スピカの忘れ物

ゲームレビューとちょびっと小説を公開している、鍵っ子ゲーマーのブログです。 泣きゲーやシナリオゲーが大好物!



タイトル : 冥契のルペルカリア
ブランド : ウグイスカグラ


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 11h)

キャラクター・シナリオ

―I<アイ>は未来を求めない。

芸術の街ニュクスで繰り広げられる、誰かのための青春と恋愛と幻想奇譚。

シナリオライターはウグイスカグラの作品でもメインライターを務めたルクスさん。

物語は段階的に表れる選択肢によって各ヒロイン√へと分岐していく、いわゆる階段分岐の形式をとった作品となっており、その構造は大きく3つに分けられ、前半であり共通ルートでもある劇団『ランビリス』に入団し、そして一つの劇を作り上げていくまでの青春譚、各ヒロインと恋仲になる恋愛譚の中盤、終盤のそして物語の核心部分に触れる事になる幻想奇譚から成る。

序盤は独自設定はあるものの語られることは少なく、伏線の関係もあって多くの謎のシーンが挿入されているため、一部展開には不可解な物があったり、そうした疑問が残ったまま物語が進んでいくため、心地よく作品を読むことは許されていない。

そんな前半において多くを占めるのが『演劇』についてであり、これは今作の重要な要素の一つとなっていた。
作中ではシェイクスピア作品やサン=テグジュペリ、北欧神話から果ては中原中也の詩までが取り扱われており、それらに対しての解釈はもちろん興味深かったが、なによりも演劇というものに対して全身で挑み芸術へと昇華させてゆく、そうした姿や熱量のあるいくつものシーンにこそ青春を感じられ、今作で最も評価している部分といえる。
またシナリオとは多少関係ないものの、これらのシーンによってかなり重要になったのが各声優さんの匠な演技であった事にも触れておきたい。
キャラクターによって下手な演技から真に迫ったものまでを演じ分ける、その技術に驚きながら作品の世界観に没頭するための舞台装置として、重要な役割を果たしていたといえる。

そうした中で中盤からにかけて肝心の個別√が非常に簡素なものになっていたのはやはり残念だった。
物語の構造上、BADENDのような形になってしまうのは仕方が無い事なのだが、せっかく作りこんだキャラクター達を活かすことなく、ただの選択肢の消化として描かれているように感じる事も多く、TRUEへの橋渡しとはいえ、もう少し内容を充実させて良かったのではないかと思うヒロイン達も多かった。

また今作の特色でもあり、同時に弱点でもある、その過去回想シーンの多さについても触れておきたい。
作中では終始、各キャラクターが独白するような形で過去回想シーンが多く入っており、作品キャラクターの内部形成をするとともに、作品の根幹をなす伏線を明かすシーンなども盛り込まれていた。
こうしたシーン自体は過去作でも似たものがあったが、こうしたシーンが作中の半分以上を占めているため、丁寧に作品が作り上げられている印象を受けると共に、必然的に作品のテンポ自体はかなりゆったりとした内容となっている。
その為、文章量と比較するとシナリオの展開はあまり大きくなく、作品自体が重く暗めの内容であったことも合わせて、結果的に起伏のあまりない作品となっている。
こうした部分がシナリオとして特色になっているのは確かだが、同時に作品としての薄さや伝わりにくさといったマイナス要素を生んでいるのも確かで、こうした部分が過去作同様に『玄人志向』と呼ばれることも多い。
少なくとも、シナリオメインで楽しむ人にとっても人を選ぶ文章であることは確かだろう。

そうした中でたどりつくTRUEシナリオについても、そのネタ自体があまり大きくなく、かといって鬱ゲーとしての絶望感や伝えたいメッセージ性が強いわけでもない。
序盤から中盤にかけて膨らませられた期待感は萎み、残った奔流する文字の中にプレイヤーは置いて行かれ、主体性が曖昧なままの舞台の中で、登場人物たちが空回りしてしまった作品であるような印象を受けることとなった。

今作はある意味で悲劇を主軸として、現実と演劇が曖昧になってゆくその様子や、繰り広げられる愛憎劇等がメインコンテンツといえるだろう。
ただそれを表現するための雰囲気ある文章と独りよがりな文章とは紙一重であり、読み手がどう受け取るかはその人次第といえるだろうが、それでも前者と捉えてしまう人がいても仕方がない内容になってしまっていた。


共通√【 ★★★☆☆ 】  5.5h
本編は第1幕から5幕までプロローグから主人公たちの劇団『ラビリンス』の入団までを描く前半、後半は最初の公演を終えるまでを描いた内容となっている。

序盤から一部伏線などのためか、多くの部分で不明瞭な設定などがあり、読みにくさがかなりあるものの、そういった所を除外して考えると演劇をテーマとした青春物と捉えられる。
純粋にそう分類するにはいささか乱暴な内容であったといえる。
長さのわりに多くが主人公を含む登場人物たちの過去描写などであり、物語の起伏自体はあまりないのだがそれでも驚きの展開なども含まれており、読みごたえのある内容となっていた。


冥契のルペルカリア-ウグイスカグラ4
天使 奈々菜√【 ★★☆☆☆ 】  1h
●●●なだけの少女。
個別√で描かれるは一人の願いによって上書きされた世界であり、安寧が支配する白い部屋の続き、”天使”が幸福になるための物語。
階段分岐の最初のENDという事もあって多くの内容が不可解なままなので、正確な評価が難しいが、個別√比べるとかなり短い内容であり、物語の展開自体も急であった事、多くの説明が放棄されたまま物語が進むこと、物語の締め方を含めてBADENDのような内容という事ができる。
奈々菜の可愛さや意外な部分などを見られるのは確かなのだが、彼女の全てをこの内容で生かしきることができたとはいえず、少し残念な内容だったともいえる。


冥契のルペルカリア-ウグイスカグラ3
箱鳥 理世√【 ★★★☆☆ 】  1h
元役者で劇団事務担当の少女。
不器用でポンコツだけれど真面目な性格をしており、面倒見も良いため劇団ではまとめ役になることも。
主人公とは過去に知り合っており、多少気があるものの、素直になれないでいる。

個別√にて紡がれる、茜色に染まる幻惑の物語。
理世と主人公がたどり着いた終着点。
幸せに満ちたその日々における理世の可愛さは破壊力抜群でいわゆるツンデレのような彼女だからこそ、付き合ってから見られるデレた姿には思わずグッときてしまう。
また自身が弱いからこそ相手の弱さも包み込み許してくれるような、暖かな包容力に満ちた彼女の姿もまた印象的で、そんな彼女との日々は確かに存在したであろうことを感じさせてくれる。


冥契のルペルカリア-ウグイスカグラ2
匂宮 めぐり√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
劇団『ランビリス』の看板女優。
才能に加えて、幼少期からの努力によって身に着けられた演技力は圧倒的で、底知れない演技力を持つ琥珀や、過去に子役として活躍した主人公には興味をもっており、小悪魔のようにからかってくる。

めぐりとの日々は共通でも比較的多く描かれており、そうした部分にプラスした要素としていくつかのシーンが描かれているが、彼女個別シナリオはモチーフとして比較的有名な作品である『銀河鉄道の夜』が取り上げられており、加えて今作の背景などがその過程で多く明かされたこともあって、今までのシナリオと比べると内容が分かりやすくなっている。
グルグルと同じところを廻りつづける幸せが「ほんとうの幸い」なのか、描かれる幸せなシーンとは対照的だが執拗にその問いかけをこちらへ投げかけてくる内容となっている。


冥契のルペルカリア-ウグイスカグラ
架橋 琥珀√【 ★★☆☆☆ 】  1h
伽藍堂の空虚なクラスメイト。
夜の公園で一人演劇を真似していたところを主人公に見られてから、その実力を買われて劇団『ランビリス』に入団することとなる。
経験は少ないものの演技に関しては別格の才能をもっており、乾いたスポンジのように何でも吸収してどんな役でも演じてしまう。

これも等しくBADENDであり、必要な役者たちは去り月のない宵闇の中、行われる虚しき二人芝居。
二人が演じる逃避のための世界はアベコベでボロボロになってしまって、その振る舞いは傲慢で見ているだけで不快感を感じる人もいたはず。
徒爾に時間だけが過ぎていくだけの浪費、けれど演じる者が止めない限りは、たとえ意味がなくとも続いてしまうのだろう。


冥契のルペルカリア-ウグイスカグラ5
TRUE√【 ★★☆☆☆ 】  1h
全ての選択肢の果てにたどり着く一つの終わり。
TRUEとなってはいるものの、今までの伏線もあってか展開も予想できる内容となっており、触れられなかった各キャラの心情が明かされる他はに目新しい物はない。
今まで膨らませてきた話の総括ではあるが、比較的終わり方も平坦なので、残される傷がある訳ではないものの、かといって読後感が爽快なわけでもない。


【推奨攻略順:奈々菜→理世→めぐり→琥珀→TRUE】
いわゆる階段分岐作品なので、基本的には上記の順番での攻略になるはず。


CG
細く繊細な線、淡い塗りの絵。
立ち絵やイベントCGは共通してふんわりとした雰囲気が漂っており、目を見張るものがある一方で、時折バランスやパースが気になるものもある。
ただ枚数は比較的豊富で総じて安定した質の絵が多いので、作品の足を引っ張るほどではなく”味”の一つといえるだろう。


音楽
BGM26曲、Vo曲1曲という構成。
多種多様にそろえられていたBGMは一部を除いて全体的に落ち着いたもの暗いものが多く、「残り火」や「memories」などはその中でも代表的な曲といえるだろう
Vo曲の「ライムライトの残火」は雰囲気もたっぷりですが、歌詞自体も作品とリンクしていて、プレイ前はそうと分からないフレーズもプレイ後に再度聞いてみると、再度印象が変わるはず。
ただEDが無かったのは少し残念な所。


お勧め度
ルクル作品として前作や前々作の雰囲気が気に入っている人には安心してお勧めしやすいが、そのままで楽しむのは難しい作品であるため、初心者にはいささかお勧めしにくく、少なくとも文章に慣れ親しんだ人か、多少陰鬱な雰囲気の作品が好きな人に限ってプレイを推奨したい。
また同社の処女作である「紙の上の魔法使い」とのつながりやそのレベルを期待して、いう意味でなら、やはりお勧めはしにくいといえる。


総合評価
鬱ゲーとしては全体的に良くできた作品ではあるのだが、それでもやはり伝えるべき主張性が弱く、心に響くシーンや残るシーンもなかったという事で、厳しいものの平均的なこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
各所触れるべきところはあるものの、やはりシナリオについてのみここでは書き記しておきたい。
ルクルさんの文章力がどうこう言えるわけではないのだが、個人的に肌に合わない事は確かだ。
だからこそ、以下の文章は肌に合わない人にとってはこう感じるという体で受け取ってほしい。

ウグイスカグラといえば、印象的なのが処女作の「紙の上の魔法使い」で、その圧倒的な展開と真に迫る心理描写に驚かされたのは今も記憶に新しい。
ただ、以降に書かれたものはネタや各キャラの心理描写も全く及ばないと言っていい。
特に今作に関しては、すっきりとさせるなら1/3に出来るんじゃないか、もしくは文章のコピペをしたのでは、と思ってしまう程に繰り返しのシーンが多い。
リフレインとも呼べるそれらのシーンは、しばしば雰囲気を高めるための重要なシーンにおいて他の作品で使われているものの、この作品では各キャラクターたちの一人語りが永遠と綴られていた。
これ自体は登場人物の把握に役立っているといえるのだが、如何せんそんなに繰り返さなくても、プレイヤーはしっかりと把握してくれるだろうし、なにより既知の話の繰り返しは相当なインパクトや思い入れのあるシーンでもないと、読んでいる人に感情を呼び起こす事ができず、結果的に今作ではそれらの多くが冗長なものとなり果ててしまっている。
それよりも綴られなかったそれ以外の面を描いていき、さらに描写を深めたほうが良かったといえるだろう。

