スピカの忘れ物

ゲームレビューとちょびっと小説を公開している、鍵っ子ゲーマーのブログです。 泣きゲーやシナリオゲーが大好物!



タイトル : 神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~
ブランド : DESSERT Soft


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]
(総プレイ時間 : 19.5h)

キャラクター・シナリオ
動物の言葉が分かる不思議な少年、天部秋成がある日見つけた不思議な石板。
「動物ともっと触れ合いたい」その思いが通じたのが、目の前に現れたのは12人の干支神様。彼女たちとの出会いから始まる賑やかな、”へんてこ”な『家族』との暖かな日常をつづった作品。

この作品の魅力の一つといえるのが賑やかな日常シーンであり、特にギャグシーンは共通部分や各個別部分の大きなウェイトを占めている。
 前作から引き続き、同会社作品からの出店は勿論、他の有名コンテンツや各作品からのパロディシーンも多く、豊富なヒロイン同士の楽しい掛け合いに加えて、賑やかな作品の雰囲気づくりに一役を買っていた。

今作の見どころの一つとして挙げられているのは攻略ヒロインの多さ。
その数はサブを含めると13人に上り、その一つ一つにしっかりと物語(とHシーン)が用意されているのはやはり驚きといえる。
 一方、その√の多さゆえなのかこの部分が作品自体の足を引っ張っている部分もあり、一部√を除いてそのシナリオの質自体はお世辞にも良い物とは言い難く、多くの√において「とりあえず用意した」という体が抜けていない。
これはこの作品が階段分岐という、メインシナリオであるTRUE√に向けて分岐していく形をとっている事も大きく関わっているだろう。
普通の作品であれば、その数も少なくある程度読み下せるのだが、今作は上記の通りその部分の分量も非常に豊富で、だからこそ読んでいてマンネリやダレることも多かった。
 上記の部分に加えて、序盤においては各部の設定について、力押しで流すことが多く、理由が分からない設定なども多い。そうした部分をなんとなくで流してしまわないと、物語の展開に乗り切ることができずに物語を進めてしまう仕様となっている。
全体的な分量の増加によるものか複数ライターの弊害か、各部門との連絡の不備によるものなのか…そのあたりは不明だが、他にもテキスト自体に誤字脱字も目立つ事や、CGと地の文との整合性が取れないシーンなど、総じて見た時にツメが甘く感じる部分も多く、そうした部分がリズムよく読み下せない所の原因にもなっていた。

また、今作は上記でも述べたように、階段分岐作品となっている関係もあり、一部ヒロインと共通ルートで関係を持つシーンもある。
そのあたりに抵抗がある人間にとっては忌避感のあるシーンともなっているが、そうした問題以上に全体的にHシーンを入れるために秋成の性格がゆがめられ、強引に感じるシーンがあったという事に注目してしまう。
 今作において恋愛シーンが希薄なことに加えて、そうしたシーン描写自体が作品への没入感を低くしてしまい、結果的に各ルートであまり楽しめなくなっていたように思う。

非常に多くの欠点を書いたが、そうした欠点を補って余りある名シーンがあったのも事実であり、作品のテーマでもある『絆』を描いたシーンの数々はこの作品の最大の魅力ともいえる。
特に共通ルート後半のちずの話や蓮華√後半の各干支神の過去回想シーンは、その切なく、悲しい描写に涙を止めることができないほどだった。
個人的好みの差があるとはいえ、そうした涙するほどのシーンがあったのは確かで、そうしたシーンや各個別√での描写があってこその、TRUE√への繋がり。
一連の流れという意味で非常にできも良く、心温まる展開は読後感の良い作品へと印象を一転させた。
ある意味、私はこの一点において強く評価しているが、動物の話が好きな人間にとってはたまらない作品となっていたといえる。


共通√【 ★★★★★  5h
前半では主人公と各十二支との出会いを描いたシーンを描いており、主にドタバタコメディ風味の明るい日常シーンをメインとしている。
一部謎の設定なども多くあり、疑問を残したまま進む部分には違和感を感じるものの、後半部分のメインに当たるヒロイン、ちずの話はとても感動的で、『人』というものに対して、あってしかるべき感情を素直に描いたそのシナリオからの展開は種族を超えた絆の片鱗を感じさせ、作品としても象徴的な部分といえるだろう。

なお、共通部分には各十二支の章が含まれているものの、階段分岐というシナリオの構造上、各章については各キャラ部分での評価としている。



ちず√【 ★★★☆☆ 】  1h
学園は前期課程の2年生に当たる、子(ねずみ)の干支神様。
ずるがしこく悪知恵が働き、人に対してイタズラを繰り返したり、授業にもあまり出ないなど問題行動も多く、主人公に対しても敵対的であった。
一方、姉であるはるかの事はとても慕っている。

ちづのシナリオとなる『子ノ章』について。
最初の印象から一転、なついてくるの可愛いちづ。
共通ルートでの関係とは一転して、そんな彼女と主人公のやり取りが短いものの描かれており、それまでの前提があるからこそ、一緒にイタズラしたりするシーンは心温まるものになっていた。


はるか√【 ★★★☆☆ 】  1h
のんびりマイペース、おっとりとした雰囲気の丑の干支神様。
常に眠たげで歩きながら寝てしまい、壁にぶつかりそうになってしまう危なっかしい所も。
学園では後期課程の3年に当たり、子のちづとは姉妹のようにとても仲が良い。

個別シナリオとなる『丑の章』ではちづの為にお菓子作りに奮起する内容に。
はるかの他人のためを思って行動する心優しい部分が良く伝わる内容となっている。また、主人公とはるかの過去の描写なども一部あるものの、基本的に恋愛描写は非常に簡素。



あまね√【 ★★★★☆ 】  1h
後期課程の2年生、学園の生徒会長を務める高飛車な寅の干支神様。
役職に反して人前に出るのが苦手で、挨拶などは副会長である戌のあきらに変わってもらうことが多い。
学園では猫を被っているが、興奮すると粗野な部分が見え隠れする。

個別√となる『寅ノ章』ではサーカスの来訪を切っ掛けとした、あまねのトラウマをテーマとしたシナリオになっている。
トラウマに対して向かってゆくあまね、彼女が魅せる寅としての誇り、そしてその輝きが感じられる内容となっており、漫然と横たわる恐怖とその裏にある身を焦がすような渇望を描いた物語は、シンプルながらも比較的で気も良く、また演出としても一手間加えられていたことも併せて良く出来ている。



みゆき√【 ★★★☆☆ 】  1h
後期課程3年にあたる卯の干支神様。
誰かのために奉仕するのを好んでおり、多くは学園長をサポートとして傍にいる事が多いが、その他に学園の謎メイドとして様々な場所でもお手伝いをしている。

『卯ノ章』では先輩メイドとして主人公に家事を教える所から物語が始まる。
普段フラットな表情であることが多いだけに、個別シナリオではコロコロと表情を変えてくれており、怒った顔など可愛い表情が印象的。
そんな彼女のメイドとしてのルーツを描いた物語には悲しい部分がありながらも、メイドとしてどう進んでいくか、そうしたみゆきの強い志を感じる内容となっている。



ききょう√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
学園の学園長を務める辰の干支神様。
見た目こそ幼いが干支神の中では最も年長であり、そのためなのか古風な年寄りのような喋り方をする。
また尊大な態度と自由な振る舞いが目立つものの、それでも周囲からの評価は高く、干支神様たちだけではなく地元住人たちからも、信頼もあつい。

個別√である『辰ノ章』はサブヒロインという事もあって短めの内容となっているものの、主人公とお昼ご飯食べられてはしゃいだり、一人で悶絶したりと、今までは見られなかった乙女な一面を見ることができ、その可愛らしさが前面に押し出された内容となっている。



れいこ√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
妖艶な雰囲気を醸し出す『巳』の干支神様。
学園の保険医として勤務しており、仕事自体はキチンとしているものの、気になった事があると熱中してしまう、専ら怪しい実験をしていることが多い。
特に主人公は実験台として巻き込まれることも多く、またその他にもお酒が好きだったりと自身の欲求に素直なダメダメなお姉さん。

個別シナリオの『巳ノ章』は、彼女と主人公が偶然開発した「惚れ薬」を発端とする小さな騒動のお話となっており、れいこがサブヒロインであるために短めではあるが、彼女の見た目通り妖艶な雰囲気漂うシーンがしっかりと描かれている。



じゅん√【 ★★★☆☆ 】  1h
主人公の幼馴染で『午』の干支神。
主人公と同じく幼い頃から浅葱家に下宿しており、元々は人であったが今回の騒動で突然姿が変わってしまった。
走ることが何よりも大好きで、毎日陸上部の活動に精を出している。

個別√となる『午ノ章』では彼女のある「トラウマ」がテーマになっている。
他の多くのヒロインとは違い、人の頃の記憶も強く残っている、という特徴はあるものの、基本的には予想を裏切らない物語展開で手堅く作られていた。
中でも恋人関係になった後に、照れてしまうじゅんの乙女な一面が見られるという点については王道的な反応ではあるものの、やはりギャップの魅力を感じるシーンとなっている。



さゆり√【 ★★★☆☆ 】  1h
引っ込み思案な『未』の干支神様。
前期課程の三年生であり、主人公の事も先輩として慕ってくれている。
まだ妹が小さいため一緒に暮らしており、彼女たちの前ではしっかりとした姉としての姿も見せており、放課後は牧場で健気に働く姿が良くみられる。
妄想癖が激しく、時折暴走しては赤面してしまうことも。

個別√の『未ノ章』では、奥手なさゆりとのストレートな恋愛が描かれており、加えて二人の妹「みるか・うるか」も比較的よく登場している内容になっている。



たかみ√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
お調子者で好きなことに一直線、オタク趣味に精通する『申』の干支神様。
以前から浅葱家に下宿している主人公の悪友ポジションに当たる人物。
主人公とは同じクラスで、趣味のゲームの話で盛り上がったりと異性を感じさせない気の置けない仲だが、一方で戌のあきらとは気が合わず会うたびに喧嘩をしている。

個別√である『申ノ章』はとある彼女の「夢」をテーマにしており、"好き"に対して一直線に向かってゆく、たかみの自由で情熱的な部分が描かれている。
サブヒロインであるために分量は少なく、また一部の主人公の行動に無理矢理な部分があったりと違和感の目立つシナリオでもあった。



みそら√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
主人公のクラスの新しい担任となった『酉』の干支神様。
年齢自体は前期課程2年生に相当するが、飛び級をしているため身体も小さく、ニコニコしているが子供扱いすると怒る。
理由は不明だが、力が安定しないために人間体を維持することができずに動物としての姿で授業をお粉y事も多い。
元の動物の関係もあって、3歩歩けば物事を忘れてしまうトリ頭でもある。

個別√『酉ノ章』でテーマとなっているのは、彼女のトラウマ。
高い所が苦手なその理由や再び空を目指すためのシナリオとなっているものの、サブヒロインシナリオという事もあって短めの内容となっている。



あきら√【 ★★★☆☆ 】  1h
あまねの執事として付き従う、『戌』の干支神様。
学園の後期課程1年生ではあるものの、生徒会副会長を務め、あまねの代わりに舞台に立つ機会なども多いため、学園生徒からの人気も厚い。
主人であるあまねに心酔しており、彼女を第一に行動することが多い。
また頭が固く冗談が通じないところもあり、申のたかみとはとても相性が悪い。

