作のエピローグから約1年後を描いた物語となっていて、前作からの引継ぎとなるチャプター0、物語が動き出すと共に冬美√を兼ねたチャプター1、そして次作へ物語をつなぐ涼子√を含んだチャプター2の3部構成となっている。
作中では前作のヒロイン達ももちろん登場するが、なんと言っても出番が多かったのは、『角谷 冬美』、『原 涼子』の両名であり、前作ではサブキャラクターであった二人が今作では各チャプターにおいてヒロインへと昇格している点も見所の一つだろう。

シリーズの中では起承転結の「承」や「転」に当たる今作。
前作からの流れで『教団』を追うという主軸はそのままに、作中ではいくつかの事件や出来事がピースのように発生しており、それらを解決・対処していく中で教団という大きな存在に迫る形をとっている。
ただ、小さな事件はいくつか解決するものの、多くの真相は謎のままで次の作品へと繋ぐ形となっていたため、どうしても1作目と比較すると驚く展開が少なく感じてしまう部分が多かった。

またロープライス故か欠点も挙げられる。
それが特に顕著だったのが物語を進める事とキャラクターを攻略する事の両立ができていないように感じる部分だろう。
各チャプターにおいてはどうしても事件の内容に比重が置かれており、各ヒロインとのシーンが後半に詰め込まれるように描かれている為、そのシーンが必要だったのかと思ってしまい、結果的にヒロイン達がとても軽く扱われているように感じてしまった。
今作の魅力がヒロインとのやり取りにないとはいえ、全年齢対象でもないこうしたコンテンツのゲームにおいては欠かすことのできない要素でもあるため、やはり残念な所といえるだろう。

上記のような欠点もあるものの、やはりスリル・サスペンスのある描写や展開は見ているこちらを楽しませてくれるものであり、流星ワールドアクターをプレイしている人にとっては十分に次作が気になる内容にはなっている。


共通√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
前作から約1年後のルカ達の日常を描いた部分となっている。
シナリオとしては、今作の物語の導入部分となる一つの事件の解決までを描くチャプター0がここに該当し、次のチャプター1(冬美シナリオ)への繋ぎの部分にもなっている。
前作からルカがどうやって過ごしていたかなどのシーンはテキストとして少な目なのが少し物足りなく感じるところかもしれない。


20210820010225
角谷 冬美√【 ★★☆☆☆ 】  1h
警視庁一家所属の女性警官。
優秀かつ寡黙、生真面目な女性で、規範となる上司の生田を尊敬しており、そんな生田に対して不遜な態度をとるルカの事を心底毛嫌いしている。
普段は規律を重んじる彼女だが、今回はとある事件を規律違反スレスレの方法で独自に捜査しているらしい。

シナリオとしてはチャプター1が冬美編にあたり、主人公と反目しあいながらも事件解決に向けて協力し合う様子が描かれている。
感情がマイナスから始まる二人の捜査はクラリスとはまた違った面白さがあり、事件自体よりもそこに付随する冬美とのイベントに面白さを感じるシーンも多かった。
チャプター1自体は綺麗に終わってくれるのだが、冬美√の特性として物語が完結する前に分岐する形をとっている為、尻切れトンボ感が強い。
また個別分岐以降に詰め込まれるように(さらにシーン自体も短く)挿入されていることもあって、態度の変わった一味違う冬美の姿が描かれているシーンが短かったのも残念な所。


20210818022512
原 涼子√【 ★★★☆☆ 】  2.5h
警察署近くのカフェ『ラブアンドピース』でアルバイトをしている女性。
明るく気さくでその美貌からひそかに狙っている警察官も多い。
ルカに対してもフランクに接してくれているものの、そのダメさ加減を知っているからか、はっきりと拒絶はしている。

シナリオではチャプター2部分が涼子√になっており、教団を追い続けるルカの前に現れる障害の数々に対処する日々の中、ストーカーにあっていると涼子から相談を受けたことから距離が近くなってゆく。
ただし個別√というよりは物語全体が進展している印象が強く、その中で涼子と関係を持つことになった、というほうが正しい表現だろう。そのため涼子との掛け合いもかなり少なく、内容としては事件次作への繋ぎを含めたものとなっていた。