またネタ自体もかなり平凡…というより二番煎じに感じることが多く、プレイしていて過去の作品との類似を感じざるを得ない。
テーマとして挙げられた演劇自体への向かい方はともかくとして、取り上げられた作品やその解釈、その背景にある舞台、などなど過去の有名な作品でも使われた作品/手法であるため、そこと比較してしまうと、どうしても驚きは少ない。
それでもオリジナルを超える何かがあればよかったのかもしれないが、今作においてはそうした要素が見当たらず、どうしても感情の起伏が少なくなってしまっていた。
また雰囲気としての鬱ゲーとして評価しようとしても、今作における絶望はその他多くの作品と比較するとどうしても軽く、結果として伝えたい事が薄くぼんやりとしてしまっている。

書きたいものや伝えたい事はしっかりと伝わってくる作品なのだが、各所に見られるそうしたウィークポイントが総じて書き手の独りよがりとして「芸術」とは紙一重の「退屈」を見せられた気持ちになっている。
厳しい意見ではあるものの、素直な気持ちとして書き記しておきたい。



タイトル : まおかつ! -魔王と勇者のアイドル生活-
ブランド : Wonder Fool


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 4h強)

キャラクター・シナリオ
駆け出しのアイドルプロデューサーとして働いていた主人公。
そんな彼が突如として異世界召喚され、周囲に望まれるままに魔王を討伐する…、そんなありふれた異世界転生物から一転、秘密裏に仲間に引き入れた魔王たちをトップアイドルとしてプロデュースするというお話。

企画・シナリオを担当しているのはあの名作「アオナツライン」でも有名な冬野どんぷくさんで、以前にもCOSMIC CUTEの「雲上のフェアリーテイル」において企画・シナリオを担当されている。

しかしながら、今作は”異世界”という舞台設定こそ重要な立ち位置にあるものの、作品のメインになっているのは異世界において『アイドル』という職業を開拓していく過程であり、その中で垣間見えるヒロイン達の強い輝きが最大の魅力となっている作品である。

今作において最大の欠点といえるのがシナリオの分量だろう。
Hシーンを除くと各ルート1hほどのシナリオとなっており、共通ルートを含めても全編で4時間ほどで読めてしまう物語となっている。
サクサクと読める作品である事を鑑みたとしても、フルプライス作品とは思えない分量となっていて、どの部分でこの分量の制限が付いたのは謎だが、この尺の短さ自体が各シナリオにおける完成度に関連しているとあっては減点せざる終えないだろう。
こと純粋な異世界転生物とするには主にこうした点を含めて、色々な描写が足りない作品となっており、そういう意味では異世界物としての作りこみも甘い作品といえるだろう。

『アイドル』に比重をおいた作品であるというのは前述の通りだが、そのアイドルとしての活動が現実に即しているものかは、当方の経験不足もあり分からない。
ただそこに向き合おうとするクローマやメテオール―作中に登場するアイドルグループの名称―の面々の姿、そこに宿る輝きは確かに描かれいた。
アイドルとして活動する傍ら、個別√で重要となる恋愛描写もまた素晴らしい。
特にハーレム物としてイチャラブシーンのみを描くのではなく、しっかりと選ばれなかった者の心の描写が描かれている点は個人的好みもあるのだが、それぞれのヒロインがどの√においても忘れられていない事が伺える。
それ以外にも個別√でしっかりと攻略ヒロイン以外のヒロインの登場シーンが用意されており、共通ルートと変わらず作品をにぎやかにしてくれていた。
確かに手放しで褒めることができるか、と問われると様々に突っ込む要素はあるものの、締めるべきところは締める作品であるために緩急があり、いつの間にか心をつかまれているシーンもいくつかある。

シナリオの総評として、各ルートで光るシーンはあるものの、総じて分量不足という大きなマイナスポイントもあり、それらが全体的な評価を大きく下げているというものになっている。


共通√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
メインで描かれているのは主人公が異世界においてヒロインの2人と『アイドル』という存在を作り上げていくまでの過程であり、そこに至るまでの主人公の異世界転生やヒロインである魔王の3人との出会い等々はかなり割愛されている。
日常シーンはギャグもありつつハーレムテイストではあるものの、前述の通りアイドルとして頑張っているヒロイン達の姿をプロデューサーとして眺める事になるシーンが多く、それぞれのヒロインとしてのイベントシーンがあるというよりは『クローマ』として一人一人の魅力を引き出している印象が強い。


20210301001716
リゼ・クラウド√【 ★★★☆☆ 】  1h弱
元・空の魔王。
クールで竹を割ったような性格の持ち主で、クローマのメンバーの中では最も真面目で、主人公には勝負をして負けてから以後は素直に従っていたりと、義理堅い所もある。
他のメンバーのように愛想を振りまくのは苦手だが、その代わり戦場でも味方を鼓舞するのに使っていた歌が得意であり、最大の魅力となっている。

個別√ではソロ活動を始めたリゼとそれを支える主人公という形で二人の仲が深くなってゆく。
恋愛というものに一切触れていなかったリゼの初々しい感情の発露が伺えるシーンが魅力の一つではあるのだが、もう一つ裏にあるテーマとして「アイドルとしての恋愛」というある意味革新的な部分にも触れたシナリオとなっている。
短いシナリオではあるものの、それぞれの問題提起にそれなりの答えを見せており、読み応えもあって純粋に良い内容となっていた。


20210301001733
イヴリン・デヴォルガード√【 ★★★☆☆ 】  1h弱
元・陸の魔王。
当初から謎に包まれていた存在で、世界征服よりもアイドル活動の方が面白そうということで協力関係になる等、気分で行動する事が多い。
基本的になんでも出来ることに加え、全てを包み込むような包容力を併せ持つことから、皆のお姉ちゃんとして立ち回ることが多く、主人公の事も弟として扱っている。

個別√では、何でも器用にこなせるイヴリンが最初にソロ活動をするメンバーに推挙される所から始まり、イヴリン自身の「姉としての立場」をテーマにクローマとの面々との関係に触れた内容になっており、短いもののメンバー同士の絆が良く表れた内容となっていた。
物語の中盤から後半にかけては主人公に起きたある”問題”を主軸として話が展開してゆき、姉として弱さを見せないイヴリンの弱さなども見える内容となっていた。
シナリオの短さや展開の予想のしやすさなどの問題はあるものの、多角的にヒロインの魅力を表現するという意味では、及第点を挙げられる内容となっている。


20210301001731
カレン・アオイ√【 ★★★★☆ 】  1h
元・海の魔王。
カレン自身は温厚な性格で争いを好まないものの、生来の資質により海の巫女として崇められ、魔王として扱われていた過去をもつ。
頑張り屋な彼女だからこそ、アイドルをする事になってからは、何事にも一途に努力をし続けており、当初は感情の動きも少なかったが、クローマの面々と触れ合う事で徐々に改善され成長していっている。

ソロデビューを果たし順風満帆なカレン、個別√ではそんなカレンが主人公の前世では「アイドルが恋愛禁止」だったという事実を知る所から物語が展開してゆく。
アイドルという仕事と恋愛の間で揺れるカレン、意識し合うのギクシャクする様子など、短さの中にも、本作では一番といっていいほど恋愛描写がなされており、カレンの優しい性格と共に今まで見られなかった魅力を伝えてくれている。
後半は一転して予想もつかない展開となっており、短い尺にこれでもかという程の展開が詰まっているが、それでも要所要所の描写力は確かであり、思わずぐっと来るシーンもあった。


[主人公] 本多 御言
シャルロッテとイーリスによって異世界召喚された本作の主人公。
元々は駆け出しのアイドルプロデューサーだったが、異世界召喚後は勇者として活動し、魔王討伐を終えた後は再びプロデューサーとして再び活動することとなる。
性格は真面目で、特に仕事に関しては熱い情熱をもって取り組んでいる。


【推奨攻略順:リゼ→イヴリン→カレン】
選択肢が1つしかなく、それが各キャラシナリオの分岐となっている。
シナリオの性質上誰から攻略しても良い物となっているが、個人的にはカレンを最後に攻略してほしい所。


CG
前作に引き続きぼに~さんがメイン原画担当しつつ、「アサヒナヒカゲ」さんという方も加わった今作。
しっかりとした線に濃い塗の絵、その質に関しては大きな変化はない。
ヒロインが3人という事もあって一人一人の枚数に関しては前作より多くなっているものの、総じてのHシーン数やCG枚数に大差はなく、個人手にはもう少し分量が不得手も良かったのではないのかなと思ってしまう所。
前作同様にSD絵も多数存在している。


音楽
BGM10曲、Vo曲1曲という構成。
Vo曲のアレンジを含めればもう少し増えるBGM、何より問題なのはその量で、中には「In Other Words」のような良曲もあるが、やはり全体的に寂しい分量といえる。
Vo曲は夢乃ゆきさんの「Let's ミラクルSHOWTIME!」で、異世界の中―ゲーム世界イメージさせるような電子音を使ったハイテンポの楽曲が素晴らしい。


お勧め度
シナリオライターが冬野どんぷくさんである、という事でお勧め度を高くしているのだが、如何せんそれ以外の部分でマイナス点もあり、純粋にお勧めしにくい作品にはなっている。
特に作品の雰囲気としてもガラリと変わっており、それが唯一無二として好まれるか、有象無象の作品の一つとして捉えられるかは人次第だろう。
ただしシナリオに光る部分があるのは確かで、そのシーンに感動をしてしまった一人としては、お勧め度だけでも高くしておこうとこの評価になっている。


総合評価
シナリオに見るべきところはあるものの、同時に欠点を抱えている部分もあり、そのほかにも純粋に評価を高くしにくい内容もあり、全体を鑑みてこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
シナリオについて個人的な意見をもう少し含めるなら、期待していた部分から外れた感じではあるものの、そのなかでも予想を超えてくるシーンはあるという印象だったかな。
というか異世界物としてみるよりアイドルが成長していく過程を描いた作品としてみると、凄くしっくりきた作品なんだよなぁ。
何度も言うけどフルプライス作品としては短めの作品だったというのが最大の欠点で、だからこそ要素がごっちゃになり過ぎていた今作との相性も悪かったように思える。
中でも異世界要素は作中でも消化しきれてないところがあって、この作品の魅力というべきところが異世界である事と全く関係なくなっているのがその証左ともいえ、何故異世界でなければこの作品は成り立たなかったのか、そこを描くにはやっぱり尺足らずと言うのが正直な感想。
ただ一つ一つのシーン自体に破壊力は確かにあって、今までのマイナス分を全てカバーしきれないものの駄作かといわれてしまうと、そう断じてしまうには惜しい所が多い作品であったというのもまた正直な感想の一つである。



タイトル : 純情化憐フリークス!
ブランド : Wonder Fool


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 5h)

キャラクター・シナリオ
フリークスと呼ばれる超常的な存在―付喪神や妖怪―が存在する世界を舞台に、『化け物だって愛してる』をテーマとして描かれたラブコメ作品。

幽霊になって表れた幼馴染や、人間だと思っていた従姉がフリークスであったことが発覚するなど、共通ルートでは正にドタバタラブコメ展開が詰まっており、各ヒロイン達とのエピソードなど、それぞれの魅力を活かした内容となっている。

一転して各個別シナリオ部分におけるHシーンは半分以上を占めており、Hシーンの合間に日常シーンが入っているような印象を受ける作りとなっている。
そのため各ヒロイン達との恋愛描写や恋人同士だからこその親密な関係を描いたシーンが乏しく、その展開の仕方も含めて世界観を活かしきれてない印象も強かった。
ただそれぞれに独自性があり、短いなりに起伏のあるシナリオではあり、読んでいてつまらないわけではない。