『戌ノ章』ではあきらにとっての執事のルーツに迫るシナリオとなっている。
彼女と主人公の過去にかかわる出来事や、主人であるあまねをも巻き込んだシナリオは起伏がありつつも纏まりも良く、サクサクと読んでいける。



あんこ√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
猪突猛進、純真無垢な『亥』の干支神様。
干支神では一番年下で前期課程1年生のにあたり、身体は非常に頑丈なため、元気いっぱいに外を走り回るのが大好き。
主人公を「にーに」と呼び、出会った当初から主人公の部屋で寝泊まりしていたりと、本当の兄のようになついてくれている。

個別√、『亥ノ章』では恋愛の『れ』の字も知らないあんこが、無自覚に主人公を誘惑してしまうシナリオに。
展開としては多少強引ではあるものの、あんこの無垢な部分が前面に押し出されたシーンの数々はやはり癒される。
素直に好いてくれるその姿に癒され、遠くから優しく見守っていたい気持ちにさせられるキャラクターとなっていた。



蓮華+TRUE√√【 ★★★★★  2h
神社で巫女を務める幼馴染。
主人公とは小さなころから家族同然に育っており姉のように接することも、クラスも同じで後期課程の2年生に当たる。
誰にでも平等に優しく、それでいて間違っている時にはしっかりと怒ってくれる包容力のとても高い娘。

個別√である彼女のシナリオについては今作のグランドENDといえる、TRUE√ともある意味不可分なので同時に語ってしまうこととする。
(TRUEのみだと最後の展開が変わるのみで、15分ほどしかない)

今まで不明だった多くの部分が解説される部分となっており、そして蓮華だけではなく主人公である『天部秋成』という人物についての謎が明かされるシナリオとなっている。
それらの解説については半ば強引なものも多く、理由付けという部分においては十分だがロジックや伏線に驚きはしないだろう。
しかしこのルートの最大の魅力はなんといっても、十二支と主人公の関わりを描いた部分であり、ある意味この部分からの流れを書くために、今までの部分があったといっても過言ではないだろう。
なかでも過去の十二支の干支神との思い出を振り返るシーンはとても切なく、どの想い出も涙が止まらないものとなってきた。
そうした記憶があるからこそ、今まで積み重ねてきた絆をより強く感じることができ、この作品のテーマの一つでもある『家族』という物に対して深みのある描写ができていたのではないだろうか。

終盤の展開も心温まるものとなっており、読後感の良さも併せて高い評価を加えておきたい。


[ 主人公 ] 天部 秋成
動物の言葉が分かる不思議な青年。
赤ん坊の頃、天部神社の賽銭箱の近くで保護され、以降は浅葱家の一員として蓮華たちと暮らしている。
学園は天部学園後期課程の2年生であり、心優しく、成績や体育などは波程度にこなす。
生き物や動物が好きで、暇があれば動物と触れ合うことを日課としている。


【推奨攻略順 : ちづ→はるか→あまね→みゆき→ききょう→れいこ→じゅん→さゆり→たかみ→みそら→あきら→あんこ→蓮華→TRUE 】
攻略順にロックなどはないものの、階段分岐作品なので基本的には上記の順番が望ましい。


CG
全体的に柔らかな印象を受ける絵で、全体的な質は十二分といえる。
ヒロイン数が多いため、各ヒロインのイベントCGの数はどうしても少なくなっているものの、さすが13キャラもいることもあって、総じての枚数は中々のものといえる。
また、SD絵も数枚存在している。
 シナリオ部分とCGの連携が取れていないのか、一部背景やCGなどが使いまわしの考慮などを度外視したとしてもずれているものが数点見つかっており


音楽
BGM8曲、Vo曲5曲(OP2/ED1/挿入歌2)という構成。
アレンジを含めれば幾分か増えるものの、シナリオ量に対して曲数は少なく感じる。
それでも各シーンにおいて最低限のものをそろえているという印象。
一方、非常に豊富なのはVo曲。
1曲1曲の破壊力もなかなかのもので、個人的に薬師るりさんの歌う『いつだってそばに』はしっとりと歌い上げられており、作品の内容と合わせて心温まるものとなっていた。


お勧め度
十二支をテーマに、人と動物の種を超えた絆を描いた作品となっており、動物物が好きな人はぜひ手に取ってほしい作品となっている。
シナリオは癖があるものの、ギャグは豊富なためある程度退屈せずに読むことはできる上、最後までたどり着けばしっかりと感動できる内容となっている。
総じて心温まる内容と言え、読後感も良い作品である。


総合評価
欠点もあるが補って余りある良い所も内在した作品であり、そういう意味では特徴的。
泣けたという点を高く見積もってはいるものの、全体を鑑みてこの評価となっている。


【ぶっちゃけコーナー】
割とぶっちゃけてシナリオ部分の酷評は上記までに書いてしまったけれど、もう少しわかりやすく書ければと思い付け加える。

前作のトメフレは割とヒロイン同士の会話とかも面白かったし、各個別もそのユニークな個性を活かして面白いシナリオになっていたのかも。
一方今作は、ギャグシーンとしては弱めだし、各ヒロインに関しても十二支という特徴やキャラクターの多さといった点は特異といえるものの、ある意味一般人が多いので面白みという意味では弱かった。
それは各個別が短かったことも無関係ではないだろう。
しかしながら一方で、一連の作品としてみた時の主張性の強さや、もっとわかりやすく「泣けたか」という意味では今作が圧倒的な勝利を収め、それくらいTRUEまでのしっかりとしたシナリオの流れがあった。
その部分においてこの作品は評価していいのではないだろうか。
個人的に動物シーンはとても弱くて泣きやすいのだが、そうした点も鑑みて評価を高くしている。

そういえば十二支というと、マンガやアニメで有名な『フルーツバスケット』という作品があるが、やっぱりそのあたりをほうふつとさせる展開はあったのかも。
というか十二支作品を取り扱うにあたってあの設定は使わないといけないしなぁ…。
まぁ、ネタバレになりそうだからあまり語らないけど、前半で結構不明なまま物語が進行してたのは、いちいち気になって仕方がなかったな。
この辺りが気になるのかどうかは個人差なのかな…。



タイトル : 恋愛、借りちゃいました 絵未&八純FD
ブランド : ASa Project


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : -
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

(総プレイ時間 : 1.5h)


キャラクター・シナリオ
タイトル画面から3本のシナリオのうちの1本を選択する形となっている。
一応アフターを描いたシナリオとなっているものの、Hシーンがメインとなっておりシナリオ自体は少ない。

色々な制限が少ない分、ギャグのネタなどは本当に遠慮なく入れられているため、ギャグシーンの笑いの大きさに関しては本編をしのぐほどで、良い意味でアサプロの良さが出た内容にもなっている。

各ヒロイン√については下記にかいているものの、どちらに関してもシナリオはあまりなく、可愛さに関しては二の次で面白さに重きを置いた内容となっている。



絵未√(0.6h
本編から幾日か後、受験を控えた主人公と絵未が受験勉強をしつつも、いつも通り絵未が暴走し、それを周囲(主人公を含む)があきれながら眺める流れとなっている。
基本的にシナリオの中身は空っぽと言ってよい。



八純√(0.6h
絵未の話と同様、本編から幾日か後を描いたシナリオとなっており、八純が暴走する日常の一幕を描いている。
ここでも八純と絵未の張り合う関係がメインとして描かれていて、とくにメインとなる八純に関しては変態度が数倍になっている印象。
もちろんシナリオの中身は空っぽ。



???√(0.3h
ある種夢のIFストーリーであり、内容は本編の最終選択肢から分岐した形で描かれているのだが、お察しの通り〇P。
各ルートでも(何なら今作でも)それに近い内容が含まれているため、ある意味新鮮味はないものの、とりあえず回収しておかなければいけないシチュエーションの一つといえるだろう。
シナリオの中身は空っぽ。

【推奨攻略順 : 絵未→八純→??? 】
選択肢はなく、タイトル画面で各シナリオを選ぶ形式となっている。


CG
追加イベントCGはHシーンを除くと各√1枚で、Hシーンは合計6つ。
それに対応するCGがいくつか枚数が用意されており、その他立ち絵などに新規追加のものなどもなく、目新しさは特にない。


音楽
OP/EDを含めて追加曲無。


お勧め度
FDとしては2作目となる作品で、FD1作目とは繋がりはないため、本編をプレイしていれば問題なくプレイすることはできる。
前作の世界観が好きだった人はもちろんプレイしてもよいが、タイトル通りミニアフターストーリー作品なので、ボリューム自体が全体的に乏しい。
また、他のFDをプレイする必要はないが本編プレイは必須なので、どうしてもプレイしたい方は本編からを推奨しておく。


総合評価
ギャグ中心のFD作品という事で短くまとまっていたのでこの評価となっているが、前作のFDと同様に評価するほどの量がないことも確か。


【ぶっちゃけコーナー】
基本的には1作目のFDと一緒。
この作品だけプレイしたいって人がいるかは謎だけれど、値段の安さとかを鑑みてプレイしたい人はするとよいのではないだろうか。
ギャグシーンはさすがアサプロと言いたくなるくらいには面白くあるのだが、やっぱり如何せん短い…。
後あまり関係ない話だけれど、不思議なことで攻略対象になっていないときの方が、絵未も八純も可愛いんですよね。
まぁ本編では凄い暴走してるから、かわいいとかそういう次元じゃないのも原因の一つのような気はする。



タイトル : DRACU-RIOT!
ブランド : ゆずソフト


シナリオ : ★★★★★ [5/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★★ [5/5]
総合評価 : ★★★★☆ [4/5]

(総プレイ時間 : 19h)

キャラクター・シナリオ
特別区、海上都市『アクア・エデン』を舞台とした夜の住人『吸血鬼』たちをテーマとした作品。

ヒロイン4キャラに加え、サブヒロイン1キャラの合計5本のシナリオから成る作品で、各ルートも3h(サブヒロインであるニコラ√はメインヒロインの半分程度)と各キャラ攻略後にHシーンが中心となったアフターストーリーが開放されるなど、十二分なボリュームで描かれている。

作品の設定は特殊であるものの、キャラゲーの良さでもある会話中心の展開によってテンポよく話が進んでいくため読みにくさのようなものはない。
また引力のあるシーンの数々によって『DRACU-RIOT!』世界観にどんどんと引き込まれてゆく。
主人公が吸血鬼という特異な設定は非常に新鮮味のある描写につながっており、特にメインの活動時間が夜になるというのは他の作品にもない面白い所だろう。
目覚めるのは夕方であり、朝ご飯が夕ご飯に変わっていたりと、通常のゲームとはちがう世界観であることが視覚的にも行動的にも伝わり、そのほかの設定に至るまで常に新鮮な気持ちでプレイできていた。

ゆずソフトといえばキャラゲーを連想するが、今作で登場するヒロインたちもまた、一癖も二癖もある魅力を秘めており、加えてこの作品の舞台だからこそのシーン演出によって引き出される彼女たちの一面は『キャラゲー』としての価値をより一層深めてくれていた。