[主人公] 日流 ルカ
相変わらず不真面目に日常を過ごすダメ刑事だったのだが―仕事以外では教団の関係者と積極的にコンタクトをとるなど独断での捜査を行っている。
冷気を司る絶大な能力を持つと同時に、その力はルカ自身を苦しめ続けている。


【推奨攻略順:冬美→涼子】
作中にいくつか選択肢はあるものの、要所となる選択肢は1個であり、加えて階段分岐形式であるため、基本的には上記の順番が最もお勧めしやすい。


CG
前作同様に細い線にパステルのような塗りで、全体的にくすみを感じるような独特の描写は健在。
質も全体的に安定しており、鑑賞画面では前作から登場するCG等も閲覧可能なため、寮に関しては更に多く感じるだろう。(追加CGの量も十分量といえる)
また要所となるような一部シーンではCGを動かしていたりと、さらなる努力が感じられる部分もあり、評価しておきたい部分である。


音楽
GM45曲(inst等を含む)、Vo曲3曲(OP1/ED2)と言う構成。
Vo曲のInstやアレンジを除いたとしてもかなりボリュームの多いBGMは、一部前作からの物も存在しているが、新規曲があるのも確か。
Vo曲はやはりDaisy×Daisyさんの歌うOP『凍蒼』は勢いもあってカッコイイ。


お勧め度
続編であり作中では振り返りシーンもほぼないため、前作『流星ワールドアクター』のプレイはもちろん、その内容を復習してからのプレイを推奨したい。
また前作からの登場人物が昇格してヒロインとなっているものの、各ヒロインとのシーンはなおざりであるため、そのあたりに関して強い期待を抱くのは厳禁であることに留意してのプレイが望ましい。


総合評価
物語としては繋ぎのような作品となっており、評価しずらい部分もあるのは確かだが、一方で各所に盛り上がるシーンはしっかりとあり、ロープライス作品作品としては十分楽しめる内容であったためこの評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
1作で完結するかと思いきや、続編の存在が明らかになって炎上したのが記憶に新しいですが、そんな作品の続きって事で、雰囲気とかは良くも悪くもそのままだったので前作が好きだった人は迷わずプレイするとよいし、その逆ならプレイしないほうが良いだろう。
相変わらず衣笠はどんどん風呂敷を広くしていくから、今回の作品でさらに広がった物語を綺麗にたためるかどうかは謎ですね。シリーズがどれくらい続くか分からないけれど、あと何作で完結するんだろうなぁ。
少なくとも今回は広げっぱなしで次につなげたって感じだった。
そんな立ち位置にある作品だからか、各シーンはしっかりと盛り上がりがあるのだけれど、自然と中だるみみたいになっている。

あと少し気になるのは、前作ではエピローグという形で誰とも結ばれないで事件のみ解決したEND見たいな部分から今作につなげていたけれど、今作はそういうシナリオが無くて、少なくとも涼子と関係を持ったままなんですよね。
次の作品でこの辺りをどうするのかは気になる所ですね…。さすがにキャラクター分割商法みたいな感じで、前作の続きからという事で別キャラシナリオをまた出すという事は無いと信じたい。
まぁ、そう言いたくなるくらいに、前作と比べてもさらにボリュームが少なかったのは残念だったかな。



タイトル : PARQUET
ブランド : ゆずソフトSOUR


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 4h)

シナリオ

これは、私<ボク>たちのものがたり。

ゆずソフトの全年齢向けブランドという事で新規に登場した「ゆずソフトSOUR(サワー)」、製作スタッフは殆どがそのままのゆずソフトのレギュラーメンバーであるため、今作のメインシナリオライターも天宮りつ氏となっている。

