タイトル : イノセントバレット -the false world-
ブランド : CINEMATOGRAPH


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
攻略キャラは3人。
基本的に物語は1本道。
序盤~中盤にかけては要所要所での選択肢により、キャラとの個別ルートが差し込まれており、終盤で短い個別ルートに入る。ただ、最終的に物語は再び1本道に戻る。その後はエピローグ部分に少し変化があるのみとなっており、総じて個別は2h程度の長さ。
共通部分は少々長いのだが、それでも全体を考えるとボリュームは一般作品の7~8割程度。

攻略順に指定はないため自由に攻略してよい。
選択は分かり易く、攻略難易度はかなり低いだろう。
【おすすめ攻略順 : 愛→早苗→莢香】

CG
線は細く、全体的に淡い塗だが、イベントCGには立ち絵にない独特の立体感はある。
量はシナリオから考えると一般的な量と言える。質に関しては、立ち絵など安定しているものが多い中で、イベントCGに気になるものがあるのも確か。
中には、流血CG等も多数登場するため、注意は必要。

補足として、用語説明の銃の欄すべてについている絵からは熱意が感じられた。

音楽
BGM24曲、Vo曲3曲(OP、ED、挿入歌)という構成。
BGMの中では緊迫した戦闘シーン用のものが目立つ中で、同時に悲しい&しっとりとしたものが目立つ。中でも「sorrow for」は良質と言える。

Vo曲は飛蘭2曲、EDの榊原ゆい1曲という、かなり安定した構成。
特に前者の2曲はかなり燃える曲の為、単体としても評価したい。

お勧め度
端的に言ってしまえば、異能銃バトル学園物。
ただ、シナリオ自体はそこそこの面白みがあるものの、すこし初心者には勧めにくい内容であることや、逆に玄人にとっては荒が目立ち過ぎるため、低めに設定。
その分野が好きな人間がやるべき作品。

DLsiteで購入
Getchu.comで購入

総合評価
【物語について】
未知の怪物との戦闘という、突然の危機に陥った主人公が、絶体絶命の状況で異能を発動させ、そこから闘いに身を投じてゆく、という作品。

世界観が少々現実と異なっている部分もあり、また銃等の多くの火器も登場するのだが、前者に関してはかなり説明はスムーズ。後者に関しても、理解できなくてもシナリオ上に問題はなく、また、用語説明等が充実しているのも高評価。
ただ、贅沢をいうなら、文章中でのジャンプがほしかった所。

この作品の主人公やヒロイン達には「特異点」という特殊能力を持つが、基本的に戦闘は銃がメインで、異能は補助的立ち位置にある。
ただ、作品のメインとなる戦闘シーンに関してだが、これは数が多いものの先ほども言った通り銃撃戦がメインであるために、かなり戦略的かつ刹那的なものとなっており、ブラックアウトで省略される部分も多いため、燃えられる内容の物はかなり少なくなっている。
また、燃えゲーの重要部分である、主人公の成長部分に関してもかなり省かれているといってよく、そういった期待をしない方が無難である。

他には、それぞれのヒロインと付き合うことになるシーンに少々曖昧な部分があり、どうも流されて付き合った感が否めないのも残念。

これに代表されることだが、展開が速いところがあり、一つ一つのシーンが非常に雑…無論良いと思えるようなシーンもあるのだが、雰囲気を持続させずにすぐ終わらしてしまう傾向がある。もう少し、1つ1つのシーンを大切に作りこんでほしかった。

燃えゲー特有の挿入歌や後半でのOP歌の挿入など、雰囲気演出等での頑張りは認めたいのだが、いかんせんシナリオ自体の出来がこれであるために、残念な結果に終わっている。

このゲームで数少ない褒められる部分としてあげる個所として「男キャラの活躍」がある。
かなり男臭いキャラが、ヒロインより多く出てくるのだが、それぞれがきちんと信念を持っており、よく書きこまれている。無論イベントCG(戦闘シーン)もある。
それぞれのセリフや雰囲気・性格等もよく、この部分に関しては素直にほめておきたい。

総括
本筋は良いのだが、全体的に作りこみが足りない所が目立つ。
音楽や演出等に光る部分もあったため、非常に残念であり、少々厳し眼の評価を付けさせてもらった。

コンフィグ機能に関しては、基本的にはそろっているものの、確認画面が無かったのは疑問、また、その他でもかなり使いづらい部分はあった為改善は必要。

【ぶっちゃけコーナー】
プレイしていて、ちょっと気になったのが、文章中のルビ代わりに使われる( )かなぁ…。普通にルビ振っていいような気がするんだ、あれは。
普通にいいシーンがあるだけにもったいないよな、CGとかも結構良かったし、歌とか、後半での挿入歌とか…シナリオもなかなかおもしろかっただけに、文章の細部とか、ひとつひとつのシーンの書き込みが足りなかったかな。