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タイトル : アマカノ+
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]


キャラクター・シナリオ
アマカノシリーズの3作目であり、第一作目である「アマカノ」(以下無印)の続編となっている。
シナリオは各キャラ大きく二編――夏編と未来編――に分かれており、夏編では本編直後の夏の季節を描いたシナリオとなっており、舞台も夜間瀬町からとある観光地へと移り、二人の甘い旅行の様子を夏祭りを初めとした夏の風物詩と絡めて描かれている。
未来編では各キャラによって描かれている時期が違うものの、総じてそれぞれの物語においてヒロインと主人公がどのような顛末を迎えるのかを描いた物語となっており、無印から長く続く物語の本当の終わりを描く。

シナリオの趣旨的に大きな問題や、何か感動的な流れがあるわけではないのだが、全体的により甘く作られたシーン数々は勿論濃密で、関係をさらに進展させて描いたシナリオにおいてその掛け合いから二人の絆を強く感じるシーンがあるのが特徴で、前作をプレイしているというアフターシナリオ(ファンディスク的立ち位置)である今作だからこそ、細かいキャラの描写や充実したHシーンなどが実現可能となっている。
無印からの流れがあるからこそのシーンの数々、一歩ずつ進んでいく二人の関係がしっかりと描写されているからこそ、感じ入る部分も多くあり、そうした部分がこの作品の最大の魅力ともいえるだろう。


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高社 紗雪√【 ★★★☆☆ 】  2h
無印にて無事に結ばれそして試練を乗り越えて「夫婦」となった二人。
他の√とは違って既に一つの節目ともいえる関係になって、幸せを分かち合う二人の姿にしっかりとした絆を感じるシーンが多くなっている。
特に紗雪に関しては、大和撫子な部分はそのままに、より正妻感が強いキャラクターへと昇華しており、その中には嫋やかさを感じる部分もある。
加えて今回のシナリオでは「母」としての一面が見られるシーンも多く用意されており、巫女として、恋人として、そして夫婦としての側面だけではない魅力を感じることが出来る。


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上林 聖√【 ★★★☆☆ 】  2h
学生と学生、社会人と学生、社会人と社会人…とそれぞれに形を変えてゆく恋人関係とお互いの気持ちを描いたアフターシナリオ。
全体的に落ち着いた雰囲気の物語となっており、特に前半はゆったりとした石川県観光を満喫できる内容になっていました。
また、無印では見られなかったお酒を嗜む聖の姿も事あるごとに散見され、大人だからこその艶やかさのようなものが聖にはとてもあっていた。
後半の盛り上がりであるプロポーズシーンも実直ではあるが、シチュエーションもあってとても印象的なものになっていた。
改めて彼女に恋に落ちることが出来るシナリオです。


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星川 こはる√【 ★★★☆☆ 】  2h
和菓子屋の元気印の看板娘という前作の快活な印象はそのままに、先輩と後輩の関係から恋人に…そして夫婦へと変わってゆく関係。
和菓子屋の従業員として働く主人公と和菓子屋の一人娘として専門学校へ通うこはる。二人のその後の様子をショートストーリーとしてある程度の時間の流れと共に描いている。
本編で描けないアフター編たる「プラス」ならではの物語に、こはるらしさがギュッとつまっていました。


【推奨攻略順 : こはる→聖→紗雪 】
最初からシナリオを始めると、各キャラの1周目は「夏編」、2週目は「未来編」としてそれぞれの時間軸を描いたシナリオとなっている。
基本的に好きなキャラから、「夏編」と「未来編」を連続で詠むような形で進めるとよい。


CG
線がしっかりとして堅い印象があり、濃い塗りのテカりを感じる絵。
絵のサイズが4:3なので、どうしても現在の16:9仕様のモニターでは左右に帯ができてしまうものの総じて質はよく、特に印象的なシーンにおけるものは見惚れる物も。
立ち絵にはもちろんE-moteが導入され、立ち絵の口や目が動く仕様になっている。


音楽
BGM18曲、Vo曲2曲(OP/ED)と言う構成。
新規追加曲は勿論、従来のBGMも多く使用されている。
全体的に落ち着いた楽曲が多いが、BGMを含めた楽曲の中で特に顕著なのがVo曲…特にEDである「幸福のドレス」だろう。
大島はるなさんの歌うこの楽曲は、タイトルからもわかる通り作品に合わせた内容の歌詞となっており、バラード調の曲がとても味わい深く良曲と言える。


お勧め度
3人との「その後」を描くFD風味ある今作、加えて壁紙や各キャラのシステムボイス等色々なコンテンツが含まれた作品となっていて、前作「アマカノ」(※無印)をプレイして、あの作品の世界観が気に入った方ならプレイの推奨はしやすい。
この作品単体で楽しむことや無印をプレイせず「アマカノSS」のプレイ後にこの作品をプレイするのはお勧めできないので、注意は必要。

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総合評価
基軸は無印版のアフターシナリオで構成されており、FDとしては割と一般的な評価であるためこの評価。


【ぶっちゃけコーナー】
ファンディスク的な作品なので、シナリオ自体は割とイチャラブ…と言いたい感じなのだけれど、より濃密な感じで前作が恋を描いたと言えるなら、今作はより深い「愛」を描くような作品だった。
ただまぁ、展開的にはただ二人がラブラブになってて、結婚したりキャラによってはその先の活動を少し描いたアフターの延長的な内容になっている。
そのあたりは期待しすぎない方が良い。

この作品のいいところは展開的な盛り上がりと言うよりは、終始恋愛シーンに重きを置いたところ。
それは勿論事件が起きたり、ってことではなくて、二人の関係が一歩ずつ進んでいく様子をしっかりと描き切っている所。
そういう節目のシーンはイベントCGやBGMを使ってちゃんと演出できているから、各シーンがすごく綺麗だし印象的に記憶に残るんだと思う。

あとその他に「プラス」な内容としてミニゲームがあったり、それをクリアすると壁紙やらボイスと蚊がもらえたりする。
個人的に遊び込めていないが、この辺りもFD的要素のあるこの作品ならではのセールスポイントとなっているのだろうな。