物語は少し未来、脳と機械を繋ぐ技術Brain-machine Interface―通称BMIが存在する世界を舞台としている。
そんなBMIの非合法な実験の結果生まれた主人公『伊吹カナト』は、他人の記憶のみをもつという性質を持った特殊な出自であったのだが、そんな主人公が自分探しの為に町に繰り出し、とある少女に出会う。一人の体に二人の魂を宿す少女、月夜の少女『茨木リノ』と太陽の少女『城門ツバサ』、そんな"2人"の少女出会った事から物語が始まってゆくこととなる。


PARQUET (4)
茨木 リノ
誰にでも素っ気ない態度をとるが、優しい性格をしている少女で、クールな見た目に反して可愛いものが好きだったりもする。
雰囲気から冷たく感じるが面倒見はよく、主人公が初めてのお酒で酔いつぶれていたところを介抱してくれた。

PARQUET (14)
城門 ツバサ
明朗で快活な少女。
食べることが何よりも大好きで、町ではカフェでアルバイトをしている。
ガラの悪い連中に絡まれている主人公を救ってくれ、行く当てのなかった主人公にルームシェアを提案し、住む場所まで与えてくれた。
またヒロインである二人の声優を担当したのが東山奈央さんということで、シナリオには関連がないものの、一人二役である個を感じさせない見事な演技も作品の魅力としては挙げておくべき項目だろう。

近未来を舞台としたSFサスペンスということで、シナリオ自体は主人公の出自等が語られるプロローグ部分と本編、そして本編クリア後に解放されるアフターシナリオとして、リノとツバサのそれぞれとのショートシナリオが描かれた三部構成となっている。

特に秀逸だったのは物語の序盤から中盤に至るまでで、特殊な世界観を違和感なく説明する文章力もあってか、可愛いキャラクターを巻き込んだテンポの良い展開で、知らず知らずのうちにPARQUETの世界観に引き込まれていた。

一方で、低価格帯ゆえの全体的なボリューム不足もあってか、各ヒロインとの掛け合いはかなり削られている印象が強い。
リノとツバサというダブルヒロインは語るまでもなく非常に魅力的なヒロインであったため、日常シーンにおけるやり取りをもう少し増やしてほしかった、というのが正直な印象であった。
終盤にかけては多少駆け足の展開も多くなっている事も併せて、確たる絆を築く前に物語が進んでいってしまうように感じられるシーンもあって、そうした部分が物語における山場のシーンにおける雰囲気にも大きな影響を与えていた。

全年齢作品という事もあってか、間口自体がライト層を中心に広く受け入れやすい作品であり、シナリオ自体も各シーンにおける雰囲気や起承転結がハッキリと分かりやすく、物語としては純粋に読みやい事は魅力の一つとして捉えて良いだろう。
一方で、ゆずソフトが従来持っていた作品としての強みをそぎ落としてしまっている部分もあり、そうした部分においては飢餓感を感じる内容にもなっており、手放しでほめるのも難しい作品ではある。


【推奨攻略順:PRE STORY→本編→AFTER STORY(ツバサ→リノ)】
物語は大きくプロローグ、本編、アフターの3部に分かれており、順にクリアしていく事となる。
選択肢はアフターにおけるキャラ選択のみ存在しており、こちらにかんしては好きな順番での攻略で良いだろう。


CG
繊細な線に淡い色使いの絵。
ゆずの新規ブランドとなってはいるものの、メイン原画家は安定のむりりんさんであり、絵に関しては立ち絵・イベントCGともに安定感がある。
また全年齢作品という事もあるのだろうが、低価格帯の作品としては一般イベントCGの分量については非常に豊富に感じ、今作が持つ魅力の一つといえるだろう。
加えてSD絵も多数存在している。


音楽
BGM30曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMに関しては一部アレンジ等も含んでいるが、この価格帯では圧巻の数量といえるだろう。
もちろん内容も妥協されておらず、全体的に静かな曲でまとまっている中でも「Voice of the Heart」は聞いていて心が温かくなる楽曲であった。
Vo曲ではEDの「フレルフルエル」も二人のハーモニーがとても良かったのだが、やはりゆずソフトらしい雰囲気も感じる安月名莉子さんの歌うOP「BEYOND」がイチオシ。
また蛇足となるが、ゆずソフトといえばアニメによるOP演出が毎回印象的だったが、今作ではEDを含めて3DCGを使ったものに変更されており、そうしたところにも新鮮味を感じた。