テキスト自体がすっきりしている事もあり、展開もサクサクしていくので、プレイし始めるとどんどんと進めてしまうだろう。
ただ各個別√の中身が薄いので、どうしても終盤の展開では感情移入しきれない事も多く、結果として印象の薄い話が多くなってしまっている印象が強い。

世界観や雰囲気、各キャラクターの設定等々、伸ばせそうな部分はいくらでもあるのでそのあたりを惜しく思う一方で、手軽くエロシーンまでを体験したい人にとってはライトに楽しめる作品に仕上がっているともいえる。


共通√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
物語の始まりという事で、各ヒロイン達の出会いや個別のショートエピソードが綴られている他、『フリークス』という存在についてなど、この作品の世界観の根底となる部分の説明をしながら、とある”謎”を解決するためにヒロイン達と協力して過ごす日々を描く。
基本的にはラブコメの学園物ではあるものの、締めるべきところではしっかりと締めており、緩急のあるシナリオにはなっている。


20210221022007
庚 静海√【 ★★☆☆☆ 】  1h弱
主人公と一緒に暮らしている従姉で自称お姉ちゃん。
主人公とは同い年ではあるものの、先に生まれている為に頑なに姉であることを主張しており、弟の為にならと、数々の不可能を可能にする不思議なパワーの持ち主。
多少粗暴な言動ではあるものの、オシャレにも興味があったりと普通の女の子っぽい所もある。

前半は幽香との関係を絡めた恋愛描写がメインとなっており、短いものの姉として立ち回っていた静海の秘めていた想いなどが綴られている。
後半は、共通ルートにて発覚した静海の”とある事実”についてが絡められており、こちらも短くはあるものの妥当な展開となっている。
全体的に簡素なシナリオではあるものの、姉として行動することが目立つ共通ルートに比べ、恋人として行動することが多い個別√では静海に対して抱く印象も少し変わるかもしれない。


20210221021919
柳川 幽香√【 ★★★☆☆ 】  1h弱
主人公や静海の幼馴染で幼い頃に引っ越してしまってからは連絡が取れなかったが、ある日幽霊になって戻ってきた。
幼い頃に主人公に初恋をし現在も想い続けている。
引っ込み思案ではあるものの、気を許した相手にはよく喋り、特に主人公に対しては積極的にアピールをしている。

個別シナリオでは、共通ルートから少しだけ仄めかされていた幽香のとある”秘密”がシナリオの中核に。
設定だけならメインヒロイン級なのだが如何せん付き合うまでの恋愛描写などが少なく、その他のシナリオも短い。
重要な部分が後半にギュッと詰められており、そういう意味では集中して読め、また読後感自体も悪くはない内容となっているものの、全体的にもうひと押しの足りない内容となっていた。


20210221021950
沼楽坂 理央√【 ★★☆☆☆ 】  1h弱
近所に引っ越してきたぬらりひょんの一族の末裔。
見習いとしてではあるものの、フリークスと人間との調停役として仕事をこなしている。
子供っぽい所も多いが頑張り屋で、仕事に対しても一生懸命に取り組んでいる。しかしドジな所も多いためか自分に自信がない。

個別√では主人公が理央の仕事を手伝い始めたことにより、お互いの距離が近づいてゆく。
内容としては、見習いの彼女が認められるまでの過程を描いたものなのだが、付き合うまでもかなり順調であり、その後の日々もHシーンが中心となっているためシナリオの中身が無いに等しい。
ドジながらも懸命に頑張る、という理央の良さも共通ルート部分までが最もよく表れていたので残念な所。


20210221021954
九十九√【 ★★★☆☆ 】  1h弱
理央の付き人で、キツネのお面の付喪神。
人の姿をもって顕現したのは数年前だが、それ以前の経験もしっかりとあり、その経験を活かして、徳を積む目的で理央の仕事を手伝っている。
冷静な性格であることも手伝って、皆のお姉さん役として立ち回る事が多い。

付喪神として徳を積むために、島や学園の相談役として頑張っている九十九。そんな彼女の疲れた姿を見た主人公が手伝いを申し出るところから、関係が深くなってゆく。
付喪神―フリークスと人との違いという今作の設定を活かしたものをテーマにした内容となっており、個別√ではお姉さんっぽい九十九はもちろんなのだが、共通ルートでは見られなかった恋人に対して甘える九十九などの表情が見られ、恋愛は短さはあるもののシンプルに纏められており、サクサクと読める内容となっていた。


[主人公] 庚 幹貴
本作の主人公で、大きな胸が大好きな以外は普通の人間。
今は仕事で忙しい両親たちに代わり、従姉の静海と一つ屋根の下で暮らしている。
オープンエロな主人公だが、それは静海に対して日々そうした態度をとっており、静海もそれを許しているのが原因。
両親がフリークス関係の仕事をしているためか、幼い頃からフリークスとは慣れ親しんでおり、偏見を持たずに接することができる。


【推奨攻略順:理央→九十九→幽香→静海】
特にロック等もないため好きな攻略順で良いだろう。上記は私の攻略順で、幽香に関しては最後に回しても良いかもしれない。


CG
しっかりとした線に濃い塗の絵。
質としては非常に良く1枚1枚が良く作られている印象を受ける。ただHシーンの割合が多く感じる部分もあり、個人的にはそこが惜しい所。
立ち絵には目パチもあり、SD絵も数枚存在している。


音楽
BGM19曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的に和を感じるものの多いBGM、OPのアレンジなども好きなのだが、個人的には「恋模様」がストレートに雰囲気を一変させる力を感じることができ、好み。
Vo曲はしっとりとしたEDも良いのだが、なんと言ってもOPの「フリークス・ロマンチシズム」が和ロックといったテイストになっていて、リズムもカッコよく好み。


お勧め度
フリークスという名前の付喪神や妖怪が登場する世界観を舞台としたラブコメ物。
共通ルートまではとてもテンポよく話が展開しているが、個別√からは予想以上にエロには力を入れており、シナリオの約半分がそういったシーンになってしまっている。
そうしたことを喜べる人がいる一方で、シナリオを期待した人にとっては多少肩透かしを食らった形となっている。
その点を留意したうえでならお勧めしやすい作品ではあるためこの評価。


総合評価
シナリオ部分の薄さが気になる一方で、システム回りを含め作中全体の雰囲気の良さ等、良く感じられるところもあり、それら鑑みてこの評価とした。


【ぶっちゃけコーナー】
シナリオがかなり薄いのには驚いた。
共通ルートの流れを考えると、もう少しあるのかなぁ…と勝手に思っていたけど、まぁOPとか見るとエロシーン重要視した作品なのかもと思い直した。
この辺りは誤解してなければってところでもあるので、特に評価を下げてはいない。
ただ、設定とかを考えるともっと話を膨らませられたんじゃないかな、と思う所も多くて、総じて物足りないシーンとかは結構多かったけれどね。

シナリオが振るわない一方で、全体的に和で纏めたシステム回りなんかが素晴らしい。
プレイしていてストレスが無い事はもちろんだが、公式HPを含め細かい所に気を使って作られているのが分かるので、そのあたりは見ているだけでも賑やかで楽しい。
あんまり表立って評価されにくい部分ではあるのだけれど、こうしたところも作品を作り上げるという意味では重要な要素の一つであって、純粋に評価してもいい部分じゃないのかなと思う。



タイトル : となりに彼女のいる幸せコンプリート
ブランド : プレカノ


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 6h)

プレカノのから発売された「となりに彼女のいる幸せ」通称「となかい」シリーズのまとめ版として下記が含まれた作品となっている。
  1. となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~(+セカンドサマー)
  2. となりに彼女のいる幸せ ~Winter Guest~
  3. となりに彼女のいる幸せ ~Summer Surprise~
  4. となりに彼女のいる幸せ ~Curious Queen~
シナリオ
4作品の感想については下記で述べているため、シナリオの総括について語る。

このシリーズは基本的にヒロインとの日常シーンをメインとしたイチャラブ系のADVであり、それぞれの作品で一対の主人公とヒロインが存在している。
舞台こそ(明言されていないものの背景や制服が同一であることから)同一と考えてよいだろうが、それぞれに季節が違い、メインとなる舞台も要素として学園部分の薄い作品もあったりと異なっていた。
そのため、シリーズではあるものの短めの作品が4つ集まった作品と考えるのが妥当だろう。
そのなかで全体に共通する特徴的な部分として、最初に主人公とヒロイン以外の登場しない、いわゆる閉じた世界系で描かれた作品であることが挙げられる。
加えて各シーンが短く纏まっており、日付も飛ばし飛ばしになっているので、上記の点と合わせて短いシナリオの中でも、ヒロインの魅力を最大限に描き切る、という構造となっている。

もう共通して言える特徴的な事として、ほぼ全てのシーンにおいてヒロインの心理描写が無い事も挙げられるだろう。
夫々に差はあるものの、最初から好感度の高いヒロインは少なく、だからこそ一つ一つの行動から、彼女たちがどう思っているのかを類推していくしかない。
こうした点が、それぞれの主人公を良い感じに振り回しており、ストーリーのテンポ自体も良くなっていたように思う。

一方で基本にあるのはロープラであり、シナリオ自体には起伏が余りなく、ただひたすらに女の子と親密になりイチャラブする内容の作品となっている。



となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~【 ★★★☆☆ 】  1h強
部員数が減少の一途をたどる文芸部、その部長を務める主人公の「樽門 一平」とそこへ入部してきた期待の新人「芹沢 知彩」。
自他ともに認める変人で変態の主人公とクールな文学少女のように見えてドジな所もある知彩が二人きりの部室で過ごす様子を描いた作品。

ブランド・プレカノの処女作である今作、単独ヒロイン物として描いた放課後の二人きりの部室を舞台としたイチャラブ学園物。
悪戯好きなノリの良い後輩と戯れる様子をメインに描いた萌えゲーであり、日常シーンの軽快なギャグシーンはテンポも良い。特に主人公はストレートにセクハラをするものの、それをいやらしさのないギャグに昇華しており、見ていて不快感が無いのがとてもよかった。
お互いがお互いを良い感じに振り回し、そして振り回されている。お互いがお互いのスキンシップを楽しんでいる様で、その距離感を文章に落とし込んでいるのは見事という他ない。

また今作の季節は梅雨頃から秋にかけてなのだが、日常シーンを飛ばし重要なシーンをピックアップしてゆくことで、シナリオのテンポをよくしている。
そうすることで十分な文章量で、それぞれのシーンにおける細かい仕草などを描写する等、こだわりが感じられるところも多い。一方、地の文における描写が不得手なのか、情景がすぐに頭に浮かばずに何度か読みなおす必要なシーンもあり、そうしたところには読みにくさもあった。

恋愛描写に関しては、思いのほかストレートに関係を進めてゆき、付き合ってからの後半において合計6シーンとHシーンもふんだんに取り入れられている。
しかしながら、付き合った後も二人の絶妙な距離感は崩さずにいた事は評価したい。



となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~ セカンドサマー【 ★★★☆☆ 】  0.25h
タイトル通り1作目「となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~」の続編であり、その1年後の夏を描く。
攻略時間からもわかる通り、シナリオ自体はあまりないものの、息の合った面白い掛け合いなどもそのままに、さらにイチャラブ成分も増量して作られており、付属の続編としては十分な出来といえるだろう。



となりに彼女のいる幸せ ~Winter Guest~【 ★★★☆☆ 】  1.5h
「Two Farce」に続くシリーズの2作目ではあるものの、作品自体の繋がりの無い新しい作品として描かれており、恋人欲しさに暴走をし過ぎた主人公「麻生敬治」とヒロインである学園唯一の生徒会長「幸村志穂」の物語となっている。