キャラゲーとしての良さは各ヒロイン単体の魅力だけではなく、ヒロイン同士(今作であれば寮生同士)のやり取りにも表れており、特に顕著であったのは共通ルート。
ヒロインと主人公のやり取りだけでは表現しきれない彼女たちの色々な表情が、各キャラ視点での描写なども効果的に使用して描かれており、ギャグのふんだんに入った会話は雰囲気としても賑やかに演出されている。

一方、各個別√では仲間たちの絆をよりに深く感じられるシーンが多かったのも印象的で、特に今作では各個別のシナリオの作りこみがなされており、シナリオ単体で見たとしても十二分に満足できるであろう内容が詰まっている。
そうした展開の中で描かれる主人公やヒロイン達との絆には一際大きな輝気を感じられる。
どうしても暗くなりがちな後半のシーンにおいてもギャグを入れ、物語の内容としてはとても苦しい状況下にあっても、ヒロインや主人公たちの明るさが損な割れていないため、そうした部分を合わせて、全体的に明るく、それでいてメリハリのある内容に仕上がっている。


共通√【 ★★★★☆ 】  3.5h
主人公が『アクア・エデン』にやってきてからの約1か月が描かれている。

主人公やヒロイン達が学生という事もあり学園生活もある程度描かれているものの、共通ルートにおいて描写のメインとなっているのは各ヒロインがそろう寮での描写や、学園後の仕事である風紀班での出来事。
また、話の展開自体は比較的ゆっくりなのだが、特に複数のヒロインや登場人物が絡むシーンなどが多く、賑やかな会話はプレイしている人を飽きさせない。
それでいて過度に笑いに走り過ぎずに、主軸で進行するシナリオ部分はしっかりと読み込めるような内容となっている。



矢来 美羽√【 ★★★★☆ 】  3.5h
主人公が吸血鬼になる発端となった吸血鬼の少女。
気が強く意地っ張りな所があり、自身を大人に見せるためにわざと下ネタを口にするが、その照れを隠すことができずに赤面してしまう。
行く当てのなかった主人公を住んでいる寮に招待した他、学園後の仕事では『風紀班』の先輩として主人公の世話をするなど、意外と面倒見の良い部分も。

個別√では美羽のツンデレ可愛い部分がいかんなく発揮された恋愛描写がたっぷりと描かれており、攻めても攻められても魅力的な美羽の良さがふんだんに詰まった内容となっている。
一方、シナリオ自体は共通ルートでも扱われていたとある事件を発端とする内容になっており、その物語は『海上都市』をも巻き込んだ大きなものとなっている。
特に終盤においては人と吸血鬼の絆を感じさせるようなシーンもあり、思わず涙しそうになるほどで、美羽と主人公の二人の姿が明るい未来への展望を感じさせる内容は「ドラクリオット」という作品との親和性が非常に高い内容となっている。

作品自体はもちろん、各キャラクターのさわりのような部分に触れている内容にもなっているのだが、その核心自体はあまり描かれていないのも特徴といえる。



エリナ・オレゴヴナ・アヴェーン√【 ★★★★☆ 】  3.5h
主人公と同じ寮から学園に通うロシア出身の吸血鬼。
学園が終わった後はカジノで働いており、バニー姿でディーラーとして主人公にゲームを教えてくれるシーンも。
エロい事には興味津々で、恥じらいなくそうした話題を口にしては周囲を慌てさせることも多い。

元祖『にひひ』笑いの下ネタが大好きの面白い女の子であるエリナ。
個別シナリオは彼女のとある『秘密』をテーマにした内容となっているのだが、√序盤でその『秘密』を打ち明けてもらってからは彼女の雰囲気が一転、自身に発露した恋心に悶えつつも主人公に甘えようとするエリナが最高に可愛く描かれている。
中盤においても、エリナの主人公を思うからこその行動もあって、確かな愛情を感じるとともに、その行動の裏にある感情の切なさに感動するだろう。
序盤から中盤にかけて主に描かれている恋愛描写から一転、後半からは一気に物語が動いていき、臨場感たっぷりのその描写や相変わらず格好いい主人公の行動など、最後まで見所がたっぷりの内容となっている。



布良 梓√【 ★★★★☆ 】  3.5h
明るく元気で面倒見の良い、寮長も務める小さな先輩。
見た目が小さい事を気にしているのか、子供扱いされることを嫌い、お姉さんぶることも多い。
寮では唯一の人間であるものの、持ち前の面倒見の良さで周囲のまとめ役として働き、暴走する住人達のストッパーになることも多い。
美羽と同様『特区管理事務局』の『風紀班』に所属しており、銃を手にして戦いに参加している。

個別√では『人間』と『吸血鬼』という種族を超えた愛をテーマにしたシナリオであることは勿論、タイトル回収などを含む、比較的大きな作品的ネタバレが含まれた内容となっている。

前半は主に恋愛描写が多くなっており、その雰囲気は初々しいものとなっていて、見ているこちらまでもどかしい気持ちになるシーンもある。
だからこそ、中盤に見せる梓のエロさが顕著に感じられる良い内容であった。
中盤から後半にかけてはこの√の本領ともいえる部分で、とある事件を発端とした『狩人』『吸血鬼』『風紀班』という各々の関係を描いた一連のストーリーは非常に読みごたえもあり、時に涙しそうになるほど深い話も。
そうした中で主人公が梓を「この子は『大丈夫』を組み立てるのがうまい」と表現する部分があったのだが、これが個人的に高評価で、梓の魅力を言外の部分まで表現する巧みなもので、だからこそ梓の「大丈夫」という言葉には騒乱の中であってもひときわ輝くような力があるように感じる。
しかし、そんな中で見せる梓のエロさが顕著に表れていた。



稲叢 莉音√【 ★★★★☆ 】  3.5h
主人公と同じ寮に住む後輩となる吸血鬼。
心優しく、その奉仕精神の強さから困っている人がいたら助けたいとよく考えており、寮の家事などの一切を担っている家庭的な女の子。
純真無垢で性的知識が驚くほど無く、同じ寮に住むエリナにからかわれて、とんでもないことを口にすることも。
学園が終わった後は喫茶店で働いている。

個別√はこの作品の総集編かTRUE√とでもいうべき物となっており、各シナリオのネタバレが満載であるほか、主人公や莉音の過去と絡めた『DRACU-RIOT!』という作品の骨子に迫る内容となっている。
シナリオとしては完成度の高い各ルートの中でも群を抜いて高く、物語を単体として見たとしても十二分に評価できる内容となっており、特に終盤のシーンに関しては主人公と莉音の気持ちがしっかりと伝わるものとなっており、感動できる。
シナリオに加えて、莉音についてもしっかりと描写されており、特に性的知識が無い事という設定はギャグにもエロにも生かされており、莉音の魅力がさらに深まっていた。



ニコラ・ケフェウス√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公と同じ寮に住む欧州出身の吸血鬼。
中二病を患っていて、自身をイメージの吸血鬼に近づけるため、普段からマントを羽織り、カラーコンタクトでオッドアイを装っている。
隠しているわけではないのだが、実は男装をしているだけの女の子。
一人称はボクであることや、あえて自身の性別を説明していないため、周囲からは誤解されることも多い。

個別シナリオは彼女のお家騒動を絡めた比較的短いシナリオ。
どちらかというとメインとなるのは恋愛描写であり、自信に芽生えた恋心に気付いたニコラの初々しい可愛い反応と周囲のからかいとが、程よくドタバタラブコメ風味に仕上ゲラれた内容となっている。


[ 主人公 ] 六連 佑斗
童貞の一般的な男の子。
ある日、友人である倉端直太の誘いに乗って『アクア・エデン』にやってきたが、そこで事件に巻き込まれた結果、吸血鬼になってしまった。
突然自信を取り巻く状況が大きく変わったものの、吸血鬼になったこと自体は前向きにとらえようとしている。
鈍感だけれども、他人の気持ちを考えようとする優しさを持つ。
人を助けるときにも考えるよりもまず体が動くタイプ
生粋の童貞で今まで女の子との接点もなかったが、恥ずかしげもなく素直に女の子を褒めたりと天然ジゴロの才能がある。
数年前に病気で入院していたため、留年した結果周囲より年齢が高くなっている。


【推奨攻略順 : 美羽→ニコラ→エリナ→梓→莉音 】
基本的に攻略順は上記が主流(※ニコラ以外)
特に他の√のネタバレ等を気にするなら、梓や莉音を終盤に回した方が良いだろう。


CG
線が細く濃い塗で、柔らかさを感じる線質で、特にイベントCGでは全体的な女の子としての柔らかさを前面に押し出しつつ、顔などのパーツにはシャープな印象も受けるメリハリのある絵。
SD絵も豊富に用意されており、枚数も質も十二分という他ない。
中でも豊富な立ち絵をふんだんに使いキャラクターの感情を表現する手法についてはキャラゲーであるゆずソフトの作風との相性も良く、高評価をつけておきたい。


音楽
BGM35曲(inst、アレンジ含)、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
OPの「Secret」はあまりにも有名な(個人的)名曲であるためお勧めなのだが、同時にピアノアレンジバージョンもBGM部門として推しておきたい。
あの勢いのあるOP曲がピアノバージョンとなるだけで、ここまでシナリオエピローグと合致する、しっとりとした名曲となるとは、アレンジの深さを感じる。


お勧め度
夜に生きる『吸血鬼』をテーマとした特殊な設定の作品。
ゆずソフトならではのキャラゲーの良さはつぶさずに、シナリオ部分にも面白みを持たせた内容となっており、各ルートでは非常に凝った内容の物語が描かれている。
現行のゆずソフトファンは勿論、それ以外の人にとっても幅広く勧めやすい内容となっており、時間が経った今であってもなお、十分感動し、そしてキャラクターの可愛さを楽しむことができる、ゆずソフトの代表的な一作といえる。


総合評価
キャラゲーとしてだけでなくシナリオゲーとしての完成度も高く、自身をもってこの評価をつけることができる。


【ぶっちゃけコーナー】
個人的にゆずソフトでは一番のシナリオの完成度が高かったというのが、プレイ後の印象。
というかそれくらいに一つ一つの個別シナリオの話の質が良かった。
勿論これ以降に発売された作品が嫌いというわけではなく、個人的な好みと合致したというのもあるのだろうけど、それにしても一つ一つの話の作りこみの深さがすごかった。
というかここまで作りこまれた話なのに、攻略順固定が無い事に驚く…。
最初に莉音√やった人とかは中々に楽しみが削られてそうだ…。
まぁそれでも別に楽しめないという事はなくて、やっぱりそのあたりキャラゲーとしての良さが出ている部分なのかも。
読み込んでいけばシナリオとしての良さも感じられるし、一挙両得の作品ともいえる。

そういえば、シナリオ部分に書こうかと思ったのだけれど、この辺りはすごく好みの差が出そうなのでこちらに本音として書くのだけれど、今作で欠かせない重要な登場人物として「主人公」の存在がある。
とりあえず今作の主人公はずっとカッコいい。
イヤミのないカッコよさだから、やっぱプレイしていて好きになる。
ヒロインを可愛い! って叫んだ回数も多かったけど、主人公に対して格好いい!って思ったシーンも同じくらいあった気がする。
特に各個別後半はそれが顕著でした。
この辺りは本当に差が出そうだけど、個人的に今作の主人公は好きだったし、好きだったからこそこんなにも物語を楽しめたんじゃないかな、って思う部分もある。



タイトル : 天神乱漫 -LUCKY or UNLUCKY!?-
ブランド : ゆずソフト


シナリオ : ★★★★☆ [4/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★★☆ [4/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

(総プレイ時間 : 20h)

キャラクター・シナリオ

恋も○○も、最後はやっぱり神頼み!?