お勧め度
ゆずソフトの”物語”が好きだった人にはお勧めしやすい作品。
ただ全年齢対象作品ということもあってか、ゆずソフトの強みでもあった各ヒロインの萌えシーンや18禁シーンがバッサリと割愛されており、シナリオ部分のみで勝負した作品となっている。
一応、後半に各ヒロインの個別シーンは多少あるものの、それでもイチャラブ成分が不足しているのは確かなので、そうした部分を重要視する人は避けたほうが良いだろう。


総合評価
18禁成分がないだけでスタッフが一緒であるため、総じて安定した作品となっており、低価格帯の作品である事や、ブランドとして新しい可能性を感じる作品だった点も加味してこの評価となった。


【ぶっちゃけコーナー】
全年齢対象で、低価格帯(1本道のシナリオ)という、ゆずソフトとしては挑戦的な内容だったと思う。舞台なんかも近未来SFっぽかったし。
リノとツバサというダブルヒロインの物語ということで、短いながらも起承転結ははっきりとしていたし、読みやすい作品だったのではないだろうか。
ただ転から結にかけては荒い部分も見受けられ、やっぱり気になる所ではある。
加えて、今までの作品にあるようなキャラクターにファクターを当てたシーンが少なく、ゆずソフトの最大の魅力であるキャラ萌え部分は不足している。
後半のアフターシナリオ部分にて回収しようという意気込みは感じられたのだが、18禁シーンもなくシーン自体の短さもあって、結果的に威力不足であった。
そうした部分でユーザーの期待と噛み合わず、評価が悪くなってしまっているのかな、というのが個人的な所感である。
ただし、そうしたシーンを求めるという事は、裏返せばそれくらい物語としては受け入れられ居て「もっと続きが見たい!」という意見の表れなのかなと思わなくもない。個人的にもゆずソフトの…というより、天宮りつさんの作るシナリオが嫌いではなく、今回も終盤までドキドキしながら読め、萌えゲー路線以外のゆずソフトの可能性をみた、という意味で高めの評価にした、という経緯がある。



タイトル : 推しのラブより恋のラブ 〜ラブ・オア・ダイ〜
ブランド : SukeraSomero


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 1h強)

シナリオ
愛か死か――今、速星あくるに決断の時が迫る!

同社作『推しのラブより恋のラブ』の続編でありFDとなる今作。
ストーリーとしては前作で見事に恋人同士となった『速星 あくる』と『古館 恋』のその後の日常や、そしてその結婚に至るまでの様子が描かれた内容となっている。

恋人同士になってもなお推しに夢中なあくると、そんなあくるを愛してやまない恋の恋愛描写はこの会社の百合ゲーだからこそ出せるならではの雰囲気であり、そうした部分は前作からしっかりと踏襲されている。
また、物語の大筋な流れは上記にあるような1本道のシナリオではあるものの、後半においては選択肢によっては少し面白いカップリングによるワンシーンが描かれていたりするところも、シナリオ的には見どころといえるだろう。

また前作同様に18禁パッチも同様に存在しており、こちらは鑑賞画面からのみプレイ出来た以前とは違い、パッチを当てることで本編の物語にしっかりと挿入されたりと、改良点も見られた。

ロープライス作品の続編ということで、ボリューム等の部分では多少不足感を感じてしまうものの、誰もが見たかったその後の展開をしっかりと描き出したうえで、プラスアルファの日々を綴るFDとしては十二分な内容だったといえるだろう。


【推奨攻略順:あくる&恋→藍愛&志乃】
作中にいくつか選択肢はあるものの、最後の選択肢以外は大きく展開に寄与しない。
最期の選択によって多少違った視点でのワンシーンを閲覧できる。


CG
鉛筆画のようなラフさを感じる線質と、水彩の淡い色が滲む色使いが特徴的。
前作同様に独特の魅力を持つ絵が、今作の作品の雰囲気を支える一端を担っている。
数も作品の長さと比較すると多く用意されており、さらに18禁パッチを適応することでHCGがいくつか追加される形となっている。