告白しまくって罰を受けて生徒会へ奉仕活動に行くことになった主人公と、その面倒を見ることになったたった一人の生徒会長、という設定の下、秋ごろから冬あたりまでを描いた今作。

前作同様にシーンを大きく飛ばし話のテンポをよくすることで、短い物語の中でも日常シーンをメイン二人だけを濃密に描いており、二人きりの時間が増えて、お互いに惹かれてゆく様子が丁寧に描かれていた。
特に普段は真面目な生徒会長である志穂が見せる姿が変わってゆく描写が良く、二人きりの生徒会室でだけ見せるイタズラっ子で天然っぽい所のある少し奔放な姿や、先輩らしく包容力ある姿、恋人同士になってからみせてくれる主人公を大好きな姿、それぞれがの距離感だからこそみせてくれる姿は、タイトルにもある彼女がいる幸せを深々と伝えてくれている。



となりに彼女のいる幸せ ~Summer Surprise~【 ★★★☆☆ 】  2h弱
シリーズ3作品目は、野菜好きでおっぱい星人の主人公「外山五郎」とちょっと辛口な内弁慶の年下幼馴染のヒロイン「瓜生小梅」の夏休みを描いた物語となっている。

序盤、今までのシリーズ作品とは違い、すでに知り合っている仲だからこそのツーカーなやり取りは軽快で、普段は無口で不愛想な小梅が、幼馴染である主人公には積極的にダル絡みしてくるそんな小梅に対して結局は甘やかしてしまうという、疑似的な兄弟の関係がしっかりと描かれている。
とくに小梅のゆったりとした喋り方は独特で、それ自体が作品のテンポにも影響していたように思う。
そんな風に日々を過ごす二人の様子はおおよそ恋愛には結びつかないのだが、だからこそ恋愛描写に入ってからの小梅の様子は激変する。
主人公への好意を表現する方法はいくつもの作品で生み出されているが、こと小梅の反応はトレートに気持ちが伝わる物となっており、こちらまでカップルの成立に幸せを感じられるものよなっている。
兄妹の様な幼馴染からカップルへの変化、普段はクールで何を考えているかもわかりにくい小梅がどう変わってゆくのかを、とことん楽しめる内容となっていた。



となりに彼女のいる幸せ ~Curious Queen~【 ★★☆☆☆ 】  1.25h
「ヒットマンと二人きりイチャイチャADV」と銘打たれたシリーズの4作目は、主人公「三重野 春夜」と主人公の頭を(触りたくて)狙い続ける幼馴染でヒロインの「杏野 華」、そんな二人の春から初秋にかけての物語となっている。

ファミレス経営者の一人娘で箱入りお嬢様の華であるが、そんな設定はお構いなしに、主人公をあの手この手で困らせてくる、というのがこの作品の本筋である。
突然一つ屋根の下で暮らすようになったりと、序盤は押しかけ系のように感じるヒロインであったのだが、予想以上にこちらを翻弄する行動が多く、序盤から中盤にかけては主人公共々彼女の感情が読めなくて困惑するシーンも多い。
短いシナリオのなかで独特の雰囲気や行動理念を持つ華をよく描いていたとは思うし、加えて不可解な行動自体が華の愛情表現と捉えることもできるのだが、それでもその中で恋に落ちて、という描写も少し曖昧なまま関係を進めていく事になるので、どことなくすっきりしない気持ちを抱えて進むことになる。
キャラの魅力やあまり起伏のないストーリー自体の完成度等を考えて少し抑え目のこの評価になってしまっている。


【推奨攻略順:-】
各作品に選択肢がある物もあるが、シナリオ分岐には影響しない。


CG
細い線にしっかりとした塗りの絵。
原画担当はねこにゃんさんという事もあって完成度は言わずもがな高く、一般イベントCGの枚数についてもしっかり用意されており、Hシーンも一作品に3-4シーンと値段帯を考えると、これも十分量だろう。
背景などは舞台が同じであったためか使いまわしの物が多い。


音楽
BGM24曲、Vo曲4曲(主題歌)
各作品に5-7曲のBGMと主題歌1曲という構成は一緒で、シリーズを通してBGMの使いまわしが無かったのは十分評価するべき点だろう。
Vo曲もそれぞれに素晴らしいのだが、特に1作目「となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~」の主題歌である「君と私のセンテンス」はサビからの盛り上がりが好きで個人的に気に入っている。


お勧め度
プレカノから発売されたとなかいシリーズの4作品+αが収録された作品で、それぞれのヒロインが違った持ち味の魅力を持っているため、続けてプレイしても飽きることが無く、またゲームの内容自体もかなり平均的なロープラ作品となっているので、どれか1作に興味があったのならお勧めはしやすいだろう。
一方で誰かに強くお勧めしたい要素がある訳ではないので、そういった意味での押しの弱さがあり、評価としては平均程度となっている。


総合評価
全体的に安定した作品であり、そうした作品をまとめるとこんな作品になるのだろうな、という見本のような作品で、値段的お得感がある部分等を鑑みてこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
短いシナリオのなかでヒロインの良さと言うのは良く描けていたなー、というのが素直な感想。
特に日常シーンの面白い作品が多く、作品自体が短いのもあるけれど、頭を空っぽにしつつ時間を忘れてプレイできるというのは作品として良い部分として挙げられるのではないだろうか。
ただシリーズ全体のコンセプトという意味では、通してプレイしてみてもイマイチ感じ取りにくい部分があったかな。
というより、それを満たさない萌えゲー作品があるのかと問われると、その他多くの作品もこの作品のコンセプトに合致してしまうような気がする。
まぁそもそもが、ふわふわとしたものなのでそのあたりは仕方がないかもしれない。

お勧め部分にはああ書いたものの、結構シナリオが独立しているので、特定のこのヒロインだけプレイしたいって人はその作品だけ買った方が結果的にお得なのかもしれないな。



タイトル : アナベル・メイドガーデン
ブランド : Barista Lab


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★☆☆☆ [2/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]
(総プレイ時 : 1.5h)

キャラクター・シナリオ

幼馴染が、許嫁で、メイド……!?

夏休みまであと1日というある日、主人公の『葛原圭』は片思いしている幼馴染の女の子『アナベル・メイドガーデン』が許嫁であったことを知る。さらにメイドとして同棲し主人公に仕えると宣言するアナベル、勢い全開の彼女に戸惑いながらも目くるめく夏の日々に期待を膨らませる。

上記にもある通り、夏休みをメイン描かれた物語であり、二人とも学園生徒ではあるものの一部シーンを除いて、主な舞台は二人だけが過ごす洋館となっている。
幼馴染が許嫁でメイドで、という序盤から勢い重視で始まる今作、初の告白からHシーンまで勢いのある展開が印象的。
特に今作はヒロイン名がタイトルにもなっているように、主人公とヒロインしか登場しない、いわゆる閉じた世界系で描かれている物語である。
それ以上に踏み込んで言及すべき点があるほどシナリオの内容はないものの、萌えゲーとしてはヒロインであるアナベルと過ごす蜜月と形容すべき日々を集中して楽しめるので、そういった点は利点として挙げられる。
特に「好きな子と過ごす」という原始的な幸せがギュッと詰まった作品であり、アナベルの事を好きになれれば、終始楽しむことはできるだろう。
一方でシチュエーションはある意味鉄板で、内容も薄いと言わざるを得ず、アナベルとのHシーンがメインで構成された汎用性のない物語となっている。
この辺りに忌避感が出てしまうのであれば今作を楽しむのも難しいであろう。


【推奨攻略順:選択肢無】
今作に選択肢は存在しない。


CG
繊細な線に淡めな塗の絵。
一般イベントCGに分類されるのは4種類であり、それ以外は合計7シーン分のHCGとなっていて、ミドルプライス帯の作品として考えると枚数は十分といえる。


音楽
BGM6曲、Vo曲0曲という構成。
数が少ないもののそれぞれの質は決して悪くなく、日常シーンでも使われていた「アナベルさん家のひみつ」は明るくそれでいて包み込んでくれる暖かさもある、ヒロインであるアナベルをよく表現していたように思う。
ただやはり楽曲数の少なさは目立つ。


お勧め度
今作に登場するのはヒロインとなる「アナベル・メイドガーデン」のみであり、彼女が気に入った事が条件の一つとして挙げられる。
値段的なハードルは低いものの、シナリオ部分の薄さなどの障害は依然としてあり、似たようなシチュエーションの作品は多く、今作だからこそ表現できている事と言うのもあまりない。
その為どうしてもお勧めするのに戸惑いを感じる作品になっている。


総合評価
全体的には平均的なミドルプライス作品という印象なのだが、各所でもう一押しが足りないのも事実で、平均を下回るこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
プレイして思ったけれど、いわゆる抜きゲーではないとおもうんだよなぁ。
ただエロと日常シーンが半々くらいなので、萌えゲーというには日常シーンの薄さが気になるところで、この辺りは個人差なのかもしれないけれど、値段帯の事を考えても萌えゲーを求めてプレイした人はどう判断するのか気になるくらい。

作りとしてはシンプルな作品なので趣旨は分かりやすく、楽しみ方も複数あるわけではないので、アナベルを気に入れるかどうかによって作品の評価が分かれるのだと思う。
個人的には彼女と過ごす日々を好ましく思えたし、良いなと思えるシーンもいくつかあって、ただそれがこの作品でしか表現できないものなのかと問われると悩むところで、そのあたりが心に引っかかってしまっているので、平均以下の評価になっているのかも。



タイトル : うちの主は妖怪の常識を知らない
ブランド : あざらしそふと+1


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 3h強)

キャラクター・シナリオ

天邪鬼なお嬢様と小悪魔な先輩メイド
あなたが恋に落ちるのはどっち?


妖怪が一般に認知されている世界を舞台に、水無月家に仕える青年執事―近衛 頼斗を主人公として描かれた作品で、主人公が使える屋敷の一人娘である天邪鬼なお嬢様『水無月 あいる』と小悪魔な所がある先輩メイド『丹羽 風薫』のダブルヒロイン物となっている。
それぞれのヒロインシナリオが1時間ほど存在しており、共通と含めると3時間ほどの物語という事で、ミドルプライス作品としての分量は一般程度といえるだろう。

シナリオ自体には妖怪と人間の共存を目指して作られた『妖怪六法』など、独自の設定もあるものの、舞台設定の一つとして生かされている他に強く影響を感じるシーンは少ない。
テキストもすっきりとしており、サクサクと進められるので、そうした意味でのストレスが無い一方でシナリオとしてはどうしても薄く感じることも多く、基本的には萌えゲーを主体として作られたミドルプライス作品という印象が強い。

ヒロインとのシーンについては下記で詳しく語るが、このふたりのシナリオについて言及すべきは後半の展開だろう。
とある設定のせいで同じ展開になってしまう事自体はやむを得ないとしても、このシリアス展開自体がどうしても前半の流れから大きく外れてしまっている。
こうした要素が物語を深めるために必要なのは確かなのだが、はたして今作の趣旨として必要だったのか、甚だ疑問ではある。
また展開の描写自体も矛盾できる点、甘い点が多く、そうしたことを得意とした人間が描いたシーンのようには思えず、全体的にちぐはぐで強引な流れであったような印象が残った。
もちろんこうした描写が好き好きである事は言うまでもないが、個人的には今作の評価を下げた原因の一端を担っているとおもっている。


共通√【 ★★☆☆☆ 】  1h
数日の日常を送る中で、作中に登場する各キャラの紹介シーンや舞台設定についてが短く描かれている。
特にヒロインとのイベントがあるわけではなく、今作において登場する『妖怪』について説明されている他は特筆すべき点もない。