不幸体質な主人公の元へ神様がやってくる、という少し特殊な設定で描かれた学園ラブコメ作品。

シナリオはヒロイン4キャラとサブヒロイン2キャラの個別シナリオと+αの構成で、共通部分や各ルートの分量も十分にあるので、全体的なボリュームも十二分といえる。

テキストはテンポが良く読みやすい。
特に共通ルートを中心としてコメディ色が強い作品でもあり、笑いながらサクサクとプレイできるのはこの作品の大きな魅力の一つといえるだろう。
一方で個別シナリオにおいては、各キャラの設定は勿論のこと、主人公の『不幸体質』や文化祭の開催などをテーマに比較的しっかりとした内容の話が展開されており、キャラの魅力以外の部分でもしっかりと、その価値を感じられるものにしている。

言うまでもなく、ゆずソフトの最大の魅力であるキャラクターに関しては本当に文句が出ないほどで、今作のセンターヒロインである土地神の姫は勿論、兄の事になると暴走しがちな佐奈をはじめ、ヒロイン勢はキャラがちゃんと立っておりその中で萌えポイントがしっかりと作られている所は評価が高い。
そうした部分をしっかりと共通ルートや各個別で描けているところは、ゆずソフトだからこそだろう。

ゆずソフトの多くの作品に言えることだが、総じてキャラクターの魅力をしっかりと前面に出した、シナリオも楽しめる作品というのが全般的な感想である。
キャラクターが魅力的だからこそ、それぞれのキャラクターに対して熱狂的な固定ファンがいるし、そのなかでシナリオもある程度描かれているため、その話自体を楽しめることは勿論、そうした話の中で見えるキャラクターの行動や心理描写がキャラづくりの一端を担っているという事は間違いない。

そうしたことをわかっているシナリオだからこそ、発売から長い時を経た今でもその内容が楽しめる、それ程に洗練されている事を感じられるものあったことは素直に賞賛しておきたい。


共通√【 ★★★☆☆ 】  2.5h
卯花之佐久夜姫――以降は姫と略す――との出会いとなる新学期から夏休み前までが描かれている。

基本的には学園での描写が中心となっており、各ヒロイン達とのエピソードは勿論、特に序盤では転入生としてやってきた姫の突飛な行動に牽引されるような形で、物語が展開してゆくため、イベントに富んだ内容となっていた。
もちろん姫だけではなく、ヒロインやサブキャラクター達もうまく動かされており、テンポよく展開される賑やかな日常シーンが印象的にも強い作品となっている。
またギャグシーンなどが豊富なのも特徴的で、有名マンガ等のパロディやメタネタ等、その種類は広範囲に及んでいた。

今作では少し懐かしいMAP選択式の分岐が用意されており、対応するキャラクターのSD絵を選択することで、各個別エピソードが読めると同時に、その選択に応じて各個別√へと分岐する形となっている。


tensin (1)
卯花之佐久夜姫√【 ★★★☆☆ 】  3h
主人公の不幸を祓うためにやってきた土地神様。
神様らしく自信満々で大胆不敵、唯我独尊な人柄で、人を揶揄ってはその反応を見て楽しむ癖があり、良く主人公がその餌食になっている。

個別√は文化祭の開催を主軸としており、開催に際して発生する問題や姫の『神様』としての事情や主人公の不幸体質も絡んだ波乱のストーリーとなっている。
展開自体はネタバレになるため伏せるが、姫が神様だからこそ感じてしまう無力さと、それに対する主人公の成長によるカタルシスがとても気持ちよく描かれている。
恋愛シーンに関しては終盤で主に描かれており、コメディ色の強い展開の中にも主人公を揶揄っては楽しむ小悪魔のような一面や、意外と嫉妬深い可愛い一面など、彼女自信の魅力が現れたシーンが多くなっている。


tensin (2)
竜胆ルリ√【 ★★★☆☆ 】  3h
神様である姫を追ってやってきた狐耳の少女。
元々は狐であったが、とある理由のために姫と同じ場所で長い時を過ごしており、そのため人間の姿に変化することもできる。
しかしながら、基本は狐であるため行動は本能的であることが多い。
神様が苦労しているのは主人公のせいだと思い込み、一方的に敵視している。

個別√では前半、主人公と同じ時を過ごすことによって段々とルリの態度が軟化していく様子が描かれており、良くも悪くも本能的に行動するルリの魅力が描かれている部分となっている。
中盤から後半にかけては主人公が受けている『天罰』を絡めた内容となっており、その内容はストレートに感動させるような良い話に。
特にラストシーンに関しては、主人公の優しさやルリへの気持ち等が伝わるものとなっており、その演出を含めて鳥肌の立つような展開となっており、シーンとして切り取るのならこの作品でも一押しの場面となっている。


tensin (3)
千歳 佐奈√【 ★★★☆☆ 】  3h
主人公の妹。
両親が家に不在であり、不幸体質のせいで家事をすることができない兄の代わりに、千歳家の家事を一手に担っている。
基本的にはおとなしいのだが、大好きな兄の事になると暴走してしまう筋金入りのブラコンでもある。

個別√では共通ルートでも少し扱われていた佐奈の出自に関する話と、主人公の不幸体質を絡めたシナリオとなっている。
もちろん兄妹の禁断の恋という部分にも触れられており、家族愛と恋愛の違いについて思い悩むシーンなどが多く取り上げられている。
後半では佐奈と主人公がお互いを想い合う、その絆の強さを感じられるシーンもあり、感動的な展開を描き出している。


tensin (4)
山吹 葵√【 ★★★☆☆ 】  3h
主人公の幼馴染でクラスメイト。
誰とでもすぐ仲良くなれるほど明るく、それでいて困っている人は助けようとする優しい性格の持ち主。その容姿もあって男女からの人気も高い。

個別√では、とある切っ掛けで、葵が立候補することになった学園の会長選挙戦を主軸として描く学園物となっていのだが、そこに主人公の『不幸』要素がアクセントとして加えられている。

恋愛に対して鈍感だった彼女が『幼馴染』という近くて遠い存在に対し、想いを募らせ、そして初めての恋に思い悩む、そんな葵の乙女な一面がとても魅力的に描かれている。
ラストシーンでは葵らしさ感じる心温まるストーリーにもなっており、予想のしにくい展開は読んでいても面白みがある内容となっていた。


tensin (6)
常盤まひろ√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公の学園で生徒会長を務める女の子。
穏やかで優しい性格をしており、生徒会長として真面目に取り組む姿もあって、多くの生徒から慕われている。
しかしながら不思議と一人でいる事が多く、生徒会室で仕事をしているか図書室で本を読んでいることが多い。

個別シナリオは特に前半に大きな盛り上がりを見せ、なぜか距離を感じさせるまひろの態度に関しての謎を絡めた、とある文学作品をテーマにした恋愛シナリオとなっている。
特にこの部分に関してはまひろの心情描写や主人公の行動などを含め、「知りたい、知ってほしい」という恋愛の源流をも感じさせるその内容は特に秀逸に感じる部分となっている。
物語後半では文化祭開催のために奔走する姿と同時に、主人公との日々によって変わっていくまひろが描かれており、その姿が日増しに輝きを増し、魅力を感じさせるように描かれている。


tensin (5)
烏羽 紫√【 ★★★☆☆ 】  2h
主人公のクラスの担任を受け持つ新人教師。
教師に似つかわししくない恰好や屋上でタバコを吸っていたりと不良教師のような言動が目立つが、その若さもあってか生徒からは人気は高い。
反面、先生たちからは便利に使われることも多く、思わず愚痴がこぼれることも多い。
自身の保身のため、問題を起こしがちな主人公に対しては特に気にかけている。

個別√は彼女が無理をして吸っているタバコの理由を絡めつつも、教師と生徒の禁断の恋をテーマにしたビターなシナリオとなっており、サブヒロイン√ではあるものの起承転結のハッキリとした良いシナリオとなっている。
その中で描かれる恋愛シーンは意外にも純情一途であるものの、総じての感想は驚くほどのドSっぷりであり、その妖艶さが光るシーンも多い。
特に後半からはそのドSな紫の魅力が存分に発揮されるシチュエーションや展開も多く、お姉さんに調教をされたいドMな方にとっては垂涎の内容ともなっている。


[ 主人公 ] 千歳 春樹
極度の不幸体質をもつ青年。
本人はいたって真面目なのだが、その体質によって問題を起こしがちなため、教師たちからの覚えは良くない。
街に出ると不良などに絡まれる事が多かったためか、喧嘩などにも慣れている。


【推奨攻略順: 紫→まひろ→ルリ→葵→佐奈→姫→α 】
とある√以外は攻略順に特に指定はない。
個人的には佐奈や姫√は後半に回した方が読後感が良く感じられると考えている。


CG
細い線に濃い目の塗、柔らかい線質。
発売された年代の差もあって多少気になるものはあるものの、総じての質は高く、特にイベントCGに関してはキャラクターの柔らかさが感じられる良い物がそろっている。
枚数に関しても、ヒロインは勿論サブヒロインに関しても十二分な量がそろっており、全体的な品質は高いといえるだろう。


音楽
BGM34曲(Vo曲アレンジ含む)、Vo曲2曲という構成。
幅広くそろえられたBGMの中で目立つのはギャグシーン用のものの多さであり、この作品のかなめともいえる日常シーンに多大な寄与していた部分であることは言うまでもないだろう。
Vo曲として注目しておきたいのはなんといってもOP楽曲「メチャ恋らんまん☆」はその映像と合わせて、非常に有名な曲となっている。
もちろん単体でも電波系の曲として、ノリとテンポの良い良曲となっている。


お勧め度
不幸体質の主人公を助けるために神様がやってくるという、突飛な内容である今作。
学園物という定番の舞台で繰り広げられるラブコメ描写は安定しており、その中に少しだけ特殊な設定を加えられたことがスパイスとなり、物語に面白みを与えている。
ゆずソフトの最大の魅力でもあるヒロインもよく、OPばかりが独り歩きして有名になっている作品の印象を受けるが、その中身も十二分に満足できるものであることが時間が経った今でも感じられる。


総合評価
全体的に安定した作品ながらもシナリオは広く多くの人が楽しめる内容になっており、抑えめではあるものの評価以上の内容といえる作品。


【ぶっちゃけコーナー】
OPで有名すぎる作品なんですが、作品的にはそこまでウェイトの重い部分でもないのであえて多くは触れません。

どちらかというと、個人的な最初の印象は『こんなかわいい子に囲まれているだけで幸運体質だろ!』というものだった。
ただ、そんな冗談みたいな想いにも、詳しくは語りませんが葵√あたりでなんとなく触れられていたことに驚きました。