音楽
BGM14曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMに関してはその多くが前作からの転用であるため、新曲という意味では目新しいものが無いのが残念な所。
Vo曲ではOPとEDが用意されており、鈴湯さんの歌うOP「My Dear My Fave」は明るい曲調で作品との相性も良かった。
なお音楽鑑賞画面ではOPしか聞けない仕様のため注意。


お勧め度
作品の性質として前作をプレイしていることが前提の物語となっておりハードルの一つとなっている。
また作中で振り返りのシーンもないので、内容を忘れた人は是非一読してからのプレイを推奨したい。
低価格帯のFDということでボリュームは短くはあるものの、手に取りやすい価格帯であり内容としても後日談に少し違う視点の物が含まれていたりと、全体的には満足しやすい内容だったといえる。


総合評価
低価作品の続編ということで、平均的なこの評価とした。


【ぶっちゃけコーナー】
前作をプレイせずに今作のみをプレイするって人はいないだろうから、知っている体で多くの感想を書いていますが、もしそういう人がいたら、今すぐ回れ右をして1作目をプレイしてほしい。

割とよくFDを作る会社ではあったから推しラブの続編も来るのかなーとおもっていたし、その期待にこたえうる内容だったのは確かかな、、、百合作品って探せば結構あるのかもしれないけれど、私自身がプレイした数が少なくて、普遍的な物語であっても新鮮に感じる。
それだけに泣ける物語とかじゃなくても、日常シーンとかのやり取りが面白くて、ついついのめり込んでしまう。

あとタイトルにあった「ラブ・オア・ダイ」―愛か死かはさすがに誇大されていた…というか、市に通じる部分が殆どなかったよね。
社会的死とかそういうのかなーとおもっていたけど、前作程のシリアスシーンもなかったし、割と全体的に平和だったからね。
物語自体はそれで凄く良かったと思ってるから、タイトルで誤解しそうな人は(いないと思うけれど)安心してプレイしていいと思う。



タイトル : 紅葉とワンルーム ~とある夏の一日~ -紅月ゆれる恋あかりSS-
ブランド : CRYSTALiA


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   :       [-/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]
(総プレイ時間 : 0.75h)

シナリオ
同社作品『紅月ゆれる恋あかり』のアフターシナリオを描いたFD作品で、今作はヒロインの一人である「朱雀院 紅葉」にスポットを当てて描かれている作品。

『絆きらめく恋いろはに』にあったFDと同様、同種の作品として旭編が同時に発売されており、過去作のFDやこちらをプレイしている人は今作も把握しやすいだろう。

ストーリーは本編から数か月後の夏休み、皆が所用で24時間の間寮に二人きりとなった紅葉が、積極的に主人公にアタックしてゆく内容となっている。

夏休みらしいシーンは乏しいものの、一緒に訓練をしたり、主人公の部屋でイチャイチャしたり、朱雀院としては難しかったデートシーンなども含まれており、紅葉の魅力を凝縮した内容となっている。

ただし旭編と同様今までのFD作品同様に本編の魅力であった部分は殆ど削がれており、あくまでイチャラブメインの萌えゲーに仕上がっている。

【推奨攻略順:選択肢無し】


CG
本編と同様の質感を感じる絵。
合計10枚のCG(1枚SD絵含む)が用意されており、HCGは5枚ほど(Hシーン自体は3シーン)となっており、今までの作品と比較すると少しだけ分量が控えめとなっている。


音楽
作中に音楽鑑賞画面がなく、評価対象外としている。
ただ追加の楽曲等はBGMやVo曲を含めてない。


お勧め度
『紅月ゆれる恋あかり』の続編という仕様上、本編のプレイはもちろん必須となっている。
ヒロインも一人なので、本編で紅葉が好きだった方にはお勧めしやすい。
特に本編の仕様上、少なかった個別√におけるイチャラブ成分の補充という意味では貴重なシーンが詰め込まれた作品ともいえる。