20210206192631
水無月 あいる√【 ★★★☆☆ 】  1h
水無月家当主の一人娘で天邪鬼なお嬢様。
人前では凛としたお嬢様なのだが、時折毒舌が出たりすることや、種族の天邪鬼である事が災いしてか、素直に感情を示すことが苦手で、後々自分の言動を後悔することも。
幼い頃から仕えてくれている風薫や主人公の事を特に気に入っている。

個別シナリオでは主人公があいるの護衛を続ける選択をとり、二人で過ごす時間が増えてゆく事となる。共通ルートからもそうであったが、個別√ではより一層にあいるのコロコロと変わる感情がとても分かりやすく表現されており、それがコミカルでいて初々しい彼女の可愛い魅力となっている。
背伸びをしたい年頃であるあいるが素直になれない自分と戦いながらも主人公と距離を近づけてゆく様子が最大の見どころといえ、特に種族としての本質に振り回されていた以前から、素直に気持ちを伝えるという、愛情表現とあいる自身の成長を巧く兼ね合わせていた。


20210202191918
丹羽 風薫√【 ★★☆☆☆ 】  1h
スタイル抜群の頼れるお姉さん的存在。
あいるの生まれる前から屋敷に仕えており、主人公にとっても先輩のメイドである。
種族は西洋妖怪であるサキュバスであり、時折主人公やあいるをからかってしまう事も多い。

個別√では、とあるきっかけによって主人公を意識し始めた風薫が主人公に猛列にアタックする様子がメインで描かれている。
しかしながら、サキュバスという部分から性を前面に出す方向ではなく、あくまでプラトニックに関係を近づけていたのは印象的で、その代わりにエロシーンに関しては後半にギュッと詰め込まれていた。


[主人公] 近衛 頼斗
水無月家の執事をしている青年。
あいるが生まれた頃から屋敷に仕えており、自身を拾ってくれた主に対しての忠誠心も大きい。
日々世話をしているあいるに対しては親のように、昔の自分に仕事を教えてくれた風薫に対しては姉のように慕っている。


【推奨攻略順:風薫→あいる】
攻略順にロックなどはないため好きな順番で攻略するとよいだろう。


CG
細目の戦に光沢のある塗の絵。
全体的に丁寧であり完成度としては十分だろう、枚数もダブルヒロインということもあって、あいると風薫のCGやシーン数はほぼ同等で十分といえるだろう。
SD絵も少ないが存在している。


音楽
BGM13曲、Vo曲0曲という構成。
BGMに関しては無難なものが集められているというイメージではあるものの、ピアノ曲をメインとしており、時折ヴァイオリンを使用して高貴な貴族を演出したりと、その場に合わせたものが作られている印象はある。
Vo曲が存在せず、そこは少しさびしい所。


お勧め度
妖怪が出てきたりと独自性のある設定ではあるもののシナリオとして特筆すべき点はあまりない。
逆に障害となる部分も少ないので、あざらしそふとの熱狂的なファンの他、登場ヒロインに一目ぼれした愛でたい方、シチュエーションが気に入った方にプレイをお勧めしておきたい。


総合評価
シナリオ部分の減点を除けば全体的には可もなく不可もないミドルプライスという印象の作品であり、その中で平均としてこの評価にしている。


【ぶっちゃけコーナー】
シナリオ部分の減点が多めに書かれているものの、主題をシナリオに置いていないので、そのあたりの指摘は微妙な所かなぁ…。
ただ、純粋に萌えゲーとして楽しんでいた人間ならばやはり最後の部分はいらないだろうし、逆にシナリオ部分の厚さを求めて最後の展開に期待した人間にとっては肩透かしで、誰にもいい事が無かった気がするんだよなぁ…。

それはさておき、キャラクターについて。
個人的には風薫よりもあいるの方が好きだったかなぁ…というか、今作は彼女のために作られている印象も強いし。
個別√部分にも書いたのだけれど、天邪鬼って部分がしっかりとツンデレとして描かれていて、そのあたりがかなり安定感ある描き方だったのと、その中でどんどん距離を近づけたい心と、素直になれない心の動きがとてもよく描かれていて、そういう部分が初々しかった。
設定こそ特殊であるものの、ツンデレとしてみると原始的で王道的。
だからこそ多くの人にも刺さる内容になっているんじゃないかな、と個人的には思うし、ツンデレ好きな人にはプレイしてみてほしいかもしれない。
ただ、各所のアピールポイントが少し弱いので、ミドルプライスとして大目に見てくれるのかそのあたりが悩みどころ。



タイトル : 嫁探しが捗りすぎてヤバい。
ブランド : Hulotte


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 10h弱)

キャラクター・シナリオ

ずっとそばにいてほしい人、探しませんか。

神の末裔である主人公「葦原 大輝」がある日夢に見た「将来結婚の約束をした嫁」、そんな存在を探すため彼は大きな町の学園に編入することになり、正体がバレない様に嫁探しを続ける――という作品。
シナリオ自体は、ヒロイン5人にサブヒロイン2人、さらにハーレム√を加えた合計8本のシナリオから成る。
一つ一つの話は短めではあるものの攻略ヒロイン数の多さから、全体的なボリュームは十分といえるだろう。
また展開自体も比較的テンポが良く、サクサクと物語を進める事ができるのが魅力の一つ。
加えて萌えゲーとして流石はHULOTTEと言うべきだろうか、短めのシナリオかつ多種多様なヒロインが登場する中でもしっかりと、それぞれの魅力が引き出されているように感じた。
この部分だけで十二分にファンにとっては楽しめる作品だったといえるだろう。

くわえて今作において、やはり注目すべきは主人公の設定としてある「神の末裔」について。
これがあるからこそ、今作のモチーフには日本神話があり、実際に多くの個別シナリオの後半においてはそうした設定が深く絡んでくることとなっていた。
そのため今作はファンタジー・伝奇的要素のある作品となっていたのだが、作品自体の主軸はそこにはなく、あくまでハーレム風味な萌えゲー作品だったといえる。

登場するヒロインの差別化がなされている事はもちろんだが、それぞれの魅力を活かしたシーンの数々、そしてそんな彼女達と送るラブラブな日々がたっぷりと描かれていた。
加えてキャラクターの数自体が多いのも魅力の一つとして挙げられ、多様化が進むプレイヤーの好みに対して、誰かが刺さるような作りとなっていたように思う。

一方、一つ一つの話にはそこまでの書き込みが無く、特に上記に書いたような神様関連の設定を絡めた展開においては、起伏こそあるものの物語自体の短さからかどうしても薄さを感じてしまう結果となってしまっていた。
そのためシナリオ重視の人にとっては味気なく感じてしまい、反対に純粋にキャラクターの可愛さを楽しみたい人にとっては不純物となってしまっている様に思える。
作品としては他との差別化にもなっている部分だけに、一概にマイナスだったとはいいがたいものの、展開が読めてしまうのは勿体なく、もう一押しが欲しかったのも確か。

特殊な要素もあるものの、萌えゲーとしては平均的な作品といえ、全体的に安定感のあるシナリオになっているというのがシナリオの総括ともいえる。


共通√【 ★★★☆☆ 】  2h
嫁探しをしに来た主人公が学園で八神三姉妹を含めたヒロイン達とで出会い、そして日常に溶け込むまでが描かれている。
基本的にはハーレムよりの作品であり、他の多くの作品にあるように初見となるそれぞれのキャラクターの可愛い所が見られるような作りとなっている。


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八神 甘夏√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公のクラスメイトで、嫁候補である八神三姉妹の次女。
美人で成績もよく、親切で誰にでも優しく接する才色兼備な女の子。
実は以前に主人公の故郷に来た事が有るため幼馴染でもあるのだが、お互いにそのころの記憶があやふやになっている。
恋愛に関しては初心な所もあり、ストレートな主人公の行動にドキドキすることも多い。

立ち位置的にはセンターヒロインであり、シナリオ構造的にも最初にクリアすることになるヒロインである甘夏。
だからこそ彼女のシナリオは、当初から主人公の目的であった『嫁探し』部分をメインテーマとして、特殊な設定部分も絡めた導入としての役割も強い内容となっている。
恋愛描写に関してもストレートに描かれている印象が強く、クラスメイトとして、家族として距離が近くなってゆく二人の様子は初々しく、誰しもが想像するような「これぞヒロイン」というイメージをそのままに描いてくれている。


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八神 瀬里香√【 ★★★★☆ 】  1h
主人公の嫁候補である八神三姉妹の三女。
控え目な性格で引っ込み思案な女の子で、そんな彼女に対して誠実に話しかけてくる主人公を最初は警戒していたものの、徐々に兄のように慕うようになる。
動植物の世話が大好きで、放課後になると学園で飼われている動物たちの面倒をみている。

妹としての庇護欲を感じさせる彼女だが、主人公と付き合ってからは積極的な面を見せてくれるようになるなどの変化も良く描けている。
さらに後半では主人公の過去も関わる展開となっており、瀬里香だけでなく八神三姉妹の全員をも巻き込んだそのシナリオでは、「選ぶ事」の裏にある「選ばなかった事」がしっかりと描かれており、無数の「哀しみ」があるからこそ今の幸せの尊さを感じられる内容となっている。


20210117192837
八神 美穂乃√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の嫁候補である八神三姉妹の長女。
頭が良くて運動もできる、それでいて家庭的で料理が得意という何でもできるお姉ちゃん。それゆえに学園でも頼られることが多く、学園生徒のファンも多く存在している。
突然家にやって来た主人公に対しては理想のタイプのように感じており、からかい半分に自分なりの方法でアピールすることも多い。

何事にも積極的な彼女だからこそトントン拍子に関係が進み、その恋愛描写は蜜月といっても良いほど前半から中盤にかけてギュッと詰め込まれている。
後半部分の一部においては不安に揺れる心などが描かれているものの、基本的には姉としての包容力の強さを見せてくれるシーンが多くなっており、何よりも美穂乃自身の明るくこれからも二人で添い遂げてゆく愛の強さを感じられる内容となっていた。


20210124015944
高宮 菜々華√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
美穂乃と同じクラスに所属する謎多き先輩。
クールでミステリアスを自称しており、実際に男性と話をしなかったりと、多くの生徒からはそう思われているものの、付き合ってみるとポンコツで耳年増な女の子だったりもする。
主人公を揶揄って遊ぶことが多いが、迫られると弱いという弱点も。

どの√でも謎が多く、つかみどころのない菜々華。
そんな彼女との恋愛描写はとにかく菜々華の可愛さが爆発する。
所々クセのあるキャラクターとCV沢澤 砂羽さんの相性も良く、可愛いポイントが次々と見つけられる内容となっている。
彼女自身の他にも、主人公の妹である希里乃の存在感が良く描かれたシナリオにもなっている。ただし、もう少し展開を大きくできそうなキャラクターだっただけに、物語に山が無く比較的ストレートに終わってしまったのは惜しい所でもある。


20210125151911
葦原 希里乃√【 ★★★☆☆ 】  2h
同じ神々の血を引く主人公の妹。
しっかり者で、主人公よりも適正があるため様々な「神通力」を使いこなしており、時折主人公の頭の中を覗いてはツッコミを入れたりしている。
今回の嫁探しの発端にもなっているものの、実は兄を好いているため内心は複雑な気分であり、時折連絡をしてはヤキモチを焼くことも

他のヒロインをクリアすることで攻略可能になる希里乃√は、他の√の展開とは大きく違い、嫁探しに行った主人公に我慢できずに着いて行ってしまうというシナリオ展開に。
今までもヤキモチを焼いている姿などが可愛く、隠してはいるもののストレートに好意が伝わってくるキャラクターであり、実妹であるというポイントを加味すると、破壊力は高いと言わざるを得ない。
また今作の『嫁探し』というメイン設定に深く踏み込んだそのシナリオの内容も、八神三姉妹や菜々華等が関わっており、その真相を鑑みるとGrand√といっても良いような内容となっていた。