それはさておき、文章の内容に反して少し低めの評価だった理由についてなのですが、ここは純粋に「泣けなかったから」の一言で済む。
実は結構泣きそうになるシーンが多かったのは確かなのですが、それでもやはり今作前面に押されている部分は『泣き』ではなく、『キャラクターの魅力』や『にぎやかで楽しい日常シーン』にあったため、そこまで涙腺にも来なかったのかも。
ただこうした雰囲気は私の評価では低くなりがちなんですが、プレイしていて楽しいのは楽しいし、以降の作品でも同様のテイストで作られていることから、多くの人にも評価されているのでしょう。
少なくとも、いい意味でライトに楽しめる作品として、幅広く勧めやすい作品であることは確かで、時間が経った今であってもその意見は変わらない。

二人だけの話が進みがちな各個別シナリオは結構重めですが、サブキャラやそのほかのヒロインが登場するシーンになると一気に明るい雰囲気に変化するのはこの作品のというよりゆずソフトの特徴ともいえるのかもしれないですね。



タイトル : E×E
ブランド : ゆずソフト


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

(総プレイ時間 : 17h)

キャラクター・シナリオ

『魂<コード>を、解読せよ――』

10年前に八坂総合病院で起こった事故で母親を亡くした主人公はごくごく普通の生活をおくっていたが、そんなある日に、死んだ母に似た女性を見かけるのだが――。
ありえない邂逅、危機的な状況を契機として非日常に足を踏み入れた主人公は無力で弱かった自分との決別のために、ただ漫然と歩み続ける生活から、自身で選択し生きていくいばらの道を選ぶこととなる。

ゆずソフトの学園バトルADV。
作品の重要なキーワードとして『魂』が挙げられるが、どちらかというと作品の背景に持ち入れられた重要な要素の一つであり、作品自体のテーマとしては『生き方』や『どう生きるか』といったものが扱われている。

シナリオ構成自体はメインヒロインの3√と、人数自体が少なめではあるものの1キャラに対する文章量が多いことに加え、サブヒロインで2√、その他にBADENDなども存在しており、分量としては十二分な量になってるといえるだろう。

バトル物という事で戦闘描写――特に能力を活かした異能バトル描写がふんだんに取り入れられている。
しかしながら描写自体は比較的簡素であり、戦闘シーンやその展開に手に汗握るシーンなどはあまりないといえる。
どちらかというと、この作品の魅力はそうしたバトルの背景にある登場人物同士のやり取りや心情描写、そして背景にある設定などだろう。
特に同一の舞台・背景設定を用いながらも、各ヒロインで大きくシナリオの流れを変えつつ、起伏のある展開を作り上げてた事に関してはこの作品の評価すべき点の一つとして挙げても良いだろう。

一方で、作品のテイストとして重めの雰囲気であることや、物語の設定、主人公の性格等、この作品がバトル作品として成り立つのに必要不可欠な要素がゆずソフトに本来ある良さ、キャラクターの魅力を引き出し作品を盛り上げていく、そうした部分とぶつかり合ってしまっており、結局どっちつかずの作品になっているのもまた事実である。

読み物としては十分にボリュームもあり、作品の展開も楽しめるのだが、どうしても作中はテンポの悪さや重さといったものが、読み下すのにエネルギーを消費させる。
反面そうした部分は作品に深みを与えていたりもするので、一概に悪い点として挙げることもできず、こうした部分もやはり作品の歯車がかみ合わなかった部分なのだろう。


共通√【 ★★★☆☆ 】  3h
物語の序盤として、普通の学生として生活してした主人公が、身の回りに起こる小さな事件をきっかけとして少しずつ非日常の世界に転がり落ちていく部分が描かれている。

始まり部分のシナリオという事もあって、各キャラクターの登場シーンや舞台背景部分の他、主人公が過ごす平凡な日常シーンがメイン部分を占めていて、バトル描写等はこの時点ではさほど描かれていない。
特に舞台となっているのが学園生活という事もあって、悠や夏希、そしてサブヒロインの円などが印象に残りやすい作りとなっている。
また非日常部分に関しても、10年前の事件を契機としていることなどは明らかだが、それに関連したシナリオの伏線なども描かれている。


ee (2)
野宮 悠√【 ★★★☆☆ 】  4h
主人公のクラスに転校してきた女の子。
誰にでも笑顔で接する優等生なのだが実はは人嫌いで気難しい女の子。
主にクラスメイトの前では猫をかぶっているが、自身の本性がばれている主人公の前では悪態などを着く事も多い。
基本的に優秀ではあるものの、自活能力があまりなかったり、方向音痴であったりと抜けている部分も目立つ。

いわゆるツンデレキャラの悠、そんな彼女の個別√では一部主人公の過去を絡めつつも主軸としては悠の境遇を絡めたシナリオ展開となっており、その内容はとても切ないものとなっていた。
序盤は誰にも心を開く事のなく、強い言葉の裏にある弱さのような物が感じられ、震えながらも一人で立とうとする気丈な所にこそ強い魅力があった。
しかし主人公からの想いや様々な経験を経て成長していく悠がしっかりと描かれており、前半とは違った形での魅力を感じられるのもこのキャラクターの魅力の一つといえるだろう。


ee (1)
籠 夏希√【 ★★★☆☆ 】  4h
主人公のクラスメイト。
とても影の薄い少女で、よく一人で本を読んで過ごしている。
見た目から無口のように見えるが、話しかければキチンと会話をしてくれるうえ、茶目っ気を見せてくれることも
セクハラしようとしてきた寿士を自身の考えた必殺技で撃退するなど、底知れない一面も。

√の前半から後半に至るまで、がっつりと学園バトル物テイストで描かれた内容となっており、戦闘描写などがふんだんに取り入れられており、キャラクター自体に関しての描写や恋愛要素は割と最低限の印象が強い。
なかには主人公の修行シーンなどがあるほか、後半では夏希自身の問題は勿論、主人公の持つ性質や過去などを絡めた内容であり、各種謎だった部分などの多くも明かされるシナリオとなっている。


ee (4)
貴船 未緒√【 ★★★☆☆ 】  4h
とある組織に所属する魔術師で、戦闘中は日本刀武器として戦うお姉さん。
基本的に豪快な性格で、あまり羞恥心がないのか主人公がいても風呂上がりに裸で過ごしたりする描写も。
一般人である主人公を巻き込まないように、あえて冷たく突き放すような態度で接することが多い。

個別√は特に前半部分における話のウェイトが重く、10年前の事件を切っ掛けとした未緒の過去、そして彼女自身の生き方についてが綴られている。
常にカッコよく生きているように見える未緒の本質的な弱さを見た時の主人公との一幕は『未緒』というキャラクターの魅力を語るうえで欠かせないシーンともなっている。
 そんな彼女との恋愛描写に関しては、カッコよさからくる『憧れ』が『愛情』に変わっていく様子が前半から後半にかけて描かれているものの、全体的に淡泊で特にそうした部分がメインとなっている√後半部分に関しては分量自体も比較的短めとなっている。
しかしながら、彼女自身の最大の魅力であるその生き方のカッコよさのようなものは、ラストシーンに凝縮されており、彼女自身の考え方を知っているからこそ、痺れるような物語の終わり方をしていた。


ee (1)
上御霊 円√【 ★★★☆☆ 】  1.5h
主人公と同じクラスの女の子。
主人公とは幼い頃から仲が良く、教室でも気軽にしゃべっていたり、一緒に帰ったりする仲である。
明るく心優しい子で友人も多く、人から頼み事をされると断れない性格。彼女の真面目な性格も手伝って、特に教師からは手伝いをお願いされることも多い。

個別√は他のヒロインとは一線を隔しており、異能やバトルといったこの作品の要素が一切出てこない恋愛学園物となっている。
サブヒロイン√という事もあってシナリオ自体は短いものの、他の√がその他の要素に多くの部分が占められていることに対して、この√では恋愛部分が主題におかれているため、円の魅力や彼女とのデートシーン等は十二分に描かれている。


日向 紅葉√【 ★★★☆☆ 】  0.2h
多くが謎に包まれた少女。
可愛らしい見た目とは裏腹に、飄々とした態度で人を翻弄する。

シナリオ自体は夏希√から分岐のBADEND。
選択肢を間違えるとたどり着く内容となっており、中身があんまりない。
紅葉自体は作品にとって非常に重要なキャラであり、伏線なども多く抱えた存在ではあるが、その立場故にその魅力が本当に輝くのは他の√の中でだろう。


ee (3)
白峰 沙耶√【 ★★★☆☆ 】  0.5h
主人公と一緒にクラス年上のお姉さん。
孤児である沙耶は身寄りがなく、両親を亡くした主人公と同じく身寄りが無かった真姫奈と引き取って、3人で暮らし始めた。
性格は穏やかで優しく、それでいて間違ったことをすればきちんと叱る母性愛に溢れた女性で、血のつながりはないものの主人公にとっては姉のような存在である。

個別√のシナリオは基本的に夏希のエンディング以外はほぼ同じ内容となっている。
特筆すべきは、後半のシーンにおいて沙耶と主人公の友人である寿士の活躍の場が用意されているという事だろう。
沙耶の魅力を伝えるという意味ではどうしても短く感じてしまうが、寿士に関しては彼があまり見せない一面を垣間見ることができる展開となっており、非常に印象的であった。


[ 主人公 ] 伏見 籐矢
早くに父親を、10年前の事件では母親を失っており、身寄りを亡くしてからは沙耶や真姫奈らと一緒にマンションで生活をしている。
沙耶からは必要ないといわれているが、生活を助けるため病院でアルバイトをしており、学園生活が終わった後はバイトを過ごしていることが多い。
趣味などがあまりなく、余った時間は家で沙耶や真姫奈と過ごす事が主となっている。


【推奨攻略順:悠→円→紅葉(BAD)→沙耶→夏希→未緒 】
円√のみ、メインヒロイン3人のうちの誰かを攻略した後に攻略可能。
基本的に順番は自由だが、沙耶と紅葉√は夏希√の派生に存在しているのでセットで攻略するとよいだろう。


CG
時代的な関係もあり4:3のサイズ比で解像度も低め。
しかしながら時代を感じさせない繊細な線と丁寧な塗は質が高く、また枚数に関してもヒロインが3人ではあるものの、1キャラに対する枚数が多く、サブヒロインの物やその他のものなどを含めると十二分な量といえるだろう。


音楽
BGM25曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的に戦闘用のものなのバトル作品ならではのBGMがそろっている今作だが、不思議と「Sorrowful voice」や「Leaf alone」のような悲しめのシーンで使われたものが印象に強く残っている。
Vo曲では霜月はるかさんの歌うED「true drop」も魅力的だったが、やはり榊原ゆいさんのOP「Trust in me」を押しておきたい。
バトル物の雰囲気にもあった、この作品のテーマ曲ともいえる良曲。


お勧め度
ゆずソフトの比較的初期の作品であり、キャラゲー・萌えゲー中心の過去作の中では珍しく異能バトルがメインとなった作品である。
バトル描写自体が簡素であることや、今までの雰囲気と大きく変わっている作品であるため、賛否が分かれる作品ではある。
その為強くお勧めする事はないものの、「ゆずソフト」というブランドの流れを知るうえでは大切なピースの一つであることだけは付け加えておく。


総合評価
バトルものとしては若干お粗末ではあるものの、その背景設定や心情描写などは読みごたえもあり、加えて安定のキャラクター描写等が魅力となった作品ではある。
以上の事を鑑みて、平均的な評価とした。


