タイトル : 俺の姿が、透明に!? 不可視の薬と数奇な運命
ブランド : HULOTTE



シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 8h)

キャラクター・シナリオ
ある日、突然目の前に表れた大人気バーチャルネットアイドルのチトセから透明人間になれる薬をもらった主人公。
日々を楽しく過ごすことを信条としている主人公は、さっそくその薬を使って同居人の従
姉妹である亜芽のお風呂を覗きに行くが――。

不可視の薬によって露わになるヒロイン達の秘密の姿とさらに賑やかになっていく日常が綴られた学園ラブコメ作品。

作品はヒロイン5人のシナリオとクリア後のおまけであるハーレム√で構成されており、各個別√は比較的短めで全体的なボリュームは少し乏しくなっている。
しかしながら話のテンポは非常に良く、日常シーンではギャグなど多く取り入れられていることもあり、会話中心のシーンなどサクサクと読めてしまう。
一部の個別√ではシリアスなシーンなどもあるものの、雰囲気自体が前向きであるため、余り暗くなりすぎずプレイできるのも良さといえる。

また今作を語るうえで欠かせない『透明化の薬』という謎のアイテムについて。
ヒロインの一人であるチトセからもたらされたこの薬、ある意味では抜きゲーにでも出てきそうな謎の物質だが、作中においてはその薬自体にはあまり言及されていない。
薬自体の制限もあって使用方法自体が『覗き』程度にしか使えない事により、特に序盤においては「透明人間になれる」というシチュエーション自体に重きが置かれていた。

そうした設定に基づいて各ヒロインの一人Hシーンなどを描いていたり、透明化の薬を切っ掛けとしたイベント等を通して各ヒロインそれぞれの魅力を巧く見せるシーンがふんだんに取り入れられている。
ギャグ中心の賑やかな日常シーンと共に綴られる、ヒロイン達の意外な一面や可愛いポイントなどがギュッと詰まったシナリオを終始楽しめる造りとなっている。

一方、各個別のシナリオ自体については、『透明化』の薬がダイレクトに関わってくるヒロインと、ほとんど関わらず他の問題をテーマとしたヒロインに二分されているのも特色で、特に後者に関しては物語としての収拾をつけるため、シナリオの大筋がとても似てしまっていた。
こうした点について、本来ならば物語に飽きが生じてしまうのだが、展開の方向性が似てしまったのが終盤だけであることや、シナリオの短さ、テンポの良さに助けられた部分もあって、他の作品ほど問題になっていなかった印象である。

物語のグランドとなるチトセ√に関しては、思いがけない事実なども含めて楽しめる内容になっており、その他の√も併せて心温まるような内容となっている。

設定的な面白さが目立つ作品ではあるが、あくまでキャラクターの魅力を見せることに注力した萌えゲーで、どうしても不足感を感じる部分もあるにはある。
しかし、それでも他の作品にはないヒロイン達の魅力と面白さがギュッと詰まったシナリオだったといえるだろう。


共通√【 ★★★☆☆ 】  2.5h
主人公が透明化の薬「T」を入手し、そしてそれを利用して行動する主人公の日々が描かれている。
ともすればアブナイ使い方もできる薬ではあるものの、主人公もある程度の良識はあるので、思ったほどひどい事にはならないが、各ヒロインの普段は見られない『あんな所』や『こんな所』がしっかりとみられるのが特色といえる。
もちろん上記のような部分に加えて、萌えゲーらしく各キャラとのイベントシーンなどがふんだんに入った部分ともなっている。

ある意味、抜きゲーに近い設定や展開が散見されるが、そういったシーンにだけ注力しているわけではなく、あくまでキャラクターの側面の一部を描き出す事を主題に置いており、こうした設定だからこそ見る事のできるヒロイン達の魅力を描くためものだと解釈した。
※無理矢理感があるのは理解している。


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待雪 亜芽√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
従姉妹でクラスメイトの女の子。
主人公に対しては何かとツンツンしてしまうが、好きな気持ちを隠しきれておらず、また押しに弱い所もある。
そのため貞操観念もしっかりしているのだが、主人公のエッチなイタズラ被害に遭っても謝られると何だかんだで許してしまう。