20210117191758
玉野 唯√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
主人公と同じクラスの明るく元気な女の子。
放課後や昼休みは学園に併設されている喫茶店「カレワラ」で従業として働いており、メイド服を着用してお客様に奉仕している。

個別√ではカレワラの従業員が不足する事態となってしまい、そのヘルプとして主人公が手伝うという物語の導入になっている。
サブヒロインという事もあって話自体は短いものの、彼女の憧れる美穂乃とのエピソードなども盛り込まれ、いつも明るい唯の笑顔が「周囲を笑顔にする」というアピールポイントをしっかりと抑えられた話となっていた。


20210117191111
新堂 明佳√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
小さくてかわいい主人公のクラスの担任。
背が低く幼い容姿をしているもののれっきとした数学教師で、多少頼りない所があっても、生徒に対する姿勢は真面目で、熱意をもって教職を全うしている。

サブヒロインである明佳の個別√では、成績が低迷中の主人公が、個別で指導をしてもらう代わりに彼女の苦手なマラソンの指導をするというお話に。
短い話ではあるものの、その中では終始、自身の苦手を克服する様子と共に、先生として懸命に頑張る明佳が描かれており、小さな見た目からは想像できない程の包容力を擁する彼女の魅力が伝わってくるものとなっている。


ハーレム√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
全編をプレイ後に出現し、内容としては多くの作品にあるようなIF√となっている。
シナリオというシナリオが殆どないのだが、一応今作の設定のモチーフとなった部分が明かされており、そういった意味では作品の補完的な内容ともいえる。


[主人公] 葦原 大輝
性格はとてもポジティブかつ真面目で誠実。
人里離れた村で育ったためか、とても純粋で思ったことがすぐ口に出る事が多く、結果として女性に対しての誉め言葉が多くなっており、天然ジゴロと化している。
「神通力」として人間離れした身体能力を発揮することができるが、正体を隠すためにめったに力を使う事はない。


【推奨攻略順:甘夏→美穂乃→瀬里香→菜々華→希里乃→唯→明佳→ハーレム】
初回は甘夏、その次に美穂乃か瀬里香、その後に菜々華…と、全てではないものの最期のハーレム√まで各ルートをクリアするごとに次の√が解放される形になっている。
どの√もさほど作品評価に関わるネタバレもないので、上記の順番を通常通り守っていれば好きな順番で良いだろう。


CG
線は細く淡い塗りで柔らかく、可愛い印象を受ける絵。
ヒロイン数が多いものの、それぞれの絵がしっかりと用意されており、ボリュームは十二分。
絵の質自体も安定しており、時代を感じさせないほどの完成度といってよいだろう。


音楽
BGM25曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
各ヒロインテーマなどを含めて、全体的に優しく穏やかな曲が多いのだが中でも日常シーンに使われた「初夏の夏」は一つ一つの音が小気味良く、体の中で跳ねるように響く渡ってゆく感覚があり、個人的に好みの物。
Vo曲は安定のDucaさんで、OP「約束」は今作に相応しい明るい楽曲となっており、聞いているだけで明るい気持ちになる、ハッピーエンドに流れるinstVerと含めて評価しておきたい。


お勧め度
「妹のおかげでモテすぎてヤバい。」や「神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。」と合わせて「ヤバいシリーズ」などとも呼ばれる今作。
シナリオ自体は伝奇的要素も少し入っているものの、メインコンテンツとなっているのは萌え主体の学園恋愛もの。
シナリオ自体に過度な期待をしなければ、キャラクターの可愛さなどは安定しておりHulotteのファンならば楽しめる作品といえるだろう。


総合評価
設定に独自性があって全体的にも安定的な作品ではあるものの、もう一押しの面白さが足りないところもあり、結果として平均的という評価になっている。


【ぶっちゃけコーナー】
かなり個人的な意見なのだけれど、Hulotteの作品って少しずつ私好みになっていっている。
つまりはシナリオに注力されて行っているという事なのだけれど、この作品はそういう意味では中期に作成されていて、独自の設定があったりと(そもそもHulotteはただの萌えゲーじゃなく、そういった類の作品をよく作るけれど)面白みのある作品となっている。
一方で展開が読めてしまったりと、中身の薄さ自体が気になってくるというのもあって、難しい所。
ただ素直に全員可愛いと思えるヒロイン達だったし、そういうキャラとの恋愛描写がしっかり描かれているのは、さすがだろう。
恋愛描写では「振られるシーン」がしっかりと描かれているのも今作の好みな所でもちろん個人的に好きという所も大きく、取り上げられたシーンとしては短いし、特段破壊力もないのだけれど、そうしたシーンが存在するだけで深みが増しているような気がする。
そのあたりは瀬里香√がかなり顕著だった気がする。
だからこそヒロインはともかくとして、彼女の√自体はかなり好きな方だった。



タイトル : 天ノ少女
ブランド : Innocent Grey


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★★ [5/5]
(総プレイ時間 : 15h)

キャラクター・シナリオ

そして、星は巡る――

2008年に発売された『殻ノ少女』をエピソードIとして合計三部作の予定で世に送り出された『殻ノ少女シリーズ』、2013年に続く2作目『虚ノ少女』が、そこからさらに7年以上の時を経て発売となった最終章の今作。

もちろん続編となるため内容は『虚ノ少女』の続きとなっており、天恵会の一連の事件が一応の解決を迎えたその後を描いている。
その為、舞台や登場人物等は一貫して踏襲されており、今までの作品と同様に探偵としていくつかの事件の謎を追うことになる。
一部シーンでは2作目のように真崎視点で進むこともあるものの、基本的には『殻ノ少女』と同様に主人公である時坂玲人視点で物語が進むことや、他にも、時折差し込まれるMAP選択によるシナリオ分岐や、殺害現場の証拠集め、推理失敗によるBAD分岐なども健在。

シナリオ自体はエンディングはBADも含めて14種類からなり、1週目では一連の事件についてを、2週目では大筋をなぞりつつもいくつかの違う展開を経てGRAND/TRUE ENDとして各真相などが語られ、3週目ではそれぞれの週で語られなかった視点で物語が綴られる、という周回前提のシナリオとなっている。
攻略時間自体も14時間(1週目だけで7時間)程度と大ボリュームである事に加え、推理小説もかくやといったほど、内容も充実している。

今作でメインとなる事件についてやその後の流れに関してはネタバレになるため多くを語ることはできないが、事件自体の規模は今までの物と比べるとそこまで大きくない。
もちろん事件自体が独立している事、そしてそれらの事件が今までの事件と絡んでいる事は確かなのだが、今作においては事件自体よりもむしろ、それぞれの抱える偏執にスポットを当てさせるような展開になることが多い。
それは主人公だけではなく周囲の人々も対象であり、全てのエンディングを通して今作の発端となった「殻ノ少女事件」に巻き込まれた人たちの人生を描き切ってくれていたように思う。

また今作では『天罰』と言うのが今作の一つのキーワードとして挙げられるが、それに関連して作中の各章にダンテの神曲における天国篇にをモチーフにしたタイトルがつけられているなど―当方の知識ではすべてをはかり知る事は不可能だが―テキストの表面部分だけでは分からない箇所にまでメッセージ性が込められており、推理物らしくクリアした後にわかる伏線なども多い。
分かりやすいものではOP等も挙げられるが、いずれにしても作品の細部に至るまで作りこまれた作品であることが伺える。
そうした要素が集まって『殻ノ少女』シリーズの雰囲気が作り上げられており、完成度の高さにより一層の磨きがかかっているといえるだろう。


【推奨攻略順:Unsolved case→Grand END→TRUE END】
基本的に作品を2周することが前提となっており、上記の順番自体がロックとして存在している。
そのほかにENDが11種類存在しているため、最後か合間に取得していくとよいだろう。


CG
原画を担当されたのはイノグレではおなじみの杉菜水姫さん。
美麗な絵から殺人現場におけるグロテスクな絵まで、その繊細な絵は『殻ノ少女シリーズ』の根幹部分を担っているといっても良く、その完成度は言うまでもなく最高レベル。
またキャラクターの絵以外にもカットインCGなども豊富で、そのあたりも今作において没入感を高めるために一役買ってくれていた。
なお続編という事で登場キャラクターや舞台等は同じだが、作品自体や作中でも年代が経ている事もあってその多くが刷新されている。


音楽
BGM40曲、Vo曲6曲という構成。
Vo曲ではGrandED曲「輪廻の糸」はその歌詞はもちろん、静かな曲調の中の中にどこまでも響き渡るような、霜月はるかさんの透き通るような声質との相性も良い。
そして何と言っても、シリーズを通してプレイした人ならば誰しもが感慨を抱くであろう、TRUEED曲として用意された楽曲も推しておきたい。


お勧め度
シリーズ作品の最終章という事で、単体で楽しむことは不可能に近く、殻ノ少女シリーズ―殻ノ少女、虚ノ少女―のプレイは必須となる。
また作中では振り返り等が殆どなく、加えて作品自体の発売も期間が開いており、それぞれの事件も要素として深く関わっては来るので、内容を忘れている人にとっては復習なども行う事が必須となる。
そういう意味でハードルが非常に高い作品であり、評価を一つ下げているものの、このシリーズが好きな人、ひいてはイノグレ作品のファンにとって名作である事は変わりない。


総合評価
シナリオ・CG・音楽が組み合わさって圧倒的な世界観を作り出した作品であり、続編という事を鑑みても全体的に高いレベルでまとまった名作といえ、この評価。


【ぶっちゃけコーナー】
作品自体への評価自体はかなり高く、その内容は上記までに十分書いたので、それ以外のマイナス要素について。
作品としての完成度が高い部分が多い一方で、勿論マイナス要素もある。
特にプレイに関してはシステムがかなり旧世代であることが目立ち、演出の為もあるのだろうが全体的に動作がもっさりしている印象が強く、他にもテキストジャンプ等が無いのも辛く、選択を間違えると酷い事になっていたりもする。
私自身はそうしたプレイはしていないのだが、主人公の音声を切ると訳の分からないシーンができてしまったりと、ユーザービリティの低さが目立つところもあり、作品自体の評価には大きく加えてないものの、プレイのしやすさ自体も十分な要素の一つといえるので、そのあたりはやはり改善してほしかった所。

以下はシリーズ完結に関してのコメント。

この作品でついに終わりという事で、ずっと待っていたような、終わることが怖かったような不思議な気持ちであった。
TRUEENDを迎えた時、どんな気持ちになるのかは想像もできていなかったのだが、あの”曲”を聞いた瞬間に不思議と涙が止まらなくなってしまった、それが感動だったのか、喜び、安堵、それとも悲しみだったのか。
他にも泣いたシーンは一応あるのだが、やはり泣きゲーに分類するのは難しい、というより自身でもなぜ涙が出たのかが説明できない。

今作で登場人物のそれぞれの偏執の果てに待ち受ける展開が何なのか、それ自体はぜひプレイをして確かめてほしいが、多くの好評の声は散見される。
それ自体は10年以上前に『殻ノ少女』という作品をプレイした瞬間に、プレイヤーが持った『エンディング』への偏執が解れた証といえるのではないだろうか。



タイトル : 紅月ゆれる恋あかり
ブランド : CRYSTALiA


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 9.75h)

キャラクター・シナリオ

刃煌めく瞬間、少女たちは全力で駆け抜ける―

もはや同一シリーズというべきなのかもしれないが、CRYSTALiAの代表作「絆きらめく恋いろは」(以下めくいろ)や、「白刃きらめく恋しらべ」(以下めくらべ)に続く新作。

