タイトル : Amenity's Life -アメニティーズ ライフ-
ブランド : HOOKSOFT


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
攻略キャラは5キャラ。
5回のキャラシナリオ選択によって√が分岐する形のシナリオのため共通ルートは2-3hと短いが、各個別ルートに十分のボリュームがあり、全体的なボリュームに関しては十分と言えるだろう。

【推奨攻略順 : 望希→菜瑠→奏→麻帆→美栗 】
各キャラの攻略にロック等はないため、好きなキャラからの攻略で問題ない。

CG
線が細く、淡い塗り。
可愛さを前面に出したCGは時折見惚れてしまうものもあり、質・量ともに高レベルであることは言うまでもない。
何より評価したいのは背景だろうか、動くことこそないもののいつもは目立たない1枚1枚に対して、丁寧に書き込まれた事を感じさせられることも多かった。
そのほかSD絵も何枚か存在している。

音楽
BGM27曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
全体的に穏やかな学園物らしいBGMをそろえており、奇抜なものというのは存在しない。
あくまでも背景音楽としての役割のみを果たしていたといえる。
Vo曲で注目したいのは挿入歌としても扱われている「恋のパレード」だろうか、テンポのいい楽曲ではあるものの主張はし過ぎず、それでいてサビはどこか耳に残るものとなっており、ぜひ攻略後に落ち着いて聞いてほしいものとなっている。

お勧め度
身の回り擬人化ドタバタ学園恋愛コメディ。
今までの作品より、より一層コメディ要素が強くなっており、全体的に笑いなら最後までプレイでき、内容も擬人化という特殊な要素はあれど、純粋な恋愛学園物から大きくは外れておらず、安定してだれでも楽しめる作品にはなっている。
なお続編として「Amenity's Life MiniFanDisc」というミニFDが発売されている。本作のヒロインである奏とレゾナにスポットを当てた作品なので、セット商品の購入の購入を視野に入れつつ、興味がある方はぜひプレイしてみると良いだろう。

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総合評価
ある日、主人公――怜二の持っていたスマホが「女の子」になってしまった。
物が突如として女の子になる擬人化現象はそれで終わらず、家のオーブンやくすり箱、座椅子や掃除機、はてはエレベーターまで…。
そんな出会いは主人公たちだけではなく、周りの人たちも巻き込んでいって――。

物に限らず、動物なども含めれば擬人化作品というのは今までにも複数の作品が世に出されている。(※妖怪等は別にしても)
しかしながら、それらの多くの作品はエロメインの作品であり、純粋な学園恋愛物としての作品は比較的目新しい。
それゆえに…というわけではないが、物語として(シチュエーションとして)不自然な点は数多くあり、そのあたりに関しては舞台を成立させるために目をつぶるほかないのだろう。

全体的に会話中心のテンポがいい物語展開で、レベルの上がったギャグと合わせ、プレイしていて退屈を感じること泣く最後までプレイできる。

擬人化というのが物語の要素として大きなところを占めていそうではあるが、実際のところ中身は純粋な恋愛学園物であり、擬人化部分がシナリオと大きく関連するのは5√中2√で、さらにどうしてこの現象が起きたか等の根本的な話題に踏み込むことはない。

恋愛学園物として重要な「キャラの魅力を伝える力」についてはやはりHOOKSOFTとでもいうべきだろうか、選択制シナリオや告白、ピロートークシーン等々でしっかりとじっくりと描き出しており、時折見せる描写力は手放しでほめられるほど。
この辺りに関しては、全体的な物語の不自然さを鑑みても評価しておきたい。
個人的には外野の様子もわかって少し面白い掲示板機能も、今までと比べてだいぶ便利になっているので注目してほしい。

少し残念と言える部分なのは、全体的に見るとかなり平坦な物語という事だろう。
一つ一つの物語は割と丁寧に作られている印象なのだが、すべてクリア後に心に残っているものが思った以上に少なく、他の作品に埋もれてしまいそう。
個人的には奏でもう少し深く踏み込んだ物語にしてしまってもよかったのではないかなと思ったり、他にも要素として挙げられている擬人化部分をもう少し前面に押し出すことももちろん必要だろう。

コンフィグに関しては非常に使いやすく、プレイしていて困ることはない。

総括
ギャグ要素強めのドストレートな恋愛学園物であり、擬人化部分をあまりうまく使えなかったイメージがあるので、平均ともいえるこの評価。

【ぶっちゃけコーナー】
ザックリ言っちゃうと「何で擬人化?」ってのがあんまり伝わってこなかった。
擬人化代表のスマートホンの麻帆√ですらあんまり伝わってこなかったんだから、作品全体にそういう雰囲気があるというのが現状。これなら擬人化じゃなくても同じようなの作れてしまうんじゃないか…とおもってしまう。
『物』に対してもう少し別のアプローチ、「いつも寄り添ってくれる」「大切にしなければ」みたいな、部分も深めていかなければ、人と物にとって本当に快適(アメニティ)な生活はこないんじゃないかな、とうまいこと言ってみたりする。