個別√では中盤、主人公や亜芽の過去についてを主軸に話を展開させつつ、後半からは今作の設定を絡めたシナリオとなっている。
他の√ではツンデレっぽさもありつつ、兄の良き理解者として描かれている亜芽だったが、個別シナリオでは一転、ツンツンした部分は依然として残しながらも、兄への愛情を前面に出した描写が多くなっている。
デレた後の可愛さについてはこれまでのギャップもあってとても破壊力が高くなっており、彼女の魅力を堪能するには十二分な内容だったといえる。


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四葉 琥珀√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
クールビューティーなクラスメイト。
近寄りがたい雰囲気を出しているように思われがちだが、毒舌ではあるものの何だかんだと反応はしてくれる律儀でお人よし。
亜芽とは仲が良いためか主人公とも普通に会話することが多く、また臨時で生徒会書記として活動することも。
実家は旅館を営んでおり、休日などは裏方を手伝ったりしている。

ツンデレというよりは素直クールな琥珀、個別√でも大きくテンションを変えることなく、主人公と自然に関係を深めてゆく。
そんな彼女の個別√では今作の設定があまり絡まない作りとなっている。
シナリオ自体は夏休みのエピソードを中心に、主人公と琥珀という二人きりのシーンが多くなっており、加えてテーマも二人の過去にまつわる部分を描いていた。
また中盤から後半にかけては少しシリアス成分が比較的含まれており、あわせて異色の内容といえるだろう。


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綾目 七夕莉√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
桃明学園の生徒会長を務める3年生。
体躯こそ小さいが運動神経は勿論成績もよく、常に自信満々でどんな困難を前にしても笑い飛ばすほど豪快な性格。
為政者としても突出した能力があり、そのため学園イベント等では周囲を巻き込んでいくことが多く、同じ考え方をしている主人公ともとてもに相性が良い。
七夕莉自身も主人公を気に入っているのか、その気にさせるような発言も多くしている。

個別シナリオは「とある女の子が決意した恩返し」をテーマに、七夕莉の内面についてを主軸とした内容に、巧く設定を絡めたものとなっている。
共通から主人公に対して蠱惑的な発言が多かった七夕莉だが、個別に入ってからはリミッターが外れたように、さらにその勢いを増しており、ある種の妖艶さまで感じるほどで、蕩けさせるような甘いささやきは、主人公だけではなくプレイヤーまで虜にする破壊力があった。


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高城 冬羽√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の後輩であり、生徒会メンバーの一人。
明るく前向きで人懐っこく、主人公にも気兼ねなく話しかけてくれる女の子。
流行り物が大好きなオシャレ好きで、見た目やテンションは完全にギャルなのだが、実は育ちが良く、恋愛関連の話も苦手であったりと意外な一面も。
自信の評価を低く見積もる癖があり、そのためここぞという時に一歩踏み込む勇気が足りないことも多い。

個別√では、波長が合う主人公と同じゲームを楽しんでいるうちに、同じ時間を長く過ごすようになる、という流れ。
ネタバレになるため詳細は伏せるものの、前半から中盤にかけてのシナリオに関しては、エロ部分が少し多めの一般的な萌えゲー展開が多く、特に冬羽の後輩としての可愛さが前面に押し出された内容となっていた。
後半は冬羽の抱えている悩みと、今作の設定を巧く絡めた内容になっており、多少シリアスな雰囲気になるものの、最終的には笑って終われる内容となっている。


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葛ノ葉 チトセ√【 ★★★☆☆ 】  2h
最近、ネットで絶大な人気を誇るバーチャルアイドル。
その動画の種類は多数に及ぶが、主に見ている人にネットの住人と思わせてしまう程にリアルな配信が売りで、打てば響くようにノリが良く、彼女のウザ可愛い所、あざとい仕草には主人公を含め多くのファンが存在している。
一方、その生身についてを知る人は一人もいないという、謎めいたところも。
そんな彼女が主人公の前に現れ、透明になる薬を渡すことから物語が動き出す。

各ルートでも一部設定は明かされているものの、今作の物語における『謎』の部分と大きくかかわるチトセ、そんな彼女の個別√はもちろん今作の集大成ともいえるグランド√に。
そのシナリオについての詳細は伏せるものの、短くも意外にしっかりしたシナリオは十二分に読んでいても楽しめるものとなっており、エピローグシーンも含めて読後感も良い物となっている。