舞台となるのは1作目である「めくいろ」から十数年前の叢雲学園。
続編というわけではないので単体として楽しめるように作られているものの、オリガミを使った和風テイストな近未来バトル物という設定が同じである事はもちろん、一部サブキャラクターなども登場しているので同社作品をプレイしておくとより楽しめるだろう。
また特殊な作品設定や用語が登場するが、前作までと同様にTIPSによって作中での説明を省き、ファンにとってはストレスフリーに、かつ初見でも理解しやすい作りとなっている。

そんな今作を下記のヒロイン達が盛り上げてくれている。
zo05
【風嶺 雪月花】
武芸科1年特甲級<篁組>の生徒で、風嶺の分家筋に生まれた双子の妹。
余り頭が良くないものの明るく素直な女の子。
刃道が大好きで、双子の姉である蛍雪を風嶺の当主にするため、朱雀院を倒すことを目標に掲げている。

zo02
【朱雀院 紅葉】
武芸科1年特甲級<篁組>の生徒で朱雀院宗家4姉妹の長女。
頭脳派で戦術家でありながら武芸の一流、生活態度も真面目で誰にでも丁寧に接する優等生。
本来はできる限り楽をしたい面倒くさがり屋なのだが、朱雀院の面目の為に自分を偽って生活をしている。

zo03
【九鬼 旭】
主人公の親友「九鬼隆久」の妹で、小さい頃から主人公を慕っている。
性格は真面目でお淑やかなのだが、その反面に主人公の敵となる人に対しては笑顔で脅しをするなど、毒を隠し持っている。
主人公が村雲学園にやって来たことで、それまでの担任教師を脅して<篁組>の生徒となった。

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【十部 梨々夢】
武芸科1年特甲級<篁組>の生徒で、オシャレとおしゃべりが大好きな女の子。
誰でも気さくに話しかける明るい子だが、とても自立心が強く、自分の世界観がが何かに縛られることをとても嫌っている。
自分の世界に必要が無いと思っている勉強のような地味な事が不得手。
「めくいろ」の前の話という事で今まで話にしか登場していなかった朱雀院の長姉がヒロインになっていたり、「めくらべ」登場した風祭の分家の出身者がいたり、そのほかにもいろいろと設定が濃く、なおかつ魅力的な女の子がそろっている。

同じ舞台に同じ設定と、大きな要素を踏襲しつつ、大きく変わったシナリオ部分。そこでまず最初に挙げられるのがシナリオ構造だろう。
全体的なボリュームはそのままに、前作までの√分岐方式から選択肢のない1本道のシナリオへ、より一つの流れの中身を充実させる方向へと転換させた。
ある意味ではすべてが共通ルートともいえる今作だが、その中で何よりも重要視して描かれていたのは『刃道』を通して描く青春だった。

『刃道』というスポーツを通して今作で描かれた、力と力をそして意志と意志をぶつけ合う熱い試合の数々は、思わず手に汗握る試合の中で、思わず涙してしまうシーンもあるほど。
戦闘描写そのものは特筆すべきところが無いものの、そこに行くまでの過程やシーンそのものの見せ方はとても秀逸で、バトルを取り巻く人々の感情を含めて描き出したことに関しては見事という他ない。
特に今作においては風嶺と朱雀院の関係が…というより、紅葉と雪月花の関係がとてもよく、最後の最後まで熱く燃え、時に泣かされる内容となっていた。
こうした青春学園物の王道ともいえるバトルを通しての相互理解は読んでいて気持ちよさもある。

また今作では主人公が教師と言う所も大きく違う所だろう。
戦闘に参加しないのは同様ではあるものの、同じ目線でサポートしていた今までの作品とは違い、一歩引いた位置でヒロイン達の成長を見守っている。だからこそ、バトルシーンにおける彼女たちの心理描写がより鮮明に浮かび上がっているように思えた。
特に今作では「演武祭」での試合のシーンがメインであることは確かだが、そこを目標に努力するの日々もしっかりと描かれている。
上記にあるような煌めくようなバトルシーンも、こうした部分で描かれた日々を過ごす中で変化していく関係や培われてゆく絆があってこそ。

一瞬の煌めきの中に交差する想いと想い、だからこそ生まれる絆。
『努力』『友情』『勝利』とまではいわないものの、類似要素がギュッと詰まった今作は、設定こそ異質ではあるものの、その中身は紛う方なき王道の青春学園バトル物といえるだろう。

作中では特定のヒロインと付き合う事はなく終了することになるのだが、Hシーン自体は攻略後にオマケとして、それぞれ30分ほどのHシーンが詰め込まれたアフターシナリオの形で解放される。他にもIFシチュエーションにおけるHシーンがサブヒロインの物を含めて用意されている。
個人的に好みな作りであることはもちろんだが、今作の作風を鑑みてもシナリオとHシーンを分離して作った事を高く評価したい。


[主人公] 村垣 伊織
陸自天呪特化群<武蔵>に所属するオリガミを扱う強襲兵だが、今回は”お使い”として叢雲学園の<篁組>副担任として派遣されている。
性格は生真面目だが、茶目っ気もある明るく朗らかな人柄で、成長過程を見守るのが好き。


【推奨攻略順:本編に選択肢無し】
本編は1本道のシナリオとなっており、攻略後にアフターエピソードのカタチで各キャラとのシーンが描かれている。


CG
今までの作品同様に瑞々しさと鮮やかな色使いが印象的な絵で、質も安定している。
戦闘シーンを中心に、主人公やサブキャラクターのものも含めて、枚数は十分に用意されており、SD絵も数枚存在している。


音楽
BGM31曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
やはりと言うべきか、今までの作品と同様に和テイストなバトルBGMが多く存在しており、使いまわしていると錯覚するほどに印象を寄せていた事には驚くしかないのだが、その中でも異色を放っていたのが「宙斬涙跡」。
流れただけで空気感を変える名曲として推しておきたい。他にも「星霜流水」などの良曲もそろっており、シナリオと合わせて「ゆれあか」の世界観を支えていた。
Vo曲はやはりNo:Rさんの歌うOP「紅ノ刃」が好きだった、和風に熱く歌い上げられたこの楽曲と作品の雰囲気の相性は言うまでもなく唯一無二の関係といえるだろう。


お勧め度
CRYSTALiAの今までの作品同様、叢雲学園を舞台としたオリガミを使ったスポーツ『刃道』をテーマにした作品。
シリーズのように続いている作品であるため、「めくいろ」等をプレイしておくとより楽しめるのはもちろんだが、作中にはTIPSなども用意されており、この作品からのプレイでも特に問題はない。
今まであった和風×近未来なバトル物という大枠を引き継ぎつつも、テーマや雰囲気等を大きく変化させ、今まで以上に青春バトル物として楽しむことができるようになっている。
一方で「絆きらめく恋いろは」にあったいくつかの要素―伝奇的部分やオリガミの詳細、何よりキャラクター萌え部分は抑えられている。
そのため今までの作品とは系統が別であり、「前作が好きだから今作も」と簡単にはお勧めしにくい点もあり、上記を考慮したうえでなおプレイを推奨したい作品。


総合評価
世界観を下支えする安定感あるBGMと美麗なCGはもちろんだが、大きく様相を変えたシナリオ部分を特に高く評価しておりこの評価している。


【ぶっちゃけコーナー】
作中には都や椿が登場していて、本編とはちがった小さな彼女たちの可愛さも宣伝しておきたいんだけど、やっぱり触れるのはシナリオ部分についてにしておこう。

いやぁ「めくいろ」や「めくらべ」を想像してプレイした人なら、2種類の反応に分かれるはず。
「こういうのを求めてなかった…!」というマイナスな反応と「待ってました!」というプラスの反応。
私はもちろん後者の人間なのだが、それは「めくいろ」や「めくらべ」に何を求めていたかが違うんだろうね。
正直、今作はHシーンも弱めだしキャラ萌えっていう意味では凄く薄いし、今まであったような命にかかわるような伝奇的な要素もなくなって、ただのスポーツバトル物となっている。
そういうのを求めていた人には、正直お勧めできないし、だからこそ各部分の評価が少しだけ下がっている。

ただ個人的にはこの変更がかなりうれしくて、今後もこの方向でいってほしい。
今まであったいくつかの要素を切り落としたからこそ、残ったのはストレートな王道ストーリーであり、シナリオが進む毎に変化してゆく人間関係や心の在りようなんかはとても青春物らしくて、今までの作品とは比べ物にならないくらい良く描けていたと思う。
だからこそ、クライマックスといえるバトルシーンでは熱く燃えながら、思わず涙するシーンもあったし、泣いたという意味ではバトルシーン以外でもグッとくるところも結構あった。
物語としては尻上がりに面白くなってゆく作品だったから、最後までじっくりと楽しんでほしい。
そして次の物語にも期待したい(たぶんFDができそうですが)



タイトル : 星空鉄道とシロの旅
ブランド : しらたまこ


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★★ [5/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 5.5h)

シナリオ

この旅は、 彼女のなかに なにを残していくのだろう――。

冴えないアニメーターの主人公『鐘城 暁』がある夏の日に飛び乗った夜汽車の旅。
夜風に吹かれ心地よい一人旅の中で出会った可愛い車掌さんと、気のいい仲間たち、そして猫耳をはやした不思議な女の子『ノワール』だった。

今作のメイン原画を担当されている「しらたま」さんの企画により制作された同人作品、シナリオを担当されたのはさかき傘さんという事で、ストーリーは偶然乗り合わせた客と行く先もわからぬまま汽車の旅を楽しむという内容になっている。
ビジュアルにもある夜汽車のイメージから宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を彷彿とさせるような内容となっており、作りこまれた世界観は舞台となる汽車での幻想的な旅の中にながれる、ゆったりとした時間を楽しむことができる作品であった。

謎の猫耳少女がいたり子供が車掌をしていたり、設定には多くの謎を含んでいるものの、序盤から中盤にかけては旅行を楽しむ様子がメインに描写され、女の子―特にノワールの一挙手一投足がとても可愛いく描かれており、柔らかな女の子として描き出されたヴィジュアルと合わせて破壊力が非常に高い。
こうした部分が作品のアピールポイントとして紹介できる一方で、ゆったりとした場面が作品の7割近くを占めており、加えて同人作品という事もあってかシステム回りが必要最小限で、各エフェクト等がクリックで飛ばせなかったりと、動作自体がもっさりしている事もあって、中だるみ状態になっていたのも確かだ。
また所々に伏線などもあり、察しの良い人ならば物語の大筋も予想できてしまうことも、そうしたマイナス部分へ寄与してしまっていた。
この部分を純粋に楽しめるかどうかで、この作品の評価が大きく変わってくるのは確かだろう。

上記のような懸念点はあるものの、終盤にかけての流れは秀逸の一言。
特に、この作品に込められたテーマやメッセージ性といったものの良さが顕著であり、それを伝えるための物語の動かし方や重要なシーンにおける演出など、この部分に関しての良さを挙げれば暇がないほど。
ほんわかした雰囲気から一転して、誰しもが涙を浮かべてしまう程に切なく、心を締め付けるように悲しい、それでいてどこか暖かい物語に仕上がっている。
先ほどは半ば酷評に近かった前半部分に関しても、その幻想的で童話的な流れと後半において描かれる真実との対比としてみると、物語をより一層色鮮やかに浮かび上がらせてくれている。

星の中を進む夜汽車のように、煌びやかな宝石の中を進む一筋の希望の物語として、読んだ人の心に残るシナリオとなっており、その読後感の良さと合わせて高く評価をしたい。


【推奨攻略順:- 】
作中に選択肢はあるもののシナリオ分岐はしないため、好きなものを選ぶとよい。


CG
今作の企画でもあるメイン原画担当のしらたまさんによる絵。
幼く白く柔らかい女の子の質感、そのこだわりぬいたそのイメージへの熱意がこちらまで伝わってくるようなCGたちは1枚1枚が至極の域で、枚数自体は平均的であるものの、その質に関しては類を見ないレベルとなっている。
また背景はわいっしゅさん担当という事で、ヴィジュアルを通して今作を支える綺麗な世界観をより強固な物へとしてくれていた。