総合評価
舞台を活かしたロープライスなイチャラブメインの萌えゲー作品、ということでシナリオの薄さ等も鑑みてこの評価としている。


【ぶっちゃけコーナー】
この作品をプレイした(あるいはしようとしている)人の中には『絆きらめく恋いろはに』関連には触れず、”ゆれあか”のみをプレイしている人もいるはず。
そういう人なら”めくいろ”も作品的にプレイしてほしいかなぁ、物語に繋がりがあることは勿論、また違ったテイストの魅力がある作品だった。
それに付随するFD2作もこの作品を念頭に入れておけば落胆することも無いはずだし

普通にCRYSTALiAのFDをプレイするのが初めてって人は、物語の短さに目をつぶる事と、ヒロインとのイチャラブしかコンテンツに含まれていないことを理解しておけば、そう外れた気持にはならないはず。
ただ分量とかは今作の方が少なく感じるかもしれない。



タイトル : 旭とワンルーム ~とある夏の一日~
ブランド : CRYSTALiA


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   :       [-/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]
(総プレイ時間 : 0.5h)

シナリオ
同社作品『紅月ゆれる恋あかり』のアフターシナリオを描いたFD作品で、今作はヒロインの一人である「九鬼 旭」にスポットを当てて描かれている作品。

同種の作品として紅葉編が同時に発売されているが、『絆きらめく恋いろはに』も同様、ワンルームシリーズ(?)として出ているため、そちらをプレイしている人は今作を把握しやすいだろう。

ストーリーは本編から数か月後の夏休み、皆が実家に帰る中で一人で過剰なトレーニングに勤しむ旭だったが、それを心配した主人公が旭を休ませる、という流れで二人のイチャラブな休日描く。
本編同様に旭が主人公にベタ惚れであり、そうした雰囲気自体は本編をしっかりと踏襲できている。

作中には戦闘シーンも短いながらあるものの、今までのFD作品同様に本編の魅力であった部分は殆ど削がれており、あくまでイチャラブメインの萌えゲーに仕上がっている。


【推奨攻略順:選択肢無し】


CG
本編と同様の質感を感じる絵。
合計9枚のCG(1枚SD絵含む)が用意されており、HCGは5枚ほど(Hシーン自体は3シーン)となっており、今までの作品と比較すると少しだけ分量が控えめとなっている。

音楽
作中に音楽鑑賞画面がなく、評価対象外としている。
ただ追加の楽曲等はBGMやVo曲を含めてない。


お勧め度
『紅月ゆれる恋あかり』の続編という仕様上、本編のプレイはもちろん必須となっている。
ヒロインも単独であるため、本編が好きでなおかつ旭が気に入った人にはお勧めしやすいだろう。
特に本編の仕様上、少なかった個別√におけるイチャラブ成分の補充という意味では貴重な作品ともいえる。


総合評価
シナリオが薄いこと以外で、全体を見て何ら不備はないのだが、ある意味ストライクな好みを狙った作品であるため、万人受けする作品ではなく、今作のFDという仕様を考えても、この評価が妥当だろう。


【ぶっちゃけコーナー】
めくいろのFDの時の鏡写しのような、今回のゆれあかのFD。
海に旅行に行ったり、ワンルームとは…? という、作品の根本的な部分に対して疑問はわくけれど、本編にあまり個別√って考えが無かったし、ある意味全キャラで作っていいのかもと思う。
いやまぁ、そもそもの話でいうならば本編に入れておいてよって部分でもあるけどね。

そういえば、ゆれあかに登場するヒロインは4人で、今回の2つのFDでそれぞれ一人ずつが起用されている。
紅葉が起用されるのはなんとなく今までの人気の傾向からわかっていたけれども、二人目はさすがに本編の流れを見ても雪月花(と蛍雪)あたりだと思ってたんだよなぁ。
そこで旭というのは少し意外だったかも。
ただ、前作でもしおんがピックアップされていたし、なんとなく傾向としては似ているのかなぁと思ったり思わなかったり。
どういう選定基準なのかは本当に謎だ。