シナリオ部分だけではなく、チトセの魅力についてもしっかりと描かれており、共通ルートでも少し見られた、主人公との掛け合いにおいて魅せるコミカルでキュートな反応等、彼女にしかない魅力が詰まった内容にもなっていた。


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ハーレム√【 ★★★☆☆ 】  合計1h
全ルートクリア後に出現するハーレム√。
まとめてしまっているが、選択肢によって「亜芽&チトセ」「七夕莉&冬羽」「琥珀&紫緒」「紫緒」「霧」の各ルートへ分岐する。
複数プレイなどのHシーンがメインとはなっているものの、特にサブキャラである紫緒や霧に関しては、主人公とのやり取りも少なめなので貴重なシーンともいえる。


[ 主人公 ]待雪 晴季
生徒会副会長を務めるエロに正直な青年。
過去の経験からか人生を楽しむことに重きを置き、自己を顧みずに面白い事を求めており、とくにエロい事に関しては歯止めが利かない。
そのためその場限りのテンションでとんでもない行動をすることも多く、晴季のそうした行動の被害に遭うことの多い従姉妹の亜芽に叱られては謝るという事を繰り返している。


【推奨攻略順:冬羽→七夕莉→琥珀→亜芽→チトセ→ハーレム各ルート】
チトセはヒロイン4人攻略後にロック解除となっており、ヒロイン4人に関しては各ルート間でのネタバレ等もないため好きな順番で良いだろう。


CG
色鮮やかな塗が特徴のきれいな絵。
立ち絵もイベントCGも総じて美麗と言ってよいだろう。
作品の設定もあって肌色成分が多めにはなっているが、サブキャラに至るまで下着姿の立ち絵を複数用意するなど、細かいところまで作りこまれている点も含めて高評価。


音楽
BGM24曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成
BGMに関しては特にこれといったものはないのだが各ヒロインのテーマBGMは勿論、騒がしい物から落ち着いた雰囲気のものまで、まんべんなくそろえられている印象。
Vo曲に関しては、Ducaさんの歌うOP「Clealy」がイチオシ。
Aメロ、Bメロと段々とテンションを挙げていき、転調するように雰囲気が変わるサビ部分。この部分のリズム感がとてもよく、Ducaさんの良い所が出た楽曲といえる。


お勧め度
良くも悪くもいつものHULOTTE作品。
『透明化』という要素を使った抜きゲーのようにも思える作品だが、あくまでメインにあるのはヒロイン達の可愛さで、そこに付随するエロさも前面に出したラブコメ作品。
その他の部分に関してはもう一歩足りない部分もあるのは確かだが、シナリオ自体も決して捨てたものではく、プラスアルファのある萌えゲーとして他の作品とも違った内容には仕上がっている。


総合評価
作品のジャンルなどもあって当方の評価では平均程度となっているものの、シチュエーションや作品の雰囲気などが合えば評価以上に楽しめるだろう。


【ぶっちゃけコーナー】
ぶっちゃけて言うと、HULOTTEの萌えゲーって感じは初期のころはそこまで好きじゃなった。
ただ、前作くらいからの少しシリアス入りだしてから、凄くテキスト的に面白い部分が増えてきてて、今作のチトセ√なんかも、単体でなら普通に楽しめる内容になってた気がする。
萌えゲーでここまでの内容なら十二分なんじゃないかな。
ある意味他の作品と干渉しないって意味でも、特色ある作品になっていたのかも。
キャラクターが可愛いだけだと、やっぱりどこかでじり貧になってくる気がするしね。
あと透明化について、割と抜きゲーっぽい設定なのに、良くここまでかけたなぁ…。
まぁそれでも肌色成分多めだったけどね。
そういう要素がHULOTTEのブランド…というか作風と合致してたのも良かった所なのかも?

あとキャラクターでいうと、チトセよりも七夕莉の方がすごく好きになったなぁ…。
七夕莉の蠱惑的な性格と声優さん(綾目 七夕莉)の甘い声がすごく良い化学反応を起こしてて、何度もグッと来てしまった。
キャラクターでいうと、かなりセンターに近いけれど亜芽も可愛かったなぁ…。
ツンデレっぽい所物ですが、個別√でのデレに入ってからの破壊力も高かったし、チトセ√を代表として他の√での輝き方も良かった。
キャラクター的な魅力はすごいある作品でしたね。