タイトル : 乙女が彩る恋のエッセンス
ブランド : ensemble


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
共通ルートは一般的な量、各キャラの個別ルートも2h程度。
各ヒロインクリア後には短いアフターストーリーが追加される。

【推奨攻略順 : 芹香→皐月→乃亜→あかり→咲夜(→菱川 琴枝) 】
攻略順に指定はないので好きなキャラからでいいが、しいて言えばこの順番。
菱川琴枝に関しては咲夜、乃亜のクリア後に出現。

CG
今までよりもより繊細な印象を受けるCG。
枚数に関しては平均程度、質に関しては一部イベントCGでバランスの崩れたものが見受けられるが、同時にハッとするようなCGも多くなっており、立ち絵等を含めて総じて高いと言えるだろう。
過去作品のキャラクター等と比べることも多く、より進歩をうかがえる。

音楽
BGM19曲Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
DucaさんのVoはさすがというほど安定しており、繰り返し聞くことで耳になじむ良曲。
BGMに関しては全体的に安定した”ensemble”らしいものをそろえてはいたものの、今回はどうしても埋もれてしまったようなイメージが強い。
「ぬくもりを感じながら」等、いいものはあるのだが、押しが弱かったのが少し残念。

お勧め度
ensembleらしい女装学園物。
今回はいわゆる生徒会活動のほかに料理というものが主人公の仕事として与えられている。
今までの作品に忠実で丁寧に作られているが、少しだけ今までとは違い冒険をした√も存在しており、そういう意味で少し評価を高くしている。
今までこの会社の作品が好きだった人は、過去キャラも多く登場する珍しい作品でもあるので、そういった意味でもお勧めしたい。

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総合評価
主人公は料理学校に通いながら、屋敷でセカンドコックとして働いている。
しかしながら、屋敷の主人の娘が通う女学園に生徒兼女子寮コックとして転入することになるのだが…。

最初の不審者侵入イベントや、初めての女装等の一般的な(?)女装イベントはだいぶこなれてきたのか、流れるように行っており、序盤~中盤にかけては舞台設定の説明をかねてサラサラと進められている。
中盤~分岐にかけての料理と生徒会活動に関しても、各キャラの魅力をしっかりアピールしつつきっちりとまとめられた物語を安定して進めている。
この辺りにあまり冒険はないので、ともすると飽きを感じるかもしれないが、その前に各個別分岐に入ることになるだろう。

個別ルートに関しては各個人の問題を解決しつつ~という一般的な流れで、どのルートにおいてもあまり物語に起伏がなかったというのは正直なところ。
今後作りこんでいくのならばこの辺りをもう少し見直してほしいところである。

しかしながら少し見直してしまったのは、あかり√の終盤のイベントCG。
今回はあまり涙腺を刺激するものもない中で、絵のみの力で泣きそうになったのは久しぶりだった。
もう一つ追加で、シナリオ方面でも改善がみられた。
今までならばこれですべてが終わっていたのだが、今回は各ルートクリア後にアフター√とシークレット√(菱川琴枝√)が解放される。
各アフターについては言うまでもなく平凡なアフターなのだが、菱川√に関してはある意味驚きの展開が待っており、思わず涙してしまった。
確かにあかり√や咲夜√を含め各ルートで違和感を感じていたキャラだけに、きちんと伏線を張って展開させた部分に関しては高く評価したい。
無論改善点があるのは承知だが、新しい一歩として好意的な解釈を個人的には行った。

そのほか作中に「お出迎え会」ということで旧女装主人公シリーズ作品から多くのキャラクターが登場している。シナリオに大きくかかわるということは残念ながらないのだが、懐かしいキャラクターも出てくるのでこの辺りもチェックしていただきたい。

コンフィグに関してはいつも通り、プレイに問題ないレベル。

総括
全体的に安定したつくりであり少しの冒険も見られたが、一般作品より上か? と問われればやはり否定するほかなく、この評価。

【ぶっちゃけコーナー】
各キャラが本当に懐かしいなぁ。
今回の登場キャラクターは5キャラだけどそれぞれの√で女装バレ(ばらし)がある。
各々の好みがあるだろうが、今回でいうとあかりや咲夜√のような「失ってから気づく大切さ」のようなものを体感させるお話が好きだったり。
あとやっぱり菱川√関連の話は結構ぐっと来たな。
もうないと思ってたから完全に油断してた、流れとしては咲夜√の後なのでそのあとにプレイするといいかも?(だから最後に咲夜→菱川とプレイしてほしい)

さて本作を購入するにあたって、本編とアフターを含めた同梱版などが発売されていたり、各サイトにおいて時折セールもやっているのでそういう時に購入してもよいのだが、公式からセット品が公開されているので、ここで紹介しておく。
ensembleから発売されている以下の『乙女シリーズ』7作品とFD6作品

・花と乙女に祝福を
・花と乙女に祝福を ロイヤルブーケ
・乙女が紡ぐ恋のキャンバス
・乙女が紡ぐ恋のキャンバス 二人のギャラリー
・桜舞う乙女のロンド
・乙女が奏でる恋のアリア
・乙女が奏でる恋のアリア ~君に捧げるアンコール~
・乙女が彩る恋のエッセンス
・乙女が彩る恋のエッセンス ~笑顔で織りなす未来~
・想いを捧げる乙女のメロディー
・想いを捧げる乙女のメロディー あふれる想いを調べにのせて
・乙女が結ぶ月夜の煌めき
・乙女が結ぶ月夜の煌めき Fullmoon Days

の合計13作品が同梱された『ensemble anniversary 乙女シリーズ13本セット』が2019年に発売されている。
本作を含めてensemble作品のうちのいくつかが気になる方は、それぞれを購入するよりもお得なので、検討すると良いだろう。(2023年1月追記)