【ぶっちゃけコーナー】
めずらしいゆずソフトの戦闘物。
戦闘シーンに関しては上にも書いてある通り、あまり良い物ではなかった。
まぁ、いまのゆずソフトを見ているとわかるけれど、やっぱりこの会社の魅力はこういう作品ではあまり魅力を発揮しきれないのかも。

バトル物とかになると、どうしても恋愛シーンとかはおまけみたいになってしまうし、日常シーン自体がほとんどなくなってしまい、キャラクター自体の魅力を直接感じられるシーンがあまりない気がする。
もちろんすべては見せ方次第なのだろうけれど。

あとはやっぱり10年以上前の作品という事で、やっぱり昔の作品にある雰囲気というか、BGMのメロディにしろシナリオ重厚さにしろ、そういう匂いみたいなものは感じる。
特にシナリオに関してはバトルものという事を排してみても、やっぱり重い感じがして、それが今回はいい所と悪い所がぶつかったみたいになってたのが残念ではあったけど、見せ方次第では良い所にもなっていたし、この辺は相性なのかな。
周囲の評価を気にするわけではないけれど、酷評する人も多い作品だし、バトル物を作らなくなったのはそういう意味でも正解だったのかも。
個人的にはそこまで悪くはなかったのですけどね。

最後に絵に関してだけ。
サイズ比の問題はあるけれどやっぱり綺麗な感じがする。
特にヒロインの一部イベントCGは今のイベントCGに通ずるものがあって、質が高いなと感じるものが何点かあった。同時に、やっぱり時代だなぁ…と思うものもあるのは確か。



タイトル : アイカギ2
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★★☆ [4/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
新学期がスタートし順調な滑り出しをしていた主人公、そんな彼がとあるきっかけから、自堕落でオタク趣味の幼馴染をお世話することになる。
勉強が大好きな完璧主人公とオタク趣味の残念美少女の凸凹コンビによるドタバタのラブコメ同棲生活を描いた作品。

主人公の名前のみ変更可能となっている今作。
アイカギシリーズとしては第三段ではあるが、その他シチュエーションに似た所がある以外は作品として繋がりなどはなく(一部背景などは使いまわされているが)、単体として考えてよい作品となっている。

今作もロープライス作品ということで、シナリオ自体は比較的短いものの、メリハリのしっかりした物語であったため、時間を忘れて最後まで楽しくプレイできた。

例のごとく「同棲」という事で、物語で綴られる世界観はヒロインである綾乃との閉じた世界観で描かれていて、そうした観点からも評価を語る上で、彼女について語ることは欠せない。
特に今作では綾乃の性格がとても良かったことが作品の質を一段階あげていたといえる。

幼馴染で、かつオタクな趣味を持つ美少女という事で、本人はいわゆる『やればできる子』として描かれている綾乃。
最初こそ自分勝手で強引な性格、そしてマイペースな行動にあきれてしまいそうなシーンも多いものの、ポンコツさの中に見え隠れする可愛さや健気さ、そしてなんといってもそのコミカルなキャラクターと反応に終始笑わせてもらった。
またその性格が声を当てている遥そらさんと非常にマッチしていたことも、影響としては無視できないだろう。

もちろん、要素としての「オタク趣味」というのも彼女を表現するうえでは欠かせない。
オタクな彼女を持つ彼女だからこその日常シーンやイベントは他のヒロインではなかなか表現できないものがあり、『同棲』という一つのテーマで作られている今作に、もう一つ違う色を付けてくれている要素となっている。

シナリオとは勅瀬的に関係のない部分ではあるものの、この作品に関しては彼女のそういうキャラクター性があってこその部分もあり、好印象部分の一つとして挙げておきたかった。

作品としては序盤、綾乃とのドタバタな日常に笑わされつつ、成績の向上という事で勉学シーンなど学園要素もしっかりと入っている。
この辺りに関してはどちらかというと、視点転換などを用いて主人公よりもヒロインである綾乃の心情を描いたシーンなどが目立つ。
だからこそ普段のだらしない彼女の部分と、主人公を見て影響され、そしてその心を変えていく健気なシーンに強いギャップを感じ心惹かれる場面もあり、そうした心に芽生える恋心をしっかりと描かれいたのは好印象だった。

一転、後半シーンでは綾乃の影響を強く受けていく主人公の様子が描かれていて、影響し合う二人の様子がうまく表現されていた。
もちろんこうしたシーン合間にはイチャラブシーンもたくさん含まれておりそうしたシーンも重要な作品要素の一つといえるのだが、個人的にはそうしたシーンに強く心動かされていたことが多い。

総括として、今作はイチャラブ系の萌えゲーではあるものの、その中にある押しと引き、つまりはメリハリがしっかりとあった作品だったように思える。
そうした表現こそが綾乃魅力が引き上げており、この作品とそしてヒロインである綾乃にハートをぎゅっと掴まれた理由なのだと思う。

【推奨攻略順 : 無し 】
選択肢はあるもののシナリオに影響はせず、物語は1本道。


CG
しっかりした線と濃い塗の絵。
とても質感が艶やかで質の良い絵は全17枚+SD絵の3枚(Hシーンは7シーン)で半数以上がHシーン用のものとなっている。
個人的に印象的だったのは背景で、使いまわされている背景があったのは少し気になるところだが、個人的に最も注目したのはヒロインの部屋の背景。
出不精なヒロインであるため部屋を中心に話が展開するが、今回はその部屋を2方向から描いており、閉塞感を感じさせず、リアル感を増す造りになっていた。
また、各種グッズにも過去作や関連作などが含まれていたりとギミックに富んでいるところも見どころだろう。


音楽
BGM9曲、Vo曲1曲という構成。
印象的には落ち着いた雰囲気のものが多いBGM、中でも「幸せってこういうこと」はHシーンで使われるものではあるが、ピアノの旋律が心地良いものとなっている。
Vo曲は安定の大島はるな(#エロティック大島)さん。
楽曲『きっと友情』の歌詞は友情から恋に変わってゆく心情が語られており、特に本編で語られなかった主人公の心の動きを思わせているように個人的には思えた。


お勧め度
あざらしそふとの『アイカギ』シリーズという意味では3作目となるロープライス作品。
『2』となっているものの、物語としてのつながりは一切なく、この作品単体で十二分に楽しむことができる内容となっている。
テンポよくウィットにも富んだ内容は読みやすく、価格と合わせて広くお勧めしやすい作品となっている。
シリーズとして好きな人は勿論、今作が初めてでヒロインの性格やシチュエーションが好きな人にはぜひ気軽にプレイしてみてほしい作品。


総合評価
ロープライス作品としては平均的な作品ではあったが、終始楽しんでプレイできる作品となっており、個人的には評価以上の内容が含まれていたと思っている。


【ぶっちゃけコーナー】
やっぱり作品に笑いが入っているとサクサクとプレイできる気がするし、より感情移入ができている気がする。あとはキャラクター自体の相性が良かったともいえるのだけど、アイカギシリーズの中では個人的に最も楽しめた作品だったかな。

今作で一番感じた部分はやっぱりギャップかな。
ヒロインの綾乃はすごくどうしようもない人間…まぁ、やればできるタイプの子なのかもしれないけれど、ゲーム中毒だし…。
ただ、そういう子だったのが、主人公の頑張りとかを見て、何とかしようと奮起するシーンが何度もある。
どちらかというと今回の作品ではそうした描写こそがメインのような気がして、特に作品としてはヒロインの綾乃しか出てこない作品だからこそ、彼女の行動自体が作品に大きな影響を与えていた。
序盤に主人公を巻き込んでいくマイペースな「押し」の部分と、主人公を慮ってそして恋に落ちていく「引き」の部分。
この二つがしっかりとメリハリつけて描かれていたから、最後までサクサクとプレイできたんじゃないかなと思いました。

というか主人公、勉強できるし料理できるし本当に完璧すぎじゃね? って思ってたところに後半なんですよね。
いい意味で綾乃の影響を受けていく主人公が良かったですね。
もし影響を受けないままだと、なんというか依存関係みたいなのが浮き彫りになって、病的…とまではいかないけれど、やっぱり健全じゃないような気がする。
どころが、影響し合ってる二人を見ていると「あ、お似合いだな~」って素直に思えるから不思議なものだと思う。
この辺りは本当に巧かった。

イチャラブはまぁ、安定のあざらしだからね、そこは心配してなかったけれど、ただのイチャラブじゃなくて、オタク趣味を持った女の子としてのイベントを描いていたのは新鮮だった。
個人的にはそういう趣味の子は否定的な印象を持っていたのだけれど、素直に「良いな」と思わせたのだから、やっぱりすごいと思う。
ロープライス作品で相変わらず短い作品だけど、シナリオとしてのまとまりは良く、綾乃自体の魅力を十二分に引き出せた作品なのかな、と総括的にはそう思っています。



タイトル : アイカギ ~アフターデイズ~
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
同会社作品『アイカギ』の続編。
学園卒業後、無事に二人とも同じ進学先へと合格して、引き続き同棲生活を続ける主人公と汐栞の初夏から夏にかけての物語となっている。

基本的な部分、設定や雰囲気に関しては前作をしっかりと引き継いでおり、また冒頭部分では前作の振り返りが短いものの挿入されている。
しかしながら、その後の会話などで前作を絡めた会話シーンなども多く、前作のプレイは必須の作品となっていた。

作風自体は基本的に変わっていないものの、冬を舞台としていた一作目とは違い夏を舞台にした作品となっていて、各種イベントはもちろんヒロインの衣装がサマーワンピースになったりと、夏ならではの変化が加えてられている。

勉強にアルバイトにと『夏』を満喫する二人のイチャラブをメインで描いており、特にイベントに関しては夏祭りや二人きりの旅行など、長い夏休みを活かしたシーンも多く用意されており、そうした特殊な状況だからこその汐栞の新しい一面を発見したりできるようになっていた。

また前作が初々しいドキドキを中心とした恋を描いていたのに対し、今作においては安心感や癒しを感じるやり取りを通して愛へと変化していく気持ちも描かれ、全体的にHシーンに関しても比率が増えている。
これらの描写からは同棲生活を始めてからの時間の経過を感じることができ、続編だからこそ描けるこの作品の特徴の一つといえるだろう。


【推奨攻略順 : なし 】
選択肢無。


CG
はっきりとした線に濃い塗の絵。
イベントCGの種類は19種類(Hシーン自体は7シーン)で、うち1枚は前作で似たようなものが使用されていた。
質に関しても前作同様安定している。
Hシーンに使われていないCGでも、基本的に肌色成分が多めなものとなっているのも特徴として挙げられる。


音楽
Vo曲1曲、BGM9曲という構成。
BGMに関しては前作から引き続きというものがあるのかは不明だが、基本的には新規の曲のように感じるものが多い。
大島はるなさんの歌う主題歌「君と一緒に、いつまでも」に関しても、前作とは違いギターが印象的な夏の印象をうける楽曲となっている。


