タイトル : LOVESICK PUPPIES
ブランド : COSMIC CUTE


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

キャラクター・シナリオ
ルートは5本、各個別の長さは2-3h程度。共通の量もそこそこあるので、全体的なボリュームは平均以上といえる。
推奨攻略順に指定がないが、おすすめ攻略順は
ソーニャ→まるな→勇→有希→織江が一番分かりやすいだろう。

CG
塗は濃く、線は細い。はっきり、つややかな印象を受ける絵。
立ち絵は高レベルの質だが、CGはいくつか雰囲気を変えバランスの悪い物も見られるので不安はある。
立ち絵に目パチのみあり。
ゲーム屋背景に「車輪の国、向日葵の少女」があったのは印象的。

音楽
BGM62曲、OPとED各1曲。の大ボリュームとなっているが。
個人的な意見では完全にBGMは空気と言えた。
ある意味BGMらしいBGMで、層も厚く作品の邪魔はしないのだが、印象に残らず、作品に全く影響を与えなかった。
数が少なくてもいいので、もう少し踏み込んだBGMや挿入歌がほしいところ。

お勧め度
一言で言うと「内容のあるギャグ・萌えゲー」という感じだろうか。
含有成分は「ギャグ」「青い青春(恋愛)」「アパート(寮)」
シナリオはしっかりしてるし、日常は面白い、誰にでも勧めやすい、普通に飽きずに楽しめる作品といえる。


総合評価
学生寮「ニーシェ」の管理人のような事をやっている主人公、学園では何でも屋のような事も、そうして次第にトラブルを拾――巻き込まれて行き、寮に住む人が増えていく話。

作品的には唐突に始まる印象のこの作品、しかしながらギャグ、伏線の点でつかみはばっちりだったと言える。(ある意味誇大しすぎだが)
舞台設定が少々特殊な地域――学生が社会人のまねごとのような事をしている地域なのだが、バイトしているようなものだと思えばリアルに即した世界といえる。
登場人物も序盤に一気に登場するが、雰囲気をつかむまでのOP、そのOPまでにそれらを把握する事になるのだが、結構なボリュームがあるため楽しみながら見られた印象。

全体的な流れとしては、日常に愉快なギャグを混ぜながら、ヒロインたちの魅力を引き出しつつ問題を解決していくというスタンス。
特にギャグは何度か重ねていくので、なかなかに面白く、無論ヒロインたちの魅力も相乗効果で高まってきていたと言え、しっかりと各ヒロインの内面が作りこまれていた印象を受ける。

起こる問題自体は安定路線の物が多めと思いきや予想もつかない冒険的な流れの物もあり、
見ている方をあきさせない程度の展開は望めるだろう。

各個別ルートでは視点変換を使い、各キャラの心情を綺麗に描き出し、また別のヒロインや脇役とも絡めることで上手く物語を動かしていたように思える。
シナリオライターが複数いるのか、作品ごとの出来に上下があったのは懸念すべきところ。

ただ、この作品の大きな問題点は次の1点といえる。
「見せ場で盛り上がらない!」
いや、正確には盛り上がるはずなのだ、物事のとらえ方もよく、新鮮かつ斬新な考え方で、それに対するヒロインや主人公の動き、セリフもかなりいい。
ただ、「盛り上がらない」…これは演出の問題もあるだろうが、やはりBGMが完全に空気となっていたところだろう。
それこそシナリオ+音声のみのゲームのようなレベルで、シナリオ自体もあまり踏み込んだものを書いていないので、BGMがキーだったが、完全に消えていた。
重要シーンで、もう少し丁寧に&BGMは踏み込んだ涙腺に響く物を用意していればかなり泣ける作品になれたのではないかと個人的には思っている。

結果、全体的にギャグ・萌えのみが目立ち、そこそこシナリオのある安定系ゲームとしてこの評価に収まった。

コンフィグに関してはよく考えられているのではないだろうか。
PDAに関しては、あまりシステムに絡んでくる事はないし。
起動日にちによって、タイトル画面が変わる等の細かい芸もちらほら見られる。

【ぶっちゃけコーナー】
おしいよなぁ…。
泣ける要素自体はあったよ、まるなとか有希√最後とか、織江序盤とかとかとか…。
ただ、活かせてなかったなぁ…。
盛り上げ方が下手なのか、シナリオや展開は悪くないはずなのに、涙は一滴も出ない…。
BGMのせいにしたけど、(いや、そのせいなんだろうけど)それ以外にも原因はあるな。
たぶん、きっと?
キャラとかも全員よかったし、主人公・ヒロインズも青い青春まっしぐらで良い雰囲気だった分だけ、泣けなかったのが惜しい。