音楽
BGM?曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
鑑賞画面が無いため曲名は不明なものの、その数に関しては10曲前後というところ。
Vo曲は保科めぐみさんの歌うOPの「スタートリップ」がとても繊細で、星空の中を旅する旅客列車を想起させてくれた。


お勧め度
有名な原画家が企画した作品という事で、まずはその原画部分に関してはその熱量を感じられる内容になっている事を保証できる。
加えてのシナリオの完成度も高く、また内容としても広く受け入れやすいものとして、有名メーカーが作成したものではないものの、全年齢でミドルプライスというハードルの低さも鑑みてこの評価にしている。


総合評価
幻想的な雰囲気を持った作品として全体的に完成度の高い作品であり、特に絵とシナリオの完成度に関しては群を抜いている。


【ぶっちゃけコーナー】
しらたまさんの可愛い絵というだけで強いアピールポイントととなる作品であるが、そこにさかき傘さんという強い助っ人が加わった。
ハードルとしてはかなり高いものがあったので、正直中盤の中だるみに関しては結構しんどい部分もあった…けれど、そんな評価をひっくり返してくれるほど終盤の展開が良かったんですよね。

序盤から中盤にかけては本当にキャラを愛でることが中心になっているものの、それ以外にも色々な伏線があったから、展開に関してはある程度想像つく人もいただろう。
私個人でも中盤の後ろの方でぼんやりと形ができていたくらいなのだが、それであっても後半は泣けた。テーマや主張といったものが良い内容である事はもちろんなのだが、それくらいストレートに作品にいつの間にかのめり込んでいたのだと思う。
この作品は背景にわいっしゅさんを迎えていたりと、作品の雰囲気を形作る事に関しては低価格帯という事を忘れるくらいに力を入れてくれている。
そうした甲斐もあって一緒に旅をすることでノワールの事が、そして一緒に乗り込んだ乗客の一人一人が好きになっていって、だからこそ終盤の展開では涙が溢れてしまっていた。

ネタバレもあるため内容自体には詳しく踏み込むことはしないけれど、純粋に前半は女の子の可愛さと作品の世界観を楽しんで、後半にこの物語が伝えたかったことを体中で感じてほしい。



タイトル : ココロのカタチとイロとオト
ブランド : HULOTTE ROI


シナリオ : ★★☆☆☆ [2/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★☆☆☆ [2/5]
総合評価 : ★★☆☆☆ [2/5]
(総プレイ時間 : 2h)

シナリオ

そして、僕の心はもう一度……
きらびやかなイロとオトに包まれた――


人の心を色や音として認識できる主人公『月森 志季』。
その能力故に人付き合いを拒んでいた彼が初めて出会った心の見えない少女『星名 晴音』。
彼女との出会いによって彼の景色は大きく変えてゆく。

HULOTTEから発表された新ブランド「HULOTTE ROI」の処女作として制作された今作、シナリオとしては多少特殊な設定があるものの、主軸となっているのは主人公の『月森 志季』とメインヒロイン『星名 晴音』との恋を描いた学園物である。

ボリュームとしては2時間ほどの作品となっており、特徴的な部分といえば冒頭部分からすでに二人が付き合った所からスタートしている所だろう。
作中では告白するまでのシーンは回想を含めて殆どなく、序盤から中盤にかけては初々しくもラブラブな二人の様子がかなりスローテンポで描かれている。
美麗な絵や可愛いキャラクターと合わせて、HULOTTEらしい萌えゲーを楽しむことができる部分といえるだろう。
一方で、ガラリと雰囲気を変えて作品のメインコンテンツとなる「ココロのカタチ」をテーマにした部分となるのが中盤から後半。
見通せない晴音の心やそれを不安視する自分の心に対して疑心暗鬼になってゆくようなシーンの他、晴音の親友でもある『空木 和彩』との複雑な三角関係など触れていたりと、前半とは一転したシリアスな描写が目立つ。
この部分に関してはメッセージ性こそあるものの前半との対比が酷く大きく、プレイヤーの気持ちが着いて行かないだろう部分も多々あった。

シナリオの総評として、作品として最も大切な「起承転結」がゴチャゴチャになっており、展開ぶつ切りのチグハグになっているように感じる。
2時間という短いシナリオの中で主張性のある物語としてまとめ上げたかったのか、キャラクターの可愛さを前面に押したかったのか、その本質的な部分がブレていたために、読んでいるこちらも混乱しまうような作品になっているように感じた。


【推奨攻略順:選択肢無】
作中に選択肢は無く、1本道のシナリオとなっている。


CG
原画担当は「Hulotte」でもよくメイン原画を担当されている池上茜さん。
しっかりとした線に濃い塗の絵で
立ち絵はもちろん、イベントCGの種類も豊富で、時折バランスの気になる絵があるものの、総じて高品質な絵といえる。
Hシーン自体も6シーン程収録されている。


音楽
BGM7曲、Vo曲1曲(主題歌)
多少数の少なさが気になるBGM、全体的にはピアノを主体とした柔らかな曲が多い中、夏の日常シーンをイメージさせてくれる「夏空の飛行機雲」が個人的にお気に入り。
Vo曲は安定のDucaさんでタイトルをそのまま楽曲名とした「ココロのカタチとイロとオト」で、ゆったりと歌い上げられていた。


お勧め度
HULOTTEから発表された新ブランド「HULOTTE ROI」の第1作目となった今作。
値段帯がミドル~ロープライス作品の作品という事で、初めての人にとっても手に取りやすい価格となっている。
もちろんHULOTTE関係者が作成しているため、CGを中心に全体的に安定した作品ではあるものの、純粋な萌えゲーというわけでもなくシナリオ部分には課題も残っていたこともある。
今作のヒロインが好き等の確たる購入根拠が無いのであれば、純粋にお勧めはしにくい作品となっていたため、評価は抑え目になっている。


総合評価
CG部分を中心に評価ができる一方で肝心のシナリオ部分に今一歩足りないところが見受けられ、今後を激励する意味でこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
全体的に見てやっぱり足を引っ張っていたのはシナリオ。
この作品を純粋に読んでいて、晴音の「可愛い」をただ享受するだけだった前半と作品としての主張をしている後半の流れの勢いが違い過ぎる。

物語として言いたい事は勿論わかる、わかるけれど見せ方を間違えたと表現するのが正しいだろう。
そもそもの話として、序盤の受け身すぎる主人公に苛立ちを覚えたりしてたくらいなのに、この展開では主人公の弱さを描きたいのか、それとも「ココロ」が読める難しさを描きたいのか、主張がブレてしまう。
今までの経験があるとはいえ、やっぱり主人公にはここぞと言う所では頑張ってほしいものだし、ココロが読めるという能力の難しさは昨今の作品でも多く触れられている。
そうした中でこの作品だから伝えられるメッセージがあったはずなのに、そのどれもを取り入れようとして、結果中途半端なものが出来上がっている。
この辺は告白シーンが無かったりと言うのも関わっているのかもしれない。
考えてみると作品として芯となる部分が飛ばされていたのも痛い所で、シナリオボリュームの制限とか合ったのかもしれないけれど、あくまで「恋愛物」を描くなら、その関係が大きく変わったシーンが無いと、登場キャラクターの心がうまくつかめない。
そういう意味では親友の和彩の方が良く描けていたくらいだった。
ボリューム不足、という言葉に逃げるのは卑怯かもしれないけれど、この作品で伝えるべきテーマを書くにはミドルプライス作品では足りなかったのかもしれない。

あと少し気になったのはメインでもある心の声の演出について。
ある意味でこの作品の象徴的な部分ではあるのだが、その演出に関しては古典的でストレート、ともすれば違和感を感じるシーンもあり、ただでさえゆっくりな物語のテンポをさらに落としてたように感じた。
この辺りにはもう少し工夫があっても良かったのでは、と個人的には思う。

振り返ってみるとシナリオ部分についてはかなり酷評した。
ただそれくらいに素地となるシナリオ設定とかは魅力的で、描くものがしっかりとしていれば、もしかすると化けていた作品かもしれない、そういう期待感があったからこそ、湧き出てくる想いの数々がプレイしながら頭に浮かんだ。

ブランドとしてはまだ1作目、これからまだまだ成長の余地がある作品だと思うので、これからの飛躍にぜひ期待したい。



タイトル : 竜姫ぐーたらいふLOVE+PLUS
ブランド : Whirlpool


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   :       [-/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 1h)

シナリオ
Whirlpool制作「竜姫ぐーたらいふ」のFDとなる今作。

シナリオ部分では前作においてヒロインだったハルや鈴夏に加え、サブキャラクターであった「ドラ美」がヒロインとして昇格し、個別√が用意されている。
内容としては本編のアフターシナリオという事で描かれており、長さがそれぞれ20分+Hシーンで構成されている。
それぞれの個別においてワンエピソードを描いた短いものではあるものの、前作にもあったキャラクターを前面に押し出すテキストと小気味良いギャグシーンは健在でサクサク読める。
加えて本編では描けなかった彼女たちの内面にも少しだけ踏み込んだ作品となっていた。
特にヒロイン昇格がかなったドラ美は前作においても登場シーンが少なく、悪役キャラクターとしてだけではない深みがさらに出ていたように思う。

ロープライス作品の中でもさらに値段が抑え目にされているので、そういった部分を考えるとシナリオのボリューム不足に関しては目をつぶるしかないだろう。

【推奨攻略順:ドラ美→鈴夏→ハル】
本編シナリオを開始するとすぐに3人のシナリオ選択となっており、ロック等もないため好きな順番からの攻略でよい。


CG
前作同様に柔らかい線質で濃い塗りの絵。
各ヒロインにCG数は2枚(+差分)用意されており、それぞれが1Hシーン分となっていた。
加えてSD絵も各キャラに1枚用意されている。


音楽
前作から新規追加曲は無しであるため評価していない。


お勧め度
「竜姫ぐーたらいふ」のFDということで、作中では前作のあらすじ説明などはあるものの、基本的には前作をプレイすることが基本となっている。
ボリュームがかなり少ないものの、値段も相応に低いので前作の雰囲気が気に入った人にとっては手に取りやすい内容となっていた。
特にドラ美とのシーン自体は前作においても短く貴重なので、彼女のファンにとっては垂涎の内容ともいえ、そういった魅力を感じる方にはお勧めしやすい作品となっている。


総合評価
低価格のFD作品としては妥当な内容だったといえ、平均程度の評価とした。


【ぶっちゃけコーナー】
Whirlpoolは今までもこうした短い萌えゲーを早いペースで制作してきている。
そうした経験もあってか、今作も短さはあるものの安定した作品に仕上がっていたように思う、というより短すぎてそれくらいしか言えることが無い。

今作はFDとして作成されているが、話の設定を考えるとこの続きもさらに作れそうな感じではある、むしろ今作においても何も解決していないので、何か話の続きが無いと気持ち悪い。
ただ、猫忍えくすはーとみたいに「2」を作るなどをするかは微妙な所だろう。
というのも、キャラクターをあまり登場させすぎると既存の面白さを壊してしまいそうだし、かといって登場させないとこれ以上話が広がらない、傍から見るとそんなジレンマのような状態に陥っているように思う。
もちろん、このような状態であっても続編を作る事自体は無謀ではないので、そうした中でどうやって物語を繫げてゆくのか、そうした部分が個人的にこの作品シリーズにおいて最も気になっているところだ。