お勧め度
同会社作品『アイカギ』の続編となるロープライス作品。
基本的には単体でもある程度は楽しめる作品ではあるものの、その作品の性質上、各会話等で前作をプレイが必要になるシーンもある。
今作も前作も同じ要素を持つ作品なので、今作に興味を持った方は先に無印のほうをプレイしてからというのが通常だろう。
前作からプレイしている人にとっては、前作をしっかりと踏襲した作品なので、前作が楽しめた方にはお勧めしやすい作品となっている。


総合評価
続編という部分はあるものの、それ以外は鉄板ともいえる平均的なロープラ作品。


【ぶっちゃけコーナー】
前作が好きな人はこの作品を嫌いになることはないだろうな、と思う程度にはしっかりとした続編であり、そもそもがロープラなので作品自体が短いことに関してはあまり言及すべきではないだろう。

内容に関してはあまり起承転結がなく語るべき部分がない。
本当に終始、二人のイチャラブのその先を見ている感じだったので、そういう作品が好きな人にとってはたまらないのかもしれない。

前作はやっぱり初恋のドキドキみたいな部分が、主に前半部分に関してだけど、存在していたので、物語としても盛り上がりみたいなものはあったのかもしれない。
今作はそういう意味では、二人の同棲生活とか見ていると安心感というか、まったりとした癒しみたいなものを感じることのほうが多かった。
この辺りはヒロインの汐栞がそういう雰囲気の持ち主だからというのも、少なからず影響としてあるのだろうが、やはり続編としてそういう変化をしたと考えるのが妥当だろう。

なんにせよ、2まで出ているこのシリーズなので、少なくともこのシチュエーションに関しては人気があるのは間違いない。



タイトル : アイカギ
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
進学のために一人暮らしをすることになった主人公が、その練習のために幼馴染の汐栞の提案で一か月間限定で同棲生活をする事となる。

年末、冬を舞台とした今作でヒロインとなるのは小鳥遊 汐栞。
主人公の幼馴染でありクラスメイトの彼女は、現在は一人暮らしをしているまったりマイペースな女の子。

作品は大きくわけて前半と後半に分けられ、前半では同棲生活と学園生活の二つの側面から幼馴染の関係であった二人の気持ちが恋愛感情へを変わっていく過程を、後半は想いが通じ合った二人のイチャラブシーンが描かれている。

前半部分に関しては、学園生活などが描かれておりサブキャラクターなども出てきてはいるが非常に影は薄く、基本的にはヒロインである汐栞と主人公の二人の閉じた世界観で描かれているシーンが多い。

また分量に関しては、とHシーンが中心で構成された後半部分のほうが多めとなっているが、内容的には前半部分のほうが詰まっていて、特に今作ではヒロインの汐栞が主人公に好意を抱いており、なおかつ主人公はその感情に対して無頓着であるところから物語が始まっているという前提があるため、汐栞視点を交えての恋愛描写が非常に甘酸っぱく描かれ、同時にそうした彼女の行動に(天然も含む)に惑わされドキドキするという、同棲生活ならではのシーンも満載となっている。

一つ屋根の下で二人きりで暮らすという設定自体は割と無理のある展開ではあったが、そうしたところに目をつぶれば、二人の時間が増えていくことで、お互いの気持ちを見つめなおす切っ掛けとなり、お互いを想う気持ちが大きくなる過程がしっかりと描かれた作品といえるだろう。

後半部分のイチャラブでは、汐栞の家庭的な部分によって包容力などを感じる一方で、Hシーンによってそれまでの無垢な印象から一転、女性っぽい妖艶な雰囲気を感じるシーンもあり、そうしたギャップも含めて彼女の魅力にさらに一歩踏み込んだ作品となっている。


【推奨攻略順:なし 】
選択肢無。


CG
しっかりとした線に濃い塗の絵でイベントCGは17枚で内10枚がHCG。
光の使い方が丁寧で、1枚絵の破壊力が高く感じる。


音楽
BGM数不明、Vo曲1曲という構成。
ミュージックライブラリがなかったため、BGMに関して確認は不可能。
全体的に落ち着いたものがそろっているものの、旋律としては強めのものが多く、そのあたりに時代を感じることもあった。
Vo曲は今作をテーマにした歌詞を大島はるな(エロティック大島)が歌った『奏-Sou-』。イントロを含めたAメロも好きなのですが、その部分とつなぐBメロの盛り上げ方が非常に良く好み。



お勧め度
オーソドックスなイチャラブ同棲物。
シチュエーションに特化した作品であり、それ以外はイチャラブをメインとした典型的な作品となっている。ロープラ作品ということで、シナリオ自体は短いが反面、プレイのハードル自体は低い。
一応、学園要素を含んだ作品だが成分としては薄いことを追記しておく。


総合評価
ロープラ作品としては平均的なこの評価。


【ぶっちゃけコーナー】
癒されるというよりは、ただ汐栞がかわいいのを堪能する作品かな。

シチュエーション特化のロープラ作品ではあるが、あざらしそふとの作品ということでイチャラブシーンは非常に安定していて読みやすい。

前半部分は結構恋愛描写をしっかりと書いてくれていた印象が強いけれど、後半はHシーンの占める割合が本当に多かった。
だからあんまり語るべき内容がないのだけれど、どこに重点をもっていくかだからね…。
そもそもがイチャラブメインの作品なわけだから、そこにウェイトが言っているのは正しいと思われる。
少なくとも人気が出たのだから、続編があるのだろうしね。



タイトル : メイドさんのいる暮らし
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h弱)

キャラクター・シナリオ
家の前で倒れていた女性を介抱した主人公、その女性は「イヴ」と名乗り、メイドとして日々の生活に『癒し』を提供してくれるという――。

『家に帰ってきたらメイドが出迎えてくれる』そんなシチュエーションに特化した今作。
ヒロインとなるのは家の前に倒れていたイヴという謎の女性。
感情表現が乏しいが従順で丁寧なやわらかな物腰、そして炊事や洗濯といった家事が完ぺきにこなせることは勿論、本人も主人公に尽くすことが無上の喜びと発言するほど奉仕精神に富んでおり、主人公がどうすれば癒されるかを第一に考えて行動する。

設定こそ特殊だが展開自体は基本的にシンプルで、二人暮らしになる流れに関してはどうしても不自然さを感じるものの、総じて読みやすい内容となっている。
作中では主人公が家に帰ってきてからの描写が主な部分を占めており、一部はイヴ視点なども挿入しつつ、主人公とイヴの二人の世界を中心として物語が進んでいく。

物語の前半部分ではイヴの提供する『癒し』がメインで感じられる内容となっていて、奉仕するイヴの魅力が一番発揮されており、この作品のメインコンテンツと呼べる部分となっている。

後半では感情の乏しかったイヴの様々な表情を見られる部分となっている。
もちろん、こうした部分はある程度前半部分でも見られていたが、後半部分ではより強く感じられるようになっており、悪戯っぽい笑みや拗ねたり、怒ったり、悲しんだり…と、好意に裏打ちされた、純真無垢な振る舞い等、イヴの魅力がさらに深まる内容にもなっている。
加えて、今まで不明だったイヴについても触れられていたりと作品にとっても重要なシーンが含まれている他、終盤ではより距離が近づいた二人だからこその濃厚な蜜月が描かれていた。

【推奨攻略順 : 無 】
1つだけ選択肢があるものの、展開は変わらない。


CG
細い線で描かれ、はっきりとした鮮やかな塗の絵。
イベントCGは22枚、そのうちHCGにあたるのは約半数(Hシーン自体はは10シーン)。
あざらし特有の4:3サイズではあるものの総じて質は良く、枚数もシナリオ分量的には十二分といえるだろう。


音楽
BGM9曲、Vo曲1曲。
全体的に落ち着いた印象があるBGM、特に朝のBGMでも使われている「サニー・サイド・アップ」などは明るさの中にも安定感の中にある癒しのような部分が感じられる。
Vo曲はCooRieさんの「君と愛を知る」であり、タイトル通りの二人の愛を意識させる歌詞となっている、主人公視点ともイヴ視点ともいえるその綺麗な内容と、サビの盛り上がりが良い調和を生み出しているので是非チェックしておきたいところ。


お勧め度
家に帰ってきたらメイドさんがいる、というシチュエーションに力を入れた一点集中型の作品で、特に前半部分の癒しに関しては勿論良く、後半にはHシーン等も十分に用意されており、イヴの魅力と合わせて効果が高く、キャラクターやそうしたシチュエーションに魅力を感じた方にはお勧めしやすい。
反面ロープライスでプレイしやすいが、作りこみの甘い部分があることも確か。


総合評価
シチュエーション部分に特化はあるものの、ロープライスという事で総じての評価としては平均的でこの評価。


【ぶっちゃけコーナー】
シチュエーション特化物。
それ以外の部分には捻りを加えずストレートに描いている印象が強かったかな。
もちろん後半ではイヴの特殊な設定についてもふれられていたけど、結局はその後のシーンで絆を強く演出するために使われていたように感じる。
それ自体が悪いことではなくて、あくまで今作はそこに力を入れていたからこその表現なんだと思う。

純粋にイヴに関してはいいキャラだな、と思った。
序盤は普通に癒されるし、こんなのでHシーン大丈夫かなとおもったけど、予想以上に濃厚に書かれてた。
イヴの設定自体に関しては、逆にここまでくると「いる?」って思うシーンもあったんだけど、そうなるとやっぱり常に「イヴっていったい…」みたいに気になってしまう部分もあっただろうし、そういう意味では、中身の濃さはともかくとして必要だったんだろうな。
逆にこのテイストの作品でそこを濃く書いてしまっては、本末転倒な気がするし。
すらすらと読める程度のテキストが良いのだと思う。



タイトル : アイベヤ
ブランド : あざらしそふと


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]

(総プレイ時間 : 2.5h)

キャラクター・シナリオ
自宅のリフォームに合わせて、幼馴染の綾希の家に居候することになり、急激に距離が近くなった二人は『お試し』で恋人として付き合ってみることにしたのだが――。
明るくて誰とでも親しくなれるヒロインの綾希、そんな彼女との恋愛を描いた作品となっている。

導入部分から終盤に至るまで、基本的にテキストは読みやすく物語自体がすっきりしていることもあってサクサクプレイできる。

シナリオ自体は居候シチュエーションにありがちな脱衣所ハプニングや、同じ部屋でドキドキしながら寝たりとオーソドックスな展開が多く、特に前半部分に関してはそうしたシーンと合わせて主人公とヒロインの初々しい恋の様子が描かれている。

一方後半にかけては、学園物の定番のイベントとして学園祭が描かれていたりもするのだが、メインとなっているのはイチャラブシーンであり、特に豊富なHシーンとあわせて、ただひたすらに甘い疑似同棲のような場面も描かれている。

今作では両親(主人公とヒロイン)の設定や性格が結構変わっていたり、作中では声がないもののそれぞれの友人が多く登場したりと、サブキャラクターの登場シーンも多かった。
完全に生かし切れていたかというと疑問の残るところではあるものの、とても賑やかな雰囲気が作られており、二人だけの世界というよりは、開いた世界観を感じさせる内容となっている。

【推奨攻略順 : なし 】
選択肢無

CG
細い線に濃い塗の絵。
サイズ比が4:3と少し古めではあるものの、瑞々しさのある質感の良い絵は全体的に質も安定しており、イベントCGの枚数は17枚+差分で、そのうち10枚がHCGとなっている(Hシーン自体は7シーン)。


音楽
BGM9曲、Vo曲1曲という構成。
全体的に穏やかなBGMというのが第一印象で、数は少ないもののシナリオ自体も短いので気にはならないだろう。
個人的に評価しているのは主題歌でもあるDucaさんの「5センチ」であり、切なげなイントロ部分が特に秀逸。


お勧め度
幼馴染との恋愛を描いたオーソドックスな作品。
甘いイチャラブシーンにかんしては、さすが「あざらしそふと」ということもあって、安定しておりロープライス作品という事もあってお手軽にプレイもできる。
反面、シナリオとしては捻りがなくプレイし慣れている玄人にとってはあまり面白みがない作品でもあり、作品のコンセプト自体に惹かれないのならば、無理して手を出す必要はないだろう。


総合評価
標準的なロープライス作品であり、平均程度のこの評価に。


【ぶっちゃけコーナー】
特に語ることはない、というくらい普通の作品。
まぁ、ロープライスという特徴はあるものの、それを除けば萌えゲー・エロゲーってこんな感じですよね? っていう典型を描いた作品なのかも。
つまりは王道なわけですが、一方で平凡な作品でもありました。

シチュエーション自体は居候してどんどん親しくなって、お試しで付き合ってみて…みたいな展開で、ここに関しては本当に変化球がない。
ある意味安心してみていられるのが魅力ともいえるだろう。

一方、シナリオ内ではあえて触れなかったラストシーンについても触れておくが、もちろんこの作品の中では最も盛り上がりを見せる展開だったと思う。
ある種これを書くために、今までの話があったんだな…と思う程度には気合の入った流れでもあった。
ただこの展開自体がある程度見たことがあるものなので、新鮮味は薄い。
それ自体は悪い事ではないのだが、やはり威力としては弱かったのも事実。
まぁそこが主題の作品ではないのだけれど。



タイトル : アイコトバ
ブランド : あざらしそふと+1


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 3h)

キャラクター・シナリオ
SNSアプリ『アイコトバ』を通じて知り合った運命指数99%の相手『夜空』、ネットだけのつながりだった彼女と現実に合うため待ち合わせをしていると、待ち合わせ場所にやって来たのは7年前に生き別れた妹『卯月』だった。

7年ぶりに再会した兄妹の禁断の恋をテーマにした作品。

ロープライス作品であるため、作品の長さは短めでテキスト自体もすっきりしているため読みやすい。

物語は大きく二つ、卯月に『すぐに手を出してしまう展開』と『手を出さずに我慢する展開』に分かれている。。

前者に関しては、Hシーンなどが非常に豊富で(作中では13シーンが用意されている)ある種、肉欲の日々が描かれている。
この部分に関しては彼女の視点で描かれているシーンも多く、特に卯月に関しては二つのロールが用意されていたことが特徴的。
妹としての『卯月』と赤の他人としての『夜空』、兄である主人公と接する時にその二つの立場を巧く入れ替えることで、一線を超えるハードルを下げていた。こうした表現がヒロインとしての心理描写に深みを与えていたことは言うまでもない。
全体的にも明るく卯月の可愛さなども良く表れた内容となっているが、シナリオ的な観点からみると評価は高くない。

後者の手を出さなかった場合について。
こちらに関しても大まかな流れは共通で、差分として挙げられるのは各シーンにおいて卯月の誘惑を振り切り、プラトニックな関係を突き通すシーン等である。
この展開において最も大きくそして印象的にシナリオに差が出るのは物語終盤部分。
この部分では兄妹の禁断の恋という部分について、真正面からぶつかるからこその葛藤が描かれ、特にこの部分の主人公のモノローグは熱を感じるものとなっており、そのBGM演出と合わせて作中で最も感動的で秀逸な部分といえるだろう。

作品背景としてある二人が生き別れになっていた理由など、ある程度の部分は作中でも語られているものの、どちらかというとシチュエーション付けの要素が強く、作品の内容には余り大きく絡んでこない。
そのため作品として齟齬が出ている場面などがあったことや、この辺りをテーマにすると作品としてさらに深みが出た可能性などを考えると、若干勿体ない部分でもある。

【推奨攻略順 : END1(手を出す√) → END2 (手を出さない√)】
基本的には好きな順番で良いが、物語的には上記の順番が綺麗。


CG
艶やかさを感じる濃い塗の絵。
Hシーンがある程度メインとはなっているので、一般的イベントCGはどちらかというと少な目。
立ち絵に関してはいくつか気になる物もあったが、イベントCGに関しては全体的な完成度が高い。


音楽
BGM12曲、Vo曲1曲という構成。
yuzurino*三が歌う主題歌「アイコトバ」はイントロも良いのだが、徐々にテンポアップした後に歌い上げられるサビ部分が最も気に入っている。
この曲の良さはBGMであるピアノバージョンの「アイコトバ」で顕著に感じることができ、作中で流れた時も印象に残っている。


お勧め度
ボリュームや品質等に関しては一般的なロープライス作品であり、ことさらこれをお勧めするということはない。
しかしながら、兄妹の禁断の恋をテーマにしたシナリオという意味では短いながらまとまった良作という見方もできるため、そういう部分に興味をひかれた方や、ヒロインである卯月等に興味を持った方はお勧めしたい。


総合評価
ロープライスとしては平均的だが光るところもあり、気持ち的にはもう少し評価を挙げたかった所。


【ぶっちゃけコーナー】
正直「手を出す展開」だけならもっと低い評価だったか、もっと付け加えると「手を出さなかった展開」の終盤部分がなかったらそうなってた。
本当に短い5分10分のシーンなのだけれど、それだけで作品の印象がガラッと変わった。

あのシーンに関しては今までの流れがあるからこそ伝わってくる熱気みたいなものが文章にあったんですよね。
あとはBGMとの相性が本当に良かった。
これは何度言うんだって話だけどOPの「アイコトバ」自体がいい曲なんだけどBGMアレンジされた「アイコトバ」がすごく良い。
音楽部分の評価もこれに助けられていたかも。

ともかくとして、あのシーンを書くためのこの作品なんだろうな、と感じられるくらい良いシーンだったので、個人的にはもう少し高い評価をしても良いのだけれど、やっぱり粗が目立つ部分もあってそういった部分を鑑みるとこの評価に収まったのかも。
ロープライスということもあってどうしてもシナリオは短いけれど「禁断の恋」というテーマをブレずに描いた纏まりのある作品、というのが総括としていえる。

シナリオ部分ではあまり卯月の魅力について語れなかったので、ついでにここで。
卯月のキャラクター自体は、妹であるという事が重要なファクターではあると思うが、丁寧な言葉遣い等々、割と一般的なヒロインともいえる。
ただ、主人公に対する態度と同級生の前での態度に差があったり、シナリオ部分でも触れたが『卯月』として接する彼女と『夜空』として接する彼女にしっかりと区別がつけられていたのは好印象。
心理描写を含め、そうした部分の描写が丁寧だからこそ卯月の魅力がさらに光ることに加えて、主人公の葛藤がな鮮明に映っていた。

そういえば終盤にタイトル回収されていたけど、まぁあのあたりはさすがに言葉遊びかなぁ…って感じはする。
まぁ、主軸ではなかったからそんなもんだよね。



タイトル : シャイニーシスターズ 女装主人公アイドルプロジェクト
ブランド : ensemble


シナリオ : ★★★☆☆ [3/5]
CG   : ★★★   [3/3]
音楽   : ★★★☆☆ [3/5]
お勧め度 : ★★★☆☆ [3/5]
総合評価 : ★★★☆☆ [3/5]
(総プレイ時間 : 2h)

キャラクター・シナリオ
ensembleの歴代の女装主人公作品、通称『乙女シリーズ』。

「花と乙女に祝福を」から月丘晶子、
「乙女が紡ぐ恋のキャンバス」から深山瑞希、
「桜舞う乙女のロンド」から真原葵、
「乙女が奏でる恋のアリア」から塚原いずみ、
「乙女が彩る恋のエッセンス」から朝倉千弘、
「想いを捧げる乙女のメロディ」から雨桜みさき、
「乙女が結ぶ月夜の煌めき」から塔矢優紀、

合計7名の主人公が集結し、アイドルになるというお話。

話自体は上記を主軸とした起承転結のハッキリしたシナリオとなっている。
ある意味遊びがあまりないのだが、何しろ登場人物が全員『男』であり、それぞれ他の人を可愛い『女の子』だと思い込んでいるところにこの作品の面白さの神髄があると言える。

アイドルを目指して、お互いを励まし合いつつ切磋琢磨し、時には合宿などをして挫折したり、ハプニングが発生したり、と短いシナリオの中でイベントが結構詰まっている。
各キャラクターの出身や性質を活かした配役を用意しているところなどは、今までの作品をプレイしていた人ならうれしく感じるところではないだろうか。

また作中では上記キャラクターだけではなく、声優繋がりで各作品から一部キャラクターも登場しており、作中では中の人ネタなども披露されているところは、こういった作品ならではの演出といえるだろう。

【推奨攻略順 : 選択肢無 】


CG
イベントCGは17種類+差分で、全体に丸みを感じる。
歴代の作品の立ち絵なども含まれているため、違和感はどうしてもあるものの及第点。
また今回メインとなっているキャラクターについては新規立ち絵も用意されている。


音楽
BGM16曲、Vo曲1曲という構成。
新規で書き下ろされたBGMがあるかは不明、少なくとも一部は過去作からの使い回りだと思われる。
やはり一番推したいのは、テーマ曲となっている「shinin'Stars!!」。
コーラスなども綺麗で作品のテーマもあってアイドルっぽい明るい曲調のものとなっているのだが、参加している歌手(声優)などのバックボーンも凄まじい。


お勧め度
今までにも似たような作品はあったが、今回は今までの作品の女装系主人公全員が集結した作品なので、、ensembleの対象の作品やっていないと楽しめない作品。
7作品ほど(FDを含めるとさらに増えるが…)あるうち、1作でも欠かすと理解できない部分があるという点で、お勧め度は高くない。
ただ、過半数以上をプレイしているならある程度は楽しめるし、内容に関しても趣旨がはっきりしているので落胆はないだろう。


総合評価
FDに当たる作品なので評価は難しいが、想定以上でも以下でもないのでこの評価。


【ぶっちゃけコーナー】
『乙女シリーズ』を完璧にプレイしている人がどれくらいいるか…という作品。
個人的には1作を除いて(※当方「花と乙女に祝福を」は未プレイ)プレイしているが、その程度なら割と楽しめた作品といえる。

テキスト的には安定していたし、何より「男なのにアイドルを目指すの!?」という、戸惑いを描くという、趣旨がはっきりしていて、読みやすい。
登場キャラクターが多いから、どうしても把握するのは疲れるけど、それぞれ特色あるキャラだから、それを活かした行動とかが出ていたのも面白かったのかも。
あと、結構真面目に悩むシーンがあったり、それをフォローし合うシーンがあったりと、普通の作品みたいなところもあった。
ただ、そういうシーンを見ていて「あ、これ皆男なんだよな!」って我に返る瞬間があって、また面白い。
こういう楽しみ方が一般的なのかはわからないけど、個人的にはそういう意味で楽しめた。
まぁ、あくまでファンディスクレベルって感じではある。